機材

ノートPC復活作戦

★望遠鏡制御用のノートPCが・・・
 先日来、電源を切るたびCMOSが飛ぶという悲惨な状況でして、観測のたびにBIOS立ち上げて日付を設定しないといけないという、なんともマヌケなことに。このノートPC、ONKYO製の「MX1007A4」というレアな機種でして、残念ながら、全くと言って良いほど「情報」がありません。こうなると「手探り」でなんとかするしかありません。CPUは旧式のATOMですし、メモリはオンボードの1GBで増設不可ですし、非常にのんびりした動作をするPCですが、他にはない特長があります。それは、なんと!(公称で)内蔵バッテリーが14.5時間も持つのです。まさに天体観測にはうってつけ♪
・・・それなのに・・・(泣)

★推測される原因は・・・
たぶん、内部にコイン電池が入っていて、それが寿命になったのではないかと勝手に予測。さっそくバラしてみることにしました。


<お約束>
本作業は、ジャンク同様になった自前のPCを、あぷらなーと が 個人の責任で解体した『遊び』ですので、真似しないようにご注意ください。
メーカー保証が無くなるのはもちろんのこと、最悪の場合、本体破損や感電事故などを起こす恐れがあります。



★まずは裏側のネジを外します。

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★ここからが問題です
たいていノートPCの場合は裏面のネジを外しただけでは『開腹』できなくて、なんらかの方法で表面のキーボードを外す必要があることが多いものです。
ただし、問題はどうやってキーボードを外すかです。
眼を皿のようにして注視してみると・・・・あ!なんかディスプレイのヒンジ部分になんかそれらしい隙間が・・・・

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ドライバーを3本使って少しずつ「コネコネ」してみると、なんと、こんなところが外れました。
早速、キーボードを剥がしにかかります。

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なにやら、中が『粘着』されていたようで苦戦しましたが、キーボードが外れました。
ここまで来ると、俄然やる気が出てきます。たぶん、次は上面のシャーシのネジがあって外せるはず。

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どんどん外していきます。
・・・・が!
ここで問題発生。あらゆるネジは外したはずなのに『開腹』できません。
・・・・隠しネジか?・・・しばし悩むこと数分。

・・・ん?なんだ?このピラピラしたビニールテープは?

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ビニールテープをペリペリ剥がすと、ありました。『最後のネジ』が♪
『開腹』成功です。
さて、今度は断線に気をつけつつ、どんどんケーブルを引っこ抜いていきます。

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コネクタをカコンとやるとロックが外れるのも「お約束」ですねぇ。
お?ケーブルに青い『ベロ』がついてるのは親切だなあ。楽ちん楽ちん。

★果たして、予想は的中したのか?!

ドキドキしながら内部を見てみると・・・

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ああ!・・・やっぱり!
コイン電池だ!!
むう。こいつが犯人だな・・・。
だが、まてよ?
あれ?・・・ソケットがなくてリード線が電池に直接生えてる!!
一瞬絶句しましたが、とりあえず、リード線ごと電池を剥がします。ちなみにこの電池は両面テープで貼り付けてあるだけでした。
・・・使い捨て感覚かあ・・・なんか色々と残念・・・。

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★amazonって素敵!
まさか、コイン電池に直接半田付けするわけにはいきませんので(非常に危険です)ダメ元で検索してみたら
おお!あるじゃないですか!「タブ付き電池」なるものが!!

ほお、スーパーファミコン用の補修部品を小分けしてくれる業者さんが居るとな?!
田舎暮らしの身としては、レアな部品でもポチッと一発発注できるのはありがたいですねぇ。

大昔、海外の某観測所(標高5000m超級の山頂にある、孤高の天文台みたいな所)に詰めていたときに(おそらく落雷のサージで)制御基盤がイカれたことがありました。犯人と思われるICは判明したものの、補修ストックのなかに該当仕様のものが皆無だったので、下山してから日本にいる『ボス』に助けを求めると「なんとか現地調達せよ」との指令。(現地って・・・周りにはアルパカとリャマしかおらんやん・・・)などと半狂乱になりながら別な実験用だったジャンク装置の基盤を片っ端から引っ張り出して似た仕様のICを引っぺがしては使えるかテストを繰り返して、酸欠の中、半泣きで修理してたことを思い出しました。・・・・おぞましい・・・いえ、懐かしい、です。はい。

それに比べて、なんと幸せな環境でしょう♪
早速ポチることにして、いったん作業を休止します。

★数日後・・・

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来ました!タブ付き電池♪
ほんとだ、『脚』が生えてる~。
ショートが心配だった周囲もちゃんと絶縁フィルムで巻かれてる。
これなら、半田付け楽勝っぽいです。素敵!

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早速、リード線を半田付けします。

それと、別にポチった記憶はない(?)ですが、こんなものが届いたので(汗)

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丸ごとクローニングして、元のHDDと換装しましょう♪

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電池もSSDも、バッチリ収まりました。

あとは、慎重に分解した手順を逆にたどって・・・・

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・・・復活っ!!

読み通り、CMOSもデータが保持されるようになったし、駆動音も静かで動作が滑らかになりました。
ノートPCをバラしたのは数年ぶりでしたが、完全なる勝利です!!

★・・・・・・と思ったら・・・・・

ん?
なんだこりゃ??

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なんか、
ネジ3本あまったwwww

ま、「あるある」ですね。
見なかったことにします♪


Commented by Shio-G at 2016-05-26 23:18 x
>大昔、海外の某観測所(標高5000m超級の山頂にある、孤高の天文台みたいな所)に詰めていたと

過去のエピソード面白おかしく読まさせていただきました!
私のような事務屋からみると、とてもロマンあふれるように見えますが実際は非常に過酷なんでしょうね。
登山も好きですが、3000m超えると頭が痛くなります、5000mは想像を絶します。

ICのテストお疲れ様でした。簡単なロジックICならば何とか代用品が見つかりそうな気がしますが、
観測所の制御機器だと高度なICが使われていそうで大変そうです。
Commented by supernova1987a at 2016-05-31 06:10
> Shio-Gさん

私が大学院生だった頃のエピソードです。ちなみに故障したICは「カウンタ」でした。フォトマル(光電子増倍管)に入射した宇宙線(宇宙から飛んでくる放射線)の強度を測る重要な部品でした。

当時はまだ「宇宙物理学者」になる気満々だったので張り切ってたのですが、海外での研究はキツかったです。治安の悪さ・空気の薄さ・食事のまずさ・放射線被爆・言葉の壁・・・・と思いの外大変でして、3ヶ月で15kg痩せて、なおかつ髪の毛がごっそり抜け落ちました(笑)。おかげで(?)今は平穏無事にサラリーマンしています♪
Commented by Te Kure at 2018-07-06 13:50 x
そうでしたか・・
そんな時代もあったのですね・・

迂闊にものは言えませんね〜 💦
Commented by supernova1987a at 2018-07-06 17:54
> Te Kureさん

ははは。地方大学から低予算で派遣された学生の宿命でしょうかね。
非常用の銃とかも配備されてましたが、まさに研究とは命がけだと思い知りましたよー(笑)。
でも、良い経験でした。(二度と行こうとは思いませんが・・・ねぇ)。そうそう、私、標高4000m超級の高所で長粒米を炊かせたら日本一ですよ。ビックリするほど旨い飯を炊く技を開発しました♪
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by supernova1987a | 2016-05-23 10:16 | 機材 | Comments(4)

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