天体写真

なめらかなオリオンはいかが?

★AutoStakkert!2のおかげで
一度はゴミ箱行きかと思われたオリオン座大星雲M42の5秒露光×200コマのデータが蘇ったのがうれしくて、せっかくなので元々正しくFITSで保存されていた10秒露光のコマ×100コマと合わせて真面目に画像処理してみることにしました。せっかくの休日前夜なのに雨がザーザー降ってるので、現実逃避♪

今回の方針は
 ①トラペジウム近辺をサチらせない
 ②できるだけ周辺部も拾い上げる
 ③荒れない程度に「もくもく感」を出す
です。

<撮影データは>
VMC260L+レデューサVMC+LPS-P2フィルタ (1860mmF7.1 相当)
ASI1600MC-COOL 冷却温度-12℃前後 ゲイン400
K-ASTEC改造Newアトラクスでノータッチガイド
露光5秒×200コマのうち良像100コマ
露光10秒×100コマ
といったところです。

★10秒露光1コマをレタッチすると
なめらかなオリオンはいかが?_f0346040_06584324.jpg
RAW画像をステライメージでデモザイク+ソフトウェアビニング+デジタル現像+Lab色彩調整+レベル調整しただけです。
いや、たったの10秒でこれだけ写っちゃうASI1600MC-COOL恐るべしなのですが、中心部はサチってますし、全体的にボロボロに荒れてます。

<下ごしらえ>
 A群:露光5秒で(誤って)動画保存しちゃったSERファイルを
    AutoStakkert!2でスタック+ステライメージで加工(ダーク減算なし)
 B群:露光10秒のFITSファイルを
    ステライメージで100コマコンポジット+調整(ダーク減算あり)

<本処理>
 ①ステライメージでA群とB群を加算コンポジット
 ②ステライメージでレベル調整+デジタル現像+Lab色彩調整
 ③ステライメージでL画像とRGB画像に分解
 ④ステライメージでL画像について最大エントロピー画像復元+トーン修正
 ⑤ステライメージでLRGB最合成→16ビットTIFF保存
 ⑥シルキーピクスでホワイトバランス+テイスト調整
 ⑦シルキーピクスでノイズ整列処理
 ⑧シルキーピクスで軽くHDR処理
 ⑨シルキーピクスでテイスト調整など微調整→TIFF保存
 ⑩ステライメージで周辺減光補正
 ⑪ステライメージでバックグラウンドスムーズ処理
 ⑫ステライメージでスターシャープ処理
 ⑬GIMP2で微調整
といったところです。


★悪戦苦闘の末・・・

さて、果たしてややこしい画像処理の結果、どうなりますでしょうか?

・・・ででん!
なめらかなオリオンはいかが?_f0346040_07202402.jpeg
おお、これなら自己ベストのM42と言えそうです。
複雑なモクモク構造がたまりません♪

ああ、疲れた。
気が済んだので、少し寝ます(笑)。


Commented by にゃあ at 2016-10-17 23:45 x
silky を使ったから実現したわけではないでしょうが、シルキーな作品ですね!私の専らの課題は、画像のザラザラ感をなくすことなので、おおいに参考にさせていただきます!
Commented by supernova1987a at 2016-10-17 23:53
> にゃあさん
天体写真にシルキーピクスを使っている人はほとんど居ないのではないかと思いますが、ノイズの低減処理とフィルムテイスト処理とHDRに関しては結構使える印象です。
ただし、ノイズ低減処理は結構あからさまに効くので控えめにしないと「シルキー」どころか「ベタベタ塗り絵」状態になっちゃいます。
近年では(ニコンを含め)デジカメメーカー純正の現像ソフトがシルキーピクスベースで作られていることが多いので、元々デジカメでの処理には長けている印象です。ちなみにFITSは読めませんので、冷却CMOSカメラの場合、あくまで「味付け」程度にしか使えませんが。
Commented by にゃあ at 2016-10-18 01:02 x
あぷらなーとさん、ありがとうございます! Silkyをインストールしてみました。同じ画像処理ソフトでも、いろんな哲学を感じますね。「やや軟調」とか「記憶色」という直感的なコマンドは面白いです。バッチ処理に力を入れていることはよく分かりましたし(このあたりLightroomと競合?)、肌色に特化した機能をつけているあたりは、全く天体を意識していないということがよく分かりました(笑)それでも、黒レベルツールやグレーバランスツールの使い方は、ステラのオートストレッチに近い機能を感じます。30日間、ちょっと遊んでみます〜
Commented by supernova1987a at 2016-10-18 02:16
> にゃあさん
ニコンのキャプチャーNXDと見た目そっくりなのですが、残念ながら「アストロノイズリダクション」がシルキーには付いていないのが残念。ともあれ、風景やマクロなどの一般撮影においては直感的な画像処理ができるのでとても重宝します。(シャープ処理も一般撮影にはそうとう有用ですよ♪)本音を言えば、私も「いつかはフォトショとライトルーム♪」なのですが、イマイチ踏み切れていません(笑)。ぜひ30日間、遊び倒してみてください。
Commented by けむけむ at 2016-10-18 02:42 x
さすがのすべすべ感!
すっごい立体感で3Dぢゃsね?的な写真ですねぇ~
SERを使った多重露光やってみたい気分アゲアゲです (^o^)
Commented by supernova1987a at 2016-10-18 03:12
> けむけむさん
実はスベスベにしすぎて、ちと像が甘くなったのですが、そこは突っ込みなしでお願いします。当日は風があった上にシーイングボロボロだったので、何で撮っても無理だったかもしれません。いずれ条件が良い日に、スベスベかつキンキンにシャープってのを狙ってみたいものです。
さて、けむけむさんもSER動画での惑星状星雲スタック作戦いよいよ発動ですね。期待していますよ~♪
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by supernova1987a | 2016-10-17 07:26 | 天体写真 | Comments(6)

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