天体写真

ビームスプリッタで大赤斑を撮る

★久々に晴れたので・・・

お仕事が立て込んでいた日曜日だったのですが、良い天気だったので帰宅後すぐにニワトリ開始することに。
空はどんよりしていて北極星が目視できない状態でしたが、なんとなくシーイングが良さそう♪

早速、VMC260Lにビームスプリット装置を装着して、ASI1600MC-COOLとMM-COOLの同時露光で木星を狙うことにしました。

今回は、ビームスプリッターにADC(大気差補正装置)とIR/UVカットフィルタとショートエクステンダーメタルを加えて撮影してみます。


★SERファイルの1コマキャプチャ
ビームスプリッタで大赤斑を撮る_f0346040_09121856.jpg
 ※左:MCの1コマキャプチャ 右:MMの1コマキャプチャ
  (MCはビームスプリッタの影響で鏡像になっています。)

最近ご無沙汰していた大赤班がちょうど良いところにありました。
しかも、画像処理前の動画を再生しただけでも、いつもよりもシーイングが良いことがうかがえます。
さっそくAutoStackert!2で1000コマスタックしてみます。

★MCとMMで同時露光した各1000コマのスタック
ビームスプリッタで大赤斑を撮る_f0346040_09162484.jpg
 ※左:MCの1000コマスタック 右:MMの1000コマスタック
  (MCは左右反転処理しました。)

ぐっと滑らかになり色んな模様が見えてきました♪
では、レジスタックスに回してウェーブレット処理してみましょう。
これは期待できそうで、ワクワクします。


★MCとMMのウェーブレット処理画像
ビームスプリッタで大赤斑を撮る_f0346040_09190808.jpg
 ※左:MC 右:MM
 
おお。細かい模様がウジャウジャ現れてきましたよ。
良い感じです♪
若干ですがMMの方がシャープに見えますが、それほど差はありません。
いつもよりはシーイングが良いとはいえ、木星像はユラユラしていましたのでベイヤー処理の弊害が見えにくいのでしょうね。


★LRGB合成して仕上げます

ビームスプリッタで大赤斑を撮る_f0346040_09215958.jpg
 ※左:MC単独 右:MMのL画像とMCのRGB画像のLRGB合成

大きな差では無いですが、明らかにLRGB合成した画像の方が解像感が高いですね♪


★シルキーピクスで微調整して完成
ビームスプリッタで大赤斑を撮る_f0346040_09241028.jpg
うむ。
一応自己ベストの木星像ですなぁ。
ベテランの方の解像度には及びませんが、ここまでくると、あとはシーイングの問題ですね。


★気にすべきかどうか微妙ですが

そういえば、素のVMCもビームスプリット装置込のVMCも、一体どれくらいシャープなのかは検証したことがありませんでした。
機会があれば『検証ごっこ』してみたいのですが、あいにくフーコーテスターもロンキーテスターも持ってないので、もしやるとすればハルトマンテストか焦点内外像テストくらいしか思いつきません。

というわけで、撤収前に焦点内外像を(テキトーに)撮影してみました。

ビームスプリッタで大赤斑を撮る_f0346040_09405657.jpg
 すみません。どっちが焦点内像でどっちが焦点外像か忘れてしまいましたが、とにかく「非対称」であることだけはハッキリと分かりました。
ちなみに、この像はADCやらビームスプリッタやらエクステンダーやらが途中に入ってきている状態(要するに、上記の木星を撮影した条件)で撮影したので、複合的に収差が出ているんだと思いますが、はあー。『ダメな望遠鏡の見本』にような非対称性ですねぇ。
さらに奇妙なことには、たいていの『ダメ望遠鏡』は、回折リングの間隔が「徐々に」広がっていくか「徐々に」狭まっていくかのどちらかだと思っていたのですが、なんかある一定の輪体に達すると急激に悪くなっているような感じで「気色悪い」。
 でも、ある程度のレベルまでは惑星も写せるし、望遠鏡の収差よりも小さなシーイングには出会ったことが無いことだし、ま、いっかー。
あ、そうだ!
「内外像ともに「同心円」にはなってるので、光軸がバッチリ合っていることが確かめらた」
ということにしておこう(笑)。

(『超絶良シーイング』に遭遇したときに「泣きを見そう」な気がしないでもないけれど・・・・・。)

 あの・・・み、皆さんの望遠鏡って、焦点内外像がちゃんと「対称」になってます???

<補足>
カメラのレンズなら、上記の写真のうち左の状態が「二線ボケ」で右の状態が「芯のある柔らかなボケ」ということになって、前ボケか後ボケのどちらが良好という点で『個性(味)』として評価されますが、望遠鏡の場合は「ボケ味」は評価対象外なので内外像が完全に一致するのが理想(球面収差が無い)ですよねぇ・・・。

<参考>
ニコンの60mmマクロはボケ傾向が真逆となる2機種↓が併売されていて「好みで選べたり」しますが、ねぇ・・・・


Commented by kem2017 at 2017-05-22 17:25
> あの・・・み、皆さんの望遠鏡って、焦点内外像がちゃんと「対称」になってます???
GS-200RC、すごくキモチ悪いので、コレを確認したいのですが、全面雲ですねぇ...
もちょっと家が豪邸だったら、人工星って手もあるのでしょうが...
Commented by にゃあ at 2017-05-22 17:46 x
焦点内外像って、どこで言葉を区切ればいいのやらってところから始まりますです(@@;)まずはググりますググります!
Commented by らっぱ at 2017-05-22 18:50 x
>焦点内外像がちゃんと「対称」になってます??

なっている訳ないじゃないですか(T_T)・・・でもいいんだもーーーんもんくまモンモン(^^;)

あぷらなーとさんの「木星の写り」私から見たらすげーっとしか言いようが無いです、なんかけむけむさんもやってるし「ポチッ」に走りそう・・・グッと我慢(^^;)
Commented by にゃあ at 2017-05-23 09:07 x
何気に読み過ごしたのですが、スプリッタとかミラーを経由すると鏡像になるわけですよね。危なくコンポジットで罠にかかるところでした。ありがとうございます。25cm6000mm相当ですか?木星迫力ありますね!
Commented by supernova1987a at 2017-05-24 00:23
> kem2017さん

ブログ拝見しました。ピント合わせの様子が記録された動画を処理すれば、色々と見えてきそうですね。しかし、リッチークレチアンの光軸合わせって難しそうですね。
Commented by supernova1987a at 2017-05-24 00:32
> にゃあさん

焦点内外像は特別な装置無しで望遠鏡の状態がチェック出来るのでお手軽です。もちろん、コレが変でも実際に良く見えていれば気にする必要が無いのでしょうけれど。

スプリッターの鏡像、戻すのをたまに忘れてコンポジットして、「ギャー」ってなるときがあります。撮影後も油断できませんね♪
Commented by supernova1987a at 2017-05-24 00:39
> らっぱさん

はい。ちゃんと写ればテスト結果など関係ないです。
私は小心者なので気になって仕方ないんですが、実際光学系の差が効いてくるほどの好条件って月に何日あるんでしょうね?

中学生の頃買って以来「一度も」シャープに見えたことがないアルテア15なら、流石に差がでそうですが、それもスタッキング+ウェーブレットしてしまうとどうなることだか??
Commented by supernova1987a at 2017-05-24 00:49
> にゃあさん

先ほど書き忘れました。
3000mmのVMC260Lに1.4倍のエクステンダーをかました上に、1280×1024でROIをかけたフォーサーズですから、フルサイズのフィルムカメラ換算なら、およそ3万mmの超望遠ってところでしょうか。大きく写るわけです。
眼視なら、さしずめ600倍の望遠鏡で眺めてる印象ですかねぇ。
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by supernova1987a | 2017-05-22 09:53 | 天体写真 | Comments(8)

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