あぷらなーと


あぷらなーとの写真ブログ
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あぷらなーと
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2017年 03月 13日 ( 1 )

~無謀なる挑戦~珍パーツ自作ごっこ

<ご注意>
複数回更新する時間的余裕が無いため、「出し惜しみ」せず一気に書きます。
個人的には、たぶん「おもしろい」ネタだと思うのですが、ヘビのように長い記事なので、お暇なときにご覧くださいませ♪


★やっぱり今回の休日も天体観測できず

月も大きくなってきたことだし、とりあえず年度末を越さないと天体観測できませんねぇ。
ま、こればかりは仕方ありません。


★水面下で進んでいたマル秘プロジェクト

というわけで、まさかの発動です♪
え?
「天体観測できてないんだからナローバンドとかは無しでしょ?」
「ツインBORGも天体以外には(パララックスがあるので)無理でしょ?」
「まさか、新機材??」
いやいや、まずはこの写真見てくださいな。

★なんぞコレ!?
f0346040_20480935.jpg
レンズ用シルボン紙に何重にも巻かれて、謎の物体が届きました。
とりあえず、「ガラス」ですねぇ。

・・・・で、
f0346040_20505513.jpg
こんな「アヤシげな」パーツも・・・・。

ええと最初に断っておきますが、これ望遠鏡メーカーのパーツじゃないです(※)。
大学などの研究機関御用達と思われる某研究機材メーカーさんなんですが、
この手のブツは、法人相手か、ある程度の個数が見込めないと売ってくれないメーカーが多い中、「個人」でしかも「1個だけ」の発注を受けてくれました。
本当にありがたいことです!
(※厳密には、昔「アストロスキャン」っていう「壺みたいな形」の天体望遠鏡を発売してたように思いますが・・・)


★2つのパーツを組み合わせると・・・

f0346040_20582060.jpg
まずは、フレームに『謎のガラス体』をセットして・・・・

f0346040_20591005.jpg
がたつき防止のクッション材を入れてふたを閉めますと・・・・。

f0346040_21000830.jpg
おお、なかなか格好良くなってきましたよ♪


★かくして・その正体は

はい。
光学実験用の「ビームスプリッター」でした。
レーザー実験とかで光を2分割する時に使うヤツですね。

ちなみに、今回の「無謀なる挑戦」には「ペリクル型のビームスプリッター」が最適だろうというのは承知してるんですが、いかんせん膜が薄すぎてブロアーを強く吹きかけただけで破れそうなのでパス。そもそもペリクルはとても高価ですしね。
反面、もっとも安く、扱いも楽そうなのは「プレート型ビームスプリッター」なのですが、たぶん、原理的にすんごいゴーストが発生しそう。(ボヤッと写るタイプのゴーストでは無く、恐らく昔のテレビで良くあった二重写しみたいなゴースト

・・・というわけで、古典的な「キューブ型ビームスプリッター」に決めました。
偏光特性が無く、光量分割比率が50:50のタイプです。
透過する保証波長は400~700nm。いわゆる可視光タイプですね。
ちなみに、面精度は1/4λ、偏角精度3分、単層コーティング仕様とのこと。


★ここで一息入れて、迷光チェック

そもそも単層コーティングですしコバ塗りもされてない「素の」ビームスプリッタです。
しかも不使用面も研磨されているので、迷光まみれとなるのは想定の範囲内・・・。
実際に覗いていてみると・・・

f0346040_21145965.jpg
ああ、やっぱり!
ちなみに、左右に淡く広がる光は、非研磨面をコバ塗りすれば回避されそう。
上下に明瞭に写る光はちと難敵そうです・・・が、ここは気にせず先に進めます。



★密かに買いそろえていた秘蔵パーツを組み合わせると

ここで色んなパーツが日の目をみることになります。
死蔵していた各種パーツをフル動員すると・・・・

・・・ででん!
f0346040_21181327.jpg
どうです?
このメカメカしさ!
用途が不明でも、「スゴそうに」は見えますね♪

f0346040_21193968.jpg
三脚用のねじ穴も、光路長調整用のヘリコイドも、写野回転用のローテーターも装備して、まさに『全部入り』状態です!

ちなみに、途中で遮光環の役割をするアダプタを入れているので、先述の迷光も

f0346040_21263327.jpg
ここまで改善されました♪



★・・・で、肝心の使用用途は??

構想6ヶ月、パーツ集めに3ヶ月かかりましたが、ついに完成です。

その名も

「LRGB同時撮影型ビームスプリット望遠鏡」っ!!

f0346040_21281513.jpg
はい。
対物レンズからの光を50%ずつに分割して、
ASI1600MM-COOLとASI1600MC-COOLを
同時露光できちゃうっていうアイディアです。

ネットでググる限りでは、他に(こんな馬鹿馬鹿しい試みは)類を見ませんので、『一番乗り』かもしれません♪

f0346040_21314597.jpg
こんな感じで2個のカメラが接続されています。
直交部分はヘリコイドで同焦点に調整できるように工夫してあります。
スプリッタの直径も40mmあるのでマイクロフォーサーズを使う限りはケラレも心配ないでしょう。



★ターゲットスコープオープン!

あ、ごめんなさい。実は私「ヤマト」のファンなもので・・・。

「光学クロスゲージ、明度7っ!」

f0346040_21365904.jpg
(そういや、どうしてヤマトの電影クロスゲージの明度はいつも「20」なんでしょうねぇ?)

・・・ともかく、ターゲットは軸線に乗りましたので(笑)
実際にトリガーしてみましょう!



★SharpCap並列駆動!

f0346040_21390139.jpg

いつぞや「ツインBORG構想」で見つけた裏技「SharpCapの二重起動」です。

おお!
さすがは物理実験用のパーツ。
スケアリング調整が精密なのでしょう。視野がドンピシャで一致しますねぇ。


★ファーストライトっ!!

f0346040_21420077.jpg
左がMMのモノクロ画像、右がMCのカラー画像です。
ゲインはどちらも「鉄板の」139。
露光は(感度が低い)MCの方にMMの倍をかけてます。


★ピクセル等倍では・・・

f0346040_21440687.jpg
ピクセル等倍だとこんな感じです。(左がMM、右がMC)
ツインBORGの時も感じましたが、やはりMMはMCよりも圧倒的にシャープですね。


★早速、L-RGB合成してみる!

はやる気持ちを抑え、慎重にL-RGB合成をしてみます。

コンポジット時の調整量で今回の『珍パーツ』のセンタリング精度が分かりますね。
どれどれ、
回転ずれは約1.5度
これは、目分量で合わせたにしては良い値。そもそも撮影時にいくらでも追い込めます。

次に・・・ええと、
平行ずれは約170ピクセルですなぁ。
170ピクセルと聞くとズレまくりのように聞こえますが、
ASI1600の対角ピクセル数は約5837ピクセルなので、
センタリング誤差としては約2.9%となりますから、悪くないです。

f0346040_21552027.jpg
左がMMをL画像、MCをRGB画像として、LRGB合成したもの。
右はMCの素画像です。
拡大すると、左の方が格段にシャープであることが分かりますね。


★ツバキの花でも試してみる

風で揺れたりするので、同時撮影とは言え(転送タイミングのズレが生じるので)LRGB合成が難しいのですが、ツバキの花を試写してみました。

f0346040_00085132.jpg
左がMMのLとMCのRGBを合成したもの
右は素のMCです。
これだと差が分からないので、300%に拡大すると・・・

f0346040_00095716.jpg
やはり、(左の)MM+MCのLRGBが圧倒的にシャープですね。
ちなみにこれは、以前書いたとおりベイヤー素子のデモザイクに伴うボケが主要因です。
ただし、よく見ると左の方は(デモザイク処理でノイズがボケない分)ザラザラしたノイズが目立つことが分かります。
でもたぶん、こっちの方が「本来」の解像度なのでしょうね。

・・・・というわけで、

「前人未踏の?珍パーツ自作ごっこ」
第一幕は「大成功」っ!

めでたい♪

・・・さらに、直交部分に接続したCMOSカメラをオートガイダーに転用すると、
「オフアキシスガイダー」ならぬ「オンアキシスガイダー」になりますなぁ。
撮影カメラの全写野からガイド星を選択できるっていう。
なんかソニーデジカメのトランスルーセントシステムみたいで面白そう♪


<お約束>
前例が見当たらない無謀なチャレンジなので、興味のある皆様方も真似せず、まずはご静観ください。
原理的に、この手法には多大な弱点があります。

★弱点その①
そもそも光量が1/2になってます。
それなら、フリップミラーとかで切り替えれば(露光時間が1/2で済むので)実稼働時間は同じです。

★弱点その②
たぶん、盛大にゴーストが出ると予想されます
キューブ型ビームスプリッタは構造上、対物レンズ側の面とカメラ側の面が平行ですので、回避しようがありません。

★弱点その③
原理上、40mmもの厚さのガラスを通過しますので、(そもそもが平行光線であるレーザー実験とは異なり)収束光を入射させる直焦点撮影では、周辺部を通過する光の焦点が後ろにズレます。要するに光路長一定の原理が満たせないので、負の球面収差が発生します。
理論上は、フルコレクション型(完全補正型)の対物レンズに用いてもオーバーコレクション(過補正)気味になるということですね。
早い話が、解像度が低下します。
※どれほど悪化するかは、レイトレーシング(光線追跡)してみないと何とも言えませんが、平行ガラス体を用いたレイトレーシングはやったことがないので、その内コードを書いて「考察ごっこ」してみます。

★弱点その④
このビームスプリッターは材質として、最も一般的なクラウンガラスであるBK7を用いています。
したがって、反射系の望遠鏡であっても軸上色収差が発生します。
早い話が、色にじみが出ます

★弱点その⑤
そこそこの精度を求めようとしたため、非常に高価です。
コスパは良くありません
鏡筒をもう1本買い足して「ツイン化」した方が安上がりなケースが多いと思われます。
むろん、VMC260Lがもう1本買えるほどではありませんが、一般的な20cmクラスのカセグレン系なら・・・・。

以上より、『酔狂な方』以外は真似しないことを強くオススメいたします(笑)

by supernova1987a | 2017-03-13 22:35 | Comments(8)


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