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突発的なホットノイズって何なんだろう??

★『クールファイル』やらフラット補正やら・・・

最近、色々と天体写真の下ごしらえを勉強中ですが、ダーク減算用のダークフレームを処理していたとき、ふと思いました。
・・・突発的なノイズの中には、結構明るいヤツがあるよなぁ・・・。
これ、何なんでしょ?

巷では、宇宙線が撮像素子をヒットしたものが多数含まれているというウワサ
大学院生時代に「一次宇宙線のエナジースペクトル解析」が専門だった身としては興味津々。



★観測装置はないけれど、少し遊んでみた

宇宙線とは、「宇宙から飛来する高エネルギーの放射線の総称」です。カミオカンデでお馴染みのニュートリノとか、バーストした天体から飛んでくるガンマ線とかが有名ですね。もっとも、地球に飛来した高エネルギーの宇宙線は地球大気とインタラクション(相互作用)して、二次粒子に変化しますので、イメージとしては地表に到達する宇宙線は、『宇宙線本体のカケラ』とか破壊された『大気原子の破片』がごっちゃになって飛んできているものです。地表に降ってきている宇宙線の大半は、ミューオン(μ粒子)とエレクトロン(電子)とポジトロン(陽電子)の混成だと思われます

ちなみに、研究していたころは標高5000m超の高山のてっぺんに有効面積が1~4平米のシンチレーションディテクタを多数展開して、空気シャワー現象(大気内で無数に増殖した荷電粒子がシャワーのように飛んでくる現象)を観測していました。例えるならば、「1画素の大きさが1~2mくらいある数十画素のデジカメ」といったところでしょうか。

アマチュア用のCCDセンサーとかCMOSセンサーとかは学生時代になかった装置なので、完全に専門外です。確かに、フォトマル(光電子増倍管)を使ったシンチレーションディテクタのデータ解析の際に、プラスチックシンチレータ(望遠鏡の主鏡のような役割)にヒットせずにフォトマル(望遠鏡の副鏡の位置にあるようなもの)を直接ヒットする粒子があって、その影響を排除するのに苦慮した思い出があります。これと同じようなことがデジカメでも起こっているんでしょうが、よく分かりません。

・・・で、ちょうどD5000用のダークファイルを作り直そうかと思っていたところなので、ついでに遊んでみました

f0346040_02525803.jpg
レンズ無しのD5000を3台縦に連結して、真上を向けて15秒露光を延々繰り返すという『遊び』。
はい。「なんちゃって積層ディテクター」ですな(笑)。
さすがに三層通過できる立体角はわずかなので、なかなかヒットしないでしょうが、二層くらい貫通する粒子が捉えられても不思議はないかも??

※注:すんません。遊びなので、なんにも計算してません。



★ダークを引いても残る輝点例

D5000を三連結した『なんちゃって積層ディテクター』の第一層目で捉えられた「不自然な輝点」の例がこれです。

f0346040_03032817.jpg
※D5000IR改造 ISO1600 15秒露光 長秒時ノイズリダクションあり RAW 強トリミング  レベル調整


撮影時に長秒時ノイズリダクション(1枚撮影するごとにダークを取得して減算する機能)を掛けていますのでほとんどダークノイズは消えています。
そんな中、画像をよく見ると数コマに1個程度の割合で強い輝点が写っていました。もちろん、1枚ごとにその位置は異なります。

さて、今度は15秒露光をした画像100コマを比較明コンポジットしてみましょう。
すると・・・・

f0346040_03094416.jpg
こんな感じで、結構ウジャウジャ写っちゃうものなのですねぇ。あらためてビックリ。



★二層貫通した例??

そんな中、3台のD5000の画像を丹念に調べてみて1例だけ「二層貫通したのかも??」と思われる事象が見つかりました。

f0346040_03123417.jpeg
左が一層目のD5000に写った輝点で、右が二層目のD5000に写った輝点です。三層目のD5000には何も写っていませんでした。それぞれヒット箇所が500ピクセルほどズレているので、これが斜めに入射した粒子だとすると、ちょうど三層目に到達したところで撮像チップ外に外れたことになり、つじつまが合うと言えないこともありません(笑)。


※注:いわゆるコインシデンスタイム(同期時間幅)が15秒もあるので、全くあてにはなりませんよ(念のため)



★ともかく・・・

今回の『遊び』で、ランダム発生しているホットピクセルが意外に多いことが分かりました。
果たしてこれが二次宇宙線がヒットしたものかどうかは分かりませんが、ダークファイル作成時には、安全のため加算平均ではなくメジアンとかシグマクリップとか使った方が良いのかも知れませんね。(ちなみに今回の撮影は木造の屋内で行いました)

フランジバックが短い(有効立体角が大きくなる)ミラーレスを使った『三層ディテクタ』とか、霧箱とCMOSセンサーを組み合わせた『ハイブリッドディテクタ』とか、面白そう♪・・・いや、いっそのこと、ジャンク品のデジカメを買いあさってセンサーだけ積み重ねるとか・・・・ダメだダメだ。これ、泥沼に陥りそうなのでやめとこう(笑)。


★★★ご注意★★★
※今回の記事は、完全なる『落書き』ですので信用してはいけません
※シーレベルの地表の場合、ミューオンを主体とする二次宇宙線は1㎠センチあたり1分間に1個程度到来していると言われていますが、どのようなエネルギーレンジの時に『感光』するのか、あぷらなーと自身が理解していません。また、撮像素子を貫通した時よりも停止した時の方が放出するエネルギーは大きいはずなので、そもそも『貫通して写る』のかどうか極めてアヤしいです。
※ライトフレームに生じる突発的輝点はステライメージのホットピクセル除去フィルタで相当緩和できますので、ほとんど実害はないでしょうね。
※強い粒子が入射した際は、素子自体が破壊されて永続的なクールピクセルになるとのウワサもありますが、真偽の程はよく分かりません。

by supernova1987a | 2017-09-26 03:45 | 天体写真 | Comments(6)

台風18号通過

★何年ぶりだろうという・・・

元来香川県は(水不足以外の)自然災害が少ない平和な国なのですが、今回は久しぶりに台風が直撃コースに乗っていたので、気休め程度に対策を。


★停電に備えて・・・

地域によっては停電しそうだったので、手持ちのモバイルバッテリー達6匹をフル充電に。
f0346040_22463073.jpg
これだけ容量があれば、半日停電してもなんとかなるかと・・・。
もちろん、食料は早めに確保。


★一番の懸念は・・・

今回最も心配だったのは『大人の秘密基地』ことスチール物置が倒れたりしないかということ。
建てたときに転倒防止アンカーは打ってますが、中身が大切な実験・観測系の機材一式なので、浸水したり倒壊したりした場合にダメージが大きそうな品だけ、家の中に避難。・・・で、すっかり軽くなった物置は風ですぐ倒れそうだったので、(気休め程度の)重し代わりとして、庭に敷く予定だった小石セットを12袋ほど配置。

f0346040_22514065.jpg
★近傍通過時には・・・

庭がまるで池のようになっちゃいましたが・・・・
f0346040_22533526.jpg
家や物置の中に浸水するほどではなく・・・・

★庭木の枝が沢山折れて飛んじゃいましたが

『秘密基地』健在!

f0346040_22550085.jpg
まだ油断はできませんが、とりあえず無被害で乗り越えられそうです。

これから台風が接近する地域の方はお気を付けください。


★★追記★★

夜半過ぎに、ふと空を見上げると、市街地とは思えないほどの透明度
ああ、これが「台風一過」というヤツかぁ。
周囲が水浸しなので、ちゃんとした機材は出せないけれど、あまりにももったいないので普通の三脚にコンデジつけてパシャリ。

f0346040_02293881.jpg
 ※ニコンクールピクスP7800・ISO800・F2・15秒露光・RAW・固定撮影・一発撮り

おお。街灯に照らされた木々の明るさを物ともせぬ星々・・・・。
そうだよなぁ。透明度さえ良ければ光害なんて空に反射しないもんなぁ。


by supernova1987a | 2017-09-17 22:59 | その他 | Comments(6)

新兵器(小物?)到着♪

★我ら昭和生まれの天文少年達は・・・

銀塩カメラが全盛の頃、撮影したフィルムはこんな感じで大切に分類保管してませんでした?
f0346040_02332770.jpg
ネガもポジもスリーブ仕上げで、通し番号を振ってフィルムボックスにデータシートと一緒に保管
2003年頃まであぷらなーとの主力機だったニコンF100は、まるでデジカメのように撮影データを本体が記憶していて、PCに吐き出すことが可能だったのですよー。
・・・・で、作品の選定のためには
f0346040_02353190.jpg
こんなアイテム=「ライトボックス」を使って・・・
f0346040_02362599.jpg
透過光で出来映えチェック♪
透過光で見るポジはキレイだったなぁ(遠い目)。いまだに「最も感動的な写真は、ライトボックスで見るポジフィルムだっ」と信じているくらい。
そう言えば、ネガチェック用のルーペの代わりにアストロ光学のエルフレ32mmアイピースを愛用してたっけ・・・。

さて、当時は大型のライトボックス(光源は蛍光灯)を買えずじまいで、先ほどのコンパクトタイプでガマンしてたのですが・・・・



★今ならLED型が安く出てるんじゃないか?

ふと思い立ってアマゾンに行ってみると・・・・・・・・・
ライトボックスではないですが、まるで同じようなアイテムが「トレース台」という名前になって流通しているじゃないですかー。
・・・で、なんなんだ?その「トレース台」とやらは??
ふむふむ。漫画なんかの原画を写し取るときに下から光をあてて透かす道具なのかぁ。
でもこれ、昔で言うライトボックスそのものですよねえ。

・・・で、お値段は・・・・と

・・・えっ!?
え、A3サイズの『巨大な』ヤツが・・・よ、4980円ですと?
・・・安っ!!
思わず何度も目をこすってしまいました。

昔はライトボックスと言えば、たしかB4サイズでも数万円以上していたと思うんだけど・・・・。



★ふと気づくと・・・
f0346040_02525627.jpg
MRedoxe トレース台 A3 サイズ LED 薄型 トレビュアー」なる謎の物体がお家にやってきました(笑)

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ACアダプタを接続して、タッチ式の電源ボタンを押すと・・・

f0346040_02561532.jpg
光りました!

f0346040_02573040.jpg
予想以上に結構均一な配光。しかも明るさが3段階に変えられる♪

・・・これで、4980円・・・か。
恐ろしい時代になったものですなぁ。

f0346040_02594456.jpg
おおーこれでポジフィルムの袋を折りたたまなくても一度に全コマチェックできるぞ♪



★・・・てな目的でポチったの「ではなく」て

なぜA3型なんて巨大やヤツをポチったかというと・・・


・・・ででん!!

f0346040_02593673.jpg
なんとコレ、VMC260Lの鏡筒キャップサイズとピッタリなんですねぇ。

先日の(今更ながらの)「人生初フラット撮影」では、
f0346040_03025812.jpg
こんな感じでホワイト表示させたPCモニタをティッシュ越しに撮影させてたんだけど、たぶん視野角の問題であまり質の高くないフラットデータになっていると思う。しかもPCモニタは動かしにくいので、VMC260Lのフラット光源としては不便。

そこで、この「A3トレース台」をVMC260用のフラットパネルとして転用すれば・・・・!!

・・・まあ、もしもこれが失敗しても大丈夫。
そのときはまた別の手段を考えるとして、このトレース台は別な人生を歩んでもらうことにしよう・・・・。

ええと・・・

まずは、昔の写真を整理するときのライトボックスとして使えるでしょ?
ブログにアヤしいパーツを載せる時のブツ撮り用光源としても使えるでしょ?
あ、人物撮影時の(自分で光る)レフ板(?)としても使えそうだぞ?

すみません。

ウダウダ言わずに早々にフラット撮影テストします。はい。
(どうせ台風の接近で天体写真撮れないし・・・・)



by supernova1987a | 2017-09-15 03:29 | 機材 | Comments(10)

M17を再処理してみる

★ここまでの試行で2つの武器を手に入れたので

半年がかりで、下記2点の『怪しげな』ワザを手に入れました

 ①LRGBを同時露光する『ビームスプリッタシステム』

 ②ダークやフラットで消せない黒点を軽減する『クールファイル加算法』

もちろん、はじめから『王道』に進めば変な回り道をせずに済みそうですが、折角なので4月24日に撮影していたM17オメガ星雲の画像処理をやり直してみることに。

今回の画像処理目標は「滑らか」です♪
極力「変な処理」はしないように心がけてみます。



★撮影時のデータは・・・

望遠鏡:VMC260L+ACクローズアップレンズNo3
フィルタ:LPS-P2
赤道儀:K-ASTEC改造Newアトラクス
ガイド:ノータッチガイド
カメラ:ASI1600MM-COOLとASI1600MC-COOLを
    ビームスプリッタで同時露光
ゲイン:MM・MCともに400
撮像温度:-15度に冷却
露光:MM・MCともに15秒
撮像枚数:MM・MCともに200コマ


★撮って出しの画像は・・・
f0346040_08153133.jpg
f0346040_08154069.jpg
こんな感じの画像ですね。市街地でたったの15秒露光の割には良く写ってます。
前回処理したときは、
 MCのカラー画像をモノクロ化してL画像に加算したり
 シルキーピクスのノイズ整列を多用したり
 レジスタックスのウエーブレットを使ったり
ありとあらゆる『秘策』をフル動員したのですが
今回はシンプルに行きます。



★大まかな処理フロー

(1)MMとMCそれぞれについて撮影時と同等条件で撮像したダーク画像を
   各200コマコンポジットしてダークファイル作成
(2)ダークファイルを減算処理
(3)ステライメージのホット除去フィルタを実行
(4)位置合わせ無しで200枚コンポジットしたものと、
   さらにステライメージのクール除去フィルタを作用させたものとの
   差を取って『クールファイル』作製
(5)(3)の画像それぞれに『クールファイル』を加算
(6)MM,MCそれぞれ200コマを「位置合わせあり」で加算コンポジット
   した後2×2ソフトウェアビニングを掛けてL画像とRGB画像にする
(7)ステライメージでデジタル現像+周辺減光補正
(8)MMのL画像にNikCollectionのシルバーエフェクトをかけて調整
(9)L+RGB合成処理 + Lab色彩調整
(11)NikCollectionのノイズリダクションを軽めに実行
(12)シルキーピクスでテイスト調整
(13)その他微調整

以上、合計400コマの画像処理にかかった所要時間は約2時間ほどでした。
ステライメージ6.5のコンポジットは「爆速」なので、慣れれば全行程を1時間以内に納められそう。



★今回の仕上がり写真
f0346040_08292979.jpg
あまり時間を掛けなかった割には滑らかに仕上がりました。
 ※ちょっとマゼンタに寄りすぎたなぁ・・・
 ※ストラクチャに関してはもっとドキツイ処理でも良かったかも?
 ※フラット無しなので周辺部はトリミングしてカット

ちなみに、少し荒れ気味になって良いなら、レジスタックスに少し掛けて・・・・
f0346040_10565363.jpg
こういうのもアリかなあ?


さて、あとはVMC260L用のフラット補正に着手しなきゃ。
・・・・たぶん、まもなく5000円程度の『秘密兵器』が届く予定♪


by supernova1987a | 2017-09-14 08:40 | 天体写真 | Comments(6)

少しづつ再処理していくかぁ・・・・

★ASI1600MMのクールピクセル回避法で・・・・

『クールファイル加算法』で『縮緬ノイズ』が回避されることが分かったので、
過去の撮像データの内クールピクセルの影響を受けていそうなものを再処理してみることに。

★手始めに干潟星雲を・・・

元々撮影したのは5月1日でして、VMC260L+ビームスプリッタで、MMとMCの同時露光したもの。
ただし、途中でモヤが掛かってしまって(若干の結露も?)ボケボケの像に(泣)。かといってシャープ処理やウェーブレットするとノイズバリバリだったのでお蔵入りに・・・・という困った素材です。

ちなみに元画像は、こんな感じです。
f0346040_10311370.jpg
 ※VMC260L+AC3クローズアップレンズ+ビームスプリッタ+LPS-D1フィルタ
  ASI1600MMーCOOL ゲイン400・30秒露光 K-ASTEC改造Newアトラクス+ミニBORG50+PHD2によるオートガイド

VMC260Lのフラット撮影はまだ実施していないので、とりあえずダークファイルを引いて、例の『クールファイル処理』を実施したものを60枚コンポジット
MCの方はあまりクールピクセルの影響を受けないので普通にホット・クール除去フィルタ処理を実施して60枚コンポジット
MMの方にレジスタックスのウェーブレットとNikCollectionのHDRを軽く掛けてLRGB合成してみます。

f0346040_02002206.jpg
少し眠い画像ですが、なんとかウネウネがよく見える画像に生まれ変わりました。
残念ながら今年の夏はM8が撮れなかったので、また来年再チャレンジします。

・・・それにしてもM8やM42のような明るい対象はお気軽に写せるので楽しいですね。



by supernova1987a | 2017-09-12 23:44 | 天体写真 | Comments(10)

『クールファイル』補正でM31を再処理してみる

★クールピクセルの軽減のために

「位置合わせ無しコンポジットした画像からクールピクセル情報を抽出して補正する」というアイディアがなかなか上手くいっています。

そこで、ツインBORG60EDで撮影したM31のデータをLRGB合成して再処理するために、今度はカラー冷却CMOSカメラASI1600MC-COOLのクールピクセルについて処理してみました。


★カラーカメラのクールピクセルはどんな様子?

ASI1600MM-COOLの時と同じ手法で、ASI1600MC-COOLのクールピクセルを抽出してみます。

f0346040_01181270.jpg
 左:ダーク・フラット補正したMCのRAW画像を位置合わせ無しで60枚コンポジット
 右:その画像から抽出したクールピクセル(の反転画像)

カラーカメラはそのベイヤー構造のために、ぱっと見クールピクセルが目立ちませんが、抽出処理をしてみると「ウジャウジャ」出てきました。
ただしカラーカメラの場合、実際の画像処理ではクールピクセルが目に付くことは希ですし、一般的にクールピクセルの軽減処理は不可欠では無いとされています。

では、なぜ目立ちにくいのかを確かめるために、上で抽出したクールファイルをさらに反転して、デモザイク(ディベイヤー)処理に掛けてみます。

f0346040_01230046.jpg
 左:ダーク・フラット補正したMCのRAW画像を位置合わせ無しで60枚コンポジットしたものをデモザイク
 右:クールファイルを反転しデモザイク

どうやらカラーカメラの場合はそのベイヤー構造によって、クールピクセルが「輝度の欠損」ではなく主に「色の欠損」として処理されるわけですね。
そのため、クールピクセルを放置していても「黒い筋」にならず、むしろ「色むら」として認識されやすいと推測されます。
ちなみに、ホットピクセルは輝度が過剰になっているため加色混合法にしたがい「赤か緑か青か」で現れますが、クールピクセルの場合は一種の減色を行うことになるため、補色である「イエローかシアンかマゼンタか」で現れるようです。(上の右図参照)



★ASI1600MC-COOLで『クールファイル』補正処理

では早速、ASI1600MC-COOL用に作製した『クールファイル』について、補正の有無を比較してみましょう。

f0346040_01382897.jpg
 左:クールファイル補正なしで加算平均コンポジット(位置合わせあり)
 右:クールファイル補正を加えて加算平均コンポジット(位置合わせあり)

左の画像に見られる「マゼンタやシアンで横に伸びた様な不愉快なノイズ」が右の画像ではキレイに除去されていること分かります。
モノクロカメラほどではありませんが、カラーカメラにもこの手法は効果があるようですね。


★では、全データを使って再処理してみます。

ツインBORG60EDにASI1600MC-COOLとMM-COOLを用いて撮影したM31の画像(MCとMM、それぞれゲイン300・30秒露光×120コマ)を再処理してみました。


f0346040_10260084.jpg


前回LRGB合成したときは、NikCollectionのノイズ処理やシルキーピクスのノイズ整列などを多用する必要(要するにノイズをぼかして誤魔化す必要)がありましたが、今回はほとんどノイズ処理の必要がありませんでした。いい加減なフラットファイル(PCモニタ+ディッシュ)を使ったので色むらは残っていますが、M31本体とその周辺の『縮緬ノイズ』や『色むら』は激減しました。

えらく苦戦しましたが、少し前進したような気がします♪



★さて、次は・・・・

久しぶりに「主砲」VMC260L+ビームスプリッタ装置を用いて、星雲などをドカーンとクローズアップしたいですねぇ。
f0346040_01514360.jpg
  ※この可愛らしいイラストは、『ASI1600仲間』の にゃあさん が描いてくれました。

 どうです? スゴイでしょこれ。
 もうメーカーさんのカタログや説明書に使えそうなクオリティで、ビックリ!



by supernova1987a | 2017-09-11 19:29 | 天体写真 | Comments(6)

クールピクセルを軽減するアイディア

★先日来のエントリーで・・・・

ASI1600MM-COOL(他のモノクロカメラも?)で多発する『縮緬ノイズ』について
 ①主要因はホットピクセルではなくクールピクセル
 ②クールピクセルはダーク減算では消えない(当たり前)
 ③クールピクセルはフラット除算でも消えない(ビックリ!)
 ④短時間露光の場合、クール除去フィルタでも消えない
『ようだ』ということが分かりました。


また、クールピクセルとその周辺のピクセルの輝度データを解析した結果
 ①クールピクセルと正常ピクセルの輝度差は一定では無い
  ※撮影対象の明るさによって非線形変化する
  →減算処理できない理由
 ②クールピクセルの正常ピクセルに対する比感度(輝度比)は一定では無い
  ※撮影対象の明るさによって非線形変化する
  →除算処理できない理由
『らしい』ことが分かりました。


最後の頼みはステライメージなどの「クールピクセル除去」系のフィルタなのですが、プログラムが『コイツがクールピクセルだ』と認識するためにはある程度の露光量が必要なようです。したがって、あぷらなーとが得意とする「短時間露光+多数枚コンポ」では、周辺ピクセルのショットノイズに埋もれてしまいクールピクセルが正常ピクセルから弁別できていないように見えます。


・・・では、どうする??


★ふと閃きました♪

ちなみに対処法のアイディアは、下記のジレンマから生まれました。

多数枚コンポジット+ノータッチガイドの場合
 ①元画像にクール除去フィルタを掛けてもあまり効かない
 ②位置合わせありコンポジット後だと全くフィルタが効かない
 ③位置合わせ無しコンポジットだとフィルタが効く(でも、これだと被写体が流れまくり・・・)
というわけで堂々巡りになるのですが、ふと閃きました。

「位置合わせ無しコンポジット」したデータからクールピクセル情報を抜き取り
『クールファイル』を作製すれば良いのでは?!




★早速やってみます

元データにダークファイルとフラットファイルの補正を加えた後、下記の行程を実行してみます。

<行程①>
位置合わせ無しコンポジットした画像を複製して2枚にします。
その一方にステライメージのクールピクセル除去フィルタを掛けます(閾値はゼロ)
f0346040_19132743.jpg
 ※左:ダークフラット補正のみ60コマコンポジット
  右:さらにクール除去フィルタ適用(しきい値ゼロ)


<行程②>
クール除去フィルタを掛けた画像から、フィルタを掛ける前の画像を減算処理します。
f0346040_19130623.jpg
 ※左:ダークフラット補正のみ60コマコンポジット
  右:クール除去フィルタ適用画像から左の画像を減算したもの

この行程で、クールピクセルの位置と『加算すべき輝度』情報が入ったファイルが出来上がりました。これを『クールファイル』と呼ぶことにします
ここで重要なのは、フラットファイルやダークファイルと異なり、実際の撮影データから『クールファイル』が抽出されたことです。そのため前回のエントリーで困窮した比感度の非線形変化の影響を避けられます
別な表現をすると、1枚画像では効かないクール除去フィルタ機能に『クールピクセルの場所を教える』ファイルとも解釈できます。
また、「位置合わせ無しコンポジット画像」に適用したクール除去フィルタの効果を元画像に分散させるファイルとも言えますね。


<行程③>
作製した『クールファイル』を元画像(1コマデータ各々)に単純加算処理します。
(加算平均ではなく、加算です)
f0346040_19232213.jpg
 ※左:ダークフラット補正のみの元画像1コマの例
  右:左画像に『クールファイル』を加算コンポジットしたもの

一見なにも変わってないように見えますが、それだけショットノイズが激しいと言うことです。気にせず先に進めます。

(これまでやっていた「元画像にクール除去フィルタ」を掛けても効かない理由は、上記の画像を見れば想像が付きます。こんなザラザラの中からクールピクセルを見分けろと言われても無理ですよねぇ。たぶん、余計なものが消えちゃってたんだと思います。よく考えれば短時間露光で生じるザラザラは空間ノイズではなく時間ノイズなので、真っ黒に見えても貴重なデータがほとんどで、これを消しちゃうと解像度が大幅にダウンしちゃうハズです。)


<行程④>
『クールファイル』を加算した元画像を加算平均コンポジット(位置合わせ有り)していきます。
f0346040_19260037.jpg
 ※左:『クールファイル』を加算コンポジットした1コマ画像
  右:60コマ加算平均コンポジットしたもの

おしまい♪


★効果のほどをチェックしてみましょう

さて、実際に効果があったのか(クールピクセルの除去に成功して『縮緬ノイズが消えたのか』)をチェックしてみましょう。

行きますよ・・・・・・
左が「ダークフラット補正のみ」右が「『クールファイル』加算処理後」です。



・・・ででん!

f0346040_19313360.jpg
左の画像(ダーク・フラット補正のみ)ではウジャウジャと存在する『縮緬ノイズ』が右の画像では、(ほぼ)完璧に消失しました!!

めでたい♪


★なぜ『縮緬ノイズ』が消えたのか?

今回の手法が有効に効いたかどうかは、コンポジット時にあえて「位置合わせをせず」に比較すると分かりやすくなります。

f0346040_19370551.jpg
 左:ダークフラット補正のみの画像を60コマコンポジット
 中:それにくわえてクール除去フィルタ処理した画像を60コマコンポジット
 右:今回の新手法で処理した画像を60コマコンポジット

上の画像を比較すると明らかなように、やはりコンポジット前の画像にクール除去フィルタは効きにくいようです。しきい値ゼロでもクールピクセルは部分的にしか軽減されていません。それに対して今回の手法では、ほぼ完璧にクールピクセルが消えた上に、変なニジミも生じていないことが分かります。

では、位置合わせ有りのコンポジット画像で比較してみます。
f0346040_19422576.jpg
 左:ダークフラット補正のみの画像を60コマコンポジット
 中:それに加えてクール除去フィルタ処理した画像を60コマコンポジット
 右:今回の新手法で処理した画像を60コマコンポジット

位置合わせ無しの時ほどは差が分かりにくいですが、『縮緬ノイズ』が効果的に消えた上に、画像の鮮明度が失われていないことが分かると思います。



★★★ご注意★★★

①今回の結果は、下記のようなごく限られた条件の下でのみ有用だと思います。
  ※短時間露光の多数枚コンポジットをする
  ※オートガイドはしない
  ※ある程度正確に極軸が合ってる
②そもそもノータッチガイドなどしなければ、クール除去フィルタで一発解消かも
③きちんとディザリングすれば(クールピクセルの位置が重複しなければ)シグマクリップで一発解消かも
④輝星の周囲のうちガイドズレ方向にはクールピクセルが残る可能性があります
 ※サチってしまうとクールピクセルの情報が抜き取れませんので
⑤『クールファイル』という用語があるわけではなく、単にあぷらなーとの造語です。


by supernova1987a | 2017-09-10 20:01 | 天体写真 | Comments(12)

クールピクセルの挙動を調べてみる

★前回のエントリーで・・・


モノクロ冷却CMOSカメラASI1600MM-COOLで発生する『縮緬ノイズ』について

 ①主要因はクールピクセル『らしい』
 ②クールピクセルは「ダーク減算」で消せない『らしい』
 ③クールピクセルは「フラット補正」でも消せない『らしい』

ということに気づいたのですが

少しだけ、クールピクセルの挙動について『検証ごっこ』してみました。


★『検証ごっこ』の試行

そのうちDelphiかVBあたりで解析用のコードを書いて調べてみようとは思いますが、とりあえず「調べる価値があるか」(面白そうか)を「手動で」チェック♪

ステライメージで複数の(コンポジット済みの)画像を読み取り、同じ座標のクールピクセルとその周辺(5×5)の輝度にどのような相関があるのかを調べてみました。

f0346040_10502719.jpg
今回の調査は、ステライメージを使って、ピクセル情報を読み取る方法で行きます。
比較対象は
 ①フラットフレーム120枚コンポ
 ②M31付近A60枚コンポ
 ③M31付近B60枚コンポ
 ④アイリス星雲付近60枚コンポ
の4枚です。それぞれ加算平均したもので、ダークやフラットの補正は無しです。

すると・・・

f0346040_10545689.jpg
こんな感じになりました。
 クール輝度はクールピクセルそのものの値
 平均輝度はクールピクセルを含む5×5ピクセルの領域の内、クールピクセルを除いた24ピクセルの輝度平均値
 差分は平均輝度からクール輝度を引いた差
 比感度はクール輝度を平均輝度で割ったもの
です。


★ダーク減算で補正できない理由(らしきもの)

まあ、ダーク画像にはクールピクセルは写りにくいので、そもそもダメですが
少なくとも、「減算処理」で消せない理由は分かりました。

f0346040_11003107.jpg
このように、周辺輝度が変わってしまうと、クールピクセルの輝度が非線形に変わっていることが分かりました。
(このグラフが真っ直ぐにならないと原理的に減算では消せません)
とにかく、減算処理では無理っぽいですね。



★フラット除算で補正できない理由(らしきもの)

フラット補正は、画面全体の輝度が1になるようにノーマライズ(規格化)して、その値でライトフレームを除算するロジックだと思われますが、この場合、撮影画像に対するクールピクセルの比感度が一定で無いと補正できません。

f0346040_11042125.jpg
ところが、上のグラフのように、比感度も周辺輝度値に対して非線形変化しちゃってるのですねぇ。
(このグラフが水平にならないと原理的に除算では消せません)
これでは、除算処理でも補正は無理っぽそうですね(泣)。


とりあえず、ダークやフラット補正をしてもクールピクセルが残ってしまう『からくり』は分かってきました。

・・・・いよいよ、夢の中で閃いた『妙案』をさらに発展させた『秘策』の出番ですかねぇ!
これが失敗したら、短時間露光+多数枚コンポジットは封印しなきゃ(と言いつつ失敗したりして・・・)

by supernova1987a | 2017-09-09 01:41 | 天体写真 | Comments(4)

モノクロ冷却CMOSカメラは難敵?

★★★ご注意★★★
今回は、自分への覚え書きの意味合いが強いエントリーなので、「ヘビのように長い」です。

 
★今回のお休みも曇ったので・・・

 お恥ずかしながら、ウン十年も天文やっているくせに、一度も「フラット撮影」なるものに手を出していなかったという『汚点』を解消すべく、フラット撮影に初挑戦してみました。
 といっても「フラット初心者」ですから高尚なことには手を出さず、(これじゃダメ『らしい』ことは承知の上で)PCのモニターに白色を表示させたものをティッシュペーパー付きのBORG60EDで撮影するという「いい加減な」ヤツです。

 ・・・でも、その前に、気になっていることが・・・・



★モノクロ冷却CMOSカメラで気になること

これまでデジカメやASI1600MC-COOLで撮影していたときにはあまり気にならなかったのに、MMを使うようになってやたらと目立ってきた現象に『縮緬ノイズ』があります。

『縮緬ノイズ』とは、例えばこんなヤツですね。
f0346040_03075542.jpg
強めの画像処理で暗部を持ち上げようとしたときに必ず現れる筋状のノイズ。上の画像なら右上から左下にかけて無数の黒っぽい筋が写っています。

この正体を明らかにするために、ダークやフラットを補正する前の素のデータを「位置合わせ無し」で加算平均コンポジットしてみます。

f0346040_03121555.jpg
 ※BORG60ED+RD+ASI1600MM-COOL+LPS-D1 ノータッチガイド マイナス10度・ゲイン300・30秒露光×60コマコンポジット 

元画像は同じものですが、左は「位置合わせ無し」で右が「位置合わせ有り」です。
左右の画像を見比べると分かるように、いわゆる「ホットピクセル」があると白い筋に、いわゆる「クールピクセル」があると黒い筋になるようです。
そしてシマシマの方向は、ガイドエラーの方向に一致します。要するに『対象』(天体)を追いかけた結果『背景』(ノイズ)が流れて写ったのが『縮緬ノイズ』の正体というわけです。



★ちなみにカラーCMOSの場合は

 この「ノイズ」のうち、現在頭を抱えているのが『黒い方』です。
ちなみに、ASI1600MC-COOLなどカラーカメラの場合はそれほど致命的ではありません。

f0346040_03200680.jpg
 ※左:MMの画像 右:MCの画像 ともにダークやフラット補正なし+位置合わせ無し
どちらも マイナス10度・ゲイン300・30秒露光×60コマコンポジット

上の画像のとおり、カラーカメラの場合、クールピクセルよりも目立つのはホットピクセルです。この要因を推測してみると

 ①たまたま私のASI1600MMが『外れ個体』で欠陥ピクセルまみれ
 ②カラーフィルター有無により生じるベイヤー素子と非ベイヤー素子の差
 ③画像生成ロジックの違い(デモザイクの有無)による差

といったところでしょうか。

このうち、①は『考えたくない』ので除外して(笑)、今のところ②と③の効果が大きいのではないかと解釈しています。
たとえば、モノクロ素子の場合、1ピクセルが無信号だった場合、明らかな「黒点」として認識されますが、ベイヤー素子の場合は、GRBGのうちたまたま1色が欠けただけに過ぎません。また、各ピクセルの輝度がそのまま現像されるのではなく、近隣素子との補完処理で明るさが決まりますので、輝度の差というようりはむしろ色の差として現れやすいのではないかという仮説です。(そのうち、シミュレーション計算してみますが・・・)



★白い筋を軽減するには

 輝点ノイズ(ホットピクセル)は、主にダークノイズと考えられますので、ダークを撮って後から補正すれば軽減できます。
先ほどの例なら、ダークを引くことによって、下記のように改善します。

   ○ダークの有無を比較(位置合わせ無し) 
f0346040_03380412.jpg
        ※左:ダーク減算なし 右:ダーク減算有り            
 
   ○ダークの有無を比較(位置合わせあり)
f0346040_03382754.jpg
       ※左:ダーク減算なし 右:ダーク減算有り

このように、真面目にダークファイルを引けば、白いノイズは軽減します。

ただし

当然ながら、これでは『縮緬ノイズ』は解消しません
黒い筋が残るからです。
それどころか、「ダークの過剰補正」による黒筋が増加するケース(上画像の画面下部)すら見られます。


★フラット画像を観察してみる

「クールピクセル」(黒点)が常に出ているのかどうかをチェックするために、初挑戦した簡易フラット画像(PCモニタ+ティッシュ)を超拡大して調べてみます。

f0346040_03500627.jpg
 左は今回M31を撮影した無補正の画像を位置合わせ無しで60コマコンポジットした画像です。右は後日撮影したフラット画像(ゲイン300・10msec×120コマ加算平均・シグマクリップあり)です。

それぞれ画面中心の座標を慎重に読み取りながら、1200%で切り出していますので、撮像素子の同じエリアを観察していることになります。これを見れば明らかなように「クールピクセルは恒常的に存在している」ことが分かりました。しかも、ものスゴイ数が・・・・です。


★・・・ということは!?

本来、周辺減光やゴミの影などを補正するのがフラット補正の主目的でしょうが、せっかくクールピクセルがフラット画像中に正確に再現できているのですから、これがフラット補正を行うことによって、どう寄与するか試してみました。

   ○フラットの有無を比較(位置合わせ無し)
f0346040_03570874.jpg
       ※左:フラット補正なし 右:フラット補正あり

   ○フラットの有無を比較(位置合わせ無し)
f0346040_04030035.jpg
       ※左:フラット補正なし 右:フラット補正あり

残念!

今回のケースでは、フラット補正は黒点の解消には無力なようです。
恐らくは(勘違いかも知れませんが)「引き算と割り算の違い」が原因と思われます。
ダーク引きの場合は「信号の上に乗ったノイズを引く」ために減算しているのに対して、フラット補正の場合は「減光などによる信号の出力低下を補う」ために除算(各ピクセルごとの露出倍数を掛けているイメージ)しているからと思われます。

したがって、黒い点の部分が「本来の明るさの何%に低下しているのか」が正確に分からないと除算しても無駄な訳で、もしもフラット補正によって黒点が消えるのだとしたら、フラットフレームの輝度レベルとライトフレームの輝度レベルが完全に一致した時だけでしょうね。(これ、解釈としてあってるのかなぁ??)

 今後、撮影時に同じ条件でフラットを撮影できたら、『検証ごっこ』してみます。いや、それ以前にステライメージの「フラット補正」のロジック(ソース)が分からないと、堂々巡りになる気がしますが・・・。


★ステライメージのクール除去

まあ、以前から使ってはいたものの、ここでステライメージのクールピクセル除去機能を使ってみることにします。
一般的なデジカメやカラー冷却CMOSの場合は、このクールピクセル除去機能はあまり必要性が無いとされていますが、黒点が盛大に発生するモノクロCMOSカメラの場合は重宝しますね。・・・あと、ダーク引きのしすぎで生じた黒点の除去にも使えます。


   ○オリジナル VS ダーク・フラット・クール除去 の比較(位置合わせ無し)
f0346040_04220926.jpg
       ※左:各種補正無し 右:ダーク・フラット・クール補正あり


   ○オリジナル VS ダーク・フラット・クール除去 の比較(位置合わせあり)
f0346040_04233127.jpg
       ※左:各種補正無し 右:ダーク・フラット・クール補正あり

位置合わせ無しの画像を比較すると分かりますが、ステライメージのクール除去を閾値0で適用しても、黒点は完全には消せませんね。

恐らくその要因は、(ガイドズレを含む多数枚画像はコンポジットする前にクール除去を実施する必要がありますが)元の1枚画像データにはクールピクセルの周辺にショットノイズに伴う輝度のバラツキが存在するため、ソフトがクールピクセルの位置を特定できない(黒点だと認識できない)ことにあると推測します。

それでも、位置合わせ有りの画像を比較すると分かるように、相当に『縮緬ノイズ』が軽減されていることは分かります。


★短時間露光+多数枚コンポの唯一の弱点??

 ・サチる心配が無い
 ・シーイングの影響を受けない
 ・オートガイドの必要が無い
 ・階調が豊富になる

などなどのメリットと「不精者に最適」という理由でこれまでこだわってきた「短時間露光+多数枚コンポジット」ですが、こと、クールピクセル除去に関しては、致命的に弱い可能性が浮上してきました。
「天体画像はあとからコンポジットすることによりシグナルを強めらる」のですが「クールピクセルは短時間露光によるショットノイズに埋もれる」のでソフトが位置を認識できずに放置されてしまうからです。(これはある程度ホットピクセルにも通じる弱点です。)

 これが、長時間露光の場合だとクール除去処理一発で消せそうに思えます。

降参!


★・・・・ともあれ

せっかく初挑戦したフラット画像は、本来の目的である「周辺減光の軽減」や「ゴミの影の除去」に対して、一定の成果を得ましたので、M31アンドロメダ銀河の画像をフラット補正ありで再処理してみました。

BORG60EDツインにASI1600MM-COOL+ASI1600MC-COOLで30秒のLRGB同時露光した画像の合計240コマコンポジットです。
フラットで消しきれない減光があったので、少しだけトリミングしてます。

f0346040_04460140.jpg
うむ。
なかなか良い感じです。


★★★今後の抱負★★★ 

 ①さらに良質なフラット画像を撮る方法を考えたい
 ②クールピクセルの位置を特定してピクセルマッピングしたい(コード書いちゃう?)
 ③ある程度の長時間露光も視野に入れなきゃ
 ④そろそろオートガイドも再開しよう
 ⑤鏡筒のタワミをなんとかしなきゃ
 ⑥放置したままのAPT・・・・
 ⑦死蔵しているオフアキ・・・
 ⑧一度も登場させてないナローバンドフィルタ・・・
 ⑨夢想中の「光害チョッパー装置」実現するのか??

・・・・それにしても、曇ったからといって、PCの前にへばりついて30時間以上画像処理してたら疲れちゃった・・・・ふう。

★★★追記★★★

寝ている間に夢の中で妙案(?)を思いつきました。
フラット画像をA
フラット画像にクール除去フィルタ処理したものをB
B-Aの減算処理したものをC
とすると、Cがクールピクセルのみを反転した画像になるので
ライトフレームにCを加算すれば・・・・・・。
あとで試してみます。

by supernova1987a | 2017-09-05 05:05 | 天体写真 | Comments(10)

ツインBORG『観望仕様』完成♪

★色々と課題を残した「ツインBORG」ですが

先日、ようやくLRGB同時撮影に成功した「ツインBORG」ですが、鏡筒のタワミなど課題は山積です。


諸々の課題解決のため、すぐにでも追加テスト撮影をしたいところですが、日頃の行いが悪いのか天候が優れません。
こういう時は、「夢を育てる」に限りますね。



★天体を撮影してる間は結構ヒマですので・・・・

オートガイドするにしてもノータッチガイドで多数枚連写するにしても、一度設定が完了して露光を始めると、結構「ヒマ」ですよねぇ。
そんな時には、初心に返って「天体観望」を楽しみたいもの。
ちなみに、手持ちの機材のうち「お気軽観望」専用の機材として、セレストロンの15×70mm双眼鏡があるのですが、直視型なのでいかんせん高角度の天体を見る時に苦しい体勢になっちゃいます。

そこで、過去には双眼装置を利用した観望仕様のBORG60EDを組んでみて好結果を得たのですが・・・・

ビームスプリッタ装置と同様、双眼装置の弱点は「光の量が半分になってしまう」事です。
・・・で、よく考えたら
撮影用にBORG60EDが2本揃ってる今なら、『本物の』双眼望遠鏡が作れるじゃないか!


・・・というわけで、手持ちのパーツを使って組んでみました。
しかも、「正立像・45度対空型」



★双眼望遠鏡作製にはBORG60EDが「最適」かも??

実際には、双眼望遠鏡を作製しようとすると、色々な困難が予想されます。
たとえば・・・

 ①2本の鏡筒の光軸をどうやって揃える?
 ②正立化の手法は?
 ③正立プリズムなどで光路長が食われてもピントは出る?
 ④アイピースの幅を目幅に揃える機構は?

といったところでしょうか。
ところが、今回『遊び』でお気軽作製してみたところ、BORG60EDはこの手の用途に『最適』なことが分かりました♪
たぶん、何の工夫も要りません。

さて、
「構想」30分「制作時間」15分(笑)
という超短時間で作製した「正立対空型ツインBORG」がこちら。

f0346040_05560260.jpg
ウソの様にあっけなく完成っ!!

BORG系共通のメリットは鏡筒の長さが「変幻自在」のため光路長がどうにでもなるところです。今回の場合も(安物の)45度正立プリズムを付加しても容易に無限遠が出ました。(というか何も試行錯誤する必要すらなかったという・・・・)

さらに(ココ重要♪
BORG60EDだと2本の鏡筒がぶつかる寸前くらいの幅に設置するだけで(あぷらなーとの場合)目幅とドンピシャ一致しちゃうのです。
たぶん、これよりも小口径ならば目幅が『もったいなく』て、これ以上大口径になると目幅調整のためのなんらかの機構が必要です。

光軸を合わせるための機構は、最近「別目的で」入手していたスリックのマイクロモーションヘッド SMH-250 を転用

f0346040_06141123.jpg
この微動マウントはカメラネジにもアルカスイスにも対応していて、微動機構もなかなか良くできています。(押しバネのテンションが調整できたり、諸々)
本来はポラリエなどの軽量なポタ赤を三脚に載せる用途のアイテムでしょうが、他にも色んな使い道がありそうです。(さすがにガイドマウントとして使うのは強度的に無理かな?)

アイピースは双眼装置を導入時に色々「ペア」で揃たので追加購入の必要なし♪
せっかくですから「お気に入り」のハイペリオンアイピースを主力として使うことにします。
BORG60EDの焦点距離は350mmですので、
 ハイペリオン24mmで14.6倍
 ハイペリオン13mmで27倍
 ハイペリオン5mmだと70倍
などなど、明るい星雲探訪から月面観望まで幅広くこなせそうです。

あとは、オーバースペックになるかも知れませんが、
ビクセンNLV2.5mmを使えば140倍まで出せるので、惑星観望まで行けそうますね。



★今は絶版モデルですが

BORG60ED、通常の使い方はもちろんのこと、先日のようにレデューサ併用で星雲を撮影したり、今回の様な双眼化で遊んだり、色んな用途で使い勝手が良くて、本当に良い機種だと思います。絶版になったのが惜しまれます。

f0346040_06441572.jpg

あと、性能とは関係ないですが、BORG60EDはフード先端の丸め方とか、対物セル部と鏡筒との接続部のラインとか、デザインが「美しいなあ」と感心します。
この手のデザインって大型機以外ではあまり見かけませんものねぇ。
再販してくれないかなぁ・・・

・・・・いや、別に、「トリプル化」とか「クアッド化」とかして、ナロー3波長モノクロ+RGBカラーの同時撮影とか目論んでいる訳ではないのですが、たぶん(笑)

えっ?
そこで後継機種の55FLですか?・・・さすがに「お高い」です。
55FL+専用レデューサのクアッド化とかに手を出す軍資金があれば、『余裕で』VMC260L+ビームスプリッタの二連装とかできちゃいますので・・・。
あ、でも、それだとアトラクスが重量オーバーで壊れちゃうか・・・・。


ともあれ、晴れた夜がいっそう楽しみになってきました。
VMCL260L+ビームスプリッタで星雲とか銀河とか撮影している合間に、対空双眼BORGで観望!
早く試してみたいものです♪


★★★ご注意★★★
今回のような簡易的な手法で『双眼化』が成功するかどうかは、当然「個人差」があります。目幅の差はもちろんですが、特に2本の鏡筒間に微妙な光軸のズレが生じたまま観望を続けると気分が悪くなる恐れがあります。
個人的には、ステレオ写真(平行法の)鑑賞に慣れている方以外には、あまりオススメできません。


by supernova1987a | 2017-09-03 07:09 | 天体望遠鏡 | Comments(6)


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