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あぷらなーと
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ビームスプリッタ効果検証ごっこ

★苦心の末,運用に成功した『珍パーツ』

ようやく、惑星にも星雲にも利用できることが分かった「LRGB同時露光用ビームスプリットシステム」ですが

f0346040_14514600.jpg
f0346040_02403921.jpg


そもそも、
「ぶっちゃけ、撮影の効率は良くなっているのか?」
という根本的な疑問について『検証ごっこ』してみました。

つまり、
MC単独で運用するよりも
「同じ運用時間で良い絵が撮れる」
か、もしくは
「同じ絵を撮るための運用時間が短くて済む」
というメリットが感じられなければ意味がないということですね。


★ビームスプリッタ構成図公開♪

メインパーツのビームスプリッタとフレームは新調したものの、他の部品は基本的に手持ちの『あまりパーツ』を組み合わたものです。
そのため『無理矢理感』が漂う構成ですが、そこは笑ってスルーしてください。

f0346040_17213736.jpg

 ①EdmundOptics キューブ型ビームスプリッタ(分割比50:50)
 ②EdmundOptics Tマウントビームスプリッタホルダー
 ③EdmundOptics Tマウント両オスリング
 ④BORG M42P0.75-M57変換リング 7522
 ⑤BORG M57/60延長筒S 7602
 ⑥BORG M57回転リングDX 7352
 ⑦BORG 2インチホルダ-SⅡ 7504
 ⑧ZWO ASI1600MM-COOL
 ⑨BORG M57-M36.4 AD 7522
 ⑩ケンコー ACクローズアップレンズNo3(52mm)
 ⑪BORG M57-M57ADⅢ 7459
 ⑫BORG M57-M57AD 7457
 ⑬BORG M60-M57AD 7901
 ⑭アイダス LPS-P2フィルタ(52mm)
 ⑮BORG M42ヘリコイドT 7839
 ⑯BORG M42P0.75-M57AD 7528
 ⑰NEEWER マクロエクステンションチューブニコン用(の一部)
 ⑱ZWO ASI1600MC-COOL

※あくまで暫定的に組んだだけで、実際には上記の組み合わせには複数の問題点が残っています。

f0346040_14415879.jpg

★ざっくりと効果を予測すると・・・・

 ①光束を2分割しているため、通常の撮影の2倍の露光が必要になってしまう
 ②ただし、一方の光を(MCよりも感度の高い)MMで受けるため、総露光時間は減るかも知れない
 ③MMの高解像度を活かすには、VMC260Lの焦点距離は(シーイングの影響で)長すぎる

また、昼間に実写してみた感触だと、MMはMCの約2倍の感度を有していることが分かったので、ビームスプリッタを用いて、MMとMCの同時露光を行った場合には、
MCの感度をPとすると

 (P × 1/2 ) + (P × 2 × 1/2)
  MCの運用感度      MMの運用感度

 と考えて、トータルでおよそMC単独の1.5倍の効率を有することが期待できます。



★実写で検証ごっこしてみる

先日ビームスプリッタを用いて撮影したM17オメガ星雲の画像をもちいて、ザックリと比較してみます。
比較対象は、下記の5つです

 A:MM+MCで撮影した画像、各8コマのLRGB合成
 B:MCで撮影した画像8コマのコンポジット
 C:MCで撮影した画像16コマのコンポジット(スプリッタ無しなら8コマコンポジットに相当)
 D:MCで撮影した画像24コマのコンポジット
 E:MCで撮影した画像32コマのコンポジット

それぞれ1コマに15秒露光を与えるとすると、実際の運用時間は

 A:2分間
 B:2分間
 C:4分間
 D:6分間
 E:8分間

となりますが、そもそもビームスプリッタを使わなければ「光量が2倍」になりますので、その分を補正すると

 A:2分間
 B:1分間
 C:2分間
 D:3分間
 E:4分間

と解釈した方が公平な比較と言えますね。
という訳で、今回の新システムで撮影効率が上がったと言うためには、Bは論外として、Cに勝てるかどうかがカギとなります。

さて、比較に用いた画像の共通データは下記の通りです。(ASI1600MM、MCともに)

VMC260L+自作レデューサ+ビームスプリッタ+LPS-P2フィルタ
ゲイン:400 露出:15秒 撮像温度:-15度 出力:16bitFITS


① MM+MC各8コマ VS MC8コマ 
f0346040_18400794.jpeg
 ※左:A 右:B (ピクセル等倍)

新システムの圧勝です。
・・・といっても、スプリッタ無しなら、この運用時間内でMCが16コマ撮影できるので当然ですね、
事実上、MCの「15秒露光×4コマコンポジット」もしくは「7.5秒露光×8コマコンポジット」だと解釈するべきですのでハナから勝負になりません。


② MM+MC各8コマ VS MC16コマ  
f0346040_17494848.jpeg
 ※左:A 右:C

まずは、ここがクリアすべき条件です。
要するに、「スプリッタ無しのMC単独」と「スプリッタ併用のMM+MC」で「同じ時間かけて頑張った」場合の画質比較になるからです。

・・・うむ。 まだまだ新システムが勝ってます♪
とりあえず、「撮影効率は悪化してはいない」もしくは「同じ運用時間内なら良く写る」と言えそうです。


③ MM+MC各8コマ VS MC24コマ 
f0346040_17500701.jpeg
 ※左:A 右:D

これが「本命」の比較です。
おお、予測通りの結果(この条件で、ほぼ同等の写りになる)ですね!!
正直、ホッとしました♪


④ MM+MC各8コマ VS MC32コマ 
f0346040_17502026.jpeg
 ※左:A 右:E

あ~あ。
ここまでくると、素のMCに負けちゃいましたねぇ。
要するに
「LRGB同時撮影用ビームスプリットシステム」の撮影効率は、運用時間を1/2にするほどではない、
ということです。
・・・ま、予測通りではありますが。


★(暫定的な)結論

あぷらなーとが作製した『珍パーツ』:「LRGB同時撮影用ビームスプリットシステム」を用いると

同等の画質を得るために必要な運用時間が、2/3に短縮される

ということが『検証ごっこ』されました。

「3時間かかる撮影作業が2時間で済む」とも言えますし、「1晩で2対象しか撮れない日に3対象ゲットできる」とも言えますね♪
あんまりハデさはないけれど、とりあえず めでたい♪


★ご注意 その①★
ビームスプリッタの使用により、画質の悪化は免れません。
具体的には、先日の記事で「考察ごっこ」した通り、完全無欠な光学系を用いた場合でもビームスプリッタの通過によって下記のような収差が発生するハズです。
f0346040_04493646.jpeg

★ご注意 その②★
この『珍パーツ』と撮影手法は、まだ完成していません。
例えば、プリズム部分のコバ塗りすらしていなかったり、
レデューサ部分の調整をしていなかったり

・・・近日中には調整する予定ですが、難儀しそうです(泣)


# by supernova1987a | 2017-04-29 18:34 | 機材 | Comments(19)

ビームスプリッタで撮るオメガ星雲②

★ビームスプリッタで撮影したオメガ星雲は

前回の記事↓で、なんとかLRGB合成に成功したわけですが、


実はまだ未処理の画像があったので、全ての画像を投入して画像処理してみました。

f0346040_15483980.jpg
※前回紹介したように、自作『珍』パーツ:「LRGB同時露光用ビームスプリットシステム」をVMC260Lに装着して、ASI1600MM-COOLのL画像とASI1600MC-COOLのRGB画像を同時露光して、M17オメガ星雲を撮影しました。

撮影は全て、ゲイン400の露光15秒のFITSです。
市街地からのニワトリで、ダークもフラットもオートガイドも無しという超手抜き撮影です。
ただし、LPS-P2フィルタは用いています。また、MMもMCも-15度まで冷却しています。
光路長の関係で純正レデューサは使えないので、クローズアップレンズ利用による自作レデューサを併用しています。

ちなみに
「サチらない程度に露光を切り詰めた場合、そもそも段階露光は不要では?」
との持論の元、短時間露光の多数枚コンポジットにこだわってみました。
目指すのは「一見ナローバンドで多段階露光したかのよう」に見えて、実は何もしていないという画像です。
(べつに、そんなの目指す必要はないのだけれど・・・)

さて、MCで1コマ撮りだとこんな貧弱な画像ですが・・・・
f0346040_23383802.jpg
これ(MCの画像×247コマ MMの画像×275コマ)を下記のように調理してみます。

①:MMのFITS画像をステライメージ7でホットクールピクセル除去フィルタ処理
②:①をステライメージ7で2×2ソフトウェアビニング
③:②をステライメージ6で275枚加算平均コンポジット
④:MCのFITS画像をベイヤーデータのままステライメージ7でホットクール除去
⑤:④をデモザイク前にステライメージ7でビニングしてモノクロ画像にする
⑥:⑤をステライメージ6で247枚加算平均コンポジット
⑦:③と⑥をステライメージでさらに加重平均コンポジット
⑧:⑦の画像を3つに複製し
  A:ステライメージ6で最大エントロピー画像復元(3段階処理)
  B:レジスタックスでウェーブレット処理
  C:NikCollectionでHDR処理
 をそれぞれ行った後、ABCを加重平均コンポジットして「L画像」にする
⑨:⑧の画像にステライメージ6でスターシャープ処理
⑩:④をステライメージ7でデモザイクしてRGB画像にした後ビニングする
⑪:⑩をステライメージ6で247枚加算平均コンポジットして「RGB画像」にする
⑫:⑧のL画像と⑪のRGB画像それぞれについて、ステライメージ6でレベル調整とデジタル現像を行う
⑬:ステライメージ6で⑫をLRGB合成し、Lab色彩調整等々を行う
⑭:シルキーピクスで色調とトーンを微調整

ちなみに、ADCを12bitで駆動したASI1600の画像を、今回のように後から2×2ソフトウェアビニングして、さらに522枚コンポジットすると、
原理的には、
 12+log2(4*522)
 =約23bitのカメラ
 15×582/2
 =4365秒露光することに相当すると解釈しています。
(露出を2で割ったのはビームスプリッタで光を1/2に分割しているから)

これだけ奇妙な処理を施しておきながら、ダーク減算もフラット補正もしないという天邪鬼ぶりが「イタい」ですが、ネタ的には面白いですね・・・・


・・・・すると・・・



・・・ででん!!

f0346040_02403921.jpg
おお! とても良い感じです♪

これなら、まさかニワトリでの15秒露光には見えないでしょう??

と言うわけで、ニワトリでこの程度の画像を得るなら、
 ダークもフラットもオートガイドも段階露光もナローバンドもディザリングも要らない
「かもね」などという、不精者にはありがたい結果が得られました。

・・・あー。しかし、疲れた。

今度時間があるときに、ダークを撮影したら再処理しなきゃ・・・ねぇ。



# by supernova1987a | 2017-04-28 06:31 | 天体写真 | Comments(8)

ビームスプリットシステムで撮るオメガ星雲

★LRGB同時露光用のビームスプリットシステムが

・・・思いの外、星雲にも有効だったので、

f0346040_14415879.jpg

今度はM17オメガ星雲を画像処理してみました。
共通撮影データは以下の通りです。

望遠鏡:VMC260L
レデューサ:自作
フィルタ:LPS-P2
カメラ:ASI1600MM-COOL+ASI1600MC-COOL
 ※自作ビームスプリットシステムによる同時露光
赤道儀:K-ASTEC改造Newアトラクス ノータッチガイド
ゲイン:400
露光:15秒
撮像温度:-15度

※ちなみに手抜き撮影なので、
 ○極軸は極軸望遠鏡で適当に合わせただけ。
 ○オートガイダーも使ってません。
 ○ダークもフラットも無し。
です(汗)

『天然ディザリング』+『短時間露光の多数枚コンポ』バンザイ♪


★ASI1600MC-COOLの一発撮り

 100コマ撮影した内の1コマです。トリミングしています。

f0346040_23383802.jpg
市街地からのニワトリで15秒露光ですから、まずまずの写りですね。


★ASI1600MMーCOOLの一発撮り

176コマ撮影した内の1コマです

f0346040_23402536.jpg
若干ですが、MCよりは良く写っています。


★それぞれをコンポジットすると・・・

 MCのカラー画像100コマとMMのモノクロ画像176コマをそれぞれコンポジットすると

f0346040_23421389.jpg
一気に微細構造が出てきますね♪
では、LRGB合成してみましょう。


★MM×176コマ+MC×100コマのLRGB

f0346040_23430213.jpg
なかなか良い感じです。
ただし、少しノッペリしているので、先日単体でも動くことを見つけたNikCollectionのシルバーエフェクトでL画像にメリハリを付けてみます。

すると・・・

・・・ででん!
f0346040_01061492.jpg
いやー、オメガ星雲って、面白い構造しているんですね。
星雲の中をいくつもの黒筋が走っていたり、いろんなウネウネした構造があったり、

・・・M8もそうですが、この手の星雲は思いっきり拡大しても楽しそうですね。




# by supernova1987a | 2017-04-26 06:15 | 天体写真 | Comments(11)


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