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あぷらなーとの写真ブログ
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『リバースパレット』の早見図公開

★念願のナローバンドによる「鮮やかなバラ」

色々と試行錯誤しましたが、ようやく鮮やかな発色のバラ星雲を三波長ナローバンドで撮影することができました。




そこで、今後のために「一目でやりたいことが分かる」ような早見図を作ってみました。

f0346040_15483462.jpg
S:SⅡ A:Hα O:OⅢ の各波長による撮影データを
 ☆通常のパレットではR/G/Bのいずれに割り振ったか
 ☆新たに考案した『リバースパレット』ではC/M/Yのいずれに割り振ったか
が一目で分かってとても便利♪

これで今後カラー合成処理のプロセスに失敗して時間を食うことも少なくなるかな??

まあ、実際は

色ベクトルが(100,0,0)のRに充てる予定のHαにCを充てたとすると、その色ベクトルは(0,100,100)
色ベクトルが(0,100,0)のGに充てる予定のOⅢにMを充てたとすると、その色ベクトルは(100,0,100)
よって、HαとOⅢが重なった領域は従来のパレットなら(100,100,0)で黄色になるけど
リバースパレットなら(100,100,200)となって、
ここから邪魔な背景となる(100,100,100)を減算すると(0,0,100)
・・・むう・・・これは青だな。

などと『暗算』可能なのですが、めんどくさいので・・・。


★前回のエントリーで

大昔(天文少年だった頃)の作品を載せたところ色々とコメントいただきビックリ。
それでも、今回のバラ星雲の撮影(30年ぶり)は興奮しました。
だって・・・・(高校生でコレかよ?などとお世辞を頂きましたが)バラ星雲って難敵ですもん。

ちなみに前回(30年前)に同じ場所で撮影したバラ星雲がこちら
f0346040_16064340.jpg
 ※ファミスコ60S(BORGの祖先)60mm FL400mm + コニカGX3200ネガ +ニコンFG20
 ※ミザールAR-1赤道儀+MMD-QZ+GT-68+K-12mmで半自動ガイド(目視でガイド補正)露光(たぶん)5分か10分

当時の天文少年にとっては、市街地からこれくらい写せれば御の字ですよ。

それが、今回の撮影では

f0346040_23365959.jpg
こんなんになっちゃうんだもんなー。

ま、30年間の撮影環境の進化恐るべし、ということで・・・。

大昔天文少年だったオジサマ方が、かつての夢を求めて天文界に復帰してるケースもあると聞きますが、たしかになあ・・・・。

しかし、最近の天文少年って幸せなのかどうかは微妙ですね。
だって、上のバラ星雲くらいなら「工夫と体力でやっつけてやるぜ」って思うでしょうが、下のバラ星雲みたいにオッサンが物量作戦で撮った画像見ちゃうとねぇ。

昔なら、数万円の赤道儀+1軸モータードライブに1~2万円程度のガイドスコープを載せて、ファミスコ60S(当時バーゲンセールでたったの3000円ですよ!)で直焦点撮影すれば総額10万円以内には納まるので、小遣いでもなんとかなりますが、現代だと、パソコン代やらソフト代やらが重い上に、やれオートガイドだ、自動導入だ、ナローバンドだ、冷却CMOSだ・・・ではとても無理です。
たぶん、少しずつ増強していって機材がそろった時にはオッサンになってます。

ここら辺、なんとかならんかなぁ・・・。

・・・等と言いつつ、『変態あぷらなーと』自身は、BORG89ED×2本、ビームスプリッタ×2機、冷却CMOSカメラ×4機で構成される『足のついたジオング』=『フルアーマーBORG・完全体』の出撃準備に取りかかってる訳ですが(笑)。


★ノスタルジーついでに・・・

昨日出てきた写真とともに、こんな写真も発掘されました。
f0346040_16445532.jpg
当時、高校の地学教室の奥からボロボロの16cmパラボラ鏡が発掘されて、天文少年の強い味方『御三家』さんに頼んで再メッキやら斜鏡等のパーツやらを頼んで格安で自作したドブソニアン望遠鏡です。他にも、プラネタリウムを自作して上演したり、でっかい八木アンテナを屋上に立ててFM電波で流星のエコー観測したり、・・・とにかく楽しかったなあ・・・・。


by supernova1987a | 2018-01-22 23:17 | 天体写真 | Comments(0)

ナローバンド撮影の『裏パレット』

★お待たせしました♪

先日より試しているナローバンド撮影における三波長合成カラー化の『見慣れないカラーバリエーション』ですが、
一通り確認作業が済んだので、いよいよ種明かしです。

f0346040_06360697.jpg
はい。
従来のHα・SⅡ・OⅢナローをカラー化するためのカラーバリエーションには、上記のような色具合のパレットは存在しません。



★・・・と、その前におさらい♪

ご承知のように光の三原色はRGB(赤緑青)の3色です。
その3色を組み合わせることで、理論上は(人間が知覚する)全ての色が表現できます。

たとえば・・・
f0346040_21285502.jpg
こんなふうに写った3つの画像を(色つきで)加算コンポジットすると

f0346040_21293589.jpg
このように様々な色が表現されます。

 R+G→Y(イエロー)
 R+B→M(マゼンタ)
 G+B→C(シアン)
 R+G+B→W(ホワイト)

となる訳ですね。
一般的なカラーデジカメがRGBの三種類の画素を搭載しているのも、上記の理由です。



★たとえばバラ星雲のSAO合成は・・・

先日『フルアーマーBORG』で撮影したバラ星雲の場合だと

f0346040_21344246.jpg
    ※左から SⅡナロー Hαナロー OⅢナロー の各モノクロ画像

こんな感じの元画像を、それぞれR・G・Bに割り振って

f0346040_21360357.jpg
こんな感じで色を付けたものを加算コンポジットすると

f0346040_21365759.jpg
こんな画像に仕上がります。
これがいわゆるSAOパレットです。

S(SⅡナロー)とA(Hαナロー)とO(OⅢナロー)をR/G/Bのどの色に割り振るかによって、色んなカラーバリエーションができます。
そしてその総数は、3の階乗=6パターンが考えられますね。

f0346040_21432591.jpg
 ※上段左から SAO OSA ASO
 ※下段左から OAS SOA AOS
  

★でも、実は他に方法があるんじゃ・・・?

今回あぷらなーとが撮影した条件が、たまたまそうなのかも知れませんが、どうもバラ星雲のナローバンド画像が発色に乏しいというか色がくすんだような印象を受けました。(完全に好みの問題ですよー。)

よくよく画像を見ていると、RGBの原色に表現されている部分が少なくて、それぞれの補色であるCMY(シアン・マゼンタ・イエロー)の領域が広いんですね。これは、元画像を見れば分かるように、ナローバンドの各領域が重なっている部分が多くて、当然その部分は原色の補色に演算されてしまうので当然と言えば当然です。

では、どうする・・・・?

これは捉え方の問題ですが、
  R+BがMだという解釈もできれば
  M+YがRだという解釈もできます
(厳密には、CMY合成が有効なのはプリンタインクや絵の具などのような減色混合の場合だけですが、コンピュータで演算する分には、別に問題はありません)

たとえば

f0346040_21533873.jpg
こんなふうに写った3つの画像を(色つきで)加算コンポジットすると

f0346040_21542141.jpg
こんな風に、CMYの間にRGBが生成されます。
(本来のCMYなら黒になるはずの部分が白になっているのは、減色合成せずに、あえて加色合成したからです)

これをナローバンド撮影に応用すると
f0346040_21344246.jpg
    ※左から SⅡナロー Hαナロー OⅢナロー の各モノクロ画像

こんな感じの元画像を、それぞれC・M・Yに割り振って
f0346040_21583667.jpg
これを合成すれば

f0346040_21594638.jpg
こんな画像が出来上がります。

HαのマゼンタとOⅢのイエローが重なった結果、鮮やかな赤が生成され、HαのマゼンタとSⅡのシアンが重なった結果、鮮やかな青が生成されました。


★というわけで『種明かし』は・・・

S・A・O 三波長で撮影したデータをカラー合成する際に、
 RGB合成せずに、CMY合成する
でしたー♪

その結果、あらたなカラーバリエーション6種類が手に入ったことになります。
f0346040_22334474.jpg
 ※上段左から SAOリバース OSAリバース ASOリバース
 ※下段左から OASリバース SOAリバース AOSリバース
  
従来のカラーパレットと区別するため、本ブログ中では便宜上「SAOリバース」などのように語尾に『リバース』を付けることにします♪

少々ケバケバしすぎるようにも見えますが、彩度を下げる処理は簡単(破綻しにくい)ので、ちょちょいのちょいです(笑)
では、すこし彩度を下げてバランスを取ってみましょう。

すると・・・・

ででん!!
f0346040_22290903.jpg
 ※上段左から SAOリバース OSAリバース ASOリバース
 ※下段左から OASリバース SOAリバース AOSリバース
いかがでしょう?
これなら、あまり違和感なく、新しいカラバリが楽しめそうですね♪


★あぷらなーとのお気に入りパレットは・・・

①『OSAリバースパレット』
f0346040_23362800.jpg
 いかにもナローバンドっぽい色のグラデーションが好き♪

②『SOAリバースパレット』
f0346040_23365959.jpg
 ウネウネが立体的に見えて好き♪

到底、天文雑誌のコンテストに出せるレベルではありませんが、
たった89mmの望遠鏡で迫力満点のバラ星雲が撮れる時点で(個人的には)笑いが止まりません。
3台目のASI1600MMと2台目のビームスプリッタも完成したことだし、ここからはバンバン『出撃』あるのみですかねー♪



★面倒くさそう・・・ですか?

さて、この処理(リバースパレット)は一見処理が面倒くさそうですが、ステライメージをお持ちでしたら、
「RGBカラ-合成」アイコンの横に「CMYカラー合成」のアイコンがあるので、それ押しちゃえば、RGB合成と同じ感覚で一発完了です。厳密には(演算ロジックに合点がいかない挙動があるので)もう少し検証が必要なのですが、早く「新しいパレット」遊んでみたいという方には、オススメですね♪



★昔取ったなんとやら・・・

今日、色々と捜し物をしていると、懐かしい写真が出てきました。
f0346040_22411391.jpg
約30年前(高校生の頃)地元の某プラネタリウム主催の天体写真展で念願の最優秀賞もらった時の作品ですね。
アルテア15(15cm・F10のカタディオプトリックカセグレン)+オルソ5mmアイピース。
これにR・G・Bの原色フィルタをかましてコダックTーMax400モノクロネガで3バンド撮影。
暗室にこもって各バンドの画像を手動でコンポジットして仕上げたモノクロ印画紙をフィルター付きの一眼レフで多重露光することでRGB合成。
ラボのオペレータにCMYの各露光データを直接指示してカラーバランスを調整。

複雑な処理過程を審査員にアピールするために、展示用の台紙まで自前で用意したんですから気合い入ってます。
提出前にインフルで高熱を発症してた中で書いたので、レタリングが下手くそなのは、ご愛敬(笑)。

ああ、若かったなあ・・・。



by supernova1987a | 2018-01-21 22:51 | 天体写真 | Comments(10)

鮮やかさ優先でバラ星雲を処理してみる

★種明かしは次回ということで・・・

前回のエントリーで、

従来のナローバンド3波長のカラー合成6パターン以外の可能性について言及しましたが、
さらに処理を進めたので、色々なカラーバリエーションをお見せします♪


★バラ星雲で『あの色合い』を出してみる

ナローバンドカラー合成の名手の方は大勢いらっしゃって名作が多数公開されているのですが、その中でもあぷらなーとが憧れていた『色合い』というものがあります。
それは、原色の発色が鮮やかで、それがグラデーションのように推移している『レインボー調』とでも言うべき風合いを実現されている作品です。

ただし、バラ星雲でその『色合い』って見かけませんよね。
恐らく、バラ星雲の場合Hα・SⅡ・OⅢの各領域が結構重なり合ってしまっていて色分離特性(相性)が悪いことが一因かと推測します。
(前回、『なんか補色っぽい』と表現したとおり、パッとしないんですよねぇ・・・)

ならば!
というわけで、前回の(従来のカラバリ6パターン以外の)処理をさらに進めてみました。

すると・・・


ででん!!
f0346040_06360029.jpg
どうでしょう?
けっこう『あのイメージ』に近い風合いのバラになったと思いませんか?
Hαが強い(と期待する)領域が鮮やかな緑で、SⅡが強い(と期待する)領域が鮮やかな赤に描写できました♪
・・・で、その間がグラデーション♪
おそらく、バラをSAO合成する方が目指してるのは実は『この色合い』ではないかと・・・・。

では、前回の画像(立体感優先処理)もきっちり仕上げてみます。

f0346040_06360697.jpg
はい。
前回目指した(意図した)色合いが出せました。
これはモクモクの部分を立体的に目立たせるという趣旨のカラバリですね♪


また、青いバラがお好きなら・・・
f0346040_06461259.jpg
こんなのもアリですかねぇ。

いずれにしても、これらの色合いは、メジャーな3色合成による6パターンのカラーバリエーション↓
f0346040_05471315.jpg
には一切含まれていないのが分かると思います。

あ、ちなみに、Hα・SⅡ・OⅢ以外の画像(LやRGBなど)は一切混ぜていません


★次回のエントリーで

バラ星雲のナローバンド撮影におけるこの手法の有効性について、説明を試みます♪

P.S.
別に、新しい手法を開発したわけではなくて、
Hα・SⅡ・OⅢのカラー合成のバリエーションは6パターンのみではなく
そもそも、12パターンあるよーってオチなので、あまり期待しないでくださいね♪


by supernova1987a | 2018-01-20 07:02 | 天体写真 | Comments(6)

比較明の「光跡途切れ」にお悩みの方に朗報

★光跡途切れを軽減する『イーブンオッド法』

あぷらなーとブログを始めたきっかけとも言える「比較明合成で生じる光跡途切れ」を軽減する妙案『イーブンオッド法』ですが、一つ弱点がありまして、それは『イーブン群』(偶数コマNoの画像ファイル群)と『オッド群』(奇数コマNoの画像ファイル群)に分ける作業の煩わしさなのですね。


まあ、発案者自身は「アヤシげなワザ」を習得してまして、単純に言えばWindowsのアイコン表示の仕様を利用するベタベタな手法です。

こんな感じでファイル表示させてしまうと
f0346040_04394434.jpg
いちいち、1個飛ばしでファイルを選択しないといけませんが、

こんな感じで大きめのアイコン表示にして、2列表示になるようウインドウを調整すれば・・・
f0346040_04405288.jpg
自動的に左列が『オッド群』、右列が『イーブン群』になりますので、各列をエイヤッと選択して別フォルダにコピーすれば弁別完了です♪


ともあれ、それでもヒューマンエラーは出るもの。
特に、画像ファイルの移動に失敗して大切なコマが欠損したら大惨事です。
それだけに、万人にお勧めできる手法ではなかったのですが・・・。



★またまた救世主ぴんたんさん降臨♪

FlatAideProの開発者で、先日、ASI1600MMの弱点である大量のクールピクセルに伴う『縮緬ノイズ』軽減のために編み出した拙作『クールファイル補正法』を速攻で実装するという神業をやってのけたぴんたんさんから「『イーブンオッド法』も実装したい」との連絡が!!

・・・で、楽しみにしていたわけですが、昨日、早くも「実装完了」とのコメントを頂きました♪
やっぱり仕事速すぎですよー ぴんたんさん。


★早速『イーブンオッド』を使ってみる

最新版のFlatAideProに更新して、メニューを操作してみます。
f0346040_04534667.jpg
プロセス → 比較明スタック に入ると・・・
f0346040_04544142.jpg
おお!
「イーブンオッド法」を適用するオプションが!

では、早速実行してみます♪

すると・・・


ででん!
f0346040_04564658.jpg
 左:通常の比較明合成 光跡がプチプチ途切れているのが分かりますね。
 中:あぷらなーとのマニュアル操作による『イーブンオッド』です。プチプチが大幅に軽減されています。
 右:ぴんたんさんのフルオート『イーブンオッド』です。まさに「意図通り」の効果が現れています♪

f0346040_05142615.jpg
 ※いずれも、上記画像のトリミングです。


素晴らしい!

ちなみに、Corei5-6600(3.3GHz)機でASI1600MC-COOLのFITS画像120コマを合成するのに約120秒ほどでした。

一応、発案者のアドバンテージとして『操作に慣れている』という特殊スキルがあるので、マニュアル操作で約20秒で完了させられるのですが、先述の通り「イーブン」と「オッド」に分けるのが手間ですのでねぇ。これが一発で処理できるとなるのはありがたい限りです。

『クールファイル補正法』に引き続き、『イーブンオッド法』の機能も、無料で完動してくれます。
一般的なデジカメのRAW画像には対応していない仕様なので、最大限の恩恵を受けられるのはRAWファイルをFITSで出力するCMOSカメラ使いの方々ですが、ステライメージなどでバッチ処理すれば一般のデジカメ画像でもRAWのままFITS化することもできますしね♪

光跡のプチプチ途切れにお悩みの方、ぜひお試しを♪

※イーブンオッドが効果的に機能するのは、デモザイク(ディベイヤー)する前のベイヤー画像です。JPEGやTIFF画像の場合は、メーカーの仕様により過補正になる場合もあります。


by supernova1987a | 2018-01-14 05:15 | 天体写真 | Comments(11)

クールピクセルにお悩みの方に朗報♪

★マイナーバージョンの違いにより差はあるものの

ASI1600MM-COOLは大変優秀な冷却CMOSカメラで、私などは2個も買っちゃったのですが、私の『1号機』の最大の弱点は、ウジャウジャ出てくるクールピクセルでした。

f0346040_11075769.jpg
大晦日に『年越し薔薇』したときの画像をダーク・フラット処理して、位置合わせ無しで119枚コンポジットした画像です。
こんな感じで黒点まみれになってるわけですね。さらに、これを位置合わせありでコンポジットすると、『縮緬ノイズ』(モヤモヤした黒い筋)が無数に生じて悲惨な像になります。


★『クールファイル補正法』考案♪

そこで、苦肉の策として編み出したのが『クールファイル補正法』でした。


これ、珍妙な処理過程なので「鼻で笑われるだけ」かなーと思っていたのですが、意外に反響が大きくって、色んな方が実際にテスト運用して成果を出されたようです。

ただ、結構複雑な行程を踏むので処理枚数が多いと難儀します。特に単純ミス(加算したっけ?減算したっけ?位置合わせしたっけ?処理後のファイルはどこ行った?)が出るのが怖いんですね。特に徹夜観測明けは危険です。

ところが!


★救世主ぴんたんさん降臨♪

昨日の拙ブログに「目を疑うような」コメントが・・・。
あの「FlatAide」の開発者ぴんたんさんから「お初コメント」をいただいたのですが、
その内容が・・・

ええっ!?

「FlatAide Proに『クールファイル補正』機能を実装した!」

ですと?!
しかも、バッチ処理一発で完了するという夢のような仕様
・・・で、本来はライセンスを購入しないと(処理画素数などに)制限がかかるPro板なのに、この機能はフリーで使えるという太っ腹仕様。


★早速試してみる♪
f0346040_11240827.jpg
FlatAide Proを立ち上げたら

プロセス → バッチ演算
と進み、「クールピクセル補正」にチェックを入れます。

元ファイル群を「ブラウズ」ボタンで読み込んで
処理後ファイルを吐き出すフォルダを「保存先フォルダ」で指定します。

・・・で、実行してみますと・・・・

1600万画素のFitsファイル119コマを全課程処理するのにわずか6分!
しかも、随時メモリも解放してくれているようで、最大でも8G弱しかメモリを食いません。

さて、上手く処理できているか見てみましょう♪

すると・・・

ででん!
f0346040_11294371.jpg
 左:ダークフラット補正のみでコンポジット
 中:あぷらなーとの『手動クールファイル補正』実施後コンポジット
 右:ぴんたんさんの『一発でクールピクセル補正』実施後コンポジット

すげえ!

いやはや、処理アイディアをあっという間に実装レベルまで持って行けるスキル、恐れ入りました。

黒点問題・縮緬ノイズ問題でお悩みの方、
あぷらなーとの『クールファイル補正法』が面倒くさくて悶絶中の方

FlatAidePro 必携ですぞ!


★★★補足★★★
自己解決したのですが、処理前のFITSファイルの拡張子は「fits」ではなくて「fts」に変換しておかないと上手く行かないようです。私の場合は、元ファイル群をコマンドプロンプトから「ren *.fits *.fts」実行で一括リネームしてから処理しました。FlatAide使いの皆さんには常識だったのかも知れませんが、私、初めて触ったもので・・・。
★★★追記です★★★
ぴんたんさんより、
「さきほど公開したver1.0.25では拡張子*.fitsでも問題はなくなった」
とのコメントをいただきました!!
・・・ぴんたんさん、仕事速すぎ♪


by supernova1987a | 2018-01-03 11:41 | 天体写真 | Comments(19)

突発的なホットノイズって何なんだろう??

★『クールファイル』やらフラット補正やら・・・

最近、色々と天体写真の下ごしらえを勉強中ですが、ダーク減算用のダークフレームを処理していたとき、ふと思いました。
・・・突発的なノイズの中には、結構明るいヤツがあるよなぁ・・・。
これ、何なんでしょ?

巷では、宇宙線が撮像素子をヒットしたものが多数含まれているというウワサ
大学院生時代に「一次宇宙線のエナジースペクトル解析」が専門だった身としては興味津々。



★観測装置はないけれど、少し遊んでみた

宇宙線とは、「宇宙から飛来する高エネルギーの放射線の総称」です。カミオカンデでお馴染みのニュートリノとか、バーストした天体から飛んでくるガンマ線とかが有名ですね。もっとも、地球に飛来した高エネルギーの宇宙線は地球大気とインタラクション(相互作用)して、二次粒子に変化しますので、イメージとしては地表に到達する宇宙線は、『宇宙線本体のカケラ』とか破壊された『大気原子の破片』がごっちゃになって飛んできているものです。地表に降ってきている宇宙線の大半は、ミューオン(μ粒子)とエレクトロン(電子)とポジトロン(陽電子)の混成だと思われます

ちなみに、研究していたころは標高5000m超の高山のてっぺんに有効面積が1~4平米のシンチレーションディテクタを多数展開して、空気シャワー現象(大気内で無数に増殖した荷電粒子がシャワーのように飛んでくる現象)を観測していました。例えるならば、「1画素の大きさが1~2mくらいある数十画素のデジカメ」といったところでしょうか。

アマチュア用のCCDセンサーとかCMOSセンサーとかは学生時代になかった装置なので、完全に専門外です。確かに、フォトマル(光電子増倍管)を使ったシンチレーションディテクタのデータ解析の際に、プラスチックシンチレータ(望遠鏡の主鏡のような役割)にヒットせずにフォトマル(望遠鏡の副鏡の位置にあるようなもの)を直接ヒットする粒子があって、その影響を排除するのに苦慮した思い出があります。これと同じようなことがデジカメでも起こっているんでしょうが、よく分かりません。

・・・で、ちょうどD5000用のダークファイルを作り直そうかと思っていたところなので、ついでに遊んでみました

f0346040_02525803.jpg
レンズ無しのD5000を3台縦に連結して、真上を向けて15秒露光を延々繰り返すという『遊び』。
はい。「なんちゃって積層ディテクター」ですな(笑)。
さすがに三層通過できる立体角はわずかなので、なかなかヒットしないでしょうが、二層くらい貫通する粒子が捉えられても不思議はないかも??

※注:すんません。遊びなので、なんにも計算してません。



★ダークを引いても残る輝点例

D5000を三連結した『なんちゃって積層ディテクター』の第一層目で捉えられた「不自然な輝点」の例がこれです。

f0346040_03032817.jpg
※D5000IR改造 ISO1600 15秒露光 長秒時ノイズリダクションあり RAW 強トリミング  レベル調整


撮影時に長秒時ノイズリダクション(1枚撮影するごとにダークを取得して減算する機能)を掛けていますのでほとんどダークノイズは消えています。
そんな中、画像をよく見ると数コマに1個程度の割合で強い輝点が写っていました。もちろん、1枚ごとにその位置は異なります。

さて、今度は15秒露光をした画像100コマを比較明コンポジットしてみましょう。
すると・・・・

f0346040_03094416.jpg
こんな感じで、結構ウジャウジャ写っちゃうものなのですねぇ。あらためてビックリ。



★二層貫通した例??

そんな中、3台のD5000の画像を丹念に調べてみて1例だけ「二層貫通したのかも??」と思われる事象が見つかりました。

f0346040_03123417.jpeg
左が一層目のD5000に写った輝点で、右が二層目のD5000に写った輝点です。三層目のD5000には何も写っていませんでした。それぞれヒット箇所が500ピクセルほどズレているので、これが斜めに入射した粒子だとすると、ちょうど三層目に到達したところで撮像チップ外に外れたことになり、つじつまが合うと言えないこともありません(笑)。


※注:いわゆるコインシデンスタイム(同期時間幅)が15秒もあるので、全くあてにはなりませんよ(念のため)



★ともかく・・・

今回の『遊び』で、ランダム発生しているホットピクセルが意外に多いことが分かりました。
果たしてこれが二次宇宙線がヒットしたものかどうかは分かりませんが、ダークファイル作成時には、安全のため加算平均ではなくメジアンとかシグマクリップとか使った方が良いのかも知れませんね。(ちなみに今回の撮影は木造の屋内で行いました)

フランジバックが短い(有効立体角が大きくなる)ミラーレスを使った『三層ディテクタ』とか、霧箱とCMOSセンサーを組み合わせた『ハイブリッドディテクタ』とか、面白そう♪・・・いや、いっそのこと、ジャンク品のデジカメを買いあさってセンサーだけ積み重ねるとか・・・・ダメだダメだ。これ、泥沼に陥りそうなのでやめとこう(笑)。


★★★ご注意★★★
※今回の記事は、完全なる『落書き』ですので信用してはいけません
※シーレベルの地表の場合、ミューオンを主体とする二次宇宙線は1㎠センチあたり1分間に1個程度到来していると言われていますが、どのようなエネルギーレンジの時に『感光』するのか、あぷらなーと自身が理解していません。また、撮像素子を貫通した時よりも停止した時の方が放出するエネルギーは大きいはずなので、そもそも『貫通して写る』のかどうか極めてアヤしいです。
※ライトフレームに生じる突発的輝点はステライメージのホットピクセル除去フィルタで相当緩和できますので、ほとんど実害はないでしょうね。
※強い粒子が入射した際は、素子自体が破壊されて永続的なクールピクセルになるとのウワサもありますが、真偽の程はよく分かりません。

by supernova1987a | 2017-09-26 03:45 | 天体写真 | Comments(6)

『クールファイル』補正でM31を再処理してみる

★クールピクセルの軽減のために

「位置合わせ無しコンポジットした画像からクールピクセル情報を抽出して補正する」というアイディアがなかなか上手くいっています。

そこで、ツインBORG60EDで撮影したM31のデータをLRGB合成して再処理するために、今度はカラー冷却CMOSカメラASI1600MC-COOLのクールピクセルについて処理してみました。


★カラーカメラのクールピクセルはどんな様子?

ASI1600MM-COOLの時と同じ手法で、ASI1600MC-COOLのクールピクセルを抽出してみます。

f0346040_01181270.jpg
 左:ダーク・フラット補正したMCのRAW画像を位置合わせ無しで60枚コンポジット
 右:その画像から抽出したクールピクセル(の反転画像)

カラーカメラはそのベイヤー構造のために、ぱっと見クールピクセルが目立ちませんが、抽出処理をしてみると「ウジャウジャ」出てきました。
ただしカラーカメラの場合、実際の画像処理ではクールピクセルが目に付くことは希ですし、一般的にクールピクセルの軽減処理は不可欠では無いとされています。

では、なぜ目立ちにくいのかを確かめるために、上で抽出したクールファイルをさらに反転して、デモザイク(ディベイヤー)処理に掛けてみます。

f0346040_01230046.jpg
 左:ダーク・フラット補正したMCのRAW画像を位置合わせ無しで60枚コンポジットしたものをデモザイク
 右:クールファイルを反転しデモザイク

どうやらカラーカメラの場合はそのベイヤー構造によって、クールピクセルが「輝度の欠損」ではなく主に「色の欠損」として処理されるわけですね。
そのため、クールピクセルを放置していても「黒い筋」にならず、むしろ「色むら」として認識されやすいと推測されます。
ちなみに、ホットピクセルは輝度が過剰になっているため加色混合法にしたがい「赤か緑か青か」で現れますが、クールピクセルの場合は一種の減色を行うことになるため、補色である「イエローかシアンかマゼンタか」で現れるようです。(上の右図参照)



★ASI1600MC-COOLで『クールファイル』補正処理

では早速、ASI1600MC-COOL用に作製した『クールファイル』について、補正の有無を比較してみましょう。

f0346040_01382897.jpg
 左:クールファイル補正なしで加算平均コンポジット(位置合わせあり)
 右:クールファイル補正を加えて加算平均コンポジット(位置合わせあり)

左の画像に見られる「マゼンタやシアンで横に伸びた様な不愉快なノイズ」が右の画像ではキレイに除去されていること分かります。
モノクロカメラほどではありませんが、カラーカメラにもこの手法は効果があるようですね。


★では、全データを使って再処理してみます。

ツインBORG60EDにASI1600MC-COOLとMM-COOLを用いて撮影したM31の画像(MCとMM、それぞれゲイン300・30秒露光×120コマ)を再処理してみました。


f0346040_10260084.jpg


前回LRGB合成したときは、NikCollectionのノイズ処理やシルキーピクスのノイズ整列などを多用する必要(要するにノイズをぼかして誤魔化す必要)がありましたが、今回はほとんどノイズ処理の必要がありませんでした。いい加減なフラットファイル(PCモニタ+ディッシュ)を使ったので色むらは残っていますが、M31本体とその周辺の『縮緬ノイズ』や『色むら』は激減しました。

えらく苦戦しましたが、少し前進したような気がします♪



★さて、次は・・・・

久しぶりに「主砲」VMC260L+ビームスプリッタ装置を用いて、星雲などをドカーンとクローズアップしたいですねぇ。
f0346040_01514360.jpg
  ※この可愛らしいイラストは、『ASI1600仲間』の にゃあさん が描いてくれました。

 どうです? スゴイでしょこれ。
 もうメーカーさんのカタログや説明書に使えそうなクオリティで、ビックリ!



by supernova1987a | 2017-09-11 19:29 | 天体写真 | Comments(6)

クールピクセルを軽減するアイディア

★先日来のエントリーで・・・・

ASI1600MM-COOL(他のモノクロカメラも?)で多発する『縮緬ノイズ』について
 ①主要因はホットピクセルではなくクールピクセル
 ②クールピクセルはダーク減算では消えない(当たり前)
 ③クールピクセルはフラット除算でも消えない(ビックリ!)
 ④短時間露光の場合、クール除去フィルタでも消えない
『ようだ』ということが分かりました。


また、クールピクセルとその周辺のピクセルの輝度データを解析した結果
 ①クールピクセルと正常ピクセルの輝度差は一定では無い
  ※撮影対象の明るさによって非線形変化する
  →減算処理できない理由
 ②クールピクセルの正常ピクセルに対する比感度(輝度比)は一定では無い
  ※撮影対象の明るさによって非線形変化する
  →除算処理できない理由
『らしい』ことが分かりました。


最後の頼みはステライメージなどの「クールピクセル除去」系のフィルタなのですが、プログラムが『コイツがクールピクセルだ』と認識するためにはある程度の露光量が必要なようです。したがって、あぷらなーとが得意とする「短時間露光+多数枚コンポ」では、周辺ピクセルのショットノイズに埋もれてしまいクールピクセルが正常ピクセルから弁別できていないように見えます。


・・・では、どうする??


★ふと閃きました♪

ちなみに対処法のアイディアは、下記のジレンマから生まれました。

多数枚コンポジット+ノータッチガイドの場合
 ①元画像にクール除去フィルタを掛けてもあまり効かない
 ②位置合わせありコンポジット後だと全くフィルタが効かない
 ③位置合わせ無しコンポジットだとフィルタが効く(でも、これだと被写体が流れまくり・・・)
というわけで堂々巡りになるのですが、ふと閃きました。

「位置合わせ無しコンポジット」したデータからクールピクセル情報を抜き取り
『クールファイル』を作製すれば良いのでは?!




★早速やってみます

元データにダークファイルとフラットファイルの補正を加えた後、下記の行程を実行してみます。

<行程①>
位置合わせ無しコンポジットした画像を複製して2枚にします。
その一方にステライメージのクールピクセル除去フィルタを掛けます(閾値はゼロ)
f0346040_19132743.jpg
 ※左:ダークフラット補正のみ60コマコンポジット
  右:さらにクール除去フィルタ適用(しきい値ゼロ)


<行程②>
クール除去フィルタを掛けた画像から、フィルタを掛ける前の画像を減算処理します。
f0346040_19130623.jpg
 ※左:ダークフラット補正のみ60コマコンポジット
  右:クール除去フィルタ適用画像から左の画像を減算したもの

この行程で、クールピクセルの位置と『加算すべき輝度』情報が入ったファイルが出来上がりました。これを『クールファイル』と呼ぶことにします
ここで重要なのは、フラットファイルやダークファイルと異なり、実際の撮影データから『クールファイル』が抽出されたことです。そのため前回のエントリーで困窮した比感度の非線形変化の影響を避けられます
別な表現をすると、1枚画像では効かないクール除去フィルタ機能に『クールピクセルの場所を教える』ファイルとも解釈できます。
また、「位置合わせ無しコンポジット画像」に適用したクール除去フィルタの効果を元画像に分散させるファイルとも言えますね。


<行程③>
作製した『クールファイル』を元画像(1コマデータ各々)に単純加算処理します。
(加算平均ではなく、加算です)
f0346040_19232213.jpg
 ※左:ダークフラット補正のみの元画像1コマの例
  右:左画像に『クールファイル』を加算コンポジットしたもの

一見なにも変わってないように見えますが、それだけショットノイズが激しいと言うことです。気にせず先に進めます。

(これまでやっていた「元画像にクール除去フィルタ」を掛けても効かない理由は、上記の画像を見れば想像が付きます。こんなザラザラの中からクールピクセルを見分けろと言われても無理ですよねぇ。たぶん、余計なものが消えちゃってたんだと思います。よく考えれば短時間露光で生じるザラザラは空間ノイズではなく時間ノイズなので、真っ黒に見えても貴重なデータがほとんどで、これを消しちゃうと解像度が大幅にダウンしちゃうハズです。)


<行程④>
『クールファイル』を加算した元画像を加算平均コンポジット(位置合わせ有り)していきます。
f0346040_19260037.jpg
 ※左:『クールファイル』を加算コンポジットした1コマ画像
  右:60コマ加算平均コンポジットしたもの

おしまい♪


★効果のほどをチェックしてみましょう

さて、実際に効果があったのか(クールピクセルの除去に成功して『縮緬ノイズが消えたのか』)をチェックしてみましょう。

行きますよ・・・・・・
左が「ダークフラット補正のみ」右が「『クールファイル』加算処理後」です。



・・・ででん!

f0346040_19313360.jpg
左の画像(ダーク・フラット補正のみ)ではウジャウジャと存在する『縮緬ノイズ』が右の画像では、(ほぼ)完璧に消失しました!!

めでたい♪


★なぜ『縮緬ノイズ』が消えたのか?

今回の手法が有効に効いたかどうかは、コンポジット時にあえて「位置合わせをせず」に比較すると分かりやすくなります。

f0346040_19370551.jpg
 左:ダークフラット補正のみの画像を60コマコンポジット
 中:それにくわえてクール除去フィルタ処理した画像を60コマコンポジット
 右:今回の新手法で処理した画像を60コマコンポジット

上の画像を比較すると明らかなように、やはりコンポジット前の画像にクール除去フィルタは効きにくいようです。しきい値ゼロでもクールピクセルは部分的にしか軽減されていません。それに対して今回の手法では、ほぼ完璧にクールピクセルが消えた上に、変なニジミも生じていないことが分かります。

では、位置合わせ有りのコンポジット画像で比較してみます。
f0346040_19422576.jpg
 左:ダークフラット補正のみの画像を60コマコンポジット
 中:それに加えてクール除去フィルタ処理した画像を60コマコンポジット
 右:今回の新手法で処理した画像を60コマコンポジット

位置合わせ無しの時ほどは差が分かりにくいですが、『縮緬ノイズ』が効果的に消えた上に、画像の鮮明度が失われていないことが分かると思います。



★★★ご注意★★★

①今回の結果は、下記のようなごく限られた条件の下でのみ有用だと思います。
  ※短時間露光の多数枚コンポジットをする
  ※オートガイドはしない
  ※ある程度正確に極軸が合ってる
②そもそもノータッチガイドなどしなければ、クール除去フィルタで一発解消かも
③きちんとディザリングすれば(クールピクセルの位置が重複しなければ)シグマクリップで一発解消かも
④輝星の周囲のうちガイドズレ方向にはクールピクセルが残る可能性があります
 ※サチってしまうとクールピクセルの情報が抜き取れませんので
⑤『クールファイル』という用語があるわけではなく、単にあぷらなーとの造語です。


by supernova1987a | 2017-09-10 20:01 | 天体写真 | Comments(12)

クールピクセルの挙動を調べてみる

★前回のエントリーで・・・


モノクロ冷却CMOSカメラASI1600MM-COOLで発生する『縮緬ノイズ』について

 ①主要因はクールピクセル『らしい』
 ②クールピクセルは「ダーク減算」で消せない『らしい』
 ③クールピクセルは「フラット補正」でも消せない『らしい』

ということに気づいたのですが

少しだけ、クールピクセルの挙動について『検証ごっこ』してみました。


★『検証ごっこ』の試行

そのうちDelphiかVBあたりで解析用のコードを書いて調べてみようとは思いますが、とりあえず「調べる価値があるか」(面白そうか)を「手動で」チェック♪

ステライメージで複数の(コンポジット済みの)画像を読み取り、同じ座標のクールピクセルとその周辺(5×5)の輝度にどのような相関があるのかを調べてみました。

f0346040_10502719.jpg
今回の調査は、ステライメージを使って、ピクセル情報を読み取る方法で行きます。
比較対象は
 ①フラットフレーム120枚コンポ
 ②M31付近A60枚コンポ
 ③M31付近B60枚コンポ
 ④アイリス星雲付近60枚コンポ
の4枚です。それぞれ加算平均したもので、ダークやフラットの補正は無しです。

すると・・・

f0346040_10545689.jpg
こんな感じになりました。
 クール輝度はクールピクセルそのものの値
 平均輝度はクールピクセルを含む5×5ピクセルの領域の内、クールピクセルを除いた24ピクセルの輝度平均値
 差分は平均輝度からクール輝度を引いた差
 比感度はクール輝度を平均輝度で割ったもの
です。


★ダーク減算で補正できない理由(らしきもの)

まあ、ダーク画像にはクールピクセルは写りにくいので、そもそもダメですが
少なくとも、「減算処理」で消せない理由は分かりました。

f0346040_11003107.jpg
このように、周辺輝度が変わってしまうと、クールピクセルの輝度が非線形に変わっていることが分かりました。
(このグラフが真っ直ぐにならないと原理的に減算では消せません)
とにかく、減算処理では無理っぽいですね。



★フラット除算で補正できない理由(らしきもの)

フラット補正は、画面全体の輝度が1になるようにノーマライズ(規格化)して、その値でライトフレームを除算するロジックだと思われますが、この場合、撮影画像に対するクールピクセルの比感度が一定で無いと補正できません。

f0346040_11042125.jpg
ところが、上のグラフのように、比感度も周辺輝度値に対して非線形変化しちゃってるのですねぇ。
(このグラフが水平にならないと原理的に除算では消せません)
これでは、除算処理でも補正は無理っぽそうですね(泣)。


とりあえず、ダークやフラット補正をしてもクールピクセルが残ってしまう『からくり』は分かってきました。

・・・・いよいよ、夢の中で閃いた『妙案』をさらに発展させた『秘策』の出番ですかねぇ!
これが失敗したら、短時間露光+多数枚コンポジットは封印しなきゃ(と言いつつ失敗したりして・・・)

by supernova1987a | 2017-09-09 01:41 | 天体写真 | Comments(4)

D5000の天の川も再処理してみた

★GW中の唯一の遠征日だったので

モヤモヤした空でしたが、IR改造D5000+シグマ30mmF1.4で撮影した天の川も再処理してみました。
撮影データはISO1600F4の30秒露光で、スカイメモNSのノータッチガイドです。

今回は、キャプチャNXDでアストロノイズリダクションを掛けて現像したTIFF画像と、ステライメージでホットクール除去して現像したFITSファイルを最後に合成することと、ステライメージ7のマスク処理に加えて、新たに導入したフォトショップ+NikCollectionでのレタッチも施してみました。

ちなみに、撮影した画像は148コマ。せっかくですのでコンポジットの効果も比較してみることに。

★コンポジットの枚数による差異

コンポジット枚数による違いは次のとおり
f0346040_02425767.jpg
 ※左から順に、1コマ/2コマ/4コマ/8コマ/16コマ/32コマ/64コマ/128コマ
ビニングしたものをピクセル等倍にしていますので、一般的に言う「50%」に相当しますね。1コマは論外として、8枚コンポあたりから実用的に見えます。

さらに拡大してみます。
f0346040_02452661.jpg
 ※左から順に、1コマ/2コマ/4コマ/8コマ/16コマ/32コマ/64コマ/128コマ

ビニングしたものを300%拡大したものです。やはり8枚コンポあたりから滑らかになっています。

すこし別の場所も見てみます。

f0346040_02483229.jpg
 ※左から順に、1コマ/2コマ/4コマ/8コマ/16コマ/32コマ/64コマ/128コマ

ビニングしたものを300%拡大したものです。これだと16枚コンポあたりからが実用域でしょうか。


★NikCollectionで処理してみると

さきほどのコンポジット比較ですが、さらに強めの画像処理をした場合には状況が変わります。

f0346040_02522639.jpg
 ※左から順に、1コマ/16コマ/128コマ

これもビニングしたものを300%拡大したものです。強めの画像処理をかけると16枚コンポでもザラザラになることが分かりますね。


★というわけで結局・・・

手持ちの148コマを全て処理してみました。
ついに買ってしまったフォトショも使って仕上げます。
先日、単体でも動くことが判明したNikCollectionですが、やっぱりプラグインとして使うと格段に楽ちんですね(あたりまえか)。

ちなみに、元「キャプチャーNX2使い」だったあぷらなーととしては、NikCollectionで一番ありがたいのが「コントロールポイント」が使えることです。
キャプチャーNX-Dが無料化されたのは良いんですが、大好きなコントロールポイント機能が無くなったので困っていたわけです。



フラットは撮影していないので若干トリミングして周辺部を捨てましたが、なんとか仕上がりました。

f0346040_03455120.jpg

※148枚コンポジット 画像処理は、NX-D+SI7+SI6+シルキーピクス+フォトショ+NikCollectionで色々と♪

デジカメで天の川をガイド撮影したのは今回が初めてなので、『天の川ビギナー』にしては良い感じかな?

・・・肉眼で天の川がほとんど視認できないモヤモヤ条件ではなくて、スカッと晴れた空で再チャレンジしてみたいものです。

by supernova1987a | 2017-05-16 06:34 | 天体写真 | Comments(16)


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