思えば、2001年のしし座流星群のときフィルムで撮影していた流星写真を合成してきれいに表現するために
試行錯誤して身につけたのが比較明コンポジットの手法。
あのころは技法自体が目新しかったので、
うまく撮影できたアマチュア天文家さんが
少なかったのでしょうねぇ。
私の流星群の写真が
天文雑誌や児童生徒用の書籍、はたまた
某保険会社さんのリーフレットとかに使用されたりと、
ずいぶん楽しかったのですが、
あれから、ずいぶんと経ちました。
本業が忙しくって、
気合い入れて写真撮ることもめっきり減ってしまいました。
幸い、今はデジカメ全盛の時代。
フィルム時代に比べれば、相当に技術的な制約が少なくなってきました。
・・・・というわけで、本業の仕事も少し落ち着いてきたことだし
ぼちぼち活動再開してみますか。
★「比較明コンポ」と言えば・・・・
フォトショップやステライメージなどでおなじみの
「各画像のうち、明るい方を優先して合成」
するコンポジット法で、
かつての私が流星写真でなぜ比較明コンポを選んだのかと
言えば、
「背景は暗く・流星は明るく」合成できるから、
でした。
もともとフィルムには低照度相反則不軌特性があるので、
流星写真には向いているんですが、これを比較明コンポ使うと
その特性が最大限に活かされて、
こんな風↓に、いい感じに作品ができるわけですね。

※2001年しし座流星群の「流星嵐」の様子
ニコンF801S+トキナーATX-17+スペリア1600ネガ
ニコンCOOLSCANⅣでデジタイズして比較明コンポジット処理
撮影:あぷらなーと
近年では、デジカメの進化と比較明コンポジットの応用で、数々の天体写真の名手の方々が
地上風景と星の日周運動を組み合わせた美しい作品を生み出されています。
たとえば、私が撮ると(へたくそですが)こんな感じ↓でしょうか。

ニコンD300+シグマ10-20mmF4.5-5.6
比較明コンポジット処理
撮影:あぷらなーと
★頭の痛い問題・・・・
最近は、あまり気合いを入れずに「気軽~に」撮影、「のんびり」画像処理
なので、技術力が追いついていたかったり、勉強不足の可能性もありますが
どうも、釈然としない現象に
「星景写真の星の光跡がブチブチ切れる」
という問題がありました。
たとえば、こんな↓やつですね。

ひたすら連写し続けて、あとから全部のコマを重ねていくんですが・・・・・
フィルムで30分とか60分とかかけた「一発撮り」固定撮影では出ない「ブチプチ」が
出ちゃうんですね。写真を拡大しなければ、あまり分かりませんが、どうも気分が悪いこの現象。
最初は、「デッドタイムか?」などと考えていたのですが、冷静に考えるとどうもつじつまが合いません。
たとえば、パワーバッテリーグリップ装着のニコンのD300で、長秒時ノイズリダクションをオフにして撮影すると、
(元々の連写速度が8コマ/秒なので)原理的に、デッドタイムは0.125秒以内のハズですよねぇ。
上記の例だと、1コマの露出を30秒にしているので、明るい部分の長さと「切れ目」の長さの比は、
およそ「240:1」じゃないと計算が合いません。それなのに、実際は、ざっくり見積もって
およそ「5:1」~「4:1」くらい有るようにしか見えません。
もしも、この現象がデッドタイムなら・・・これって、
30秒の露出に対して、「実に6~7秒」くらいカメラが寝ていた
という奇妙なことになります。
・・・・絶対変です。
★ここまで考えていて、ふと思いついたことが
「あ、ひょっとして、コレって・・・単に」
確かに、
ベイヤー素子の特性だったり、
シャープ処理の輪郭強調効果だったり
も寄与しているのでしょうが、あまりにもブチブチが大きすぎるので
なんか、根本的な問題のような気がして、ちと実験してみました。
同じデータをコンポジットするときの
「ほんの少しの工夫」
・・・・・やってみました。

うーん。あまりにうれしかったので「勝手に」命名しておきましょう(笑)
名付けて「イーブンオッド・コンポジット法」
・・・・詳細は、もう少し実験検証してみてから書きましょう。
---Byあぷらなーと☆---

残された人生を思うと自信がありません。
まぁ〜 前回よりは飛ばし読みが出来るかもしれませんが・・(笑)