・・・・・第3弾です。
★バックグラウンドがあった場合の考察
それでは、より差がわかりやすくなるために、バックグラウンドがあった場合に何が起こるか考察してみましょう。
たとえば、40秒露出を行うと、これまでで仮定した恒星の光跡の明るさと同等までバックグラウンドが明るくなってしまうという条件を仮定すると、各タイムラインにおける露光量は下記のようになります。
この条件下で、加算平均・比較明・イーブンオッドのそれぞれの手法でコンポジットすると下記のようになります。
ちなみに、この条件下でバックグラウンドのみ(星の見えない空域)を処理してみると
このようになり、どの手法でもまったく同じ明るさになることが分かります。
ここで、各手法の効果を検証するために、S/N比を取ってみると
となり
①加算平均はコントラストが低いが光跡は途切れない
②比較明はコントラストが高いが光跡が途切れる
③イーブンオッドはコントラストが中程度で光跡は途切れない
と結論づけることができます。
★撮影枚数が増加すると・・・・
露光時間10秒のコマを16コマ用意し、それをそれぞれの手法でコンポジットした場合のS/N比をグラフにまとめると次のようになります。
バックグラウンドの影響で加算平均コンポジットは著しくS/N比が低下し、イーブンオッドの優位性が際立つことがわかります。
★まとめ
撮影した画像を、いきなり比較明コンポジットをせず
①奇数コマのみを比較明コンポジットする
②偶数コマのみを比較明コンポジットする
③①と②の結果をさらに加算平均コンポジットする
この手法『イーブンオッドコンポジット法』によって
光跡の途切れは大幅に『改善』(多少は残るので)されることを見つけました。
今後の作品作りに活かしていきたいと思います♪
<早速、眉山の夜景入れた星景写真撮ってみました>
薄雲があっても、「シマシマ」が出ないので安心ですねぇ♪
PS
「『イーブンオッド』って・・・・宇宙線物理系の人ですか?」
いや、昔、高エネルギー宇宙線の空気シャワーをシンチレーションアレイで観測していたことがあって・・・ですね。
それで今回の手法をひらめいたのかもしれない・・・・です(笑)。
★実際の処理プロセスの詳細は、次回アップします♪
---Byあぷらなーと☆---