なんだか、ネットで「ラブジョイ彗星」で検索すると
『8000年に一度の奇跡』
とか、ド派手な文言が踊っていますが、実際はそんなにたいしたものじゃありません。
確かに、この彗星『自体』は8000年周期ですが、『このクラス』の彗星なら2年に一度は拝めます(笑)。
今回のラブジョイも普段からアンドロメダ銀河が肉眼で見えるような暗い空の元でないと、初心者の方が見つけるのは困難な程度です。
「すんごい彗星が見えるのかぁ」などと過度な期待をして、天文嫌いになる人が増えないことを祈るばかり・・・。
・・・とは言え、実際4等級にも明るくなっていて「がんばれば肉眼でも見えそう」とくれば、そわそわします。
★ちょうど、久しぶりに連休が取れたので・・・
そういえば、しばらく彗星、見ていないなあ・・・
「よし、ここは撮っとかないかんでしょ~」
というわけで、C/2014Q2:ラブジョイ彗星を実家から観測してみました。
・・・しかし天候はよろしくなく、機材のセットアップ中に雲がどんどん流れてきます。
この天候では通常の望遠レンズでは面白い絵が撮れそうにもないので
無謀にもVMC260Lの直焦点撮影、行ってみます。
VMC260Lに純正レデューサを装着して1800mmの直焦点。これにニコンD610(無改造)をつなぎます。上空の薄雲に夜光が映って明るいので(彗星撮影には向かないでしょうが)LPSP2光害カットフィルタも用いましょう。どうせ、彗星自身の固有運動で像が流れるはずなので、オートガイダーも外して、EQ6PROのノータッチガイド一発で行きます。
パソコンで位置を確認する時間すらなさそうなので、セレストロンの7cm双眼鏡で適当に空を流すと・・・
おっ!
すぐにラブジョイ彗星、見つかりました。
薄曇りの中なので、さすがに尾はみえませんが、それでもはっきりとしたコマがなかなかきれい♪
・・・ああ、そうこう言っているうちに、分厚い雲が迫ってきました。
極軸の追い込み?・・・・時間無い(涙)
アライメント?・・・時間無い(涙)
バーティノフマスク?・・・時間無い(涙)
★い、急げー。えいっ!!
極軸はタブレットのアプリで時角を求めて、目分量でセットして終わり。
アライメントは1点で合ったことにして恒星時駆動に移して終わり。
ピントはリゲルでライブビューで適当に合わせて終わり。
導入は5cmファインダーで目視で行って終わり。
・・・ニコンD610をRAWにセットしてISO1600で30秒露出の連写っ!

・・・・流れ行く雲の合間で、なんとか2カットだけ写りました!
う~ん。さすがにこの天候では尾っぽは写らなかったけれど、さすがは1800mm
でっかいコマが緑色に輝いて幻想的です。良い感じ♪
約2年ぶりに彗星の撮影、成功です。
★ちなみに前回は・・・
2013年の5月、まずまずの好条件下で撮影したC/2011L4:パンスターズ彗星でした。
このときは空が良かったのでサンニッパで撮影して・・・こんな感じ。

(扇形に広がった尾っぽが面白かったですねぇ)
ああ、ラブジョイもパンスターズの時くらいの良い天候下で撮ったらさぞかし美しいんでしょうが、もう、連休も終わり。
しばらくは本業が激務化するため、これにて終了かな?
あ~あ・・・・。