★GW連休中2回目の晴れ間が・・・
5月7日深夜から天候が回復しました。
お休みは8日までなので、ラストチャンスです。
折しも満月過ぎのお月様が煌々と夜空を照らしている上に透明度も悪いため、肉眼では北極星がなんとか見えるか見えないか、という劣悪な条件ですが、天体写真、チャレンジしてみましょう♪
★こんな日は、一点突破しかないっ!
フィルム時代ならどう考えても星雲の写真は無理な条件です。
露出をかければ、あっという間に月明かりで露出オーバー。
露出を切り詰めれば、何も写りません。
でも、デジタルなら、画像処理でなんとかなるかもしれません。
こんな時は、撮影対象を欲張らず、ターゲット1つに一晩全てを投入します。
撮影対象は、こぎつね座の亜鈴状星雲M27に決めました。
★ついでにVMC260Lのテストも・・・
せっかくですから、未だやっていなかった、レデューサ無しの『素のVMC260L』直焦点撮影のテストも兼ねましょう。
直感的には、レデューサ無しでは像面湾曲とコマ収差のため、周辺画像がピンぼけになった上に、大きく流れると予想。
だめもとで、レデューサ無しで撮影に臨みます。
★1カット目の画像
素のVMC260Lに光害カットフィルタLPS-P2を装着して、IR改造D5000を接続。
まずは、ISO3200で15秒露光です。
ISO3200 15秒露光 RAW
・・・おおっ??
意外や意外。
VMC260L、レデューサなしでもAPS-Cならなんとかなるじゃないですか?
VMCという商品名は、ビクセン・マクストフ・カセグレンの略称ではないかと思います。
鏡筒開口部にマクストフレンズ(メニスカスレンズ)をおく代わりに、副鏡の前にマクストフレンズ(の役割を持つ補正レンズ)を配置したものだと考えると、画面中央部のシャープさはともかく、まさか画面周辺部の星像補正までは行われていないと思っていたのですが、これ、結構使えます。
ただし、悪条件下での短時間露光ですから、星雲をあぶり出すとノイズバリバリですね(笑)。
まあ、これでもフィルムよりは随分よく写っていると思いますが、同じ露光でも、月明かりが無くしかもレデューサで像を明るくした4月27日の画像↓と比べると、あまりにもボロボロの像です。
ISO3200 15秒露光 RAW
両者を拡大して比較してみると、こんな感じです。
★撮りまくって・コンポジットしまくって!
こんな時は、データを集めまくるのが常套手段です。
ISO3200の15秒露光と、ISO1600の30秒露光とで、とにかく連写しまくります。
短時間露光ですから、追尾も改造アトラクスのノータッチガイドです。
どうせ劣悪な環境なのでダークもフラットも取りません(笑)
撮影した134枚の写真のうち、100コマを選定して、キャプチャーNX2でアストロノイズリダクションと現像を行います。
現像したデータをステライメージで加算平均コンポジット。さらにトーンカーブやレベル調整を加えると・・・・
ISO3200の15秒露光 と ISO1600の30秒露光 の 合計100コマを加算平均コンポジット
おお!なかなか良い感じです♪
劣悪な環境下でも、『気合いの物量作戦』で「なんとかなる」ことが分かりました。
・・・でも、たった1カットの画像処理(実は結構試行錯誤したので・・・)に6時間・・・・疲れました。
それに、冷静に見ると、前回の撮影時の8コマコンポジットにようやく追いついたという程度の写り。
やっぱ、天候や月齢などの条件には勝てませんねぇ。
新月期に空の暗いところでVMC260L直焦点、やってみたいなあ
・・・・などと思っているうちに、あぷらなーとのGWは終わってしまったのでした。
by supernova1987a
| 2015-05-11 07:02
| 天体写真
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