思えば、天体写真を始めたのは小学校の5年生の時でした。
中学・高校とかなりのめり込んだので、
地方の天体写真コンテストで優勝することに命かけてたりしていました。
(さすがに全国誌レベルになると非力でしたが・・・)
大学時代は合唱と宇宙物理の研究にのめり込んでいたので天体観測はお休み。
(よく誤解されますが、宇宙物理の研究と天体観測とは、ほぼ無縁です。えらい学者さんも、オリオン座の位置すら知りませんもの)
社会人になってから天体観測熱が再燃したのは、宇宙物理のプロに「なれなかった」ストレスのはけ口だったのかもしれません。
★1998年の5月には
それまで使っていたミザールのアルテア15に代えてビクセンのR200SSを本格的に使うようになり、
フィルムカメラに代えて冷却CCDカメラを使って天体写真を撮っていました。

ビクセンGPD赤道儀+スカイセンサー2000PCにてPEC自動ガイド
露出データ失念(記憶が正しければ、3分露出と2分露出の2枚コンポジットか?)
冷却CCDを使い始めた頃は、その圧倒的な高感度とノイズの少なさに感激し、この写真にも大満足だったのですが、
今見るとさすがに30万画素の荒さと、ピントの甘さ、ガイドエラーの多さは否めませんねえ。
ちなみにBJ30C、もはや活躍の場が無いにもかかわらず捨てられません。
なにしろ、たった30万画素なのに、当時30万円近くしたんですもの・・・・。
ちなみに今使っているIR改造D5000(中古品)は、たったの3万円でした。
★2013年の5月には
VMC260Lとデジタル一眼を使ってM27を撮影してみました。

EQ6PRO赤道儀にてノータッチガイド 30秒露出×5コマのコンポジット
さすがにVMC260Lの威力で、解像度が飛躍的に上がりました。
ただし、冷却CCDと異なりノーマルデジカメは星雲が発するHα線に対する感度がほとんど無いため、赤い色が出ません。
★今回の撮影では
昔夢見たM27のイメージに近いものが撮れたので、もう少し画像処理を粘ってみました。
約130枚のコンポジットと画像処理。良い感じです。今の私の環境では、どうやら、この辺が限界でしょう。

K-Astec改造ニューアトラクス ノータッチガイド
ISO3200の15秒露光 と ISO1600の30秒露光 の 合計130コマを加算平均コンポジット
VMC260Lに加えて、改造退院したニューアトラクス赤道儀が使えたこと。
そしてなにより、IRカットフィルタ除去改造を施したニコンD5000の使い方をマスターしたことが主要因で、これまでとは雲泥の差。
たぶん、学生時代の私がこの写真を見たら、ショックのあまり天文やめただろうと思います。
さて、上記3つの写真について、中心部の写りを比較してみます。

「天体写真なんて、同じ天体なら誰が撮っても同じでしょ?」
と言われることがあるのですが、
上記の2013年と2015年のを見て、
「同じ天体」を「同じ人間」が「同じ場所」で「同じ望遠鏡」を使って撮影したとは信じがたいほどの差です。
本業が忙しくて天文と疎遠になっていた、ここ10年ほどの間に(望遠鏡はたいして進化していませんが)
カメラとパソコンの性能が急激に進化したため、撮影技法自体が根底から変わってしまい、
たまに天文雑誌を見てもネット上でアマチュア天文家の作品を見てもデータが意味不明で、
「みなさん、遠いところに行ってしまったなあ・・・ぐすん」
などと寂しく感じるばかり。全然やる気がおこりませんでしたが、
ようやくここ1年間で「足下」くらいには追いついてきたような気がします。
しかし、せいぜい1~2ヶ月に1回程度しか撮影時間が取れないことですし、
息切れしない程度に、頑張ってみましょうか・・・ね。
