絶好の撮影チャンスとなった快晴の夜空の元、今年初のオリオン座大星雲M42を撮影してみました。
★オリオン座大星雲は目でも見えてます・・・
大変人気の高いオリオン座大星雲ですが、
初心者の方に「肉眼でも見えていますよ♪」とお話しすると、結構驚かれます。

・・・ただし、双眼鏡や望遠鏡を使っても、あの魅力的な「ピンクの輝き」は見えません。天体写真集でよくみる星雲の「ピンク」は、電離した水素ガスが発光するHα線(はい、物理を習っている人は、例のバルマー系列の輝線スペクトルですね♪)と呼ばれる特殊な光でして、人間の目だと「赤」ではなく「赤黒く」見えてしまうため、色を識別できません。(まれにピンクに見えるという方がいらっしゃいますが、なぜなのかは不明です。)
同様に、普通のデジカメではこのピンクが上手く写らないので、IRフィルタを換装するデジカメ改造が流行っている訳ですね。
★絶好の機会を活かすべく・・・
快晴の元での、今年初のM42を撮影すべく、下記のシステムで臨みます。
主鏡:ビクセンVMC260L
補正レンズ:ビクセン純正レデューサーVMC
カメラ:ニコンD5000(IR改造)
フィルタ:LPS-P2
赤道儀:K-ASTEC改造ニューアトラクス
ISO:1600
露光:30秒
オードガイダはまだ調整中なので、いつもの「ずぼら撮影法」:ノータッチガイドの短時間露光を多数枚コンポジットする方針で行きます。
★1枚撮り画像
・・・さて、期待の写りはどうでしょう??
まずは、1ショット画像。上記の撮影手法での1コマ画像です。

さすが、市街地とは違って1コマ画像ですでに『ウネウネ』が写っちゃいますね♪
前回撮ったのは昨年の10月で、市街地からの撮影でした。光害カットフィルターLPS-P2を常用しているとは言え、本来のきれいな空には勝てませんねえ。
今回の1コマ画像では、いきなり前回のコンポジット処理後みたいな画像が出ちゃいました・・・・はあ(ため息)。
★さらに画像処理!
それならば、ここでさらに市街地撮影時にやっている画像処理を加えたら!!
・・・という訳で、撮影した画像を42枚コンポジットしてみました。
トラベジウム付近の階調は現像時の処理でなんとかなるので、段階露光も無し。
今回は大気差による色ズレを回避するために、いちどカラーデータをRGBの各チャンネルに分解した後に再合成で分散を補正しました。
あくまでも中心部のトラペジウムを消さないように階調を設定します。(ブラケッティングやHDR、およびデジタル現像は使いませんでした。)
ちなみに、あまり時間が無かったのでダーク減算はせず、キャプチャNX2のアストロノイズリダクションのみ掛けました。その代わり、変なカラーのイズがでるのは嫌なので、RGB画像からL画像を取って軽くマルチバンドシャープ処理を行った後、LRGB合成を施します。

おお~!
画面全体が「星雲まみれ」です。
VMC260LでM42を撮影するのは、今回がまだ2回目ですが、なかなか良い感じです♪
あと、もう1件M42に関して試してみたことがあるのですが、画像処理の時間が取れません。
うまくいけば、そのうちアップしますね♪
P.S.
あ~あ。こうなると、色んな天体を撮りまくりたくなってきます。
・・・・・・が、次の休みに晴れるのって、いつだろう??