★気になっていたアイディアとは・・・
その昔・・・といっても十数年前のことですが、
画素数たった30万画素の冷却CCD(ビットランBJ30C)を使って天体写真を撮っていました。
↑こんなヤツですね。たった30万画素のクセに20~30万円もするという特殊なデジカメでした。
その時、常識的には「画素数の多いL画像(輝度データ)」と「画素数の少ないRGB画像(色データ)」を組み合わせて合成するLRGB合成法が主流だったのですが、暗い天体がなかなか写らないことに悩んだ私は、常識の『真逆』を行く「画素数の少ないL画像」と「画素数の多いRGB画像」でLRGB合成するという「変な」手法を編み出しました。BJ30Cには「ハードウェアビニング」とよばれる、RGBの各チャンネルを合成してモノクロ画像を得る機能があったので、そのデータをL画像に転用していたわけです。こうすると、輝度データは「たったの」7.5万画素になってしまうものの、SN比が飛躍的に向上して暗い天体が写せたというわけです。(後日、ビットランさんのHPにも『裏技』として掲載されていましたね。同じこと考える人がいるんだなあと驚いたものです。)
その手法をD5000にも生かせるのではないかと、思いついた訳です。
★1枚のデータだと・・・
VMC260LとIR改造D5000でISO1600の30秒露光を行い、明るさのみ画像処理すると、こんなM42になります。
※ダーク補正・コンポジットなど一切無しのデータ
これはこれで、よく写っているように見えますが、M42の「左の翼の先」あたりを拡大してみると、
※上記画像のトリミング
このように、ボロボロです。
①ノイズで全体がザラザラ
②SN比が悪くて暗部と明部が分離できていない
③赤や緑のスポットノイズ(いわゆるホットピクセル)多数
④大気差(空気のプリズム作用)で色ズレが生じている
・・・などなど、散々です。
★大元のデータは・・・
ニコンD5000は、ベイヤー配列の撮像素子を積んでいますので、現像前のデータは、ちょうどこんな感じになっています。
※M42の中心部をベイヤーデータのまま読み出した画像
格子状に正方形のデータが並んでいますが、この各正方形の明るさが、下記のようなRGBパターンに対応しています。
実際には、隣接するいくつか(2×2くらい?)の各色データを混合して、カラー画像を作り出します(デモザイク処理)が、今回ひらめいたのは、上記ベイヤーデータそのものに、ステライメージのビニング処理を掛けることで、質の高いLデータを得られないか?というものです。
イメージとしては、4つのRGBGの各データを「丸ごと足して4で割る」ことで明るさのデータを生成するという感じでしょうか。これにより、本来1230万画素のD5000から約310万画素のモノクロデータが生成されることになります。
・・・こんな↓イメージですね♪
すると、こんな画像ができあがります。
※1コマのRAWデータからダークファイルを減算した後、ベイヤーデータのままビニングしてモノクロ化
1コマの画像としては、かなり滑らかになりました。
これをL画像として、大元のカラー画像をビニングして画素数をそろえた物をRGBデータとしてLRGBカラー合成してみます。
さて、次回は、この画像を普通の現像処理と比較してみます。
★★★以下続きます★★★
その昔・・・といっても十数年前のことですが、
画素数たった30万画素の冷却CCD(ビットランBJ30C)を使って天体写真を撮っていました。
その時、常識的には「画素数の多いL画像(輝度データ)」と「画素数の少ないRGB画像(色データ)」を組み合わせて合成するLRGB合成法が主流だったのですが、暗い天体がなかなか写らないことに悩んだ私は、常識の『真逆』を行く「画素数の少ないL画像」と「画素数の多いRGB画像」でLRGB合成するという「変な」手法を編み出しました。BJ30Cには「ハードウェアビニング」とよばれる、RGBの各チャンネルを合成してモノクロ画像を得る機能があったので、そのデータをL画像に転用していたわけです。こうすると、輝度データは「たったの」7.5万画素になってしまうものの、SN比が飛躍的に向上して暗い天体が写せたというわけです。(後日、ビットランさんのHPにも『裏技』として掲載されていましたね。同じこと考える人がいるんだなあと驚いたものです。)
その手法をD5000にも生かせるのではないかと、思いついた訳です。
★1枚のデータだと・・・
VMC260LとIR改造D5000でISO1600の30秒露光を行い、明るさのみ画像処理すると、こんなM42になります。
これはこれで、よく写っているように見えますが、M42の「左の翼の先」あたりを拡大してみると、
このように、ボロボロです。
①ノイズで全体がザラザラ
②SN比が悪くて暗部と明部が分離できていない
③赤や緑のスポットノイズ(いわゆるホットピクセル)多数
④大気差(空気のプリズム作用)で色ズレが生じている
・・・などなど、散々です。
★大元のデータは・・・
ニコンD5000は、ベイヤー配列の撮像素子を積んでいますので、現像前のデータは、ちょうどこんな感じになっています。
格子状に正方形のデータが並んでいますが、この各正方形の明るさが、下記のようなRGBパターンに対応しています。
イメージとしては、4つのRGBGの各データを「丸ごと足して4で割る」ことで明るさのデータを生成するという感じでしょうか。これにより、本来1230万画素のD5000から約310万画素のモノクロデータが生成されることになります。
・・・こんな↓イメージですね♪
1コマの画像としては、かなり滑らかになりました。
これをL画像として、大元のカラー画像をビニングして画素数をそろえた物をRGBデータとしてLRGBカラー合成してみます。
★★★以下続きます★★★
by supernova1987a
| 2015-10-13 06:05
| 天体写真
|
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