★いつかは、この写真に迫りたい・・・
その明るさと大きさから、容易に写せるオリオン座大星雲M42ですが、プロの研究者の方々が撮影すると流石に「すさまじい」もので、たとえばHST(ハッブル宇宙望遠鏡)で撮影してNASAが公開している作例では

元データ:http://hubblesite.org/newscenter/archive/releases/2006/01/image/i/format/web_print/
・・・・このように、M42の部分拡大だといわれても、もはや「何が何だか分からない」ほど圧倒的に高解像度です。巨大な望遠鏡を地球大気の影響がない宇宙空間で運用したのですから当たり前なのですが、いつかはこの写真に「迫って」みたい、などと妄想しておりました。
9~10月にM42ばかり撮影していたおかげで、だいぶデータもたまり、画像処理にも慣れてきましたので、かねてから気になっていたことを試してみることにしました。
★惑星写真の世界では
従来とても無理だと思われていた惑星の高解像度写真をアマチュアが撮影するための秘密兵器として、フリーソフトのRegistaxが注目されてずいぶんと年月が経ち、いまや月惑星画像処理の定番ソフトとなっています。
レジスタックスでは、動画撮影した惑星画像をスタッキングと呼ばれる処理で平均化し、その後ウェーブレットと呼ばれるシャープ処理を行うことで飛躍的に解像度を高めています。
そこで、この手法を星雲に転用すれば解像度を上げられないか・・・・と目論んだわけです。
ただし、元画像が大きいためスタッキングは難しそうです。また経験上、よほどなめらかな画像でない限りウェーブレット処理は有効ではないので、以前撮影したM42の画像を144枚コンポジットしたものを元画像として、L画像のみレジスタックスで処理してみました。
★レジスタックス処理前

だいぶ画像処理には慣れてきたので、ただひたすら「なめらかさ」を追求して処理しました。
これをL画像に変換してレジスタックスでウェーブレット処理を施すことにします。
★レジスタックス処理後
L画像にウェーブレット処理をかけたのち、LRGB再合成してみました。
(ホントはこの過程で、各種パラメータの設定について何度も何度も試行錯誤したのですが、割愛♪)

おおお!
拡大表示するまでもなく、圧倒的に解像度が上がりましたよ!
いい感じです。
あ、ようやく、ハッブルの写真の場所が「見えて」きましたね♪
トリミングして比べてみます。
●ハッブルの写真


かなり「迫れた」でしょ?!
それになにより、かねがね写したかった、恒星風と星雲が衝突した際に発生したと思われる「アーク状の衝撃波面」がうっすらとですが確認できることがうれしいです。

そういえば、以前から上記画面の左下の星が上方向に「にじんでしまう」なあ・・・などと思っていたのですが、コレが正体だったんですね♪
★それにしても・・・
レジスタックス、すげぇ!!
さて、1月には少しまとまったお休みが取れそうなのですが、何を狙おうか・・・?(わくわく)