★ウワサのヤツです

ニコンの天体専用チューンナップ機・D810Aです。
ただし、非常に「お高い」のですぐに買うわけにもいかず、年末年始の実売価格の上下動を見ながら、「底値かな??」というタイミングに発注。
それでも軍資金が足らないので、(泣く泣く)愛用の機材を2点ほど『ドナドナ』しました。
★ちなみにドナドナしたのは・・・
2008年から7年ほど愛用してきたニコンのフルサイズデジタル一眼・D700と、いわゆる大三元ズームの1つであるAF-S24-70mmF2.8です。どちらも非常に良い道具だったので悩みましたが、背に腹は替えられません。
D700は、風景写真には画素数が足らず、天体写真にはひどい偽色が出るのを理由に
24-70mmは、抜群の解像度を誇る反面、あまりにも後ボケが汚いのを理由に
それぞれ自分に言い聞かせながらピカピカに掃除して丁寧に元箱に詰めてドナドナ・・・結構良い値で引き取っていただきました。
最近はネットでおよその査定が分かるので安心ですね。ちなみに、査定基準見ながら自分なりに『皮算用』していたのですが、1円の誤差もなく、ピッタリでした。
★D810Aの特徴
ノーマルのD810と比べてどこがスゴイのか?
もちろん、メーカーサイトを見れば分かるのですが、私が特に心惹かれたのは下記の点です。
①特殊なIRカットフィルタを搭載し、本来写らないはずのHα線(星雲の光)が良く写る(4倍の感度とのこと)
②IR改造デジカメと異なり、一般撮影にも転用できる。(改造機だと真っ赤になっちゃいます)
③ノイズが通常機よりも少ないらしい
・・・と、ここまでは有名・・・というか製品自体の「ウリ」ですよね。
ところが、さらに
④悪名高い、いわゆる『100コマ制限』が取り払われた!!
⑤Mモードに加えて、理論値ではなく実時間で制御される『M※モード』が搭載された!
⑥30秒よりも長い露光時間を設定できる!
⑦ライブビューを明るくできるためピント合わせやフレーミングが楽になった!
という機能が実装されていて、とてもよさげです。
★100コマ制限の撤廃について
これ、結構やっかいな問題だったのですよ~。なぜだかニコンのデジカメは100コマ連写すると強制的に止まってしまう「仕様」でして、カスタムメニュー内の連写上限も100までなので、いじりようがありません。通常写真はともかく、大量の撮影が必要な比較明コンポジットの途中で連写が止まってしまい、星の軌跡がとぎれてしまう恐れがあります。そのためリモートコントローラを操作して一時的に連写をオフにしたとカメラに思わせるなど特殊な工夫が必要となり、意外と大変です。
元々、機体を保護するための仕様なのではないかと推測するのですが、なんと、D810Aにはこの制限がありません。英断だと思います。(ひょっとして耐久性も向上したのかな??)
★実時間制御の新マニュアルモード
カメラ歴が長いベテランの方はご存じでしょうが、実は、カメラに表示されているシャッタースピードは「ウソ」です。そもそも、フィルムカメラのダイアルに刻まれていたシャッタースピードはあくまで「近似値」であって、実際には(1段ごとのシャッタースピードの数値列は)2を公比とする等比数列になっています。こうしないと、シャッターを1段遅くしたときに露光量が2倍にならないからです。
たとえば、表示上1/60秒のシャッターは、実際には2のマイナス6乗である1/64秒で制御されています。

15秒や30秒露光で連写しているとき、妙に撮影時間がずれていく原因がここにあります。
「30秒の40連写だから、20分後に回収に来よう・・・」
↓20分後
「あれ?まだ撮影続いてる・・・??」
などということが起こるわけです。
ただし、これまでの慣習ですから、さすがに表示を変えるのはできないよなーなどと思っていたところ、なんと、D810Aは、通常のマニュアルモードに加え、「表示された数値の通り露光する」特殊なマニュアルモードが併設されているのです。つまり、D810Aなら、30秒露光は32秒ではなく「本当に30秒」に(も)できるという訳です。
・・・・うーん。もろもろの特長を数え上げて、散財を正当化しているだけかも・・・。
★以下、続きます★