科学写真

ミルククラウンに時代の進歩を感じて・・・

★高校生の頃
一時期、ミルククラウンの撮影に悪戦苦闘していたことがありました。
色々と試行錯誤した結果、編み出したノウハウは次の通り

 ①フィルムケースの上下に小さな穴を空け、その中にミルクを入れる
 ②フィルムケースの上の穴にピンを刺し、滴下間隔を調整する
 ③受け皿は平たいものを用いて、できるだけ少量のミルクを張る
 ④部屋は真っ暗にし、バルブであらかじめシャッターを開いておき、手動でストロボを照射した後シャッターを閉じる
 ⑤クラウンに立体感を持たせるために、ストロボの光はクラウンの斜め後方から当てる

実は特に大切なのは③でして、受け皿のミルクは少ないほど好結果が得られるのですが、これに気づくのに随分時間がかかりましたっけ・・・・。
また、撮影のタイミングは実質ストロボを照射することで調整するのですが、こればかりは「勘」と「運」ですね。
撮影機材はニコンのFG20に50mmF1.8レンズと中間リング。それにサンパックの安物ストロボでした。もちろん、撮影はネガフィルムです。

・・・とにかく、初めてきれいなミルククラウンが撮れたときは感激したものです。

★時代は変わって・・・
今はデジカメの時代。
ISO感度も好きなように上げられますし、高速連射も思いのまま。
さらに、お手軽なLED照明もありますので、思いの外簡単にミルククラウンが撮れそうです。
そこで、久しぶりににミルククラウンを撮影してみたくなりました。

★というわけでやってみました
1秒間に60コマの超高速連射が可能なニコン1V3にマウントアダプターをかましてマイクロ40mmを装着します。前述の①と②はそのままですが、ここは現代風にLEDで光量を稼いで普通に高速連射でシャッターを切ってみます。
ミルククラウンに時代の進歩を感じて・・・_f0346040_00432380.jpg
撮影風景はこんな感じです♪

★現代風お手軽撮影によるミルククラウン
ニコン1V3+マイクロ40mmF2.8 絞りF8 絞り優先オート ISO3200
ミルククラウンに時代の進歩を感じて・・・_f0346040_00445635.jpg
着水の瞬間です。ちとブレていますが、お手軽撮影なので仕方ありません。
ミルククラウンに時代の進歩を感じて・・・_f0346040_00464797.jpg
きれいに開いたミルククラウン。美しいですねぇ。
※本当は、もう少し「突起」が長く出て欲しいのですが、たぶんミルクの量が多すぎるか、滴下高度が低すぎたかと・・・。
ミルククラウンに時代の進歩を感じて・・・_f0346040_00545251.jpg
「角」を残してクラウンが低くなり、次の球が落下してきます。
ミルククラウンに時代の進歩を感じて・・・_f0346040_00560350.jpg
菊の文様のような独特な形状の中、2滴目のミルクにより小さなクラウンが開いています。
ミルククラウンに時代の進歩を感じて・・・_f0346040_00570991.jpg
全体に広がっていきます。

★しかし、まあ・・・
驚きました。試行錯誤するまでもなく、一発で撮影できちゃいました。
・・・なんとあっけない・・・。

もう少し照明を明るくして絞りを絞り込むことと、滴下高度の最適化、そして受け皿にたまるミルクの量の調整を工夫すれば、もっと美しいクラウンが撮れそうですが、とにかく撮影機材の進歩に脱帽です。


Commented by piachan7 at 2016-04-23 02:48
瞬間瞬間を切り取ると 綺麗ですね。
ミルククラウン  こんなにちゃんと見たのは初めて。
理科実験室に来た見たい。
楽しかったです。ありがとう!
Commented by supernova1987a at 2016-04-29 03:03
> piachan7さん
ひさしぶりのミルククラウン撮影でした。
たまには、こういう科学写真も良いですね。
GWの天気がわるかったら、この手の写真を究めてみます。
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by supernova1987a | 2016-04-19 06:28 | 科学写真 | Comments(2)

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