★生まれて初めて撮った天体写真は・・・ 記憶が確かなら、小学5年生の頃、C35EF(いわゆるピッカリコニカ)でミザールのメシエデラックス型6cm屈折望遠鏡を覗かせて撮影した三日月の写真が、生まれて初めて撮った天体写真でした。いわゆるコリメート撮影法ですね。
ちなみに「かろうじて」クレーターも写っていて、理科好きの友人達に大いに自慢したものです。
それから中学高校とミザールのアルテア15(15cmF10カタディオプトリックカセグレン)で月面を色々撮影するものの、なかなかシャープには写せませんでした。シャッターショックによるブレを除くために、大きな黒塗りウチワで『手動シャッター』を行ったり、学校の暗室にこもって引き延ばし機で『手動コンポジット』したり、とにかく色々やりましたが難儀しました。
★最大の敵は2つ・・・
おそらく、月面写真が難しい理由は2つあると考えます。
①いわゆるシーイング(正確にはシンチレーションと透明度の総合評価がシーイングでしたっけ?)
シーイングが悪いと、大気の揺らぎによって月面が『波打ち』ますので、どうがんばってもボヤけます。
②シャッターブレ(特に一眼レフの場合は、ミラーショックの影響が大きい)
たとえミラーアップしたとしても、若干のショックは残り月面がブレます
★デジタル化が解決の道?
①レジスタックスに代表される画像処理ソフトで、シーイングの影響を軽減できます。
②電子シャッター搭載のデジカメなら、理論上シャッターショックは皆無です。
・・・ベテランの方々には「当たり前」の事なのでしょうが、私の場合非常にブランクが長かったので、月面に関しては「完全にど素人」の状態に戻っています。それになりより頭が『時代』について行ってません。先日のガッサンデイもなんかスッキリしませんでしたしねぇ。
★予定を変更して「強行軍」
GWは5連休(5/1~5/5)が取れたのですが、非情にも、夜晴れるのが4/30と5/1だけとの予報。
これはマズイ・・・ということで、4/30の仕事が終わってから強引に実家に移動し、その晩のうちに天体写真を撮ってみました。
・・・よし。今夜は「真面目に月面を撮ってみよう」というわけで、機材をセットし撮影開始。
まずは、ASI174MC-COOL230万画素をフルに使って動画を撮影し、画像処理してみます。
ターゲットは、ガッサンデイやグラビウスと並んで私が大好きなクレーター「コペルニクス」です。
※ASI174MC-COOL+ビクセンVMC260L直焦点(撮像温度-12.5℃)フル解像度で撮影した30秒間の動画をレジスタックスでスタッキング+ウェーブレット処理。ステライメージで最大エントロピー法による画像復元処理。(トリミングあり)
おおっ!なかなか良い感じです♪
なんだ~。真面目にやればシーイング悪くてもボコボコ写るじゃないですか!
ZWOの冷却CMOSカメラ、素敵です♪
続いて、さらに解像度を高めるため、230万画素の中央部30万画素だけをクロップしてフレームレートを稼いでみます。
画素数が著しく低下する点はレジスタックスのDrizzle機能でまかないましょう。
さて、30万画素で動画を撮影してみると、なるほど1秒間に100コマ近い「ものすごいフレームレート」で撮像が進みます。
素の動画を再生してみると、まるで陽炎のように月面が揺らめいているのがリアルに見えます。眼視観測そのままの臨場感です。
さて、2300コマのデータから品質の良い約1000コマをスタックして、最大エントロピー画像復元やウエーブレット処理をかけてみます。
うひゃー!すごいすごい♪
それにしても、変なノイズが出ることもなく、一発で最大エントロピー画像復元が走ると快感ですね。
さすがは1000コマコンポジット。画像が「恐ろしくなめらか」なので変な収束が起こりません。
なんか、一夜にして月面撮影が好きになってきちゃいました。
たった2回目のチャレンジでこれだけ写るのなら、楽しいですよねぇ♪
・・・ほんと、若かりし頃の苦労はいったい何だったんだろ(涙)。