★意外な盲点
しばらく封印していた天体観測を復活させて約2年が経過しました。
これまで、ビクセンのVMC260Lや笠井のカプリやトミーのBORGなどを使った『ややマニアックな』天体写真ばかり撮影&処理してきました。
IR改造したD5000やD810Aや冷却CMOSカメラなどを使いながら、多数枚コンポジットなどの威力を思い知った訳ですが、ふと、原点に立ち返ってみようかなあ・・・などと。
いえ、別にたいしたことではないんですが、GWに撮りためていた写真のうち、イーブンオッド法でコンポジットするために固定撮影で連写していた多くの写真データを眺めていて、思ったわけです。
『お気軽一発撮りの写真って、デジタル現像処理でどこまで綺麗になるんだろうか??』
と・・・。
★まずは一発撮りの『撮って出し』
5/1~5/2にかけて満濃まで出かけた割には、どうもモヤモヤした空で、光害の影響もモロに受けていたため、肉眼では天の川が「うっすら」見える程度の空でした。この条件ではガイド撮影しても『真っ白け』にトンでしまうだけだろうと判断し、D610はガイド撮影せず、三脚に載せてひたすら固定撮影の連写し、比較明合成(ORイーブンオッド)用の素材を撮りためておくことにしました。
さて、D610にシグマの20mmF1.8を付けて、絞り開放F1.8・ISO800・15秒露光したものを『撮って出し』してみると・・・・

フィルムカメラと異なり、低照度相反則不軌が無いデジカメですから、肉眼よりは明るく写ります。
とはいえ、条件が悪いので・・・まあ、こんなものですね。
★この写真を、コンポジットは『無し』で、全力現像してみると
まず、RAWファイルをキャプチャーNX-Dに通して、下ごしらえします。
①ホワイトバランスは光害の影響を低減するために蛍光灯に
②露出補正機能で1EV増感
③アストロノイズリダクションでホットピクセルを除去
④TIFFデータで書き出し
次に、TIFFファイルをステライメージで読み込み、以下の処で仕上げます。
①2×2のソフトウェアビニング
②レベル修正
③デジタル現像
④画像を複製してL画像とRGB画像に分割
⑤L画像にトーン修正とホットピクセル&クールピクセル除去処理
⑥L画像に周辺減光補正を軽めに
⑦LRGB再合成
⑧Labカラー調整処理
⑨水平が狂っていたので少しトリミング
すると・・・・・
うわあ!
コンポジット無しでも、真面目に現像するだけで、
こ、こんなに良くなるのかっ!
自分で処理しておきながら、なんだか狐に化かされたような気分。
いや、これ、フィルム時代なら、満濃のベストコンディションの空であっても、赤道儀で15分とかガイド撮影しないと無理だった・・・はず。
こんなん、反則や~。
・・・ということは、適当にノータッチガイドした20秒露光のコマをコンポジットして画像処理したら?!・・・ごくり。
あーあ、スカイメモでも良いからガイド撮影しておくんだった・・・。
空の状態見て、てっきり「綺麗な星野写真は無理」と決めつけていた、という痛恨のミス。
いつか天体写真を撮ってみたいと思っている皆さん、
上記のような天の川の写真で良ければ、望遠鏡も赤道儀も天体改造カメラも要りません。
今回、あぷらなーとがやったように、
・普通の三脚に、広角レンズ付けた一眼レフ載せて
・レンズの絞り開放で
・感度はISO800~3200程度にして
・10~20秒シャッターを開けて
それだけで、すんごい天の川、きっと写っちゃいますから。
※あ、でも難しいのは撮影した後の現像処理の方なんですけどね・・・。