★稼働率を上げる企み失敗

を元に、M27が写っている領域の平均輝度データを拾ってみました。
いやー。なかなか上手く行かないものですね。
BORG89ED+GPDでコンパクトな機材を組んで、赴任地のベランダ観測態勢を整えようと目論んだものの、諸々の事情で頓挫(涙)。
諸事情①
実家のうち、江戸時代の築である母屋や土蔵や土塀などが崩落を始め、危険だと行政から警告されたので、しぶしぶ撤去工事に着工
諸事情②
徳島から香川へ転勤命令が出たので、諸準備開始
・・・正直、全く身動きが取れなくなりました。
★撮影できない夜と言えば、『考察ごっこ』
・・・というわけで、久々に『考察ごっこ』をして憂さ晴らしすることにします。
やれやれ・・・。
★短時間露光+多数枚コンポの優位性を検証していた際に
暗い天体を短時間露光で撮影した場合、ザラザラの画像になりますが、これはノイズと言うよりもむしろ「揺らぎ」に近いモノだと私は解釈しています。
天体から飛んでくる光子1粒のエネルギーは、プランク定数をh・振動数をνとした場合、hνで表されます。
要するに、天体の明るさでは無く光の波長のみで決まります。また、光子1粒のエネルギーによって光電効果(センサーから信号が出るかどうか)の閾値が決まるため、理論的にはどんなに暗い天体であっても、光子が1粒でも入射すれば『感光』します。
ただし、暗い天体は「まばらにしか光子が飛んでこない」ために、「たまにしか写らない」と解釈できます。
光子が飛んでくる頻度が低い場合、特定の時間内にカウントされる光子数はポアッソン分布に従うので、その揺らぎが「ショットノイズ」の主要因だと判断できます。
例えるなら、パラパラと雨が降ってきているとき、短時間だけ紙に雨を当てると『ポツポツ』が写り、長時間雨にさらすと全体が濡れるのと同じ原理です。したがって、短時間露光であってもそのデータを積算(加算コンポジット)すれば長時間露光と同様の絵が写せる「はず」です。
飛んでこない粒は捕獲できませんので、今後「いかに高感度なセンサーが開発されても」短時間露光では、ザラザラにしか写りません。
・・・と、ここまでは以前「考察ごっこ」したのですが・・・。
★そもそも、本当に光子がパラパラ飛んできているのか?
あぷらなーとの(過去の)専門は、「高エネルギー宇宙線物理学」なので、ガンマ線とか諸々の「すんごい高エネルギー」の放射線には詳しくても、天体観測で撮影するときのような「可視光線」に関しては守備範囲外でした。
・・・で、撮影できない憂さ晴らしに、少しだけ勉強を開始することに♪
<注>ど素人の考察なので、以下、色々と間違いや勘違いがあるかもしれません。
①前提条件
一般的に「天体の等級」と言った場合は、肉眼の感度が高い緑色(550nm付近)の光の強さを指します。
これをV等級と言います。
②X等級の天体から飛んでくる光子の総エネルギー
天体の等級を X(等級)
カウントする波長のバンドパス(許容する波長の範囲)を d(㎛)
とすると
1秒当たり1㎠の地表に飛んでくる光子の総エネルギーは
W=10^(-X/2.5)×4×10^-12×d(J)
となります。
③X等級の天体から飛んでくる光子のフラックス
ここで言うフラックスとは、1秒間に単位面積あたりどれだけの光子が流れ込んでくるかを指します。
プランク定数を h 観測する光の振動数を ν (Hz)
とした場合の光子1粒当たりのエネルギーはhνとなるので、先ほどのエネルギーを割ると
1秒間当たり1㎠の地表に飛んでくる光子の個数は
F= W/hν
= 10^(-X/2.5)×4×10^-12×d/hν
となるはずです。
④口径Dcmの望遠鏡で光子を補足すれば
口径Dcmの望遠鏡の対物レンズの面積は 3.14×(D/2)^2 なので
この望遠鏡で光子を1秒間観測すれば、
N= F×3.14×(D/2)^2
=10^(-X/2.5)×4×10^-12×d×3.14×(D/2)^2/hν
だけの光子が網にかかることになります。
⑤7.4等級の恒星をVMC260L+ASI1600で観測すれば
ASI1600MC系のカメラはVバンドのピークがおよそ540nmで半値幅がおよそ100nm(0.1μm)
VMC260Lの口径は26cmなので、さきほどの数式に代入すると
7.4等級の天体を1秒間撮影すると、6.44×10^5 個の光子がヒットする計算になります。
⑥M27を想定して試算してみると
⑤までの考察ごっこは、あくまで点光源の恒星から来た光が、1ピクセルに全て収まった場合の話です。
これが、星雲など面積体の場合には全等級の光が淡く広がっていることになりますので、1ピクセルあたりに入射する光子数は激減するはずです。
M27のVバンド等級は約7.4等級
M27の広がりはおよそ8分×6分
VMC260L+レデューサ+ASI1600MCでの撮影の場合
1ピクセルが約0.42秒角に相当するので、
M27から到達した光は、およそ92万4千ピクセル上に拡散していると予想できます
したがって、1ピクセル当たりにヒットする光子数は、
1秒間当たりおよそ 0.697個/秒 と予想されます
⑦カメラ側の量子効率を考慮すると
マニュアルによれば、
ASI1600のユニティゲイン(光電子1個を1シグナルとするゲイン)は139。
また、メーカーサイトの資料によれば、量子効率(光子1個から何個の光電子を生み出すか)は(ピーク値で)約60%らしい。
これらを考慮すると、
7.4等級の天体をゲイン139で1秒露光すると、
1ピクセル当たり0.42個の光電子が発生
することになります。
⑥ゲインと露光時間を考慮すると
では、実際にM27をVMC260L+ASI1600MC-COOLで撮影したデータのうち
ゲイン400+露光15秒
のものと比較をするために、ゲインと露光時間の補正を加えてみます。
ASI1600MC-COOLの場合、ユニティゲインを139
撮影ゲインをGとすると
光電子1個に対するカウント数(出力)は
10^((G-139)/200) で表されます。
⑦16bitFITSへの変換過程を考慮すると
ASI1600MC-COOLは12bitのADコンバータを搭載していますが、実際にFITSデータを出力する際には、これを水増し(間に隙間を入れて)16bitデータにしていることは、以前検証しました。
すなわち、保存されたデータの輝度は実際のカウント数の16倍( 2^16 / 2^12 )になっています。
これらを全て考慮すると、
VMC260L(レデューサ付)+ASI1600MC-COOLでM27亜鈴状星雲をゲイン400+15秒露光した場合には、
1ピクセル当たり平均2030カウントの輝度データが得られる計算になります。
★M27の実写データと比較してみる
実際にVMC260L(レデューサ付)+ASI1600MC-COOLでM27亜鈴状星雲をゲイン400+15秒露光した1枚画像

・・・むう。これは緊張しますねぇ。
そもそも、大気による減光、フィルタによる減光、その他諸々を一切考慮に入れていないわけです。
また、ダーク減算は行っていますが、ベイヤー素子の現像処理で「なにか変な」事が起こっている可能性もあります。
ここは、オーダー(数値の桁数)が合えば大成功、としましょう。
・・・・で、G画素(Vバンドのため)のみの平均輝度データを簡易測定してみた結果
・・・ででん!
☆M27が写っている領域:平均7200
☆背景領域:平均4300
☆エクセス(背景を除いたシグナル)は
平均2900
おお!
『考察ごっこ』で試算した2030に
めっちゃ近い
じゃないですか!!
え?光がロスしているハズの実写の方が理論値よりも値が大きいのは変・・・ですか?
・・・ええと、そもそもV等級のバンドパスとしてASI1600MC-COOLのGフィルタの半値幅を用いたのですが、実際の分光特性では、結構「裾野が」広がってるのでその影響と、市街地で撮影した画像なので光害が加算されている影響と、処理しきれなかった分のノイズが乗っていることなどを考慮すると、オーダーレベルでの一致は大満足、です。はい。
・・・・ああ、面白かった♪
これで、「ショットノイズの正体」に少し迫れたような気がします。
以上、完全に「自分への備忘録」兼「自己満足」のためだけの記事でした。すみません。
★★★★以下(いつか)続きます★★★
JRの中で読んで吐きそうになりました。
難し過ぎること書いちゃ駄目です
計算式はスルーしたんだけどなぁ(-_-;)
難し過ぎること書いちゃ駄目です
計算式はスルーしたんだけどなぁ(-_-;)
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>母屋や土蔵や土塀
撤去工事ですか。勿体無いですね。
我が家でも、お爺さんの時代に筑後100年の母屋を壊したと日記に書いてあります。古材があっという間に引き取られて行ったと書いてありました。
勿体無いですね。あぷらなーと家の履歴!ですもんね。
徳島は太平洋、香川(うどん)は瀬戸内海ですよね。
四国は、広くて大きいので、転勤も大変ですよね。
でも、ご栄転がセットでしょうから、良いこともありそうな。
そうそう、ご栄転とセットされるのもだと、重い責任も抱き合わせですかね。(汗)
いずれにしましても、お疲れ様です。
数式は、読み飛ばしました。(爆)
> オヤジさん
幼少の頃から親しんできたお家なので、寂しいです。
一つの時代が終わったという感じですね。幸い、亡き父が建てた「離れ」は健在なので生活に支障は無いのですが、解体費用の捻出のため母屋の跡地などは売却するので、ニワトリの場所が無くなることに(泣)。しかも徳島中心部でのベランダ撮影を視野に入れてナローバンドフィルターを揃えたのに・・・。
ま、とりあえず、お仕事含め今を乗り切らなきゃ、です。
幼少の頃から親しんできたお家なので、寂しいです。
一つの時代が終わったという感じですね。幸い、亡き父が建てた「離れ」は健在なので生活に支障は無いのですが、解体費用の捻出のため母屋の跡地などは売却するので、ニワトリの場所が無くなることに(泣)。しかも徳島中心部でのベランダ撮影を視野に入れてナローバンドフィルターを揃えたのに・・・。
ま、とりあえず、お仕事含め今を乗り切らなきゃ、です。
難しいことは分かりませんが、光がぽつぽつ落ちてビヨーンと感光する雰囲気がよくわかりました!紙の例でいうと背景のノイズは湿気みたいなものですかね?
読み応えのある検証ですね。
ピクセル当たり2000カウントであればM27より8等級ほど暗い天体で光子一桁ということですね。
相当暗い天体の場合でも、1分以下の短秒露出で「光子が1個も来ないから写らない」ということはないということになります。
実際のところ、めっちゃ淡い分子雲とか、M27と比べてどのくらい暗いんでしょうねえ。
ピクセル当たり2000カウントであればM27より8等級ほど暗い天体で光子一桁ということですね。
相当暗い天体の場合でも、1分以下の短秒露出で「光子が1個も来ないから写らない」ということはないということになります。
実際のところ、めっちゃ淡い分子雲とか、M27と比べてどのくらい暗いんでしょうねえ。
> kojiro-net5さん
ええと、語弊の無いよう補足しておきますと、今回の考察ごっこで重要なのは考察⑥まででして、要するに亜鈴状星雲をF7.1の光学系+1600万画素のマイクロフォーサーズで撮影すると、口径とは無関係に1ピクセルあたり毎秒0.7個の光子がヒットするということです。15秒露光なら約10.5個ですね。
コレが2000カウントになるのは、あくまでゲインと16bit変換処理による見かけ上の増感に過ぎません。これがどのように「ノイズ」として現れるかは、近日中に積分モンテカルロシミュレーションして、お見せする予定です。
ええと、語弊の無いよう補足しておきますと、今回の考察ごっこで重要なのは考察⑥まででして、要するに亜鈴状星雲をF7.1の光学系+1600万画素のマイクロフォーサーズで撮影すると、口径とは無関係に1ピクセルあたり毎秒0.7個の光子がヒットするということです。15秒露光なら約10.5個ですね。
コレが2000カウントになるのは、あくまでゲインと16bit変換処理による見かけ上の増感に過ぎません。これがどのように「ノイズ」として現れるかは、近日中に積分モンテカルロシミュレーションして、お見せする予定です。
空が十分に暗ければ、たまに来る光子を積算して暗い星も写るのかも?って気もしますが、空は明るいですよね
空気中のゴミや水分での乱反射とかではないかと思ってるのですが、これらからくる光子量って、どのくらいの桁なのかな?と。
星からの光が10の2乗くらいだったとして、バックグラウンドが10の4乗だの6乗だのってオーダーだとバックグラウンドの変動幅に埋もれてしまうのではないか?と。
うううう~ん
空気中のゴミや水分での乱反射とかではないかと思ってるのですが、これらからくる光子量って、どのくらいの桁なのかな?と。
星からの光が10の2乗くらいだったとして、バックグラウンドが10の4乗だの6乗だのってオーダーだとバックグラウンドの変動幅に埋もれてしまうのではないか?と。
うううう~ん
おっと、ちゃんと読めでしたね(大汗)お恥ずかしい。
毎秒0.7個ですか。F2.8なら毎秒2個くらいですね。
最近のデジタル撮影は光子の存在を意識できるオーダーなんですねえ。
積分モンテカルロシミュレーション、楽しみにしています^^
毎秒0.7個ですか。F2.8なら毎秒2個くらいですね。
最近のデジタル撮影は光子の存在を意識できるオーダーなんですねえ。
積分モンテカルロシミュレーション、楽しみにしています^^
> けむけむさん
げっ。
コレから考察ごっこしようとしている事、テレパシーか何かで伝わりました?
ええと、実は今回の記事の中でコッソリとバックグラウンドの「測定ごっこ」の結果も書いてます。「ででん!」の後ですね♪
ざっくり言って、香川県の市街地では単位立体角あたりで亜鈴状星雲の2倍程度の輝度の背景光でした。(LPS-P2使っても)
げっ。
コレから考察ごっこしようとしている事、テレパシーか何かで伝わりました?
ええと、実は今回の記事の中でコッソリとバックグラウンドの「測定ごっこ」の結果も書いてます。「ででん!」の後ですね♪
ざっくり言って、香川県の市街地では単位立体角あたりで亜鈴状星雲の2倍程度の輝度の背景光でした。(LPS-P2使っても)
> kojiro-net5さん
いえいえ、こちらの書き方がマズかったです。
本来なら、数値計算と比較出来るように実測データの方をノーマライズすべきですよねぇ。
「理系ごっこ」している現代文講師が書いてる無責任ブログということで、大目に見てやってくださいませ♪
それにしても、「オーダー」とか「サチる」とかの理系用語を普通に使われる方が多くて、内心ビビりまくりです。
いえいえ、こちらの書き方がマズかったです。
本来なら、数値計算と比較出来るように実測データの方をノーマライズすべきですよねぇ。
「理系ごっこ」している現代文講師が書いてる無責任ブログということで、大目に見てやってくださいませ♪
それにしても、「オーダー」とか「サチる」とかの理系用語を普通に使われる方が多くて、内心ビビりまくりです。
失礼しました。たしかに、7000-4000=3000(くらい)と書いてありますね (^o^; って~ことは、オーダー(ここ、ゴシック・ボールド 40ポくらいで)は、一緒なので、M27くらい明るかったら、ウゴウゴルーガですね(意味不明)
> けむけむさん
ヘビのように長い記事ですみません。とりあえず、対象よりも背景が明るくてもオーダーが同じ程度なら写ると言うことですね。閾値は今度考察ごっこしてみます。面積体の場合は色々とやっかいですね。直感的には、背景が明るければ、できるだけ高いビット数のカメラで、できるだけ短時間露光で、できるだけ多数枚を加算するのが良さそうですが、さて?
本当はモノクロの方のカメラを使って、かつVバンドのフィルターかまさなきゃ意味がないんですが、お遊びなので・・・。
ヘビのように長い記事ですみません。とりあえず、対象よりも背景が明るくてもオーダーが同じ程度なら写ると言うことですね。閾値は今度考察ごっこしてみます。面積体の場合は色々とやっかいですね。直感的には、背景が明るければ、できるだけ高いビット数のカメラで、できるだけ短時間露光で、できるだけ多数枚を加算するのが良さそうですが、さて?
本当はモノクロの方のカメラを使って、かつVバンドのフィルターかまさなきゃ意味がないんですが、お遊びなので・・・。
フィルターの記事も楽しみみにして待ってます\(^^)/
ベランダでLPS-V4は結構効いたのでLRGBがもっといいなら、真面目に貯金です (^_^;
ベランダでLPS-V4は結構効いたのでLRGBがもっといいなら、真面目に貯金です (^_^;
あぷらなーとさん今晩は。
いやあ。考察云々はもう全く理解できずコメントもできませんが、
転勤ですか、隣の県とは言え纏わる様々な大変な事がありますよね。我々の頃はよく「引っ越し貧乏」と言っていました。
新任地でのご活躍と、引き続き天体写真記事の更新を楽しみに
しています。
いやあ。考察云々はもう全く理解できずコメントもできませんが、
転勤ですか、隣の県とは言え纏わる様々な大変な事がありますよね。我々の頃はよく「引っ越し貧乏」と言っていました。
新任地でのご活躍と、引き続き天体写真記事の更新を楽しみに
しています。
昨日ステライメージ8をインストールしてからPCが挙動不審になり、其の所為かどうかは不明ですが連続投稿失礼しました。
> Gさん
本来なら実家に帰れるので喜ばしいのですが、顧客はつれて帰れないのでまたゼロからの営業となるのがつらいところです。
また、お家の解体費用でVMC260Lなら10本以上買えるくらいのお金が吹き飛んだダメージが大きいです(涙)これにてマイ天文台の野望、潰えました。
※不具合で連投されていた内容は調整させていただきました。PCの調子、早く良くなるといいですね!
本来なら実家に帰れるので喜ばしいのですが、顧客はつれて帰れないのでまたゼロからの営業となるのがつらいところです。
また、お家の解体費用でVMC260Lなら10本以上買えるくらいのお金が吹き飛んだダメージが大きいです(涙)これにてマイ天文台の野望、潰えました。
※不具合で連投されていた内容は調整させていただきました。PCの調子、早く良くなるといいですね!
by supernova1987a
| 2017-02-21 02:50
| 機材
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Comments(19)

