★にゃあさんに触発されて・・・
ASI1600MC-COOL&MM-COOLの導入により、最近出番が無くなっていたASI174MC-COOLなのですが、にゃあさんの新兵器「QHY5Ⅲ174-M」の記事
に触発されて、久しぶりにASI174MC-COOLの撮影データをいじくってみました。
★ASI174MC-COOLの弱点は・・・
実は、拙ブログはASI174絡みのアクセスが大変多いのです。
それだけユーザーさんが多いのでは無いかと思うのですが、たぶん皆様下記の2点で苦労されているかと・・・
弱点①:盛大なアンプノイズがあり、冷却しても消えてくれない
弱点②:結構な量の横シマノイズ(ロウノイズ)がある
ところが、ステライメージではなくて最近お気に入りのAutoStackert!2には、ASI174系の処理にうってつけの「ロウノイズ低減機能」が実装されていますので、試してみることにしました。
今回処理するのは、去年の5月にVMC260L+ASI174MC-COOLで撮影したM27画像200コマのFITSファイルです。
ちなみに撮影データは下記の通り
[ZWO ASI174MC-Cool]
Pan=0
Tilt=0
Output Format=Fits files (*.fits)
Binning=1
Capture Area=1936x1216
ColourSpace=RAW16
High Speed Mode=On
Turbo USB=80(Auto)
Flip Image=None
Frame Rate Limit=Maximum
Gain=300
Exposure (ms)=15
Timestamp Frames=Off
White Bal (B)=99
White Bal (R)=60
Brightness=0
Gamma=71
Sensor Temp=-15
Cooler Power %=32
Target Temperature=-15
Cooler=On
★AutoStackert!を使う際の『お作法』
私が勘違いしているだけかも知れませんが、ステライメージとは異なりAutoStackert!2には独特な『お作法』があるようです。
①FITSファイルを読み込むと天地が反転してしまう
→これによりベイヤー配列が変わってしまう
②ダークファイルを読み込むことはできるが、ステライメージでコンポジットしたダークファイルがデフォルトでは読めない
→エラーが出る。
★デモザイク(ディベイヤー)の設定
ASI174MC-COOLは元来RGGB型のベイヤー配列なのですが、これをAutoStackert!に読ませると
こんなふうに天地が反転していると推測されます。
したがって、ベイヤー変換を指定するメニューでは、本来のRGGB型ではなく、GBRG型を指定してやる必要があります。
※実際にはプレビュー画像が見られますので、型を覚えていなくても手探りで片っ端から型を変えていけば適正な設定は見つけられます。
★ダークファイルのロード
よく知られているように、ダークファイルやフラットファイルは、ライトフレームに対して「減算」や「除算」を行うためのデータです。
これは画像を滑らかにしてSN比を向上させる「加算」系の処理と真逆の方向性ですので、ダーク補正やフラット補正を行うことにより著しく画質が低下してしまいます。それでもダークノイズや周辺減光を除去しないわけにはいかないので、あらかじめダークファイルやフラットファイル自体を多数(少なくともライトフレームと同数かそれ以上)撮影しておき、それらをコンポジットしてから補正することが大切です。
ところが、AutoStackert!にステライメージでコンポジット済みのダークファイルをロードしようとすると・・・
こんなメッセージが出て怒られます。
メッセージを意訳すると
「こんな特殊なFITSファイルは読めないよ。読めるようにして欲しければ連絡ちょうだい。」
という訳です。
そこで頭を冷やして考えてみたのですが、そもそもASI系のRAWファイルは16bitのFITS形式な訳で、それが読めると言うことは「悪い」のはコンポジットしたダークファイルを保存したステライメージの方だと言うことになりますね。
そう言えば、ステライメージで処理したファイルは何も考えずに
64bitの実数形式で保存してしまってました。
この形式が使えるが故にステライメージは何枚加算コンポジットしてもサチることなく処理できるのですが、それはあくまで特殊な変数空間を使えるステライメージ特有の性質です。これでは他のソフトで読めという方がムリですね。
そこで・・・・

汎用性を高めるために、整数型の16bitを指定してダークファイルを保存してみると・・・・
ちゃんとAutoStackert!2が認識しました!!
盛大なアンプノイズはダークファイル減算でかなり軽減できます。
★横シマノイズを軽減する
AutoStackert!2のメニューには、ロウノイズ(横シマノイズ)の補正機能が実装されています。しかも「MX174等にどうぞ♪」と明記されているのですから、これを使わない手はないですね♪
さっそく、使ってみます。
これで、スタッキング時に横シマノイズが軽減されるはずですね。
★さて効果の程は・・・?
ステライメージとAutoStackert!2について、それぞれ200コマのコンポジットを施し、レベルを調整した画像を比較してみます。

※左:ステライメージでコンポジット 右:AutoStackertでスタッキング
(ともにダーク減算あり、フラット補正は無し)
これだとよく分からないので拡大表示してみます。
おお!左の画像に見られる横シマノイズが、右の画像では見事に消えています!!
AutoStackert!2 すげえ!!
★せっかくなので・・・・
画像を強調すると目立ってしまう横シマノイズが回避されましたので、先日、フォトショップなどを持っていなくても単体で駆動できることを見つけたNikCollectionのHDRを使って加工してみます。
さらにそれをシルキーピクスで味付けしてみると・・・・・
・・・ででん!
※左:これまでの処理 右:今回の画像処理
まあ、ちと画像が荒れ気味ですが、M27の微細構造が目立ってなかなか面白い画像になりました。
・・・むう。
こうなると、ASI174MC-COOL 現役復帰させるかなぁ♪
(1600万画素のASI1600系と異なり230万画素のASI174は、とにかくデータが軽いのですよね~。ラッキーイメージングには好適かも)
P.S.
もちろん、本命はASI1600MM+MCの「ビームスプリット同時露光によるLRGB」であることには違いないのですが。
htmx.process($el));"
hx-trigger="click"
hx-target="#hx-like-count-post-27718105"
hx-vals='{"url":"https:\/\/apranat.exblog.jp\/27718105\/","__csrf_value":"0f6a51209e1c0ee0f93413e7d46708d0ddcf03fd903aba66f80267d73dbfc6a4718cf1d66efa9f37f8c85f36a24bc05d474b2a72d150d8bfd6d5fcaaa184b54b"}'
role="button"
class="xbg-like-btn-icon">