★色々と課題を残した「ツインBORG」ですが
先日、ようやくLRGB同時撮影に成功した「ツインBORG」ですが、鏡筒のタワミなど課題は山積です。
諸々の課題解決のため、すぐにでも追加テスト撮影をしたいところですが、日頃の行いが悪いのか天候が優れません。
こういう時は、「夢を育てる」に限りますね。
★天体を撮影してる間は結構ヒマですので・・・・
オートガイドするにしてもノータッチガイドで多数枚連写するにしても、一度設定が完了して露光を始めると、結構「ヒマ」ですよねぇ。
そんな時には、初心に返って「天体観望」を楽しみたいもの。
ちなみに、手持ちの機材のうち「お気軽観望」専用の機材として、セレストロンの15×70mm双眼鏡があるのですが、直視型なのでいかんせん高角度の天体を見る時に苦しい体勢になっちゃいます。
そこで、過去には双眼装置を利用した観望仕様のBORG60EDを組んでみて好結果を得たのですが・・・・
ビームスプリッタ装置と同様、双眼装置の弱点は「光の量が半分になってしまう」事です。
・・・で、よく考えたら
撮影用にBORG60EDが2本揃ってる今なら、『本物の』双眼望遠鏡が作れるじゃないか!
・・・というわけで、手持ちのパーツを使って組んでみました。
しかも、「正立像・45度対空型」
★双眼望遠鏡作製にはBORG60EDが「最適」かも??
実際には、双眼望遠鏡を作製しようとすると、色々な困難が予想されます。
たとえば・・・
①2本の鏡筒の光軸をどうやって揃える?
②正立化の手法は?
③正立プリズムなどで光路長が食われてもピントは出る?
④アイピースの幅を目幅に揃える機構は?
といったところでしょうか。
ところが、今回『遊び』でお気軽作製してみたところ、BORG60EDはこの手の用途に『最適』なことが分かりました♪
たぶん、何の工夫も要りません。
さて、
「構想」30分「制作時間」15分(笑)
という超短時間で作製した「正立対空型ツインBORG」がこちら。
ウソの様にあっけなく完成っ!!
BORG系共通のメリットは鏡筒の長さが「変幻自在」のため光路長がどうにでもなるところです。今回の場合も(安物の)45度正立プリズムを付加しても容易に無限遠が出ました。(というか何も試行錯誤する必要すらなかったという・・・・)
さらに(ココ重要♪)
BORG60EDだと2本の鏡筒がぶつかる寸前くらいの幅に設置するだけで(あぷらなーとの場合)目幅とドンピシャ一致しちゃうのです。
たぶん、これよりも小口径ならば目幅が『もったいなく』て、これ以上大口径になると目幅調整のためのなんらかの機構が必要です。
光軸を合わせるための機構は、最近「別目的で」入手していたスリックのマイクロモーションヘッド SMH-250 を転用
この微動マウントはカメラネジにもアルカスイスにも対応していて、微動機構もなかなか良くできています。(押しバネのテンションが調整できたり、諸々)
本来はポラリエなどの軽量なポタ赤を三脚に載せる用途のアイテムでしょうが、他にも色んな使い道がありそうです。(さすがにガイドマウントとして使うのは強度的に無理かな?)
アイピースは双眼装置を導入時に色々「ペア」で揃たので追加購入の必要なし♪
せっかくですから「お気に入り」のハイペリオンアイピースを主力として使うことにします。
BORG60EDの焦点距離は350mmですので、
ハイペリオン24mmで14.6倍
ハイペリオン13mmで27倍
ハイペリオン5mmだと70倍
などなど、明るい星雲探訪から月面観望まで幅広くこなせそうです。
あとは、オーバースペックになるかも知れませんが、
ビクセンNLV2.5mmを使えば140倍まで出せるので、惑星観望まで行けそうますね。
★今は絶版モデルですが
BORG60ED、通常の使い方はもちろんのこと、先日のようにレデューサ併用で星雲を撮影したり、今回の様な双眼化で遊んだり、色んな用途で使い勝手が良くて、本当に良い機種だと思います。絶版になったのが惜しまれます。
あと、性能とは関係ないですが、BORG60EDはフード先端の丸め方とか、対物セル部と鏡筒との接続部のラインとか、デザインが「美しいなあ」と感心します。
この手のデザインって大型機以外ではあまり見かけませんものねぇ。
再販してくれないかなぁ・・・
・・・・いや、別に、「トリプル化」とか「クアッド化」とかして、ナロー3波長モノクロ+RGBカラーの同時撮影とか目論んでいる訳ではないのですが、たぶん(笑)
えっ?
そこで後継機種の55FLですか?・・・さすがに「お高い」です。
55FL+専用レデューサのクアッド化とかに手を出す軍資金があれば、『余裕で』VMC260L+ビームスプリッタの二連装とかできちゃいますので・・・。
あ、でも、それだとアトラクスが重量オーバーで壊れちゃうか・・・・。
ともあれ、晴れた夜がいっそう楽しみになってきました。
VMCL260L+ビームスプリッタで星雲とか銀河とか撮影している合間に、対空双眼BORGで観望!
早く試してみたいものです♪
★★★ご注意★★★
今回のような簡易的な手法で『双眼化』が成功するかどうかは、当然「個人差」があります。目幅の差はもちろんですが、特に2本の鏡筒間に微妙な光軸のズレが生じたまま観望を続けると気分が悪くなる恐れがあります。
個人的には、ステレオ写真(平行法の)鑑賞に慣れている方以外には、あまりオススメできません。