★ここまでの試行で2つの武器を手に入れたので
半年がかりで、下記2点の『怪しげな』ワザを手に入れました
①LRGBを同時露光する『ビームスプリッタシステム』
②ダークやフラットで消せない黒点を軽減する『クールファイル加算法』
もちろん、はじめから『王道』に進めば変な回り道をせずに済みそうですが、折角なので4月24日に撮影していたM17オメガ星雲の画像処理をやり直してみることに。
今回の画像処理目標は「滑らか」です♪
極力「変な処理」はしないように心がけてみます。
★撮影時のデータは・・・
望遠鏡:VMC260L+ACクローズアップレンズNo3
フィルタ:LPS-P2
赤道儀:K-ASTEC改造Newアトラクス
ガイド:ノータッチガイド
カメラ:ASI1600MM-COOLとASI1600MC-COOLを
ビームスプリッタで同時露光
ゲイン:MM・MCともに400
撮像温度:-15度に冷却
露光:MM・MCともに15秒
撮像枚数:MM・MCともに200コマ
★撮って出しの画像は・・・
こんな感じの画像ですね。市街地でたったの15秒露光の割には良く写ってます。
前回処理したときは、
MCのカラー画像をモノクロ化してL画像に加算したり
シルキーピクスのノイズ整列を多用したり
レジスタックスのウエーブレットを使ったり
ありとあらゆる『秘策』をフル動員したのですが
今回はシンプルに行きます。
★大まかな処理フロー
(1)MMとMCそれぞれについて撮影時と同等条件で撮像したダーク画像を
各200コマコンポジットしてダークファイル作成
(2)ダークファイルを減算処理
(3)ステライメージのホット除去フィルタを実行
(4)位置合わせ無しで200枚コンポジットしたものと、
さらにステライメージのクール除去フィルタを作用させたものとの
差を取って『クールファイル』作製
(5)(3)の画像それぞれに『クールファイル』を加算
(6)MM,MCそれぞれ200コマを「位置合わせあり」で加算コンポジット
した後2×2ソフトウェアビニングを掛けてL画像とRGB画像にする
(7)ステライメージでデジタル現像+周辺減光補正
(8)MMのL画像にNikCollectionのシルバーエフェクトをかけて調整
(9)L+RGB合成処理 + Lab色彩調整
(11)NikCollectionのノイズリダクションを軽めに実行
(12)シルキーピクスでテイスト調整
(13)その他微調整
以上、合計400コマの画像処理にかかった所要時間は約2時間ほどでした。
ステライメージ6.5のコンポジットは「爆速」なので、慣れれば全行程を1時間以内に納められそう。
★今回の仕上がり写真
あまり時間を掛けなかった割には滑らかに仕上がりました。
※ちょっとマゼンタに寄りすぎたなぁ・・・
※ストラクチャに関してはもっとドキツイ処理でも良かったかも?
※フラット無しなので周辺部はトリミングしてカット
ちなみに、少し荒れ気味になって良いなら、レジスタックスに少し掛けて・・・・

こういうのもアリかなあ?
さて、あとはVMC260L用のフラット補正に着手しなきゃ。
・・・・たぶん、まもなく5000円程度の『秘密兵器』が届く予定♪