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あぷらなーとの写真ブログ
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あぷらなーと
文系寄りの元理系(?)
「天体」「マクロ」「実験ごっこ」その他諸々の科学写真が大好きな HN:あぷらなーと が いろんな写真ネタをのんびり語ります。あまり気合い入れすぎると続かないので、「ぼちぼち」いきます。
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ナローバンド撮影の『裏パレット』

★お待たせしました♪

先日より試しているナローバンド撮影における三波長合成カラー化の『見慣れないカラーバリエーション』ですが、
一通り確認作業が済んだので、いよいよ種明かしです。

f0346040_06360697.jpg
はい。
従来のHα・SⅡ・OⅢナローをカラー化するためのカラーバリエーションには、上記のような色具合のパレットは存在しません。



★・・・と、その前におさらい♪

ご承知のように光の三原色はRGB(赤緑青)の3色です。
その3色を組み合わせることで、理論上は(人間が知覚する)全ての色が表現できます。

たとえば・・・
f0346040_21285502.jpg
こんなふうに写った3つの画像を(色つきで)加算コンポジットすると

f0346040_21293589.jpg
このように様々な色が表現されます。

 R+G→Y(イエロー)
 R+B→M(マゼンタ)
 G+B→C(シアン)
 R+G+B→W(ホワイト)

となる訳ですね。
一般的なカラーデジカメがRGBの三種類の画素を搭載しているのも、上記の理由です。



★たとえばバラ星雲のSAO合成は・・・

先日『フルアーマーBORG』で撮影したバラ星雲の場合だと

f0346040_21344246.jpg
    ※左から SⅡナロー Hαナロー OⅢナロー の各モノクロ画像

こんな感じの元画像を、それぞれR・G・Bに割り振って

f0346040_21360357.jpg
こんな感じで色を付けたものを加算コンポジットすると

f0346040_21365759.jpg
こんな画像に仕上がります。
これがいわゆるSAOパレットです。

S(SⅡナロー)とA(Hαナロー)とO(OⅢナロー)をR/G/Bのどの色に割り振るかによって、色んなカラーバリエーションができます。
そしてその総数は、3の階乗=6パターンが考えられますね。

f0346040_21432591.jpg
 ※上段左から SAO OSA ASO
 ※下段左から OAS SOA AOS
  

★でも、実は他に方法があるんじゃ・・・?

今回あぷらなーとが撮影した条件が、たまたまそうなのかも知れませんが、どうもバラ星雲のナローバンド画像が発色に乏しいというか色がくすんだような印象を受けました。(完全に好みの問題ですよー。)

よくよく画像を見ていると、RGBの原色に表現されている部分が少なくて、それぞれの補色であるCMY(シアン・マゼンタ・イエロー)の領域が広いんですね。これは、元画像を見れば分かるように、ナローバンドの各領域が重なっている部分が多くて、当然その部分は原色の補色に演算されてしまうので当然と言えば当然です。

では、どうする・・・・?

これは捉え方の問題ですが、
  R+BがMだという解釈もできれば
  M+YがRだという解釈もできます
(厳密には、CMY合成が有効なのはプリンタインクや絵の具などのような減色混合の場合だけですが、コンピュータで演算する分には、別に問題はありません)

たとえば

f0346040_21533873.jpg
こんなふうに写った3つの画像を(色つきで)加算コンポジットすると

f0346040_21542141.jpg
こんな風に、CMYの間にRGBが生成されます。
(本来のCMYなら黒になるはずの部分が白になっているのは、減色合成せずに、あえて加色合成したからです)

これをナローバンド撮影に応用すると
f0346040_21344246.jpg
    ※左から SⅡナロー Hαナロー OⅢナロー の各モノクロ画像

こんな感じの元画像を、それぞれC・M・Yに割り振って
f0346040_21583667.jpg
これを合成すれば

f0346040_21594638.jpg
こんな画像が出来上がります。

HαのマゼンタとOⅢのイエローが重なった結果、鮮やかな赤が生成され、HαのマゼンタとSⅡのシアンが重なった結果、鮮やかな青が生成されました。


★というわけで『種明かし』は・・・

S・A・O 三波長で撮影したデータをカラー合成する際に、
 RGB合成せずに、CMY合成する
でしたー♪

その結果、あらたなカラーバリエーション6種類が手に入ったことになります。
f0346040_22334474.jpg
 ※上段左から SAOリバース OSAリバース ASOリバース
 ※下段左から OASリバース SOAリバース AOSリバース
  
従来のカラーパレットと区別するため、本ブログ中では便宜上「SAOリバース」などのように語尾に『リバース』を付けることにします♪

少々ケバケバしすぎるようにも見えますが、彩度を下げる処理は簡単(破綻しにくい)ので、ちょちょいのちょいです(笑)
では、すこし彩度を下げてバランスを取ってみましょう。

すると・・・・

ででん!!
f0346040_22290903.jpg
 ※上段左から SAOリバース OSAリバース ASOリバース
 ※下段左から OASリバース SOAリバース AOSリバース
いかがでしょう?
これなら、あまり違和感なく、新しいカラバリが楽しめそうですね♪


★あぷらなーとのお気に入りパレットは・・・

①『OSAリバースパレット』
f0346040_23362800.jpg
 いかにもナローバンドっぽい色のグラデーションが好き♪

②『SOAリバースパレット』
f0346040_23365959.jpg
 ウネウネが立体的に見えて好き♪

到底、天文雑誌のコンテストに出せるレベルではありませんが、
たった89mmの望遠鏡で迫力満点のバラ星雲が撮れる時点で(個人的には)笑いが止まりません。
3台目のASI1600MMと2台目のビームスプリッタも完成したことだし、ここからはバンバン『出撃』あるのみですかねー♪



★面倒くさそう・・・ですか?

さて、この処理(リバースパレット)は一見処理が面倒くさそうですが、ステライメージをお持ちでしたら、
「RGBカラ-合成」アイコンの横に「CMYカラー合成」のアイコンがあるので、それ押しちゃえば、RGB合成と同じ感覚で一発完了です。厳密には(演算ロジックに合点がいかない挙動があるので)もう少し検証が必要なのですが、早く「新しいパレット」遊んでみたいという方には、オススメですね♪



★昔取ったなんとやら・・・

今日、色々と捜し物をしていると、懐かしい写真が出てきました。
f0346040_22411391.jpg
約30年前(高校生の頃)地元の某プラネタリウム主催の天体写真展で念願の最優秀賞もらった時の作品ですね。
アルテア15(15cm・F10のカタディオプトリックカセグレン)+オルソ5mmアイピース。
これにR・G・Bの原色フィルタをかましてコダックTーMax400モノクロネガで3バンド撮影。
暗室にこもって各バンドの画像を手動でコンポジットして仕上げたモノクロ印画紙をフィルター付きの一眼レフで多重露光することでRGB合成。
ラボのオペレータにCMYの各露光データを直接指示してカラーバランスを調整。

複雑な処理過程を審査員にアピールするために、展示用の台紙まで自前で用意したんですから気合い入ってます。
提出前にインフルで高熱を発症してた中で書いたので、レタリングが下手くそなのは、ご愛敬(笑)。

ああ、若かったなあ・・・。



by supernova1987a | 2018-01-21 22:51 | 天体写真 | Comments(12)
Commented by KEN at 2018-01-21 23:20 x
こんばんは!
まるで映画の中の様な世界、リバースシリーズ凄い!
オリオン、北アメリカ辺りも試してもらいたいな~
(他力本願^^;)

しかしまあ、あぷらなーとさんの年季の入り具合が、最後の写真で納得できました
高校生でコレとは・・・
恐ろしい(笑)
Commented by supernova1987a at 2018-01-21 23:47
> KENさん

暖かいお褒めのお言葉、ありがとうございます。
実は、星雲に関してモノクロ撮影からのカラー合成は30年前からの悲願でして、
かなり年月がかかりましたが(ちとかかりすぎ!)ようやく『フルアーマーBORG』で結実した感があります(感涙)。

色合成のロジックは中高生時代に相当傾倒してたので、ブツ(機材)さえ手に入れば楽勝だったのですが、肝心のココに時間を要しました。
Commented by にゃあ at 2018-01-22 02:29 x
なんと、そういうことでしたか! これは気づきませんね。新しい概念が次々と!リバース処理もスタンダードになりそうな予感。しかし、これ高校生の仕業ですか? 当時、パワポがあったら、だれも少年の研究とは思わなかったでしょうね。私の高校時代と言ったら、MSXでゲームをしていたような……。
Commented by supernova1987a at 2018-01-22 02:57
> にゃあさん

バラ星雲の場合Haが全面に広がってて、その上にS2とO3が乗ってる感じだったので、そもそもRGB合成では2種類の補色しか出せなかった訳です。
じゃあ発想の転換で、CMY合成なら原色が出るのでは?
と考えました。
色に関しては中学生時代に美術の先生とケンカしてたような記憶があります。
紫色(マゼンタ)の光なんて実在しない!(波長が定義できない)と言ってみたり、前進色と後退色が有るのは眼球の色収差によるパララックスのせいだ!と言ってみたり。この辺、物理の先生に言ってれば面白がってくれただろうになぁ。
Commented by kem2017 at 2018-01-22 02:59
面白い事を次々と楽しそうでいいなぁ~
このプロジェクト終わったら会社辞めてやる宣言をしました (^o^)
やってられんわ~
Commented by supernova1987a at 2018-01-22 03:16
> kem2017さん

ああっ、ついに言っちゃいましたか~。

若い頃は『仕事M』だったのですが、最近は「心と体に少しゆとりが無いと働けない」と思うようになりました。
赤道儀でもバックラッシュを無くすと壊れますもん。

ともかく、目先のプロジェクトなんとかご無事に乗り切って下さい。
Commented by オヤジ at 2018-01-22 06:41 x
中高で、こんなハイレベルな事をされていたんですか。驚きです。
オヤジは、汗臭い剣道着で女の子を追い回してました。
差が出る訳ですね。恐れ入りました。
それにしても、詳細な手順まで披露されているので、ナローバンド合成の世界も変わるんでしょうね。
LRGB合成のメニュの中にCMY合成ってありましたね。
#けむけむさんへ追伸
競輪自転車PISTでも、チェーンをピンピンに張って走ると、5分もしないで熱くてチェーンが触れなくなります。
チョイとチェーンが弛む位がベストです。
Commented by supernova1987a at 2018-01-22 07:10
> オヤジさん

小中高と理科三昧の毎日を過ごしていました。
理科遊びに掛ける情熱の1割でもお勉強に充てていれば人生変わったのに、などと思いますがねぇ。

ただし、大学・大学院の6年間天体写真から遠ざかっていた(観望と研究のみ)ので、その間に世界が変わってしまってついて行けなくなりました(オートガイドとか自動導入とかCCDとか・・・)。本格的に天体写真に復帰したのはつい3~4年前という・・・。
Commented by う〜☆彡 at 2018-01-22 22:36 x
はじめまして
同じ ASI1600MM-COOL を昨年購入したこともあって、とても参考になる記事を楽しませていただいております。
SAO画像の色相調整は、微妙な変化を楽しめるようで、ぴんたんさんの星ナビ特集ではフォトショップを使った方法を解説しておられましたが、ステライメージでもレベル切り詰めで試すことはできるようです。もちろん、レイヤー編集は出来ないので、何回も試行錯誤になります。初めての自作ハッブルパレット経験で、思わずコメントさせていただきました。皆様の中では常識だったらごめんなさいね。
Commented by supernova1987a at 2018-01-22 23:14
> う〜☆彡さん

はじめまして。ようこそ♪

三波長ナローバンドのカラー合成は今回初めて挑戦しましたが、従来に無い色具合を目指した新しい合成法として『リバースパレット』(CMY合成)を提唱してみました。
本質的には色相シフト(というよりもカラースワップ)と同様の効果を狙うものですが、彩度強調やレベル調整に頼ることなく、いきなり鮮やかな原色が出せる点で楽ちんです。後ほど、従来のパレットとリバースパレット合計12パターンのバリエーション相関図をアップしますので、ご笑覧くださいませ♪
Commented by Te Kure at 2018-07-25 10:34 x
しかし・・ 改めて凄い!としか・・
画像処理のテクニカルな事はまだ全然ですが、それよりもあぷらなーとさんの面白探究心の心には改めて感服させられました。
しかし、この先どこまで・・?(笑)
Commented by supernova1987a at 2018-07-27 23:44
> Te Kureさん

多分、どこまで行っても終わりはなさそうです。
何とか今年の抱負をコンプリートしたいものです!
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