天体写真

『リバースパレット』の早見図公開

★念願のナローバンドによる「鮮やかなバラ」

色々と試行錯誤しましたが、ようやく鮮やかな発色のバラ星雲を三波長ナローバンドで撮影することができました。




そこで、今後のために「一目でやりたいことが分かる」ような早見図を作ってみました。

『リバースパレット』の早見図公開_f0346040_15483462.jpg
S:SⅡ A:Hα O:OⅢ の各波長による撮影データを
 ☆通常のパレットではR/G/Bのいずれに割り振ったか
 ☆新たに考案した『リバースパレット』ではC/M/Yのいずれに割り振ったか
が一目で分かってとても便利♪

これで今後カラー合成処理のプロセスに失敗して時間を食うことも少なくなるかな??

まあ、実際は

色ベクトルが(100,0,0)のRに充てる予定のHαにCを充てたとすると、その色ベクトルは(0,100,100)
色ベクトルが(0,100,0)のGに充てる予定のOⅢにMを充てたとすると、その色ベクトルは(100,0,100)
よって、HαとOⅢが重なった領域は従来のパレットなら(100,100,0)で黄色になるけど
リバースパレットなら(100,100,200)となって、
ここから邪魔な背景となる(100,100,100)を減算すると(0,0,100)
・・・むう・・・これは青だな。

などと『暗算』可能なのですが、めんどくさいので・・・。


★前回のエントリーで

大昔(天文少年だった頃)の作品を載せたところ色々とコメントいただきビックリ。
それでも、今回のバラ星雲の撮影(30年ぶり)は興奮しました。
だって・・・・(高校生でコレかよ?などとお世辞を頂きましたが)バラ星雲って難敵ですもん。

ちなみに前回(30年前)に同じ場所で撮影したバラ星雲がこちら
『リバースパレット』の早見図公開_f0346040_16064340.jpg
 ※ファミスコ60S(BORGの祖先)60mm FL400mm + コニカGX3200ネガ +ニコンFG20
 ※ミザールAR-1赤道儀+MMD-QZ+GT-68+K-12mmで半自動ガイド(目視でガイド補正)露光(たぶん)5分か10分

当時の天文少年にとっては、市街地からこれくらい写せれば御の字ですよ。

それが、今回の撮影では

『リバースパレット』の早見図公開_f0346040_23365959.jpg
こんなんになっちゃうんだもんなー。

ま、30年間の撮影環境の進化恐るべし、ということで・・・。

大昔天文少年だったオジサマ方が、かつての夢を求めて天文界に復帰してるケースもあると聞きますが、たしかになあ・・・・。

しかし、最近の天文少年って幸せなのかどうかは微妙ですね。
だって、上のバラ星雲くらいなら「工夫と体力でやっつけてやるぜ」って思うでしょうが、下のバラ星雲みたいにオッサンが物量作戦で撮った画像見ちゃうとねぇ。

昔なら、数万円の赤道儀+1軸モータードライブに1~2万円程度のガイドスコープを載せて、ファミスコ60S(当時バーゲンセールでたったの3000円ですよ!)で直焦点撮影すれば総額10万円以内には納まるので、小遣いでもなんとかなりますが、現代だと、パソコン代やらソフト代やらが重い上に、やれオートガイドだ、自動導入だ、ナローバンドだ、冷却CMOSだ・・・ではとても無理です。
たぶん、少しずつ増強していって機材がそろった時にはオッサンになってます。

ここら辺、なんとかならんかなぁ・・・。

・・・等と言いつつ、『変態あぷらなーと』自身は、BORG89ED×2本、ビームスプリッタ×2機、冷却CMOSカメラ×4機で構成される『足のついたジオング』=『フルアーマーBORG・完全体』の出撃準備に取りかかってる訳ですが(笑)。


★ノスタルジーついでに・・・

昨日出てきた写真とともに、こんな写真も発掘されました。
『リバースパレット』の早見図公開_f0346040_16445532.jpg
当時、高校の地学教室の奥からボロボロの16cmパラボラ鏡が発掘されて、天文少年の強い味方『御三家』さんに頼んで再メッキやら斜鏡等のパーツやらを頼んで格安で自作したドブソニアン望遠鏡です。他にも、プラネタリウムを自作して上演したり、でっかい八木アンテナを屋上に立ててFM電波で流星のエコー観測したり、・・・とにかく楽しかったなあ・・・・。


Commented by にゃあ at 2018-01-23 02:07
このカラーチャートは便利ですね! ローカルに保存させてください〜。しかし、最近になって天体写真を始めたオッサンも幸せなのかどうかは微妙です。ある種の大人買いができてしまうので技術が身につきません(笑)どの分野でも同じような話なのでしょうけど、技術革新ってすごいですね。最後の写真、プロトタイプ、ニュータイプって、ガンダムの話ですか?(汗)
Commented by オヤジ at 2018-01-23 09:12
ピカソの油絵具のパレットみたいになってきましたね。
理屈はわかりませんが、見て綺麗ですね。
人間って、小さい時、最初に興味を持ったことって、結構、後で尾を引きますね。
ドブソニアンって、最近知りました。(汗)
オヤジはラヂオ少年で、片道60kmの東海道線に乗って、東京駅でお回りさんに保護された経験があります。
小2でした。
真空管とかトランスとか、ラヂオ部品を買いに、親にも内緒でお年玉を持って。
父は、立ち上がれない程殴られました。
その後は、ばあちゃん同伴で秋葉原はずいぶん通いましたよ。(笑)
Commented by supernova1987a at 2018-01-23 22:40
> にゃあさん

良いでしょ?このチャート。
さらに12種類のパレットを混合すると、色々遊べますよー。

大人買いで技術が追いつかない内に機材の重みで沼に沈んでしまうのがオッサンの弱みでしょうかね。
私は、今回の納品機材をもって、しばらくは軍拡停止です。いや、予定です。

ドブソニアンは、旧ザクの残骸みたいになってたのを発掘してニュータイプ専用機に仕上げました。なんてね(笑)

Commented by supernova1987a at 2018-01-23 22:47
> オヤジさん

この新パレット、天体以外にも、赤外カラーの風景写真にも使えそうなので夢が広がります。

それにしても小2でラジオ少年とはスゴいですね。
その頃の私は、たしか天文始める前で、1年中テントウムシの観察に熱中してました。
Commented by G at 2018-01-25 16:47
30年前のバラですか。当時ならきっと感激されたでしょうね。3年前に始めた自分にはよく分からないのですが「目視ガイド」ってファインダー内の十字に星を入れて移動しないようするんですか。メチャ難しそう。

機材も数万円位なら高校生でもと思いますが国産高すぎ。
シンタに頑張ってもらいもっと安くて高性能な天体機材を発売して欲しいと思っているのは自分だけでしょうか。
Commented by morito at 2018-01-25 21:30
私はナローバンド撮影環境がないので、このチャートの有効活用はできないのですが、この手の組み合わせって
加法混色(色光の三原色)と減法混色(色料の三原色) をイメージすると ふむふむ ってなる様な気がします。

初めて望遠鏡を覗いたのは、小学生の頃
どこからか親父買ってきた屈折....虚ろな記憶ではそれなりに長くて口径100位あった様なぁ。。

筒は紙製で木製三脚に載ってた...そんな昔でも組み立て望遠鏡が販売されていたのか、親父の自作だったのか今では確認する術がないのですけどね。

で、30年前かぁ.....
その頃は車とバンドに夢中でした (;^_^A
Commented by supernova1987a at 2018-01-25 23:33
> Gさん

当時はモータードライブも使わず全手動追尾で30分以上の露光をこなす猛者もいましたが、私はそこまでの根性は無かったので、ガイドアイピース(中に格子状のスケールが入ってました)を身ながら、モーターのコントローラーをポチポチしてガイドしてました。今からすると、それも結構な苦行でしたね。

ビクセン赤道儀もずいぶんお高くなっちゃいましたので、現代では海外勢にがんばってもらいたいですね。
Commented by supernova1987a at 2018-01-25 23:41
> moritoさん

そうです。まさに減法混色のイメージですね。
ただし、今回は、それをあえて加法混色で行ってますので、三波長が揃ったところが黒ではなく白になってます。

大学生の頃に天文から離れてたのが、今考えると勿体なかったかも。あのころは、日夜、音楽(クラシックの合唱)にのめり込んでたもので。

さて、紙製鏡筒の屈折望遠鏡、夢があって素敵ですね。口径100mmだとすると、かなりレアな物だと思います。
Commented at 2018-01-26 23:40
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by supernova1987a at 2018-01-28 11:39
> 髙橋@まーちゃるさん

お世話になってます。
この件は、メールにてご連絡しますね。
Commented by uto at 2018-01-30 18:39
うわー!ファミスコにAR-1赤道儀!!
ファミスコはセミアポってんで欲しかったんですが、結局、買わなかったなぁ・・当時、小学生のお小遣いでも買えるお値段に落ちてたんですが・・
AR-1赤道儀はボクも使ってました!小型の割に案外重たくて、高校時代は同じ天文部の仲間のスーパーポラリス赤道儀がやたら羨ましかったっけ。
10cmでしたが、ドブソニアンも作りましたよ!F10だったので、長すぎて合宿持っていったら、ぽっきり折れて使えず終いでしたが・・(^^ゞ 

それにしても、デジタル化による機材の進歩は著しいですね。
でも、安価なデジカメで大量コンポジット、気合と根性で、機材のハンデを乗り越えることも可能な時代なので、若者には頑張って欲しいなァ・・・


Commented by supernova1987a at 2018-01-30 23:28
> utoさん

なつかしいでしょー。
そうですか、utoさんもAR-1をお使いでしたか!。
追尾精度はともかく(実測で約30秒のピリオディックモーション)なかなかまじめに作られていて使いやすかったです。
AR-1は、GPDを買うまで、約15年ほど愛用しました。一応今でも動きますよ。

utoさんオススメの格安CMOSカメラで、短時間露光+ノータッチガイド+多数枚コンポジットなら、お手軽に撮影できますね。ソフトもフリーばかり使うとかして、ね。
ぜひ若者達にも、チャレンジしてもらいたいものです。

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by supernova1987a | 2018-01-22 23:17 | 天体写真 | Comments(12)

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