機材レビュー

『激安望遠鏡』に手を出してみる

★ずっと気になっていた望遠鏡
口径90mmクラスの天体望遠鏡として2本揃えちゃったBORG89EDですが、これ、結構良いお値段がします。ですから、2本ともバーゲンセールの時に買ったわけです。

ま、EDやフローライトを用いた屈折望遠鏡は昔からお高いものですが、だからといってお手軽なアクロマートは国内メーカーさんのラインナップから消える一方です。
高倍率時や星雲の写真撮影での性能はとりあえず置いといて、お気軽観望に使える90mmクラスの屈折望遠鏡が欲しいなあと思っていたところ、とても気になる機種が・・・・。


★Gskyer 90600、だと?

どうも耳慣れないこのアヤシい機種。気になってたんです。
口径90mm・焦点距離600mmのアクロマートなのですが、アマゾンなら経緯台とのセットで27,999円という信じられないお値段。
困ったことにほとんどレビューらしきものが見当たらないのですが、商品写真を見る限り、鏡筒・接眼部・架台・三脚の4つともプラスチックではなく金属製に見える質感で、とてもフルセットで3万円を切る望遠鏡には見えません

もし、これが「そこそこの性能」なら(・・・せめて『大ハズレ』でなければ)生徒達に自力観望させるのに良い(壊されてもキレずに済む)のになあ・・・と悶々。


★『軍拡』終了宣言はどこ行った?
先日来、「2018年の軍拡は終了♪」と宣言していたのにも関わらず、このアヤシい望遠鏡が気になって仕方がありません。だって・・・海外製の激安望遠鏡は販売業者さんが手を引けば市場から消えるので、この機種もすぐに消えちゃうかもしれないじゃないですか。

ええい!勉強代だっ!!

・・・結局、ポチっちゃいました(笑)。
以下、万が一同じように気になっている人が居たら、貴重な『人柱記事』ですよ~♪

ででん!
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この口径90mmアクロマート屈折経緯台に・・・
『激安望遠鏡』に手を出してみる_f0346040_04111879.jpg
 ・6×30mm xy型ファインダー
 ・正立45度プリズム
 ・25mmアイピース
 ・10mmアイピース
 ・5mmアイピース
 ・3×バーローレンズ
という具合でアクセサリーが無駄に・・・ドッサリとついてて27,999円(新品・税込)。
一体、鏡筒本体の原価いくらだよ!!
もう訳が分かりません

ちなみに、1枚物の使用説明書は、意外に分かりやすい。
『激安望遠鏡』に手を出してみる_f0346040_05583767.jpg
ただし、中国語と英語のみの説明なので、初めて天体望遠鏡に触れる人は意味不明かも・・・・。
 
 
★材質やつくりはどうだ?
世の中には、買ってはいけない』系の望遠鏡も多々あって、大抵は粗悪な対物レンズのプラスチック鏡筒にグラグラの架台や三脚がついてくるヤツですね。
下手すると、アクロマートですらないレンズや、そもそも光学ガラスを用いてないレンズもあるとのウワサ。

さて、今回のブツはどうでしょうか?

まず、鏡筒、これは(商品写真から推測したとおり)しっかりとした金属製でした。ただし、フードはプラスチックです。
嬉しい誤算は接眼部も金属製だったこと。
「さすがにここはプラだろう」と推測してたんですが、ちゃんとした金属製ラック&ピニオン接眼部でした。ただし精密感はありませんし、それなりにガタもあります。
『激安望遠鏡』に手を出してみる_f0346040_04225342.jpg
経緯台も金属製で、意外としっかりとしています。
フリーストップ式ですが、水平・垂直ともにクランプがあるのは良いですね。
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三脚はステンレス製で、伸縮部の接続のみプラスチックでした。
『激安望遠鏡』に手を出してみる_f0346040_04215093.jpg
★心臓部の対物レンズはどうだ?

望遠鏡の「命」は対物レンズです。こればかりは、粗悪品を引いてしまうと『即アウト』ですので。

・・・とりあえず、光をあてて観察してみます。
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なるほど、反射光から推測するに、2枚玉分離式のフラウンホーフェル型(前玉が凸レンズ)アクロマートで、
コーティングは、マルチコート×1面 マゼンタコート×1面 ノンコート×2面 といったところでしょうか。

とりあえず、変なキズや割れは無いようで一安心。

・・・ん??
・・・ちょっと待て!
な、なんぞこれ?!
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「なんか四角いの」が、前玉と後玉のスキマに挟まってる!
さらに、対物レンズの背後に「モコモコした黒い布みたいなの」が無造作に出てる!

あちゃー。
いきなり『アウト』か?
うーん。
ベテラン天文家たちの『ほらー、こんなのに手を出すから~www』って声が聞こえる・・・・。


★転んでもタダでは起きたと「思いたくない」
小中学生の頃から、望遠鏡や双眼鏡の対物レンズやプリズムを分解して掃除や調整をしてきた身です。(さすがに高級品はバラす勇気はありませんが)激安望遠鏡の分解ごときでは躊躇しませんよー。

まずは、フードが外れるハズ!
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これ、意外に苦戦しました。
ねじ込み式じゃなくて、かぶせ式でした。(軽く接着剤で止めてただけみたい)

むう?
鏡筒は金属製なのに、対物レンズセルはプラスチックだー。
しかも、なんかネジが斜めに刺さってるし・・・(笑)。

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フードを取り外すと、さっきの『謎の四角いの』がハッキリと見えますね。
ああ、これって・・・分離式アクロマートの空気層調整用のスペーサー『お散歩』してるんじゃ?
それと、『モコモコした布状のもの』・・・対物セルのビスの位置から考えて『鏡筒内に突き出したビスの先を隠す布』じゃねーか?

分離式対物レンズにとって、スペーサーはとても大切な部品です。これが『お散歩』してちゃ設計値出せません・・・てか、レンズ傾きます。

ここで、メーカーさんからの注意文が脳裏をよぎります。
曰く、

鏡筒周りの固定ネジが精密な光学システムによって調整ずみですので、勝手に変えると、光軸の変化を引き起こす可能性があります。」

光軸調整装置が無いのは悪いことばかりではなくて、『素人が調整して余計酷く』のを防ぐ手段であることも知っています。プラスチックのセルはダメなんじゃなくて、耐衝撃性などで有利なこともあると思います。だから、多少不具合があっても、分解するのはよろしくありません

ですが・・・いやいや、さすがにスペーサーが散歩してるのは『事故』でしょう。

・・・バラします♪

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うーん。レンズ押さえリングもプラスチックかー。
ま、耐衝撃性が増すのかもねー。
ただし、工具無しでリングが外れるのもどうかと思いますが(笑)。

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出ました、心臓部です。
黒いのが3つあるのが分かるでしょうか?
やっぱりスペーサーですね。ま、普通は金属箔とかを使ってスキマを微調整するものだと思いますが、コイツは薄い樹脂状のチップっぽいですね。

しかし、すごい位置だなぁ。こんなの初めて見た(笑)。

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正しいと思われる位置にスペーサを配置し直して、組み直します。
ついでに、間に挟まっていたホコリやレンズ表面の汚れも清掃♪

ちなみに、ここまで対物セルはあえて外さずに作業しました。
メーカーさんの一文が気になるので・・・ね。
だって、プラスチックのレンズセルを止めているビスは、本当に『精密な光学システム』によって微調整されてるかもしれないじゃないですか。

ただし、鏡筒内に付き出したビスの頭を隠しているモコモコは撤去して、植毛紙で作ったリングを貼り付けました。
『激安望遠鏡』に手を出してみる_f0346040_05201716.jpg
よし、これで他人に対物レンズをのぞき込まれても『恥ずかしくない』ぞ。

さて・・・と。


★果たして、『ちゃんと見える』のか?
いよいよ、『実食』です♪
まずは、純正の組み合わせ(正立プリズム+付属アイピース)で月や街灯を観察。

・・・・悪くない・・・悪くないけど、なんかねむい。

正立プリズムを外してみます。

・・・・おお、だいぶスッキリしたぞ♪
いや、だってーまともな正立プリズムなら、それだけで3万円行っちゃうもん。
オマケのアクセサリーに期待しちゃいけませんって。

ではアイピースを『コスパ抜群の広角アイピース』UW-20(BORGはじめ、色んなとこで売ってるヤツね。)に変えてみます。

・・・・おお!
すごい
まともに見える!!


しかも・・・
あれ?
(気のせいかも知れませんが)
色収差が妙に少ない『ような気』がする・・・・

月面の縁とか、もっとケバケバに色収差が出ると思ったんだけどなぁ。

・・・よし!
足まわりチェンジだ!


★赤道儀に搭載して撮影を試み

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スカイメモSに搭載♪
見た目より鏡筒が軽いので、バランスも楽勝でとれちゃいました。

まあ、想定したのは、初心者がこの望遠鏡の経緯台操作をマスターして、次のステップに移行した状態ですかね(笑)。
さすがに、100倍越えの倍率だと、赤道儀の自動追尾がありがたいですなぁ。


★予定外のファーストライト
元々、「お気楽観望に耐えれば儲けもの」との趣旨でポチったものでしたが、予想外によく見えるので・・・・

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あーあ、原価不明のアヤシい激安アクロマートに赤道儀と冷却CMOSカメラ・・・・。
結局『変態チック』な機材に成り果ててしましました(笑)。

とりあえず、(シーイング最悪でしたが)お月様、行ってみましょう。

すると・・・

ででん!!

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 ※ASI174MC-COOL(冷却なし) Gskyer 90600直焦点 500コマのSer動画をAutoStackert!2で12%スタッキング
  レジスタックスでウェーブレット処理 ステライメージで最終調整

あれれ?
90mmのF6.7短焦点アクロマートって、こんなにスッキリ写せるものでしたっけ??

なんとなく、セミアポ級の性能のような気が・・・・・。
いや、きっと気のせいに違いない。


★ファーストレビュー総括ごっこ

Gskyer90600は非常にコスパ高くて面白い望遠鏡
 ※ただし、色んな部品が緩んでたり汚れてたり散歩に出かけてたりする
初心者用の観望用途に十分耐えうる性能
 ※ただし、周囲に助けてくれるベテラン天文家がいることが必須

天文『沼』の住人なら、さらに色々と遊べそう

 ※ただし、オモチャ感覚でポチることが必須


それにしても、対物キャップに絞り用の穴が空いていたり、アイピースホルダーの止めねじが2本で、しかもTネジが切ってあったり、鏡筒バンドの上にはストッパー付きのカメラネジがついてあったり、ドローチューブの長さと鏡筒内絞りの位置が(そこそこ)理にかなっていたり、鏡筒のアリガタはビクセン互換だったり、なんとなくマニア要素が盛り込まれてます。
そのくせ、アイピースは3本とも部品が緩んだ状態だったり、内部のつや消しがいい加減だったり、対物レンズは件のごとし・・・・・。とにかく、謎すぎる品です。

以下、続く・・・のか?

★★★お約束★★★
 ○1台のみの購入のため、個体差がどれほどあるかは不明です
 ○「色収差が少ない」とか「スッキリ見える」とかはあぷらなーと個人の主観です
  ※真の性能は後日、BORG89EDとサイドバイサイドでゆっくりテスト予定。
 ○自力での分解・調整は危険だとメーカーさんが警告しています。
 ○本記事は、特定の商品の評価を下げるものでも、購入を推奨するものでもありません。


Commented by オヤジ at 2018-03-05 08:41 x
激安望遠鏡のテストの進行具合が目を離せなくて最後まで読んでしまいました。
望遠鏡も生きてますし、何より、アプラナートさんの文章の進行具合にわくわくします。
以前、これ安い屈折とか思ってショップさんに相談したら、見るだけならOKだけど、写真はダメよ。
で、買わなかったのですが、こういう事もあるんですね。対物レンズが150mmもある、見るだけの望遠鏡、アレ買うかな。(爆)
Commented by supernova1987a at 2018-03-05 13:48
> オヤジさん

久しぶりに「ヘビのように長い」記事を読んで頂きありがとうございます。
本当はもっと悲惨な性能を予想していたのですが、良い方向に裏切られました。

うーん、これ三脚とか架台とかアイピースとかファインダーとか要らないので、素の鏡筒だけをさらに安く売ってくれれば、『6連装』化とかするんだけどなあ・・・。

ちなみに、150mmや120mmや100mmの『見るだけ望遠鏡』、今回の対抗馬でした。恐らく「つくり」はGskyer90600の負け、色収差は勝ち・・・・なのかなぁ?口径が大きくてF値が小さくなればなるほど、色収差は悲惨なことになりますので当然ですが。
Commented by uto at 2018-03-05 17:00 x
同じく、読み始めたら、面白くて最後まで読んでしまいました。
レンズの色収差も少ない様ですし、ひょっとしたら、ガラスがむかしからあるBK7+F2ではないのかもしれませんね。そのむかし、SF2を使っただけでセミアポ謳っていたメーカさんもあったとか、なかったとか・・

スペーサーのお散歩は、ちょっと笑ってしまいました。
Commented by supernova1987a at 2018-03-05 17:29
> utoさん
コメントありがとうございます。
今後のテストで偏芯とかスケアリング不良とか色々出てくるかもしれませんが、とりあえず天体望遠鏡としての体をなしていることは確認♪

その昔セミアポ謳ってた望遠鏡、持ってます。対物レンズ以外オールプラスチックの面白い望遠鏡でしたね。そう言えば、天文誌の取材では「ホントはもう一息でセミアポではないけど・・・」と正直に答えてましたね(笑)
Commented by kem2017 at 2018-03-05 19:44
やってる事も記事も面白いです。
けど、おぢさんは、誰かさんの肩が心配です...
Commented by supernova1987a at 2018-03-05 20:28
> kem2017さん
ご心配いただきありがとうございます。
右肩の件は全てがハッキリしたら書きます。

とりあえず今回の記事の機材は左手だけで運搬してみました。右手もお腹の高さまでなら動くので、キーボード叩くのはなんとかなりそう。
ただし、少なくとも当分の間、VMC260Lやアトラクスには眠ってもらわなければいけませんね(泣)。
Commented by morito at 2018-03-05 22:36 x
こんばんわ

ディスプレーに向かってニヤニヤしながら一気に読ませて頂きましたぁ。

いやぁ....アプラナート節炸裂ですねぇ。

その人を惹きつける文章力は流石です。

ちなみに、今みてきたら 「残り18点 ご注文はお早めに」になってました。

で、経緯台に乗っかってるお気軽観望用望遠鏡 一つあってもいいですよねぇ。現在私は STARBASE 80 をポチってしまいそうで危険な状態です。
Commented by supernova1987a at 2018-03-05 23:40
> moritoさん
ニヤニヤしていただいてありがとうございます。
この望遠鏡、マニアが買ってこそ(色んな意味で)楽しめるような気がします。
※実はBORG89EDとほぼ同スペックというあたりに真の購入意図があったりしますが、その辺は、もしも『目論見が上手く行ったら』レポートします。

STARBASE80、これ私も欲しいです。
販売店さんのサイトでコレを初めて見たとき「フードのカラーリング」に心を奪われてしまいました。このデザインは反則だなあと思っていたら、備考欄に「この望遠鏡はタカハシ製ではありません」と書かれていて吹き出しました。完全に『確信犯』やん♪
Commented by にゃあ at 2018-03-05 23:55 x
あぷらなーとさん、これまた酔狂な! 「うちのなんちゃって望遠鏡よりも性能が良かったら、どうしよう」とドキドキしながら最後まで一気に読みました。ふんだんな写真で擬似購買した気分になりました。しかし、27,999円ですか。Aliexpressならもっと安いんじゃないかと思ったら、US $339.15とかえって高かったですよ(驚愕)うちの子も手を入れていきますよ〜
Commented by supernova1987a at 2018-03-06 00:39
> にゃあさん
「酔狂」良い響きです(笑)。
たぶんアマチュア天文界では『変態』とほぼ同義の用語でしょうねぇ。

あ、ご心配なく。
直感的には、以前AC・No2クローズアップレンズで作った『にせBORG』の方がよく見えるような気がしますので。

本当は、
「こいつを3本買って、それぞれに自作レデューサとナローバンドフィルタをかましてやれば、ツインBORG89EDを超える武器になるんじゃないか?」
などと妄想中だったりして。(軍拡終了宣言はどこ行った?)
もちろん、4機に増殖した ACNo4クローズアップレンズによる『にせBORG』のナローバンド撮影仕様装備も水面下で動き始めてますよー♪
Commented by ほの at 2019-03-16 00:06 x
私もgskyerの天体望遠鏡を買いました。なんですけど初めてで使い方がわからず 天体望遠鏡をのぞいても真っ暗で何も見えません。カバーもとりました レンズと鏡筒のところ なんですけど見えません何が悪いのでしょうか
Commented by supernova1987a at 2019-03-18 22:17
> ほのさん
はじめまして。ようこそ拙ブログへ!
小中学校で生徒全員に対して具体的な使い方を実習される顕微鏡と異なり、天体望遠鏡は(教科書には部分的な使い方が載っているだけで)ほとんどの方が使い方を学んでいないため、最初は難儀しますよねぇ。
私も、子供の頃に初めて買ってもらった天体望遠鏡で星が見えるようになるまで実に数ヶ月以上かかってしまいました。
真っ暗で何も見えないとのことですので、下記の点を確認してみてください。
①昼間の(できるだけ遠くの)風景に望遠鏡を向ける
②できるだけ低倍率のアイピース(接眼レンズ)を取り付ける
 (アイピースの焦点距離が大きい物)
 ※はじめはプリズムは付けない方が良いと思います。
③なんとなくモヤモヤした物が見えるまで向きを微調整してみる
④接眼部のラックピニオンハンドル(調節ねじ)を回してピントが合うところまで接眼部を伸ばす(構造上、かなり伸ばさないとピントが合わないはずです。)

これでクッキリとした風景が見えるようになったら、説明書に書いてあるファインダーの調整などに移ってみてください。天体望遠鏡といえど、各種の調整は明るい日中の風景でやった方が楽です。
各種の調整が済んだら、月の観察(月面は昼間の風景と同じ明るさなので見やすいです)から楽しんでみてください。
※ご不明の点があれば、お気軽に質問してくださいね!!
Commented by 望遠野郎 at 2020-09-20 10:25 x
はじめまして。

シベットさんのところから来ました。眼視・木工・自作にこだわった(というかそれしか
できない)星好き・望遠鏡好き野郎(もうすぐ還暦)です。

アイダスBP1 在庫限りでかなり値下げしていたので注文してしまいました。
DKD製の対物レンズを使った15センチF5アクロ自作機の色収差対策の切り札として。
赤の色収差は出てないようなので、詳しく検証していないのですが品切れを恐れて
買ってしまいました。

さて、本題ですが、
「お気軽観望に使える90mmクラスの屈折望遠鏡」ということですが、天リフで特集していた
SVBONY SV503。気になってメーカーサイトに行くと、90㎜ F5.5のブツがあって、
説明文に <SDガラスレンズ>と書いてあるじゃないですか!SDということは、アポ
クロマートでは??? 写真作例も短焦点アクロのものじゃないですよね。
これが3万円台というのは・・・・・一体。

と、気になったので書き込みしてみました。
以前にも同じものと思われる商品を見かけて、レビューで色収差が少ないと
書かれていたものがありまして、記憶に残っていたのですがSDレンズ使用で
あれば納得です。が、価格が納得できません。いい意味で。

一体どうなっているのでしょうか。近頃のChina製品は。

※Gskyer、ジースカイヤーとか読むのでしょうが、レンズ間のスペーサーが散歩して
いるような恐ろしい品質なので、自分的にはゲスカイヤーと呼んでいます。
Commented by supernova1987a at 2020-09-20 14:38
> 望遠野郎さん
こんにちは。ようこそ拙ブログへ♪
この記事は根強い人気を誇っているようで、嬉しい限りです。

さて、この怪しい望遠鏡は、恐らくセロリー通りにg線(青ハロ)を散らさずに、C線(Hα)やF線(OⅢ付近)を犠牲にしたタイプのアクロマートではないかと推測しています。これならSDやEDを使わなくても普通のガラスで色収差を少なく見せかけることができますので。ただし、デュアルなローバンド系のフィルタとはすこぶる相性が悪くて酷い像になります。似たような色収差補正タイプとしては、ケンコーのACクローズアップレンズなどが上げられます。

天リフさんの件は、「光学理論上の(古い)定義に従えばアクロマート」という主旨だと思います。色収差の補正は直感的には「七色の縞々が入った紐があって、レンズを1枚追加する毎に1回折り曲げることができ、重なった色同士が色消し。」というものなので、3色色消しにするには、2回折り曲げないといけません。よって、フローライトやSDを用いても2枚玉では原理的に2色色消しにしかなりません。ただし、フローライトやSDは「元々の紐に描かれた縞々の間隔が狭い」ので、「アポクロマートよりも色ニジミが少ないアクロマート」という逆説的なレンズが存在することになりますね。
Commented by 望遠野郎 at 2020-09-20 18:35 x
あぷらなーと様、レスありがとうございます。

問題の機種名とサイトリンク記入し忘れていました。説明不足ですいません。

SVBONY SV48 口径90mm 焦点距離500mm
https://www.svbony.jp/Lens-barrel-OTA-Refracting-telescope/
これなんです。ここに「色にじみをおさえるSDガラスレンズ」と
あるのが(価格的に)不思議という・・・。SDって安価なんでしょうか?
それとも誤記? でも写真の作例がすごい。色収差が少なく見えるだけなのでしょうか。

※SVBONY SV503は80mmのEDレンズ使用のF7(天リフさんいわく:性能的にはアポクロマート)
こっちのほうが価格が高い。???


Commented by supernova1987a at 2020-09-20 20:59
> 望遠野郎さん
すみません。早とちりしました。(しかもセオリーがセロリになってる)
90mmの方ですね。今は入手出来ないようですが、以前真剣に購入するか悩んでいた
https://www.amazon.co.jp/Visionking-%E5%8F%A3%E5%BE%84-90mm-%E5%B1%88%E6%8A%98%E5%BC%8F-%E5%A4%A9%E4%BD%93%E6%9C%9B%E9%81%A0%E9%8F%A1/dp/B00T1GSTC0
と同じような製品に見えます。
ちなみに、いわゆるSD(ホタロンとかFPL53とかCaFK95とか)ではないと推測します。何をSDと呼ぶかはメーカーさんの自由ですし、そもそもSDが何の省略なのか分かりません。作例もどのように(フィルターワークで)撮ったのか不明ですし。

・・・でも、もしや?とか思っちゃいますね。
Commented by 望遠野郎 at 2020-09-20 21:42 x
あぷらなーと様。

いえ、こちらの説明が悪かったです。
セロリー は、そういうノリで話かけてくれているのかと、
(攻めるねぇ~)とか思っちゃいました。

Visionking、!そうこれですこれです。長い絶賛レビューを見て、自分も買いたく
なりました。 でも手元不如意のため断念。
Commented by タムタム at 2022-05-09 11:47 x
あぷらなーと様今日は、まだコメント宜しいでしょうか?
以前から天体望遠鏡に少し興味が有りました。
つい先日リサイクル店で箱入りのSkyDream MK900が安価で販売されていて購入しました。
他に屈折用のGskyer 90600新品をネットで送料込みで15、000で購入しました。
特に不具合は有りませんでした。
初心者ですのでこの記事はとても参考になりました。
記載されているようにアイピースUW-20を購入するべきでしょうか?
宜しくお願い致します。
Commented by supernova1987a at 2022-05-28 23:12
> タムタムさん
最近忙しかったので、コメントをチェックしていませんでした。
お返事が遅くなり、申し訳ございません。

ご質問の件ですが、この記事はある意味「ギャグ」として書いたものですので、あまり参考にはされない方が無難かと思います。要するに「不幸にも必要最低限度の調整精度も出ていない製品に当たってしまったけれども、ネタ記事として楽しめたので、元は取った」という強がりです。

なお、アイピースの評価に関しては個人差が非常に大きいので、UW20に交換することで効果があると感じられるかどうかは、分かりません。昔の国産望遠鏡の場合は、望遠鏡本体で生じた収差(像の乱れ)をアイピースで相殺するように設計されたケースもあり、この場合は高級なアイピースに変えると、かえって悪化するという噂も聞いたことがあります。

UW20自体は「信じられないほど安い」部類のアイピースですので、試してみても損はないとは思います。シャープになるかどうかは分かりませんが、少なくとも見かけ視界が広くなり、見やすくなるという点での改善は確実だと思います。
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by supernova1987a | 2018-03-05 06:07 | 機材レビュー | Comments(19)

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