★公言したは良いけれど・・・
先日のブログで
「2018年にやりたいことリスト」を公言しちゃいました。
①「クローズアップレンズ転用の望遠鏡」を『4連装』にしてナローバンド撮影。
②『フルアーマーBORG』のテスト撮影。
③『3板式CMOSカメラ』を構築して遊んでみる。
④簡易分光望遠鏡を作り「自宅周辺の光害」のスペクトルを測定してみる。
⑤トリウムレンズを放射線源にして「突発的ホットピクセル」の正体に迫ってみる。
⑥グローバルシャッターを用いて、夜空全体がフリッカー現象を起こしているか調べてみる。
⑦『光害チョッパー装置』の設計に入る?
⑧シンクロトロン輻射を起こしている星雲の偏光状態を調べてみる。
⑨簡易的なハルトマンテストで手持ちの機材の収差曲線を描いてみる。
⑩オフアキシスガイダーならぬ『オンアキシスガイダー』のテスト運用開始。
⑪8ヶ月計画で『アマチュアの壁を越えてみるごっこ』プロジェクト始動。
実は、公言したのには深い理由がありまして・・・。
新年早々、右腕に『大けが』しちゃったのですよぉ。
本業とは別に担当している某高校男子応援部の実技指導がらみなのですが、年甲斐も無く速度セーブせず『本気で演舞』したら名誉の負傷・・・・MRI検査したら右肩の腱が切れて肩に水が溜まってるという『のっぴきならない事態』に。いつもは入念なアップ&テーピング&サポーター装備で万全を期していたはずが、この日に限ってこれらが甘くて・・・。
手術+入院+リハビリ で何ヶ月かかるか不明というガクブルな毎日なわけですよー。
ま、この辺は、本業との絡みで慎重に事を進めるつもりですが、たぶん『やりたいこと』が沢山あった方が快復も早いかな、と。
★プロジェクト④準備始動!
高校生の頃、光害カットフィルタの効果を検証するために、自宅周辺の街灯のスペクトルを簡易測定する目的でプリズムと双眼鏡とポラロイドカメラを組み合わせた簡易分光器を自作したことがありました。ちなみに当時愛用していたフィルタはミザールの「μフィルタ」(ピンと来た方は昭和時代の元天文少年認定ですね。)
・・・で、最近自宅周辺に増えたLED街灯の光害を有効除去する方法を色々と模索している中で、
「そもそも、従来型街灯の輝線スペクトルとLED型の連続スペクトルのどっちが効いているのか」
という当然の疑問が・・・。
というわけで・・・
なんぞこれ?

まるで、なつかしのマウント仕上げポジのようですが、これ
1000本/1mm仕様の回折格子です。
近年ではDVDの溝を転用した反射型回折格子による分光器作りが流行っているようですが、それだと(先駆者さんが沢山いらっしゃって)面白くないので、透過型のヤツを作ってみたいと♪
ちなみに、この回折格子は、ビームスプリッタ装置作成の部品調達でいつもお世話になっているエドモンドオプティクスさんの製品(このメーカーさん、ホントなんでも手に入る♪)
ただし、あくまで「あそび」なので実験グレードではなくて、レプリカグレード。要するに、生徒に『実験ごっこ』させたりする用途の『オモチャ』ですな。
・・・え?お値段ですか?
あくまでオモチャなので、1個150円程度です♪
★点光源なら、なんの苦労も要りません
スペクトル撮影というと、なにやら難しそうに聞こえますが、対象が街灯とか恒星などの点光源ならば、なんの苦労も要りません。
カメラの前に回折格子をかざして、向きを対象からズラせば・・・・

※ニコンクールピクスP7800で撮影
こんな風にキレイなスペクトルが楽勝で写せます。
この写真の中に、蛍光灯光源とLED光源が弁別されているのが分かるでしょうか?
では、比較してみましょう。
すると・・・
ででん!!
上が従来型の街灯のスペクトル、
下がLED型街灯のスペクトルです。
従来の街灯は明瞭な輝線スペクトルで、LEDは起伏を伴った連続スペクトルであることが確かめられました。
簡易測定グラフも付けていますが、RGB素子がどの波長に反応しているのかも分かって面白いですね。
ところで(別件になりますが)フィルム時代には天体写真の「青ハロ」が問題だったのに、デジタル時代になって急に『赤ハロ』が問題視されるようになった背景には、「本来存在しないはずのマゼンタスペクトル」を無理矢理演出しようとするデジカメ側の事情が効いてきていると睨んでます。
上の写真とグラフを見てください。青い色の中に明瞭なマゼンタが見えますね。本来、マゼンタは補色なので、赤いスペクトルと青いスペクトルが重なった場合にのみ生じる色のハズです。ところが実際には「完全に青のみの波長」にR素子が反応してます。つまり、R素子の感光領域がB素子の感光領域に割り込んでいて、本来青い色を無理矢理マゼンタ(赤紫)に見せようとしていることが推測されますね。(この件も色々調べると面白そう♪)
★相手が「面積体」の場合は事情が異なるので・・・
このように、相手が点光源の時のスペクトル撮影は楽勝です。なんの工夫も要りません。
だたし、今回の主目的は、光害の主要因を特定することなので、天体写真のバックグラウンド(夜空)のスペクトルを撮影する必要があります。
この場合は、相手が面積体になりますので、ピンホールやスリットなどを用いて対象の光(の入射角度)を絞り込まないとスペクトルが全部重なってしまいます。
・・・という訳で、どんな装置にすればいいか思案開始です。
ともかく、レプリカグレードの回折格子でも十分に分光できることが確かめられたので、プロジェクト④の第一段階は突破です♪