機材

短焦点版『にせBORG50S』ファーストライト その②

★ついにファーストライトに成功♪
ケンコーのACクローズアップレンズNo4を対物レンズにした『にせBORG50S』のファーストライトに成功しました。
ついでに、本当に久々の「PCの力を全く借りない星雲撮影」にも成功したわけで、機材の軽量化とも相まって怪我をした右肩の手術前通院治療中の現在でも、6月に予定している手術から退院した後の数ヶ月におよぶリハビリ生活でも、ニワトリなら決行できる光が見えてきました。(無論、ムリは禁物ですし治療を優先しますが、たまには楽しみが無いと頑張れない性分なので・・・)
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★画像処理の過程公開
別に、大した事をしたわけではないのですが、そもそもが「1600円の対物レンズ」での撮影ですから、ある程度の画像処理は施してます。
しかも、近所のLED街灯の光が望遠鏡を煌々と照らしており、空には月齢18の丸々としたお月様が輝いており、時折薄雲が通過するという劣悪条件での強行撮影でしたので。

⓪撮影データは・・・
 ・カメラ:ニコンD810A(APS-Cクロップ)
 ・対物レンズ:ケンコーACクローズアップNo4
 ・補正レンズ:BORG0.85倍レデューサ(APS-C用)
 ・フィルタ:アイダスLPS-D1
 ・赤道儀:ケンコースカイメモS
 ・追尾:ノータッチガイド
 ・撮像感度:ISO3200
 ・露出:30秒
 ・ノイズ低減:なし
 ・ダークファイル:なし
 ・フラットファイル:なし
 ・撮像枚数:121コマ
 ・記録形式:RAW

①撮影したRAW画像をステライメージ7でバッチ処理
 (1)ベイヤー画像の展開
 (2)カラー構造を加味したホット&クールピクセル除去
 (3)デモザイク(ディベイヤー)処理
 (4)2×2ビニング
 (5)FITSファイルで出力
 ※純正のキャプチャーNX-Dで現像するよりも好結果でした。
 ※ステライメージは7以上のバージョンでないとD810AのRAWが扱えません。

②121コマをステライメージ6.5で加算平均コンポジット
 ※ここでステライメージのバージョンを6.5に下げているのは、意図的です。
 (位置合わせコンポジットの速度が数倍~数十倍高速だから)
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③ステライメージ7で色調を補正
 ※今回はオートストレッチを用いました
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④ステライメージ7でレベルを補正
 
短焦点版『にせBORG50S』ファーストライト その②_f0346040_23071846.jpg
⑤ステライメージ7で周辺減光・カブリ補正
 ※今回はフラット画像を撮影していないのでソフト上での目分量補正とします。
短焦点版『にせBORG50S』ファーストライト その②_f0346040_23095410.jpg
⑥ステライメージ7でデジタル現像
 ※マスク処理を用いて高輝度部分と低輝度部分を分けて処理しました。
 ※本来は星雲の高輝度部分がサチらないようにする機能ですが、アクロマートの場合は恒星像を引き締める効果があります。
短焦点版『にせBORG50S』ファーストライト その②_f0346040_23155192.jpg
⑦NikCollectionで加工
 ※HDRによるストラクチャ強調と階調圧縮およびDefineによるノイズ低減を主に行います
短焦点版『にせBORG50S』ファーストライト その②_f0346040_23115474.jpg
⑧NikCollectionのVireza2とステライメージ7のLab色補正
 ※Vireza2では部分的な色補正(邪道ですが、ニコンファンには昔から常套手段?)
 ※Lab色補正では全体的な色調を整えます
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⑨シルキーピクスで仕上げ
 ※ここは完全に好みの問題です。
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⑩破綻した周辺部を捨てるようにトリミングして完成♪
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★というわけで・・・

主要部分は、こんな感じになりました。
短焦点版『にせBORG50S』ファーストライト その②_f0346040_23485236.jpg

 「121コマコンポジットした直後」と「その後の処理」を比較すると・・・

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こんな感じですかねぇ。
ともあれ、上記の「Befor」画像が出てきても、頑張ればあぶり出せるということですね。

クローズアップレンズ侮りがたし!

ま、見る人によって、受け取り方は様々だと思います。

「たった1600円の対物レンズでこんなに写るのか!」
「所詮アクロマート。ハロが酷すぎ(笑)」
「所詮は転用物。センタリングかスケアリング狂ってね?」
「フィルタの取り付け位置が対物レンズに近すぎでは?」
「せめてフラット補正くらい作用させようよー」
「コントロールポイント処理は反則!これだからニコン親父は・・・」
「処理過程⑥で止めとけ!」

よって、異論は認めます(笑)

次回出撃は・・・あるのか??

P.S.
というわけで、あぷらなーとのGW連休はこれにて終了。
いやー。
怪我のため家から外に出なかったのに、妙に濃密な連休でした。
明日からはお仕事です。

Commented by morito at 2018-05-06 20:48
こんばんわ

異論ある訳がありません。

ちょっと前のエントリーにあった

>そもそも生活やお仕事に活力を与えるのが『趣味』なわけで

それそれ! それに尽きます。
Commented by にゃあ at 2018-05-06 23:10
俄然やる気が出てきました!(単純)ピントは青ハロで合わせる。ですね?うちの小センサーなら周辺像は気にしなくてよいかもしれません。なんか写してみたいなぁ。
Commented by supernova1987a at 2018-05-07 00:40
> moritoさん

暖かいコメントありがとうございます♪
ええ、『趣味』ですからねぇ。
みんなそれぞれの価値観で楽しんでOKな世界だと思います。

★ベテラン勢のように『王道』(コンテストで入賞できる正統派テク)を目指す方

★ビギナーさんのように『自己ベスト』(回を重ねるごとに上手くなっていく)を喜ぶ方

★私のように『邪道』(みんながあまりやってないこと)に活路を見出す変態(笑)

・・・楽しみ方は色々ですよねー♪
Commented by supernova1987a at 2018-05-07 00:52
> にゃあさん

一度ライブビューで限界いっぱいまで拡大表示させて、明るめの星をジックリ観察してみてください。ACクローズアップレンズで作った望遠鏡の場合は、ピント位置により、緑のニジミ、赤のニジミ、青のニジミがそれぞれ観察できると思います。このうち、青のニジミが残って、緑と赤が消えたところが(私が考える)ベストポイントです。ぜひお試しを♪

※もしマゼンタ(赤紫)のニジミが盛大に出てしまったら、レンズではなくカメラ側の個性である可能性もあります。純粋な青の光を紫に表現するカメラも結構ありますので。
Commented by kem2017 at 2018-05-07 05:16
ニワトリで好きな機材で撮影って、最高ですねぇ
昨夜から結構な雨です...
Commented by オヤジ at 2018-05-07 08:07
広末涼子の旦那(元?)!光の魔術師とか。(芸能は、全くわかりませんが)
そんな職業もあるんだと、妙に感心してましたが、あぷらなーとさんも画像処理の魔術師ですね。
あやかりたい!
Commented by supernova1987a at 2018-05-07 10:24
> kem2017さん

GW終わっちゃいましたね。
今年は本気モードの収穫ゼロでしたが、新たな方向性が見えてきたということで、良しとします。スカイメモを使ったお手軽撮影に関しては、近日中にもう少し『考察ごっこ』したいと考えてます。(色々と計算してて、ポタ赤の特性というか注意事項が見えてきましたので。)
Commented by supernova1987a at 2018-05-07 10:28
> オヤジさん

フラット補正やダーク補正をしていないので、本来はもっとあぶり出せるのだと思います。
とりあえずメジャーな天体なら「なんちゃって機材」でもある程度写ることが分かったのは収穫でした。(普通のカメラ用望遠レンズとの比較とかも面白そう♪)
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by supernova1987a | 2018-05-06 19:54 | 機材 | Comments(8)

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