★前回のエントリーで・・・お気に入りの改造D5000は結構ノイズが少なくて、非冷却でも明るい天体ならまだまだ現役なんだけど、冷却CMOSカメラと比べちゃうと、そもそもダークノイズの出方が気色悪くて画像処理に難儀しそうなことが分かります。
実際はダーク減算処理などで相当分が軽減されるはずですが、今回はその『気色悪さ』を見てみることに。
★100枚コンポジットした後のダークノイズ
改造D5000についてISO3200・20秒露光を暗所で行ったダークファイル100枚を位置合わせ無しでコンポジットして、見やすいようにレベルを0-2500まで切り詰めた物がこちら。
※左:ノートリミング 右:400%まで拡大したもの どちらもベイヤー画像(デモザイク前)
100枚もコンポジットしてますから、いわゆるショットノイズなどランダムノイズ系の統計的揺らぎは相当軽減されているはずなのですが、この現状です。
ね?『気色悪い』でしょ??
では、これをデモザイク(ディベイヤー)してカラー現像してみます。
すると・・・

※左:ノートリミング 右:400%まで拡大したもの
どちらもデモザイク後
ベイヤー画像のデモザイク処理に伴う「想定されるボケ」以上に盛大なモヤモヤが出ることが分かりますね。
ちなみに、前回載せた比較画像では1コマ画像のノイズを比較していたので、D5000のダークファイル1コマの画像と比較してみます。
※左:1コマ画像を400%まで拡大 右:100コマコンポジット後に400%まで拡大したもの
どちらもデモザイク後
はい。ちょうど前回の画像に出ていたようなチリチリとしたノイズとモヤモヤとしたノイズが1コマ画像には出ていることが分かります。コンポジットすることでこの傾向は緩和されますが、それでも後述の冷却CMOSカメラに比べると格段に『汚い』のですよー。ちなみに、1コマの方は色が出にくい傾向にあるのが謎ではあるのですが、とりあえずD5000の場合は大きめ(明るめではなく)のダークノイズが発生しているということですね。
★冷却CMOSカメラの威力?
ところが、これが冷却CMOSカメラになると事情が一変します。
まあ、下の画像を見てください。

※左:改造D5000のダークノイズ 右:ASI1600MC-COOLのダークノイズ(-15℃)
どちらも100コマコンポジットしたデモザイク前のベイヤー画像を400%まで拡大したもの

※左:改造D5000のダークノイズ 右:ASI1600MC-COOLのダークノイズ(-15℃)
どちらも100コマコンポジットした後デモザイクしたカラー画像を400%まで拡大したもの
どうです?冷却の効果はもちろんなのですが、ASI1600MCの方は、いかにも「ダークノイズです」って感じでホットピクセル除去フィルタなどが効きやすそうな面相ですよねぇ。それに比べてD5000は・・・・こんなんフィルタ処理では弁別できねーよって感じ。
ま、だからこそD5000の場合はダーク減算処理は必須なんでしょうけれど、
これって・・・・
①冷却・非冷却の違い?
②センサーの仕様の違い?
③カメラ内部の(画像処理エンジンの)処理の有無?
一体どれが効いてきてるんでしょうね?
ASI1600系の冷却CMOSカメラにクールピクセル(黒点状のノイズ)が目立つのは、ある意味「そのほかのノイズが少ない」あるいは「画像処理エンジンが変なことをしていない」からなのかも知れませんね。
えっ?
「とっととASI1600MC-COOLを冷却せずに調べたら①の疑問は解決するんじゃね?」
ですか?
う、うん。その通り。
でも・・・ええと・・・とりあえずD5000でもダークを引いてコンポジットすれば明るい星雲は写せますし、他に取り組んでるプロジェクトが多々ありまして、正直手が足りません(涙)