天体写真

馬頭星雲・やるだけのことはやるっ!!

★まさかの晴天で急遽出撃したものの
ダークノイズについて『考察ごっこ』をしようと決めていたのに急に晴れるもんだから、急遽『三連装・ガチBORG:グランデ』でニワトリ出撃しました。目標は「打倒!馬の首」だったのですが、ここにきて『サッポロポテト現象』が勃発。一気にテンションが下がっちゃいました。

でもやるだけのことはやってみましょう。
そもそも、馬頭星雲はあぷらなーとが超苦手とする天体。これまでまともに写せた試しがありません。
・・・原因はズバリ「消しきれないダークノイズ」&「消えてくれないクールピクセル」によって白や黒の『縮緬ノイズ』が盛大に出ちゃうこと。
恐らくベテランの皆様は
「オートガイドすることでホットピクセルやクールピクセルの弁別精度を上げる」
「ディザリングガイドでノイズを散らして見た目の違和感を軽減する」
「σクリップで突発的なノイズをカットする」
などなどの奥義を駆使しておられるのでしょうが、天邪鬼あぷらなーととしては、これらの王道とは違った道を歩みたい
ここ2年間の『研究ごっこ』でクールピクセルに関しては『クールファイル補正法』がかなり効果的で、ホットピクセルに関しても先日の『手動ダークファイル減算法』で相当な改善が見られることが判明しました。


・・・となると

今なら、馬頭星雲も『縮緬ノイズ』無しで写せるかも♪

うむ。
『サッポロポテト現象』ごときに打ちのめされている場合じゃぁ無いッ!



★各種画像処理の効果
相変わらずオートガイダー無しのノータッチガイド一本槍なので、露出時間はせいぜい30秒程度です。
でも、120コマを加算平均コンポジットすると、ここまで改善します。
f0346040_16475069.jpg
 ※共通データ:BORG89ED+マルチフラットナー+Hαナローバンドフィルタ+ASI1600MMーPro 撮像温度-15℃・ゲイン300・露光30秒
 ※左:1コマ画像のトーンを調整した物 右:120コマをコンポジットしたもの

 しかし、よく見ると、120コマコンポジットの方はガイドエラーに伴い、盛大な『白い縮緬ノイズ』が発生しています。
f0346040_16504089.jpg
 ※上記画像のピクセル等倍

この主要因は、ダークノイズが残っているためです。このノイズはこれまでダークファイルを減算してもなかなか消しきれなかったのですが、その原因が「減算後の0以下の数値がカットされている」ことにあることを突き止めました。そこで、バッチ処理の内容を手動で設定する『手動ダーク減算法』を用いる
f0346040_16532008.jpg
 左:ダーク減算前 右:『手動ダーク減算法』の適用後

ほとんどの白い『縮緬ノイズ』がキレイに消えました。ところが、よく見るとうっすらと「黒いスジ」が残っていることが分かります。クールピクセルに起因する『黒い縮緬ノイズ』ですね。大丈夫。こちらは『クールファイル補正法』を適用することによってですねぇ・・・
f0346040_16552109.jpg
 左:手動ダーク減算のみ 右:『クールファイル補正法』の適用後

このように劇的に改善しました。

f0346040_16575362.jpg
 ※左:ダーク減算なし 中:『手動ダーク減算法』を追加 右:『クールファイル補正法』を追加

ここまで来れば、もうディザリングやσクリップの必要も無いかも??です。(炙り出しをした状態でコレですので♪)



★同様の処理をSⅡ・OⅢにも施して・・・
さて、ここからが『三連装BORG』の真骨頂です。撮影時間はわずか1時間でしたが、その間にHα・SⅡ・OⅢの3波長画像を同時にゲットしているのですよー。
f0346040_17035774.jpg
では、それらを全て合成して、疑似カラー化してみましょう。
(・・・詳細が書ききれないほどの試行を延々繰り返して悶絶していたのは内緒)

すると・・・

ででん!!
f0346040_17083640.jpg

ふははははっ!
苦節30年(どれだけ才能無いんだか)ついに馬頭星雲を仕留めたわ

え?
『サッポロポテト現象』が出ちゃってるぞー?
ですって?

いやー、これたぶん、ASI1600MM系のCMOSカメラを用いた場合に「スパイダーが無く・収差による像肥大も出ないシャープな屈折光学系」だと、原理的に出るのが自然なのかもしれないっす。(カメラ内部の保護ガラスと撮像素子の間隔、および画素ピッチで決まる?)

だから文句言っても仕方ないかもです。

P.S.
え?フラット処理?
ええと・・・フルサイズ用のフラットナーにマイクロフォーサーズカメラですので、フラット補正の必要が全く無かったんです(笑)
それにしても・・・・なんかVMC260Lよりも良く写ってるような気が・・・・。ASI1600MMの画素ピッチとシンチレーションの影響から考えて実は600mm前後って絶妙な落としどころなのかも知れないなぁ。(カラーカメラなら1200mmは欲しいところですが)

Commented by Te Kure at 2018-10-22 09:19 x
ツィートを拝見して慌ててこちらに来ました!
カラーももう・・
こうなると変態と言うよりは魔法ですね(笑)

でまたなんですが、落ち着きましたら初歩質問をさせて下さい・・(汗)
Commented by supernova1987a at 2018-10-22 13:53
> Te Kureさん
ありがとうございます。
おかげさまでようやく馬頭星雲が(自分なりに)キレイに写せました。
とりあえずはこの手法(邪道流)で色んな天体を攻めてみたいです♪
Commented by kem2017 at 2018-10-22 16:48
お見事!
サッポロポテトも味があっていいと思います。塩味かな?

ニュートンのキラーンにも似た明るい星の証だと思えば、全然アリだと思います。

それにしても、すっごい馬のディテール...
月日は百代の過客ですねぇ(意味不明)
Commented by supernova1987a at 2018-10-22 18:28
> kem2017さん
いやー。実は前々からスパイダーの無い屈折望遠鏡なのに十文字の淡い光芒が出ることがあって悩んでいたんです。今回の一件で『サッポロポテト現象』の高輝度部分を捉えていたんだと合点がいきました。けむけむさん家でもサッポロポテトが出るか、屈折望遠鏡+冷却CMOSでシリウス当たりを見てみると面白いかも。・・・でもナローバンドじゃないと良く見えないかもですが。
Commented by ゴットハンド at 2018-10-22 20:20 x
美しい~。ノイズの”ノ”の字もないですね。
ソフトを駆使しての完璧な補正お見事!
ここまできれいに補正されていると、サッポロポテト現象は気になりません。
アストロアーツもステライメージ9でこれらの機能を是非導入してもらいたいもんです。
サッポロポテトは塩のりが好きです。(笑)
Commented by supernova1987a at 2018-10-22 20:41
> ゴットハンドさん
フォトショのレイヤー処理無しなので、少々怪しい加工をしてますが、とりあえず馬頭星雲らしい風貌になりました。やはりノイズが消せると強めの処理に耐えますね。
次はフラット補正のお勉強をしないといけませんねぇ。
ちなみにサッポロポテトはなんといってもバーベQ味が好みです♪
ステライメージに「ダークファイル減算時の0未満切り捨てのONーOFFオプション」と「クールファイル補正法」が搭載されたら一気に処理が進むんですけどねぇ。
Commented by Sam at 2018-10-22 22:07 x
縮麺ノイズ完全制覇ですね。素晴らしいです!
PixInsightでも同じことができないか少し見てみたのですが、0以下切り捨てに関するオプションらしきものは見当たりませんでした。PixInsightでも以前縞ノイズがでたので、やはり0以下を切り捨ててしまっているのかと推測されます。
Commented by supernova1987a at 2018-10-22 22:46
> Samさん
ありがとうございます。
特殊な『黒い縮緬ノイズ』の方が先に解決したのに、普通に思える『白い縮緬ノイズ』の方が難儀していました。まだ納得がいっていない部分もあるのですが、なんというか「暫定的なキャリブレーションが終わった♪」という感じです。ゼロ以下の切り捨てに関しては、バックグラウンドが明るい長時間露光の際には(ゲタをはかせた状態なので)潜らないでしょうから、短時間露光の多数枚コンポジットを愛用する人以外には実害が少ないと思われます。

これから、ノイズの詳細の『考察ごっこ』と最適値の追い込みをしながら、晴れた日はどんどん素材を釣り上げることにします!
Commented by にゃあ at 2018-10-23 03:07 x
わぁー、これがカラーシフトですか? 「戦火の馬」という映画を思い出しました。あぷらなーとさんのことだからSAOのシフトじゃなくて、別の秘技を掛けられたのかもしれませんが、ディテールのノイズの少なさが見事ですね。ここに1600MCのRGBを足したら、サッポロポテトが消えたりしませんかね?
Commented by supernova1987a at 2018-10-24 22:46
> にゃあさん
実は複数のパレットをミックスしています。
サッポロポテト現象はカラーでも出ると思いますが、その挙動はまだよく分かっていません。
もし、そもそも回折現象ですらなかったら暗礁に乗り上げです。
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by supernova1987a | 2018-10-22 07:16 | 天体写真 | Comments(10)

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