機材

『くわとろ☆みるとる+α』実戦投入

注:初の試みとして、Twitterでつぶやいた内容の総集編という形式で記事を書いてみました♪
 
★この企画はこれで完成形
とにかく、200mmクラスの多連装砲がどうしても欲しかったのですが、さすがにBORGやビクセンの55mmフローライトではお財布的に無理。かといってカメラメーカー製の望遠レンズだともっと無理。
クローズアップレンズを対物レンズに転用した『にせBORG』で色々と『実験ごっこ』してみた結果、ナローバンドならアクロマートでも実用になりそうなことが分かったのですが、その場合フラットナー代が重たい(涙)・・・・というわけで200mmF4相当のアクロマートでありながらフラットナー(メーカー公称ではリレーレンズ)内蔵の4枚玉望遠鏡:MILTOL200がディスコンになった後、市場価格が下がりきった(?)タイミングで一気に3本大人買いしました。これで『とりぷる☆みるとる』が組めたのですが、もう一声、『くわとろ』にしたい!というところで相場が急騰して一時断念。ところが、せろおさんから「ケンコーのジャンクに出てるよー」との情報(なんと7800円!)。
これはポチらねばなるまい!

というわけで・・・・

ででん!!
『くわとろ☆みるとる+α』実戦投入_f0346040_03172749.jpg
「MILTOL200+冷却CMOSカメラ」×4本に「ミニBORG60ED+天文改造D5000」を1本加えて、『くわとろ☆みるとる+α』が堂々の完成です!!
どうです?この禍々しさ
コイツでHα・SⅡ・OⅢ・Hβ・RGBの5種類のバンドを一気に同時露光できるという魔道兵器。
・・・うむ。美しい。まるで変態あぷらなーとの精神が形になったようだ
ええと・・・そんなに散財したわけではないんですよー。ほとんど手持ちのパーツで組んだので、追加軍費はMILTOL×4本の約4万円のみ。ええ、BORGの純正フラットナー1個分くらいのお値段です。


★『くわとろ☆みるとる』出るッ!!
狙うは巷のナローハンター達に大人気のハート星雲です。
『くわとろ☆みるとる+α』実戦投入_f0346040_03283086.jpg
市街地の光害だと?そんなもの「通さなければどうということはない!」
かくして、ノータッチガイド30秒露光のライトフレームを総計1740コマ確保しました。
え?「オートガイドしないのか?」ですと?
いやー、さすがに5連装では色々と撓みが出て、各砲塔があべこべに動いてしまうので、オートガイドしても無駄なんですよねー。同じ理由でオフアキ使っても無駄・・・というわけ。恐らくディザリングも無力でしょう。ここは潔くノータッチガイドで臨み、『手動ダーク減算法』+『クールファイル補正法』の合わせワザで『縮緬ノイズ』を叩きのめす戦術で行きます。


★敵軍の奇襲部隊襲来!
まあ、各鏡筒のセンタリングなどの調整は大変なのですが、今回はこれを昼間の間にある程度追い込んでおきましたので楽ちんでした。あまり神経質に調整しても撮影対象の方向によって微妙に撓むので無意味でしょう(笑)。撮影を開始したら、あとはお部屋でコーヒーでも飲んで収穫を待つだけです。
ところが・・・
ぬかった!敵の奇襲かッ!!
ちょっと油断したすきに外気温が急激に下がり、『くわとろ☆みるとる』が夜露の攻撃にさらされているではないですか。
ちなみにフィルム時代から長年愛用してきた木炭カイロは、近年の中華木炭の品質が悪く『自爆』するのでパス。
かといって専用の露よけヒーターは結構お高いので、ドリンクウォーマーを装着して防御を固めるッ!!

ふはははは。
飽和水蒸気よ。来るなら来い。これで夜露攻撃は通用せぬわッ!!
『くわとろ☆みるとる+α』実戦投入_f0346040_03521775.jpg


★え?あぷらなーともフラット撮影するの?
いやー、あぷらなーとだって、たまにはフラットを撮りますよー(笑)。
ちなみに、今回はいつもよりも少し気合いが入っているので、出撃2晩目はダークファイルとフラットファイルの取得のみに充てました。
使うのは「レタリング用のA3版のLEDトレース台」「音楽演奏用の譜面台」
うーむ。科学写真に芸術用品を転用するあたりが『邪道』っぽくて素敵♪
『くわとろ☆みるとる+α』実戦投入_f0346040_03374664.jpg
しかし、凄い絵だなぁ。どうみてもフル装備の重モビルスーツが全力射撃しているようにしか見えない


★かくして、戦闘終了♪
2回の出撃の戦果は・・・・
1番砲:BORG60ED+天体改造D5000+LPS-P2
 ライトフレーム300コマ
 ダークフレーム200コマ
 フラットフレーム400コマ
 フラットダーク400コマ
2番砲:MILTOL200+ASI1600MM-Pro+Hαナロー
 ライトフレーム360コマ
 ダークフレーム240コマ
 フラットフレーム480コマ
 フラットダーク480コマ
3番砲:MILTOL200+ASI1600MM-Cool+OⅢナロー
 ライトフレーム360コマ
 ダークフレーム240コマ
 フラットフレーム480コマ
 フラットダーク480コマ
4番砲:MILTOL200+ASI1600MM-Cool+SⅡナロー
 ライトフレーム360コマ
 ダークフレーム240コマ
 フラットフレーム480コマ
 フラットダーク480コマ
5番砲:MILTOL200+ASI1600MC-Cool+Hβナロー
 ライトフレーム360コマ
 ダークフレーム240コマ
 フラットフレーム480コマ
 フラットダーク480コマ

むむむむ・・・・総勢7540コマの画像処理かぁ・・・・これはちと骨が折れそう。
というか、PCの容量が持たないんじゃ・・・・。

ふっふっふ。
笑止!
戦いとは2手3手先を見て行うものだ。
そういうこともあろうかと数ヶ月かけて少しずつ買いそろえてたのだよ。強化パーツを。
ついにコイツらをメインPC組み込む時がやってきたかッ!

ででん!!
『くわとろ☆みるとる+α』実戦投入_f0346040_04110946.jpg
すでに稼働している「システム用の480GBSSD」や「データ用の3TBHDD×2+2TBHDD×1」とは別に、「作業領域用の500GBSSD」と「データ用の4TBHDD×3」を実装ッ!!

ステライメージ6.5はその処理速度が『爆速』なんですが、あまりにも速いが故に、HDDのスループットがボトルネックになって処理がもたつくんですよー。
そこで、記憶メディアとして入力側と出力側とで別ディスクを充て、特にアクセス数が多い作業ファイルはSSDに置いちゃうという作戦です。

さて、これで舞台は整った。
一寝入りしてから、画像処理戦線に向かうとしましょうかね・・・・。

★★★以下、次回につづく♪★★★

Commented by オヤジ at 2018-11-05 08:06 x
どう見ても、光を捉える装置ではなく、飛び道具の感じは歪めませんね。おまわりさんが見たら、一発、職質間違いなし!。
所で、5本のカメラUSBケーブルは、一番下の航空母艦のような最速PCに全部繋いでいるのですか、それとも、撮影中はノートPC数台で分散して記録しているのですか。
前、ASUSの8GBノートですが、USB3.0ケーブルを2本認識させるだけで、その後、モノクロかカラーかどちらかで撮影記録している最中でも、休んでいる方が不安定でしたね。
認識が外れてしまって、何度も再起動しました。
ニワトリは、変にひ弱なノートPCじゃなくて、赤道儀と同様、最速デスクトップをそばに常設した方が処理も早いし不安定感が無く成るような気がしてます。
小さな台車に乗ってる最速PCとか。(笑)
因みに、我が家の最速PCは64GB+SSD500GBx3+Core i7-8086Kに最近テコ入れしました。
これをピラー脚の傍に置いて、室内のノートPCからリモートする方が簡単のような気がします。(寒くなるので)(爆)
Commented by supernova1987a at 2018-11-05 12:27
> オヤジさん
たしかに、これを人目につく遠征で使う勇気はありませんねぇ。どう考えても武器(笑)。
ちなみに、撮影時はノートPC2台で運用しています。

デジカメ:カメラ自体のSDカードへ
ASI 1600MMーPro&MMーCool1号機:A4ノートPC(Corei5@2.4GHz)のSSDへ
ASI1600MC-Cool&MM-Cool2号機:B5ノートPCへ(Corei5@1.2GHz)のSSDへ

といった具合です。以前Atom機でCMOSカメラ2台を運用したときには結構フリーズしてましたが、Corei5機だとSharpCapの2重機動でもへっちゃらのようです。ただし、WiFiを切っておいたり、Windowsアップデートを事前に済ませておいたり、Windows Update Delivery Optimization機能(ネット上の他のPCがアップデートしようとしたときMSの代わりに補助サーバとして機能してしまうというやつ)を無効にしておいたり、といった工夫はしています。それでも不安定な場合は2台ともUSB3につながず、1台をあえてUSB2につないだり、無線マウスを有線マウスに代えたり、臨機応変に対応してます。

>航空母艦のようなメインPC
言い得て妙ですね。記憶容量こそSSD:1TB+HDD:20TBと強力ですが、メモリは16GBでCPUはCorei5-6600@3.3GHzですから、演算速度自体はそんなに速くはないです。(安定性は抜群ですが)

>我が家の最速PCは64GB+SSD500GBx3+Core i7-8086K
うひゃあ。
おやじさんにはかなわねえなぇ、全く・・・・(笑)
Commented by kem2017 at 2018-11-05 14:35
これ、パソコンぢゃなくて、サーバを置きたいトコロですねぇ...
7540コマってなんすか...
それ、全部同じHαで撮ったら何時間分の露出になるんだろうか?とか思っちゃいました。
2~3晩かかるのを一気に撮るってエグいマネも出来ますねぇ
Commented by supernova1987a at 2018-11-05 15:31
> kem2017さん
あはー。当方知識が古すぎて、サンのソラリス以外サーバ管理やったことないですぅ。
一応、大切な画像(RAWファイルと最終ファイル)だけは適宜NASに移動させるようにはしてるので、当面はこれで行きます・・・。(これで数ヶ月寝かしていたHDD達も報われることでしょう)
さて、7540コマですが、今回の総露光時間としてはライトフレームだけで約15時間分です。ま、普通の出撃なら3~5回分の獲物を一気に釣り上げた感じですね。ええ。通常の3倍ならぬ通常の5倍(笑)。
※ちなみに今回はこっそりバイアスノイズも取得していたり、今後の展開に向けて色んな『解析ごっこ』データが取れたと思います♪
Commented by ゴットハンド at 2018-11-05 18:54 x
カッケ〜!
惚れ惚れしますね。まるでキャプテンハーロックのアルカディア号を思わせるフォルム、今までの常識を覆す背面装着、7千枚を超える撮影枚数。
これはもう、一つの完成形ですね。
システムだけで、ウットリしちゃいます。
さー、これだけの枚数の画像処理、出てくるものが、楽しみです!
Commented by supernova1987a at 2018-11-05 19:06
> ゴットハンドさん
ありがとうございます。
今回は左右シンメトリーにこだわって組み立てました。まぁ、バランスが取りやすくするためですが、結果なかなかカッコ良くなったと自画自賛。なるほどアルカディア号にも似てますね♪

仮処理してみるとLEDトレース台によるフラットがいい感じにキマったのでテンション上がりまくりです。画像処理頑張ります。
Commented by せろお at 2018-11-05 22:08 x
私には見える!
四機のMiltolが分離してオールレンジ攻撃する様が!
どう見ても有線サイコミュですよ!兵器ですよ!
格好良すぎますよ、砲門五本とか、完全にモビルアーマーですよ!
また写真の美しいこと・・・
下を向いてる姿は逆に通報されそう(笑)

「兄貴ぃ!戦いは数だよ!」
撮影枚数がとんでもないですね。
使用しているPCの台数もHDDの数もすごい!
それをすべて操るあぶならーとさんは、ま、まさかニュータイプ?

混成12機編成も楽しみにしています。
12機だと小隊長から中隊長に昇進ですね!
新参者の私が知っている鏡筒はMiltol×4、BORG 60ED、89ED×3、にせBORG×3、その他?
カメラもAsi1600シリーズ×4、D51000×3、D810A×1、その他赤缶?で余裕で12機組めますね!
でもきっと他に隠し玉も出てくるんですよね?

望遠鏡とカメラ12台以上とかないわぁー、
と思ったけど、うちにもそれくらいありましたorz
機種はバラバラですけど
Commented by にゃあ at 2018-11-06 00:22 x
モビルアーマーの様態が過激さを増してきました。せろおさんがおっしゃるようにサイコミュっぽいですね。15時間一気撮りって、変態を通り越して、水爆級の最終兵器ですよ。しかも、低コストで構成されているって、驚嘆するしかありません。お部屋のサーバーや電源とカメラをアンビリカルケーブルのようにつなぐと鏡筒が暴走モードに入りそうで怖いです。
Commented by supernova1987a at 2018-11-06 02:35
> せろおさん
おお、せろおさんにも見えますか!オールレンジ攻撃を加える様子が(笑)
今回はデザイン重視で組んだのでなんか意図的に禍々しくなった気もしますが、とにかく2晩にわたるテスト撮影ではなかなかの好感触を得ました。『あの』ジャンクMILTOLが無ければ実現しなかった企画です。感謝・感謝♪

え・・・と、ガキの頃は本気でニュータイプを目指してたことあります。人通りの多い商店街を、ですねぇ、目隠しして自転車競走するんすよ。・・・で、人にぶつからず一番に出口まで走り抜けたヤツがニュータイプ認定っていう危険な遊び。・・・まあ現実的には、人『を』避けてるんじゃ無くて、人『が』避けてるんでしょうけどね(笑)。

12連装(というか3~5連装を3セット)企画、水面下で着々と進んでいます。赤缶はもう使い果たしたので、あとはデジタル一眼ですね。天体専用デジカメがD810A×1機、天体改造デジカメがD7000×2機+D5000×1機。それと無改造デジカメがD5000×2機とD610・D7000・D90・D300・D3・D3100が1機ずつ(D810A以外ほぼ中古ですが)、2005年頃から構想してコツコツカメラを揃えだして早10数年。にわかにアマチュア版『ドラゴンフライ望遠鏡』が現実味を帯びてきました。レンズの不足分は『にせBORG』の量産で乗り切ります。

正気の沙汰で無い?・・・いや、兄貴。戦いは数だよ!
やはりビグ・ザム1機よりもリックドム12機ですよねー。
Commented by supernova1987a at 2018-11-06 02:46
> にゃあさん
なかなか過激でしょ?
もしもダークやフラットのストックが完成したら、8時間ほど連続運転して、一夜にして40時間分の露光を得ちゃうってのも面白そう。

これまで1ヶ月間で撮影できるのはせいぜい5~10時間程度だったので、常設ピラー脚と合わせると撮影効率が5~8倍になる計算。これなら冬の一大プロジェクトもひょっとして成功したりして・・・・。

(実は光子数個レベルの難敵を追い求めてます。コイツはもう20年以上前から計画しているものでして・・・。多分一生涯の目標です。ホントはそのために『光害チョッパー』を実現したいんですが、現在開発停止中という・・・。)
Commented by せろお at 2018-11-06 19:16 x
12機のデジカメを何にどう載せるのか?どう制御するのか?
とても興味があります。
12機のカメラを制するのはニュータイプのアブラ・ナト少尉!
自分は同時にカメラ2台までしか使えないポンコツパイロットなので尊敬します。

ドラゴンフライ望遠鏡は凄いですね。
トンボの形かと思って検索したら、トンボの眼の方でした。
400mm/2.8×24本×2組、レンズだけで1億円とは・・・

それにしてもなかなかのNikon党ですね。
自分もメインカメラはNikonですが、天体用にα7sと6Dも使っています。
でもでもD810Aが欲しいです!
Commented by supernova1987a at 2018-11-06 23:18
> せろおさん
昔から敬虔なニコン信者を自称してますので、キヤノンには浮気しないと決めてます。多連装の場合はとにかく特性が似ているヤツを集めないと意味が無いですので。
だからある時期から買い増しはD5000とD7000の一点買いです。このあたり、新しい機種が良いとは限りませんので(笑)。さて、ニュータイプとして開眼するか、全滅して連邦に下るか、これからが正念場です。
Commented by オヤジ at 2018-11-08 11:20 x
上から2番目、3番目の写真を拝見して、組立ポリシーを感じます。
ビクセンのXYを使われたのは、鏡筒の重心を下げるためですね。成る程。
それにしても、カメラ・鏡筒を残部外しても10kgは超えるでしょう。
使えそうなパーツをネット徘徊して良く分かりました。
今、同じ重心を下げることで、腕組み中です。(笑)
Commented by supernova1987a at 2018-11-08 22:55
> オヤジさん
今回は結構構成に悩みました。
ビクセンのXYマウントは隠れた名機だと思ってます。操作性は良くないですが、重心が低い上に、鏡筒がズレていかないんですよー。
残された問題は、プレートの下側(スリックの微動雲台)に取り付けた鏡筒が、『暴れる』こと。
対策を思案中です。
Commented by オヤジ at 2018-11-09 02:27 x
あぷらなーとさん
オヤジもスリック微動雲台考えました。
プレートの下側は、鏡筒が乗ってるけど荷重じゃなくて 抜重に成りますね。荷重の時の微動なんでしょうか。それにしても、きょうとう5本とは!!!
Commented by supernova1987a at 2018-11-09 22:59
> オヤジさん
スリック微動雲台の対荷重は通常撮影時の場合なんだと思います。天体撮影のようにたわみがNGの場合は流石に6kgは無理でしょうね。
5本でも10kg程度には収まっているという軽量装備です。赤道儀のウエイトも5kg×2個で余裕です♪
でも今後接眼部を補強したりすると、どんどん重くなっていきそうです。
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by supernova1987a | 2018-11-05 04:28 | 機材 | Comments(16)

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