天体写真

『くわとろ☆みるとる』によるハート星雲画像処理①

★邪悪な新兵器『くわとろ☆みるとる』で・・・
ついに出撃した『くわとろ☆みるとる+α』
ようやく撮影後のファイルを処理始めました。
しかし、まあ、アレですよ。
LEDトレース台転用フラット板の威力と言いますか、480コマコンポジットのフラットファイルのパワーと言いますか、とにかく今までに無いほどフラットが効きます
あ、あくまでフラット撮影初心者のあぷらなーとの主観的印象で・・・ですよ。

★例えばHαでは・・・
『くわとろ☆みるとる』によるハート星雲画像処理①_f0346040_00215624.jpg
 ※左:フラット無し 右:フラット有り

うん。まるで別物。ちなみにノートリミングでレベル調整以外何も加えていない画像なので、もうこれは「フラットがキマった」と言って良いでしょう♪


★難敵のOⅢでも・・・
もともとOⅢは弱いので強めの炙り出しをしますよねぇ。だから周辺減光も強く出るんですが、今回のフラット効果はコレです。
『くわとろ☆みるとる』によるハート星雲画像処理①_f0346040_00255895.jpg
 ※左:フラット無し 右:フラット有り

これまで悩んでいた『おむすび型の減光』がウソのように消えています。


★SⅡは少しハズしたか?
フィルター面の反射に起因するゴーストに難儀するSⅡは他の波長よりも『変なこと』が起こりやすい印象です。
ではフラットの効果はどうでしょう?
『くわとろ☆みるとる』によるハート星雲画像処理①_f0346040_00321320.jpg
 ※左:フラット無し 右:フラット有り

ああ、これは少しハズした感がありますが、この程度のムラなら後処理でなんとかなるでしょう。


★ということで、まずは3波長が揃った!
『くわとろ☆みるとる+α』は5連装砲なのですが、とりあえずHα・SⅡ・OⅢの3波長について下ごしらえが済んだので、いよいよカラー合成に行きます。
『くわとろ☆みるとる』によるハート星雲画像処理①_f0346040_00370135.jpg
 ※左:Hα 中:SⅡ 右:OⅢ

うむ。今までに無くSⅡやOⅢがよく出ているではないかー。
これは良い感じに合成できる気配♪


★AOOだと・・・
いやー楽勝でした。レベル調整以外ほとんど何にもしてないのに、この始末(笑)
『くわとろ☆みるとる』によるハート星雲画像処理①_f0346040_00402054.jpg
なかなか良い感じです。



★苦手のSAOにチャレンジ
ほら、SAOパレットってメジャーな割には色相変換したり輝度毎に強調処理したり、なかなか難しいですよねぇ。
でもめげずに処理してみます(レイヤーすら使わない自己流ですが)

すると・・・

ででん!!
『くわとろ☆みるとる』によるハート星雲画像処理①_f0346040_00451274.jpg
おお、なかなか極彩色っぽくなりましたなぁ。
でも前回の『とりぷる☆みるとる』による試し撮りからそんなに進歩している訳ではないです。



★やはりココはあぷらなーとの必殺技で・・・
普通のSAOでは名手の方々に太刀打ちできないので、ここで邪道技を繰り出すとしましょう。
はい。ここで『リバースパレット法』の投入です。
今回は、最もお気に入り:『OSAリバースパレット』を用いてみます。


すると・・・

ででん!!
『くわとろ☆みるとる』によるハート星雲画像処理①_f0346040_00492557.jpg
うひゃー。『一発』でこれかよ!
あの・・・これSAO合成時にやった色相変換とか諸々の「難儀な処理」ほとんど何もしてないんです。
合成直後から、ほぼこの状態。
うむ。
やっぱり真面目にダークを引いた上でフラットを用意すると後処理が驚異的に楽ちんなぁ。

え?
青いのが出てないぞ
・・・っすか?

いや、原理上「青」は出にくいんですよ『OSAリバース』だと。
この場合だと
 シアン:OⅢ
 マゼンタ:SⅡ
 イエロー:Hα
なので、青を出すためにはOⅢとSⅡがオーバーラップしてないとダメ。
実際にはOⅢとHαがオーバーラップしている所が多いので、せいぜい鮮やかな緑ってとこですね。
ああ、もちろん、NikCollectionのコントロールポイントとかで『ごにょごにょ』すれば簡単に出せますが、ちと反則っぽい(波長の差を色にしたというより、輝度差を色にしちゃってるような気がする)ので自粛(笑)。


え?
5連装になって増えたハズの「Hβ」とか「RGB」とかはどこ行ったのだ?
ですか?

いやー。その2つはどちらもカラーカメラでしょ?
うう・・・。超・難儀してますぅ(涙)
 ・フラットにフラットダークを演算しようとして
  エラー
 ・ライトフレームにダークを適用しようとして
  エラー
 ・設定ミスで突然縦横が変わっていて
  コンポジット時にエラー
 ・原因不明のホワイトアウト現象が発生して
  画像が全面真っ白け
 ・その他諸々の怪奇現象多数・・・
もう、なんかカラーカメラが嫌いになってきたわー。

★★★以下つづきます、たぶん★★★


Commented by kem2017 at 2018-11-06 15:00
楽しそうでいいなぁ
色々難儀なう orz
Commented by オヤジ at 2018-11-06 16:26
やはり、ダークファイルとフラットファイルは、基本中の基本なんですね。
フラットだけで480コマX鏡筒本数分ですね。(汗)
料理も前処理してあると、味付けも簡単シンプルで美味しくなりますもんね。
Commented by Te kure at 2018-11-06 19:56
しかしフラットだけで480枚・・ 確かツィートですと全部で7000枚強・・
もうどうぞお好きに! ですよね〜(笑)
お仕事に・撮影に・ブラックな画像処理。いったいいつあぷらなーとさんは寝てらっしゃるのですかね〜?
真面目に狂気の世界から戻られます事も・・(笑)
Commented by ゴットハンド at 2018-11-06 22:29
ブラボー!
こんなの出ると報われますね。
フラット480枚、フラットダーク480枚、ダーク240枚。地味なところが効いてくるんですね。この作業は、地味だけど誰でもできる作業ですからね。これは、俄然やる気がでてきました。
フラット100枚から50枚に値切っちゃったりしますが、ダメですね。この辺はばっちりやろっと。
HβとRGBに難儀されてるようですが、そちらもばっちりあったら、凄いのが出るんでしょうね。
無事処理ができるといいですね。
それにしても凄い。
Commented by supernova1987a at 2018-11-06 23:07
> kem2017さん
いえいえ。
けむけむさん家は、先進のオフアキ移行で精密ガイド、行っちゃって下さい。私がVMC260Lに復帰した日には大いに参考にさせていただきますので!
Commented by supernova1987a at 2018-11-06 23:09
> オヤジさん
実は、フラット補正時にいくつか気になる現象を見つけたので、色々と検証ごっこするネタが増えました。良い結果が見つかると良いのですが。
とりあえず当面は晴れなくても暇をもてあそばなくてもよくなりました♪
Commented by supernova1987a at 2018-11-06 23:29
> Te kureさん
はい。道楽ですから、本流から外れるなら徹底的にやらないと(笑)。まあ、実際は10年以上かけて計画してる案件が多いので、決して行き当たりばったりではないと自認してはいますが、マネされる方(いないか)が現れるのが怖いです。リスク覚悟で臨まないと火傷するネタが多いので。
さて、これから学生時代にやり残した『観測ごっこ』にチャレンジして、成功したら「王道」に戻りますかなー。※原理的に「王道」では100%写らない対象を狙ってるので♪
Commented by supernova1987a at 2018-11-06 23:34
> ゴットハンドさん
先日のデータも今回のフラットを当ててみたら別物のように化けました。まだ、スカイフラットが必要なレベルには到達していませんが、後撮りのLEDフラットが実用になる事が分かっただけでも収穫でした。でも、今度はフラットフレーム上に展開するフラットダークやバイアスでは補正できないノイズを見つけたので、これから謎解きを楽しみます♪
Commented by にゃあ at 2018-11-07 01:33
あちっ、あちっ! しかし、火傷しないとその熱さは分からないのでありまする。あぷらなーと先生、Astro NIerは独自進化を遂げますぜ。そのうちに、そうたぶん、きっと(笑)
Commented by supernova1987a at 2018-11-07 10:04
> にゃあさん
いえいえ、AstroNierはすでに独自進化してますので、こちらが火傷しそうです。
でももしビームスプリッタ付けたAstroNierを多連装とかしたら大火傷ですよー。お気をつけ下さい(やらないって 笑)
さて、目下の課題は、さらに鏡筒を増やすとして果たしてMILTOL200以上のコスパを叩き出す解が見つからないことです。
Commented by morito at 2018-11-09 20:04
いやはやなんとも.......
一般人はパクリも無理ですよ...天晴天晴。

ところで最終形態ではどこまで増殖するのでしょう?
某所で見かけたこんなの↓想像してたら良い????
http://www.dunlap.utoronto.ca/wp-content/uploads/img-collections/dragonfly/half-of-48_48-4.jpg
Commented by せろお at 2018-11-09 20:20
ケンコーのジャンク☆みるとる、また安くなってます
欲しい方はさあ、ポチりましょう!
ここに書いてもお気づきにならないでしょうけど
Commented by supernova1987a at 2018-11-09 23:07
> moritoさん
わはははは。
まさに『目指せドラゴンフライ』なんですが、あんなのは無理ですね。
とりあえず「フルサイズ+400mm級」「APS-C+300mm級」「フォーサーズ+200mm級」の混成部隊を構想中です。今回のMILTOL大人買いで材料は揃いましたが、上手くいきますかどうか。
Commented by supernova1987a at 2018-11-09 23:16
> せろおさん
ああっ、しかも税込み7114円!?
もしも、多連装MILTOL仲間になりたいという酔狂な方(いないか)は、今がチャンスですね(笑)。
アクロマートですからナローバンド以外では非力ですが。
私は残る不足分は『にせBORG』でしのぐと思います。
Commented by kem2017 at 2018-11-10 02:28
なんか、UIが刷新されてるッ!!
Commented by supernova1987a at 2018-11-10 02:48
> kem2017さん
いやー。最近色んな記事を書きすぎて、自分でも過去記事を探すのがしんどくなってきたので、もう少しHP的に使えないかと試行錯誤した結果、UIを変えることにしました(試運転中ですが)。
・・・で、メニューバーに「まとめページ」の直リンクを貼れるようにしようと♪
とりあえず、『イーブンオッド法』と『ビームスプリッタ関連』だけリンク完了。
次は『クールファイル補正法』と『リバースパレット法』と『手動ダーク減算法』かなあ・・・。

しかし、UIといってもスキンを変えただけで細かいところはカスタムしていないので、本文のフォントサイズとか意図通りにいってないです。すでに失われたHTMLの知識をサルベージせねば・・・・。
Commented by kem2017 at 2018-11-10 04:10
えー、htmlでゴリゴリやってるんですか?
最近、html見る事ないです (^o^; 面倒くさいんだも~ん。ブログで線が引けないので <hr>は使いますが...(全角なら大丈夫かな?)
Commented by supernova1987a at 2018-11-10 05:49
> kem2017さん
いえいえ、スキンのソース見たときに、とこをいじれば良いかが分からないほど記憶が消えてるってだけですよー。
Commented by にゃあ at 2018-11-10 08:40
うわー酔っ払っている間に、ブログの雰囲気が変わっていたとは。読みやすくなりました! AOOバージョンが美しいですね。AOOって、赤×青のベッタリになりそうな気がするのですが、立体感と透明感があって、星にほのかな青が付いていて、いい意味でAOOらしさがありません。赤の表現が上品なのかしら。個人的にはSAOよりAOOが好きかも。こんな写真が撮ってみたいです!
Commented by supernova1987a at 2018-11-10 22:34
> にゃあさん
まだ細かいところの調整ができていないのですが、新しいスキンに乗り換えました。自分が記事を探すのが楽になりましたが、本文のレイアウトが少々乱れてしまって難儀してます。

さて、今回はAOOがイメージ通りにキマっていい感じになりました。現在処理中のHβをミックスしても面白いかもしれません。とにかく素材を大量にゲットしたので当面楽しめそうです。
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by supernova1987a | 2018-11-06 07:15 | 天体写真 | Comments(20)

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