天体写真

ウィルタネン彗星を攻撃する♪

★肉眼彗星とはいうものの
ウィルタネン彗星がどんどん明るくなっているようで、巷では天文ファンによる素晴らしい写真が溢れていて、まさに『ウィルタネン祭り』状態。
でも、ここのところ天気が悪くてニワトリ出撃も不可能な有様・・・・。
仕方ないので出撃の日に備えて手持ちの機材のチェックを日中に行い気を紛らわせていたのですが・・・・。

★ああッ晴れてるやんか!!
ところが、ふと気がつくと晴れているではないですかッ!
ええい!
これは『総点検ごっこ』している場合ではないッ!!
しかし完全に油断していたので、対彗星用の艦隊編成が間に合わぬッ。

よし。
日中のテストで好成績を上げた『最強兵器』を急遽組み合わせてスクランブル発進だ!!

ででん!!
ウィルタネン彗星を攻撃する♪_f0346040_03473145.jpg
見よ。普段の『あぷらなーと邪悪兵器群』からは想像もできないスマートさ♪
 主砲はビクセンED70SS+純正レデューサ
 副砲はBOEG60ED+純正レデューサ×2本
 カメラは、D7000×3機(うち2機は天体改造仕様)
この三連装砲を使って、ISO800×30秒露光の多数枚コンポジットでウィルタネン彗星を撃破するのだー!
もちろん、オートガイドなど無用。ノータッチガイドでバシバシ撮影しておき、後から彗星の核で位置合わせコンポジットすれば問題なかろう。

うーん。ダークファイルは・・・・今回は時間が無いのでパスだな。気温が低いときのD7000ならダークを引かなくてもなんとかなるはず。
そもそも、透明度が悪くて背景が明るいし・・・。

まずは主砲ED70SSで100コマ撮影した画像を仮処理してみよう。

すると・・・
ウィルタネン彗星を攻撃する♪_f0346040_03562597.jpg
ぬうっ?
トリミングしてもコレだと??
ぬかったー!
久しぶりのD7000出撃とはいえ、これは明らかな整備不足。ゴミまみれではないかッ。しかも周辺減光が醜いッ!
さらに雲の強襲で星の光跡が途切れておるではないか。



★こんなこともあろうかと・・・
ふっふっふ。
こんなこともあろうかと、三連装砲を一気にフラット撮影できる秘密兵器「A2版LEDトレース台+イーゼル」を用意しておいたのだッ!

ドタバタしているうちに空の透明度も向上してきたので、ライトフレームから撮り直し。

そして・・・

見せてもらおうか、A2トレース台の性能とやらを
ウィルタネン彗星を攻撃する♪_f0346040_04021626.jpg
うむ。イーゼルの具合もなかなかよろしい。
フリッカーを避けるために最大輝度にセットして、カメラは絞り優先オートで連写だッ。

よし。いけるぞ、これは。

3連装砲を用いて撮影した30秒露光×300コマをフラット補正してから彗星核で位置合わせコンポジット

すると・・・

ででん!!
ウィルタネン彗星を攻撃する♪_f0346040_04064417.jpg
前評判とは異なり、40mm8倍の双眼鏡でもその存在が視認できなかったウィルタネン彗星だが・・・
エメラルドグリーンのコマがなかなか美しいではないかー。

うむ。
久々の彗星撮影。初戦は辛くも勝利した・・・というところか。


★★★おことわり★★★
前回の『ブラインドテスト』の正解発表は、ウィルタネン彗星迎撃任務のためやむを得ず順延しました。
次回記事をお待ちください。
・・・ま、今回の記事で優勝者と準優勝者は見え見えではありますが(笑)。


Commented by カメラde遊ing at 2018-12-11 07:55 x
アプラナートさんのお住まいの地域は自分のところよりも都会なんですね。
こちらでは8倍32mmの双眼鏡でも薄雲越し+静岡市の光害越しでも見えました。
M31ぐらいの感じです。
もっと明るくなって肉眼でも見えるようになるといいなぁ!!!
Commented by オヤジ at 2018-12-11 08:39 x
>彗星核で位置合わせコンポジット
一昨年だったか、これで基準点を打ってバッチで全枚数に適用したことを思い出しました。(汗)

>30秒露光×300コマ
昨夜は、30秒で50コマでした。(汗)
この位やらないと星の軌跡が短くて・・・次回は、参考にさせていただきます。
屋外でのLEDトレース台の使い方も勉強になりました。筒側にも何か被せ、APTのプランでフラットを撮って見ます。
色々、勉強になりました。
今夜は、雨/雪だそうで。(汗)
Commented by supernova1987a at 2018-12-11 09:21
> カメラde遊ingさん

人口11万人程度の街ですから、田舎には違いないのですが、自宅周辺の街灯などが強烈で、透明度が低い夜は北極星すら視認できません。条件が良い夜は天の川が見える時もあるのですが・・・。でも、小さな街ですから車で20分も走らせばギラギラした星空が手に入ります。

ちなみに当夜は、撮影が完了した頃に透明度が良くなって、双眼鏡でもウィルタネン彗星を見ることができました。印象としてはアンドロメダ銀河よりもかなり淡い感じでした。

Commented by supernova1987a at 2018-12-11 09:33
> オヤジさん

300コマといっても、三連装で300ですから、実質は100コマ50分間の撮影です。
爆速コンポジットが可能なステライメージ6.5ですが、流石にデジカメのRAWファイルをコンポジットしようとすると随分待たされます。冷却CMOSのようにFITSを吐き出してくれると良いんですが・・・。

フラット撮影はまだ初心者なので、こんなやり方が正しいのかどうかは不明です。ISO800で1/2500~1/5000秒の露光ですが、センサーの汚れに伴う黒い影はキレイに取れました。
ただし、淡い部分を炙り出そうとすると周辺減光がうまく消えない部分もありましたので、今後さらなる工夫が必要な気配です。今回は鏡筒側の拡散板としてトレーシングペーパーを使いましたが、白いハンカチなど薄手の布でもいいかも?
Commented by タカsi at 2018-12-11 13:42 x
こんにちは。
ウィルタネン彗星の迎撃システム、楽しみですね!
LEDフラットの「フリッカーを避けるために最大輝度にセットして」が興味深いです。
私も同じ種類のA3パネルを購入したのですが、フードにピッタリくっつけて、最小輝度でフラット撮影を行ってみたところ、100枚コンポジットした画像にくっきりと変な模様が映りこんでいるのです。(1600MM-PRO)
フィルター毎に映り込む模様が変わるので、奇妙だと思っていたのですが、トレーシングペーパーを被せて少し離してフラットを撮るのも良さそうですね。
ちょっと試してみます^^
Commented by オヤジ at 2018-12-11 17:36 x
>白いハンカチなど薄手の布でもいいかも?
貴重な、情報ありがとうございます。
それでは、太田裕美さんの「木綿のハンカチーフください」を被せてみます。(笑)
Commented by 是空 at 2018-12-11 21:02 x
>・・・ま、今回の記事で優勝者と準優勝者は見え見えではありますが(笑)。
えっ、そういうこと?
最後のその一言を読んだ瞬間、今回の記事の内容がいっぺんに脳内から消えた。
何が書いてあったんだろう?緑の光の写真があった気がしたが・・・

昨晩、東京では久々の星空だった。
朝5時頃空をみたら明けの明星がメチャクチャきれいに輝いていた。
シリウスや木星もひれ伏すような明るさで、さすがビーナスだなっと。
Commented by らっぱ at 2018-12-11 21:02 x
あぷらなーとさんの仕事を見ているとせっせせっせと山に登るのが疑問に思ってしまいます、双眼鏡でも観察できない空でこの出来上がりはなんだ・・\(◎o◎)/!
星の切れの素晴らしさと彗星の発色の良さに考え込んでしまいました、明日病院へ行こう・・・(笑)

レンズの性能評価は全く分かりません、どこかのリサイクルショップの宣伝かと勘違いしそうでした(^^♪
Commented by supernova1987a at 2018-12-11 22:51
> タカsiさん
あくまで個人的な見解ですが、トレース台の明るさはPWM(点滅によって見かけの明るさを変える方式)制御の物も多く、一般的なローリングシャッター機ではフリッカー現象でムラが生じると推測してます。
その場合、フル発光にする事で点滅が回避されるので一様なフラット光が得られるという作戦です。この点に関してはいずれ検証ごっこしようとおもいます。
Commented by supernova1987a at 2018-12-11 22:53
> オヤジさん
厳密には、布の隙間から通過した光によって回折が起こりそうな気もしますが、ガーゼのようなスケスケでなければ大丈夫ではないかと・・・。
ぜひ実験して見てください。
Commented by supernova1987a at 2018-12-11 23:06
> 是空さん
ええと、これまで『総点検』と言いながら、画面中心の解像感のみのチェックに留まってたのは、モーションの速い彗星撮影を想定していたからなんですよー。
それなら、どうせ背景の恒星はコンポジット時に『流す』ので、真ん中だけシャープなら十分・・・と。

というわけで、主砲がED70SS・副砲がBORG60EDになったという顛末でしたー。
Commented by supernova1987a at 2018-12-11 23:14
> らっぱさん
いやいや、明るめの空なので、とにかく「サチらなければどうとでもなる」という考えで短時間露光にこだわりました。ただし、これだとショットノイズが残るので、三連装+100コマ連写の物量作戦で押し切りました。これだけ空が悪いとダーク引きも不要(というか無駄)かもです。だだし、逆にフラット撮影はやっておかないと悲惨なことになるんだなぁと思い知りました。
Commented by kem2017 at 2018-12-12 07:34
楽しそうでいいなぁ
ビジホの草葉の陰からじっとり拝見してます
Commented by にゃあ at 2018-12-12 14:58 x
トレース台使用でも、鏡筒側にキャップというかカバー?が必要なんですね。このカバー素材選びがまだ定まりません。オヤジさんに続き高倉健さんの「幸福の黄色いハンカチ」をかぶせてみます。黄色はあかんて……
Commented by kem2017 at 2018-12-12 19:36
LEDトレース台は、鏡筒直乗せ派です。トレース台側にトレーシングペーパー付けてますが、ポンと置くだけで鏡筒は、そのままです。

黄色いハンカチは...

で、あぷらなーとさんの記事のですが、「攻撃」より「迎撃」がしっくり来ると思いました。えへん。
Commented by supernova1987a at 2018-12-12 23:11
> kem2017さん
ビジホの草葉の陰とは、また陰鬱な・・・。
くれぐれもご無理なさらぬよう。

さて、確かにこのシステムでは「攻撃」よりも「迎撃」がふさわしいですね。遠征でなくニワトリですし。
でも往年のヤマトファンとしては、彗星の中心核は積極的に「攻撃」しないと撃破できないんですよー(笑)

ちなみに今回の編成はリメイク版のヤマト2202で両舷にドレッドノート(主力戦艦)を接続して単独で白色彗星に突撃をかけた旗艦アンドロメダになぞらえてます。(分かる人いるんだろうか??)
Commented by supernova1987a at 2018-12-12 23:18
> にゃあさん

絶対に必要というわけでは無いのですが、多少のムラと表面反射もあるので、さらなる拡散版として、トレーシングペーパーを鏡筒にかぶせてます。

ホントは平たくかぶせるんじゃなくてドーム状に整形してかぶせないとダメだと思うんですよ。ほら、昔あったじゃないですかー。フラッシュメーターとかいう露光計。あの受光部のイメージです。でも作るヒマが無いもので・・・。
Commented by kem2017 at 2018-12-13 01:49
両舷にドレッドノートですか?
まさに、超ド級ですね (^o^)
Commented by supernova1987a at 2018-12-13 02:40
> kem2017さん
近年は「超弩級」の語源を知らない人も多いと思うんですが、主力戦艦をヤマトよりも少し小さくして「ドレッドノート級」と命名した2202は、なかなかやるなぁ・・・と。
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by supernova1987a | 2018-12-11 06:56 | 天体写真 | Comments(19)

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