★本業が忙しい時期なので・・・年度末はドタバタする時期なので、やむを得ず天体観測も冷却CMOSカメラASI294MC-Proの『検証ごっこ』も一時休止中です。
でもSamさんの検証がバリバリ進んでいて、次々と興味深いデータが公開されています。
う・・・うらやましすぎるぅ・・・・。
★Samさんのエントリーを拝見して
少し気になった事があったので、少し『考察ごっこ』してみることにしました。
Samさんによれば、特定の色チャンネルデータについて「デモザイク(ディベイヤー)の前後で輝度値のバラツキ(ノイズ)が変化している」とのことです。
たしかに、ベイヤーセンサーで撮像したある色データについてデモザイク処理する際には補完処理が行われますので、直感的にはデータが『均されて』ノイズ量(標準偏差)が小さくなるような気がします。
というわけで、簡単なシミュレーションを行ってみることに♪
★手抜きシミュレーション決行!
残念ながらあまり時間が無いので、DelphiやPythonでコードを書いているヒマはありません。
そこで、EXCEL君で簡易的なモンテカルロシミュレーションを行ってみることにしました。
ASI294MCのベイヤー構造は「RGGB型」ですので、下記のような色配置だと考えられます。

この素子で撮影したFITSデータをデモザイクした場合には、たとえばGチャンネルなら

このようにスカスカになっている部分(上の図の白いセル)について隣接する4つのセルの値の平均値を格納することによって画素補完していると予想されます。
この補完作業(ディベイヤー)によって、果たして輝度データのバラツキ(標準偏差)が小さくなるのでしょうか?
早速シミュレーションしてみましょう。
★シミュレーションの前提
前提①
G素子の平均輝度データは9800とする(Samさんの実測データ)
前提②
輝度データは正規分布にしたがい揺らぐと仮定する
前提③
デモザイク前の輝度揺らぎ(標準偏差)は66であると仮定する(Samさんの実測データ)
前提④
簡単のため、固定ノイズの影響や周辺減光の影響は想定しない。
前提⑤
総画素数4356ピクセル、有効画素数4096ピクセルを想定する。
※再外周部のピクセルは隣接ピクセルが不足するため有効画素数に含められないから。
では、行ってみましょう。
まず、下記のようなイメージの66×66の配列をEXCELに設置します。

緑色のセルがG素子だと仮定して、そこに平均値9800・標準偏差66の正規乱数を入力します。
これでG素子の『素のデータ』がシミュレートされました。
次に、デモザイクの処理をシミュレートしてみます。

黄色のセルはG素子が無い空白なので、隣接する4つのセルの値(赤い丸)の平均値を代入します。

すると、上記のような補完結果が得られます。
前述のように、再外周部(グレーのセル)は無効データとして捨てます。
★デモザイク前のG素子輝度分布は

このように、
平均輝度9806・標準偏差67というシミュレート結果が得られました。
★デモザイク後のG素子輝度分布は
このように、平均輝度9806・標準偏差53というシミュレート結果が得られました。
★シミュレーションを10回繰り返すと・・・
同様のシミュレーションを10回繰り返してその平均を取ってみます。
すると・・・
ででん!!
★デモザイク無し
輝度平均:9804
標準偏差:65.7
★デモザイク有り
・・・というわけで、
カラーカメラの各種性能を『検証ごっこ』する際には、
「デモザイク前なのかデモザイク後なのかという条件を揃える必要がある」
ということみたいですね。
★さて・・・と
また当分は本業で忙殺されそう。
今日は終日シトシト雨だったけれど、激安MILTOL200+D7000でお家の木々をスナップ。
こういうシットリ系の写真にはむしろ好都合なのかもしれないなぁ♪
特にトロトロの後ボケは神がかってるし。