★なにも天体写真撮るだけが楽しみじゃない平成最後の数年は、「多連装BORG」やら「アクロマートでナローバンド」やら「ビームスプリッタ同時露光」やら、次々に怪しげな機材を構築しては『邪道のかぎり』を尽くしてきたわけですが、なにも天体写真を撮るだけが天文じゃないですよねぇ・・・。
やはり、天体観測の基本は『眼視観望』♪
新しい時代を迎えるにあたり、ちと初心に返ってみますかねぇ・・・・。
★などと油断させておいて
ふっ、甘いな。
たとえお気軽観望であっても『邪悪』なオーラは必須要件。
『この世に1台』を自称しうる機材を構築してこそ覇道は成るのじゃー。
というわけで(なに言ってんだか訳が分かりませんが)ともかく「追加購入一切なし」というルールの上、手持ちのパーツを取っ替え引っ替えして試行錯誤すること数時間・・・・。ついに『パズル』が解けました。
ででん!
観望専用・双眼視BORG89ED爆誕ッ!! 見よ!
お気軽観望仕様のハズなのに、この『邪悪』なオーラ。
★双眼装置運用の難所は2つ
眼視マニアの方々には常識なのかも知れませんが、あぷらなーとのような素人が双眼装置を介して正立像を得ようとすると色々と壁にぶち当たります。
<壁その①>
ピントが出ない!
正立プリズムも双眼装置もその構造上結構な光路長を喰います。そのため、よほどバックフォーカスが長い望遠鏡を用いないと、そもそもピントが出ません。でも、BORGなら鏡筒の長さが自由に変更できるので、市販パーツの組み合わせでピントがでる構成が見つかります。
<壁その②>
接眼部が重みに耐えられない!
ええ、「プリズム+双眼装置+アイピース2本」って結構な重量なのですよー。
だから、何も考えずにセットアップしちゃうと
・接眼部が撓む
・ドローチューブがスリップする
・プリズムごと勝手に接続リングが回って緩む
などの事故が起こります。
★接眼部の強化
今回はBORG89ED用の接眼部として笠井のV-Powerクレイフォードを用いたのですが、重い装置を装着していると「15kgまで耐える」とのうたい文句(現行機はだいぶ控えめの表現になってるみたいですが・・・)とは裏腹に(特にピント合わせ時に)勝手にドローチューブが動くことが多々あります。
また、プリズムを差し込んでいるアイピースフォルダ周りが撓むこともよくあります。
そこで・・・
K-ASTECの接眼部強化リングと、DIY店で買った300円前後のアングルステーを組み合わせて接眼部にかかった重量を支える仕掛けを構築。
ちなみに、この方式のキモは
このように、
対物側のリングを2本にして、アングルステーを2点止めすること。
これでステーごと上下に撓む(というか傾いちゃう)現象が軽減されました。
2インチ正立プリズム+双眼装置+ハイペリオンアイピース2本・・・という重量でも大丈夫そうです。
★天体導入用の装備
あいにく、自動導入機能付きの小型赤道儀(や経緯台)は持ち合わせていないので、目視にて天体を導入することになります。
そこで、
笠井のドットサイトファインダーと・・・
ファインダー代わりのBORG45EDを同架しました。
BORG45には、微動装置と正立プリズムとレチクル入り広角アイピースを装着。
まずドットサイトファインダーが概略の位置をつかんで、45EDで視野中心まで導入しようという作戦♪
やや貧弱な微動機構の取り付け方ですが、ガイド用ではないので、事足りるでしょう。
★さて・・・と
『邪悪』な機材で観望三昧ッ!
令和の復帰戦・第一夜として、たまにはこんな楽しみ方も悪くないハズ。
★★★お約束★★★
①本来は接眼部側の強化リングも2点止めしないと完璧ではありません。
②光路長を詰める目的で相当に無理した鏡筒構成になっています。
追加パーツ無しで組んだため口径が絞られている恐れがあります。
本来、BORG純正のドローチューブユニットと対物レンズはこんなに接近させてはいけません。