天体写真

数ヶ月ぶりの復活で人生初の超新星を撃つ

★岐阜遠征の帰りに生えてきた白い筒
実は1年前くらいから狙ってました。
ケンコーの大口径アクロマート屈折望遠鏡SE120。
口径120mmもスゴいですが、個人的には「焦点距離600mm」という所がうれしすぎる。
だって・・・BORG89EDとピッタリの焦点距離ですもの。クローズアップレンズ転用の自作レデューサとか無調整で適用できそうじゃないですかー。(レデューサやフラットナーは、口径でもF値でもなく焦点距離だけに依存する適性がありそうだ・・・というのが持論です。)

コイツを前回のエントリーでも書いた初期型フォトン経緯台と組み合わせると・・・

数ヶ月ぶりの復活で人生初の超新星を撃つ_f0346040_07075928.jpg
すげえ。天頂を越えるくらいイナバウワーしても三脚にカスリもしないッ!
素人ながら微調整した甲斐もあって、フリーストップでもほぼバックラッシュ無しの微動が効きます。
これで、数ヶ月振りの天体写真撮影をしながら、お気軽観望が捗ります♪


★などと油断させておいて
あれれ?
数ヶ月ぶりの復活で人生初の超新星を撃つ_f0346040_07202071.jpg
撮影筒のカプリ102EDが観望用のフォトン経緯台に?
観望筒のSE120アクロマート赤道儀に載ってる?

これ、完全に使い方間違ってないか?

ふはははは。
これぞ『邪道流』奥義『配役チェンジ』!
もし敵国の密偵が潜入していても、何をやってるのか想像すらできまい。



★軽く調べた限りでは運用例が無い??
実はTwitter上で久万天文台の藤田さんから
「M100の超新星狙ってみませんか?」
とオススメされたんですが、あいにく全天がモヤモヤしていて北極星すら視認できないという劣悪な条件。
これ、いくら高性能鏡を持ち出したとしても背景真っ白で何も写りそうにありません。
そこで・・・・

12cmアクロマートACクローズアップレンズNo3の光学系に、Hαナローバンドフィルタを装着したモノクロ冷却CMOSカメラASI1600MM-Proを組み合わせるという暴挙を決行。

ええ、苦肉の策です。
Hαナローなら、強烈な光害(田舎ですがモヤがかかると猛烈に反射します)もシャットアウト!
Hαナローなら、強烈な色収差(SE120の色収差は既知の通り)もシャットアウト!
という効果に望みを託します。

 撮像温度-15℃
 ゲイン:390
 露光時間:30秒
 出力:16bitモノクロFITS
 追尾:ノータッチガイド
 ダーク:60コマ使用
 フラット:無し

の設定で、60コマほど連写

すると・・・・

ででん!!
数ヶ月ぶりの復活で人生初の超新星を撃つ_f0346040_07494748.jpg
 ※ノートリミング

数ヶ月ぶりの復活で人生初の超新星を撃つ_f0346040_07514283.jpg
※ピクセル等倍


おおー
写ってる、写ってる!!
「アクロマート+クローズアップレンズ+Hαナロー」というハチャメチャな組み合わせなのに超新星が写ってる!

うーむ。
これだから天文は面白いんだよなぁ。

ところで、
白状すると、超新星を狙ったのは今回が人生初
しかも天体写真自体に数ヶ月のブランクがある身。

そんな時に『冒険』するのは得策ではありませんなー。
良い子の皆さんはマネしちゃダメ(笑)。

Commented by kem2017 at 2019-05-04 10:15
おやや。奇遇ですね。昨夜 M100(SN2019ehk) 撮影しました。
こちらは、阿蘇の火山灰に撃退されちゃうって、どっひ~な状況でした。
http://kemkem3.cocolog-nifty.com/blog/2019/05/post-a29638.html
Commented by te kure at 2019-05-04 10:23 x
12cmの屈折で焦点600mmですか!
実は一番知りたかった事です。(お値段は結構です・・笑)
私もとにかく修練を積んで、Hαなどのナローに臨もうかな・・
しかし今はとにかく何でも撮影を!
でもまた長期出張なんです・・←つまり言い訳(汗)
大復活おめでとうございます。
M8の完成品正座してお待ちします!
Commented by supernova1987a at 2019-05-04 12:41
> kem2017さん
雪のように振ってくる火山灰!恐怖ですね。
特に反射系望遠鏡は灰にやられると復旧に難儀しそう・・・・。
さっそくブログ記事も拝見しましたよー。
M100の超新星の写り・・・・ま、負けましたぁ。
Commented by supernova1987a at 2019-05-04 12:47
> te kureさん
色々と考えてたことがあったため、600mmの焦点距離機材多いです。
お値段は・・・・「BORG89EDをフラットナー付きで1本揃える軍資金があると、12cm屈折(SE120)なら3本~4本買えちゃう」とだけ申し上げておきましょう。要するに『ありえないほど安い』筒なんです。個体差があるかどうかは全く不明ですが、今のところ笑いが止まらないほど良く写りますし良く見えています。
(感じ方は人それぞれですので、アテにはなりませんが・・・・)
Commented by 是空 at 2019-05-04 16:10 x
SE120、絶対に眼視用として使うとは思っていなかった。
そうこなくっちゃね。
Commented by supernova1987a at 2019-05-04 16:52
> 是空さん
ぐう。読まれていたかー。
MILTOL200とかクローズアップレンズ転用の自作望遠鏡などで、小口径ならアクロマートがナローバンド撮影に有用であることは確かめていましたが、今回一気に大口径化したので内心不安でした。予想以上に好結果が出せてラッキー。
Commented by 上杉蒼太 at 2019-05-04 19:28 x
SE120の威力大したものですね~。入門機としても使えるほどの値段でここまでの性能が出せるならばやっぱり一本持っててもいいかも……。最近ならばデュアルバンドフィルターもありますのでアクロマート鏡筒も使い易くなっていますからね。
ところで、ACクローズアップレンズNo3を使うと焦点距離はおおよそどれぐらい縮まるのでしょうか?
Commented by supernova1987a at 2019-05-04 23:31
> 上杉蒼太さん
思いの外好感触で正直笑いが止まりません。
接眼部や鏡筒の造りも悪くないと感じました。
収差補正の仕様が不明のため、デュアルバンドフィルター使用時に像が一致するかどうかは不明ですが、少なくとも単一のナローバンドだと高級機に匹敵する性能が出せそうな印象を受けました。もちろん、コンテスト入選を目指すようなハイレベルな要求水準では話が別でしょうが、道楽で楽しむには良い製品ではないでしょうか。
クローズアップレンズNo3による焦点短縮効果に関しては、まだ詳細をチェックしていないので後日書きますね。(ズボラなもので、周辺像の許容範囲とフィルタ面反射によるゴースト有無くらいしかチェックしていないんです。)
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by supernova1987a | 2019-05-04 08:03 | 天体写真 | Comments(8)

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