機材

結局・・・

★自動追尾経緯台のノータッチガイドが面白そう
先日来、自動追尾経緯台でノータッチガイドした場合の追尾エラーの挙動が面白そうだと、色々シミュレーションしていたのですが・・・


例えば、
 ウオームホイルの歯数が水平垂直ともに144枚・ピリオディックモーションが水平軸垂直軸ともに75秒角の自動追尾経緯台を用いて、ニコンD810A+135mm望遠をノータッチガイドすることを想定してシミュレーションしてみると
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赤道座標ベースで、こんな感じの面白い軌跡が描けそうだということが予測されました。
この120分露光した結果現れる奇妙な図、まるで蜘蛛のようで楽しいですなぁ・・・。

よし、経緯台でノータッチガイドした図を赤道座標変換して得られるこの絵を、「バタフライ図」(太陽黒点のアレね)ならぬ『スパイダー図』と命名しよう♪
思いの外複雑なガイドエラーが生じた結果、一種の『天然ディザリング』を行ったようなもので、条件によっては赤道儀よりも背景ノイズを低減させられる可能性すら見えてきました。でも、その前に見積もっておかないといけないことが・・・



★実際の運用で予測される写野回転
例え自動追尾式の経緯台であったとしても、最大の難所は「写野回転」です。
天体は弧を描くように移動しながらその傾きが変わりますが、経緯台の場合はつねに水平と鉛直が変化しません。そのため、視野の中心にある星を正確に追尾しても周辺部の星は回転するように写ってしまうんですね。ここが現代の経緯台の弱点です。

実際には、「天の極軸を中心とした回転運動」と「写野中心の星を追尾する並進運動」が組み合わさった形になるため、その挙動は複雑そうですね。
さっそく、シミュレーションしてみましょう

<想定したのは>
観測地:北緯35度
天体の赤緯:20度
追尾開始時角:-30度
 ※子午線通過の2時間前
露光:120分
カメラの画角:短辺が0.5度
写野内に9個の恒星を配置

さて、経緯台のエラーと写野回転によって、どんな像が写るでしょうか??

では行きますよ・・・

ででん!!
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おおー。なるほどなるほど、見事に回転しますなー。でもこのような長焦点撮影なら、画面内の位置の差による天の北極(南極)からの離角の差が相対的に小さくなるので、コンポジット時に工夫すればなんとかなりそうではあります。

また、天の赤道上にある天体を比較的低空で捉えた場合は、
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このように、写野回転の影響が軽微なようです。(東天や西天の日周運動を撮影するとほとんど直線状に写るのと同じ原理)また、水平軸と垂直軸のピリオディックモーションが良い感じにブレンドされて、リサージュ図形の様な『天然ディザリング』が期待されますねぇ。

うーむ。実写してみたい~!!


★などと思っていたら
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なんか、生えてきた♪

コレは・・・・いつぞやの『バーチャル天文談義』で登場した『女神・フリーダム』からの贈り物に違いない。

だって、ほら、よく見ると生えてきた物に「フリーダム」ってサインされてるしwww
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ああ、「さあ、筒を増やして!」という沼女・・・もとい女神様の言いつけ通り12cmアクロマートの三連装砲とか構築したのだけれど、今度は「架台を増やして!」とおっしゃるのですね?


★冗談はともかく
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あっという間に室内での試運転完了。恐ろしく操作が簡単でビックリ。スカイメモSと比べて、本体の剛性もガタの少なさも別格。一見華奢に見える純正三脚も意外にしっかりとしていて、以前に組んだこのシステム(スカイメモS+マンフロットの三脚)
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よりも、随分と安定しているように感じます。ちなみに、コントローラ用にはスカイメモTの制御用に買っておいた京セラの激安スマホが活躍♪
唯一残念だったのが、単三×8本を収納する電池ケース周りの構造で、よほど注意深く作業しないと本体の中に上手く戻らないし、イライラして乱雑に扱うと断線しそうなタイトな構造です。でも、まあ、スカイメモSの電池ボックスも一度セットした電池を外すのに四苦八苦(手の爪がもげそうになる)するという構造上の弱点がありますし、そもそも外部電源を使う場合は無問題です。


ま、天邪鬼あぷらなーとのことですから、流行の「赤道儀モード」に移行することは無いでしょう。この架台に関しては「経緯台を経緯台で使う」っていうのがむしろ邪道っぽい感じで素敵ですし。


★★★お約束★★★
①学生時代にお勉強していたのは、地上に完全固定された特殊な望遠鏡(つまり動かない)での観測なので、経緯台に関する諸々の計算は未経験です。よって素人が組んだルーチンですので色々と勘違いやミスがあるかもしれません。
②『スパイダー図』のグラフは、実写データを位置合わせコンポジットした後に生じるホットピクセルが描く図形を想定しているため、横軸は時角ベースではなく実視角ベースの変換しています。(赤緯値の余弦を乗じています。)
③写野回転グラフは実写を想定しているため、横軸は方位角ベースではなく実視角ベースに変換しています。(高度の余弦を乗じて補正しています)
④子午線の通過時には垂直軸についてモーターの反転動作を伴うため、バックラッシュの影響も受けると思いますが、今回は無視しています。
⑤コードを書いたわけではなく単にEXCELのワークシートで計算させただけなので、非数の扱いやゼロ除算回避などのトラップ設置に失敗している恐れもあります。
⑥おそらく(素直に)赤道儀モードに移行した方が天体の撮影は楽になると思われます。
⑦純正三脚の剛性については個人の要求水準によって評価が分かれると思います。

Commented by kem2017 at 2019-07-02 13:06
用意周到ですねぇ~
Commented by にゃあ at 2019-07-02 13:44 x
そうくるなと思っておったのですよ(笑)
授業についていける自信はありませんが、
AZ-GTiの先生が増えたので嬉しいです(^o^)/


Commented by 是空 at 2019-07-02 14:30 x
あぁ。あの展開ねぇ。^^

>「経緯台を経緯台で使う」っていうのがむしろ邪道っぽい感じで素敵ですし。
同感だなぁ。
Commented by te kure at 2019-07-02 16:05 x
前回も今回も難しい考察はスルーさせて頂きます!(笑)
ただ以前から「写野回転」の意味がどうもシックリ来てなかったのですが、写野中心の星を正確に追尾しても周りの星は回転する!
言われてみれば当たり前の事でした・・(汗)
Commented by te kure at 2019-07-02 16:21 x
追申:スカイメモSの電池ボックスから電池を取り出す時は、私は細〜いドライバーで跳ね上げてます。(笑)
Commented by りっくん at 2019-07-02 17:53 x
先を越されました。追いつけるかわかりませんが、自分も女神さまにお祈りします。
Commented by カメラde遊ing at 2019-07-02 21:26 x
スカイメモSよりもしっかりしているんですか!ちょっとびっくりです。
専用の微動雲台はダメダメでしたが、そこだけを代用品でカバーしたらすごくしっかりしたんですが、そもそもそんな物が要らないのが剛性に寄与しているのでしょうか。
自分は電池は使いませんが、昔のラジオみたいに電池ボックスに薄くて強い布とかテープを先に敷いておいたら良さそうな気がします。
現場でモバイルバッテリーが放電していた際に電池を使ったことがありますが、取り出す時には自分も爪がもげるかと思いましたよ(^^;)
Commented by ぽてち at 2019-07-02 22:52 x
初めまして。いつも楽しく読まさせていただいています。
私もAZ-GTiを先週入手しましたが、電池ボックスの入れ方は
添付された日本語マニュアルの記述通りではやはりきついです。
電池ボックスと電線のコネクタ部分を、左側奥に来るように
(マニュアルでは右側奥)
差し込んで、余った電線を手前で折り曲げるときれいに入りますよ。
一度お試しください。
Commented by supernova1987a at 2019-07-03 00:07
> kem2017さん
最近、
あれをこうやるとどうなる?
と悩んでいるうちに色々と生えてくることが多いです。
Commented by supernova1987a at 2019-07-03 00:10
> にゃあさん
いえ、今回のはあまり役に立つ考察ごっこではないのですが、この手のシミュレーションって見たことが無かったので、コレはコレで目新しいかと。当面はスパイダー図を実写するのが楽しみです。多分相当に難しいのですが・・・
Commented by supernova1987a at 2019-07-03 00:20
> 是空さん
世の中には、デフォルトで使われる方が珍しいという商品もありますしねぇ。
でも、まずはデフォルトのままでも色々と新しいことが試せそうです。
Commented by supernova1987a at 2019-07-03 00:23
> te kureさん
写野回転、よく考えると当たり前なんですが、ピリオディックモーションと合わせたシミュレーションって見かけないので、我ながら新鮮です。
Commented by supernova1987a at 2019-07-03 00:25
> te kureさん
それ、分かります!
・・・で私はエネループの外装を痛めてしまったという(笑)
Commented by supernova1987a at 2019-07-03 00:26
> りっくんさん
使い方などを色々とシミュレーション(妄想)していると、女神が舞い降りるようです。梅雨時は特に。
Commented by supernova1987a at 2019-07-03 00:31
> カメラde遊ingさん
個体差なのかもしれませんが、私のスカイメモSは極軸周りのガタが酷いんです。クランプ締めていてもカメラを揺すると目で見えるくらいカタカタ動くという・・・(笑)。赤道儀化してウエイト棒を付けたりすると、また印象が変わるかもしれませんが・・・。
Commented by supernova1987a at 2019-07-03 00:36
> ぽてちさん
初めまして。ようこそ拙ブログへ♪

なる程、その手が有りましたかー。早速試してみようと思います。スカイメモSもそうですが、海外製の製品はスペックも外観も優秀なものが増えてきたように感じます。ただし、目に見えない部分は「あれれ?」ということが多々ありますよねぇ。
Commented by noritos1047 at 2019-07-03 01:13 x
星撮りを始めたばかりの去年の秋頃、右も左も分からずセレストロンのNexStar自動導入追尾経緯台でオリオン大星雲を撮影してました。なんせ自宅のベランダから北極星はほとんど見えず、極軸の合わせ方も分からず全自動でするしかなかったのです。
ステライメージにも回転を補正する機能はあるようですから経緯台で撮影する試みは昔からあったのでしょうね。回転させたらパンの耳が無駄で勿体ないとは分かりましたが、当時はPMの概念すら知りませんでした。
Commented by supernova1987a at 2019-07-04 01:04
> noritos1047さん
今回、色々とシミュレーションしてみて、経緯台の奥深さを感じました。
パンの耳が生じにくい条件(方向)が有ることや、悲惨な結果になる条件が有ることなどを発見したので、実写で試してみたいと思います。
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by supernova1987a | 2019-07-02 06:40 | 機材 | Comments(18)

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