機材

アクロマートの逆襲12cm版

★ででん!!
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えーと。いつもの展開無視ですみません。
喜びのあまり、前振り無しでいきなりの結果公開です。




★『ギルガメッシュ』初陣・強行出撃
ようやく、あぷらなーと渾身の魔道兵器:「12cmアクロマート三連装砲・ギルガメッシュ」のファーストライトついに成功しました~!!
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ケンコーの12cmF5観望用アクロマート屈折SE120Pro1D-ACクローズアップレンズNo3を組み合わせ、ナローバンドフィルタ+モノクロ冷却CMOSカメラを取り付けるという、風変わりな構成。それをまさかの三連装化するという邪悪な兵器・・・もう、正気の沙汰とは思えません。

七夕の日はお休みで、しかも昼間は晴れ間が広がっていたので、急遽ファーストライトを行うことに決定しました。
ところが、夜になってみると残念なことに曇りました(涙)。

だが、ここで引き下がる訳にはいきません。
雲の切れ目で調整をした後は「雲の中だろうが晴れ間だろうが、一切無視してひたすら撮りまくる」という無茶苦茶な戦法で突撃です。
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制御用のPCはCorei-5搭載のノートPCを2台。
これで3台のASI1600MMシリーズをトリガーします。どちらもリモートデスクトップ仕様に変えたので室内から制御できます。
撮像温度は-10℃ゲイン300の20秒露光に統一し、ノータッチガイドでひたすら撮りまくります。


★確保したライトフレームは・・・

結局、一番砲:Hα 二番砲:OⅢ 三番砲:SⅡ のそれぞれについて480コマずつ撮影したのですが、雲や建物の影響が無いコマは、それぞれ101コマだけでした。これだと各波長について高々34分露光にしかならないので、メインとなるHαはGWにSE120最初の1本についてテスト撮影した時のコマ240コマを加勢させることにしました。本当は、GWに撮影した時はクローズアップレンズの位置の微調整が完了していなかったのであまり使いたく無かったのですが、背に腹は代えられません。

ちなみに、現在の一番砲塔(Hα用)は調整バッチリです。
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厳密には周辺部で多少の流れが出ていますが、安物クローズアップレンズ転用の自作レデューサとしては上々でしょう。
Hα撮像用の筒は接眼部を笠井トレーディングのV-Powerに換装していることもあり、周辺光量もなかなか優秀です。
フラット無しのノートリミングでもマイクロフォーサーズだと結構いけます。
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※フラット補正無しのノートリミング画像

★用いた画像処理は・・・・
使い慣れていない機材なので、もっとも慣れている手法で処理することにします。

①ダーク減算
 240コマコンポジットして作製したダークファイルを減算します
②フラット補正
 240コマコンポジットしたフラットフレームと同数撮影したフラットダークを用いて補正します。
③コンポジット
 ステライメージ6.5を用いて位置合わせコンポジットを行います。
④その他画像処理
 デジタル現像・ルーシーリチャードソン画像復元・ウェーブレット処理・ストラクチャ強調処理・ランダムノイズ低減処理など

これらの処理により、3バンドの元画像が完成しました。

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※左から <Hα画像><OⅢ画像><SⅡ画像>


これをステライメージ7に送って、SAO合成を試みます。
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こんな感じですね。

あとは、フォトショップCCやステライメージやシルキーピクスをフル動員して、色々と整えていきます。

・・・・で、こうなりました♪
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              ※上記画像のピクセル等倍

ふはははは。
我が覇道(邪道)には、フローライトなど不要。
『アクロマートの逆襲』成ったわッ!!




★おまけ
折角ですから、あぷらなーとの邪道奥義『リバースパレット法』も試してみましょうかねぇ。
今回はお気に入りの『SOAリバース』を使ってみます

すると・・・
・・・ででん!
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おお、なんと禍々しい
なんか「干潟」というよりも、顔を真っ赤にした有翼モンスターが飛んできてるみたいな絵だ(笑)

とにかく
・・・・めでたい♪



★★★お約束★★★
①大変安価な鏡筒なので、構造上ラージフォーマットには向きません。
②万事うまく行っているように見えますが、今回の撮影では下記の問題点が生じました。
 ・やはりOⅢだけ、像が甘すぎる。
 ・OⅢだけ輝星にゴーストが出る。
 ・SⅡのフラットが合いにくい。
 ・フラット撮影時にASI1600MM-cool1号機の画面下2/3に太い横シマ状のノイズが発生。フラットファイルが使えなかった。
 ・ノーマルの接眼部のままだと、周辺光量に偏りが見られる。
 ・撮影対象を変える毎に、鏡筒の方向合わせが必要。
 ・OⅢとSⅡは周辺像の流れが非対称。
③3本ともたまたまアタリ個体なのかもしれません。
④各鏡筒が撓むため、オートガイドやディザリングは困難と思われます。
⑤BORGのM56→M57変換アダプタはすでに販売されていません。
⑥ノーマルのEQ6Proではバランスがとれないため、ウエイトシャフトの延長が必要です。

Commented by kem2017 at 2019-07-08 14:18
ケルベロス... ぢゃなかったギルガメッシュ、やりますねぇ~
やっぱ、ナローだと多少アレでもビキビキなんですね~
ウェイトシャフト延長しても3つ積まないとバラント取れないんですね (^o^; 重そう...
以前遊んでた頃、Haに対して、S2, O3 の露出が全然足りてない感じだったので、S2, O3 は撮り増ししてみると面白いかもかも
Commented by supernova1987a at 2019-07-08 14:35
> kem2017さん
ギルガメッシュ、もはや笑いが止まらないくらい良く写ります。
本当は各色480コマいけたはずなんですが、今回は雲のせいで各色100コマ少々。
それでもフルアーマーBORGの4倍明るいので、フルアーマーの各色400コマには匹敵する写りだということでしょうねぇ。HαだけGWに撮ったデータを水増ししたので、今後はOⅢやSⅡの撮り増しですかねぇ。でも、解像度的にはシーイングが良くないとこれ以上は無理っぽいです。
Commented by 是空 at 2019-07-08 15:43 x
いいですね。👍
半分以上は神の体だけのことはある。^^

>やはりOⅢだけ、像が甘すぎる。
確かにモヤっとした分子雲の部分はそう見えるんですが、星像は逆にSⅡよりもOⅢの方が締まってるように見えるんですよね。
ナローフィルターはじゃじゃ馬だからなぁ・・・
Commented by タカsi at 2019-07-08 16:44 x
こんにちは。
ついにきましたね!
フローライトなど、、なかなか言えません。流石っす(笑)
それにしても、解像感がハンパないです。
これは撮影機材の創意工夫と豊富な理論に基づいた画像処理が成せる業であって、誰でも出来るわけではないということが、重要です。(注意書きされておられる通りですが)
あぷらなーとさんの背中を見たくて、昨夜AOOツインを稼働させましたが、あえなく撃沈です^^;
Commented by noritos1047 at 2019-07-08 18:42 x
あぷらなーとさんの事だから梅雨明けまで待てないと思ってました。
期待に違わぬモコモコの芸術作品ですね。
もはや星雲を素材とした芸術です。
ルーシーリチャードソン画像復元ってなんですか?
モーリー・ロバートソンなら会ったことありますが。
Commented by 上杉蒼太 at 2019-07-08 19:20 x
さすがはギルガメッシュ。召喚されても見事に働いていますね。でも過労死には気をつけてくださいね。冥府のエレちゃんの所まで行くと色々と面倒ですから。
とまあ、FGOネタは置いといて。アクロマートでここまで写るならばミニボーグ50とBORG7885、ASI1600MCとMMの組み合わせでもいけるような気がしてくるので怖いです。数万円の追加投資でできるし……。沼に落ちたくないw
Commented by ゴットハンド at 2019-07-08 21:25 x
やや! SE120の3連装とは! ついにアクロマートの頂上に昇りつめましたね。\(^o^)/
しかも、出てきた画像は、星もシャープで、とてもSE120とは思えないパーフェクトな画像ではないですか!
これはやめられませんな~。まさにギルガメッシュ!
そうえいば、むかし、ギルガメッシュナイトってエロい番組あったけ?
Commented by う〜☆彡 at 2019-07-08 21:40 x
ギルガメッシュの夢見? 本当に凄技です!!!
3時間足らずで、8時間分の撮影データを取得できるなんて(°▽°)
今はお天気に阻まれていますが、本格稼働が楽しみですね。
梅雨明けの大漁報告をお待ちしております(^o^)/
Commented by supernova1987a at 2019-07-08 22:36
> 是空さん
撮影前だと恒星像もOⅢだけ特殊で、ピント合わせにも難儀しました。(全体として像が最小か、像の芯が最小か)
ゴーストの件も含め、ナローバンドならではの悩みと言えますね。
Commented by supernova1987a at 2019-07-08 22:51
> タカsiさん
まぁ、「フローライトなど・・・」は単なるヒガミなので見逃してやってください(笑)。
さて、ギルガメッシュの仮想敵はRASA8だったのですが、タカsiさんのツインRASA8が本格稼働したらもはや太刀打ちできませんねぇ。昨夜は苦戦とのことですが、戦果を楽しみにしています。
Commented by supernova1987a at 2019-07-08 22:58
> noritos1047さん
梅雨明け前に少し・・・と思っていたら、仕上がってしまいました。晴れていたのは一晩で40分程度でしたが、ギリギリライトフレームが揃いました。ルーシーリチャードソンは、ステライメージに入っている画像復元の一種です。うまく行くとボケた像をシャープにできます。
Commented by supernova1987a at 2019-07-08 23:06
> 上杉蒼太さん
ネタに反応ありがとうございます。冥府に落とされないように気を付けます♪
さて、今回は大口径で突撃しましたが、小口径アクロマートでもナローバンド撮影は面白いですよ。沼へいらっしゃいませ(笑)。
Commented by supernova1987a at 2019-07-08 23:14
> ゴットハンドさん
半分ギャグのようなシステムがまさかの実戦投入されちゃいました。恐らく他に類を見ない暴力的な速射性なので夏の星雲を一網打尽にしたいものです。
※「ギルガメ」懐かしいです(笑)
Commented by supernova1987a at 2019-07-08 23:22
> う〜☆彡さん
かなり強引な企画でしたが、もくろみ通り写ることが分かり大喜びしちゃいました。
フルアーマーBORG89EDの4倍以上の速写性を活かして色んな天体を撮ってみたいです。
Commented by te kure at 2019-07-09 07:10 x
改めてじーっと観させて頂きますと、もう言葉が有りません・・
Commented by uto at 2019-07-09 21:19 x
おぉー、見事ですねぇ。
屈折望遠鏡ってd線を基準に設計するのが普通だと思うので、波長がやや近い?OⅢとHαはかなりシャープなのかもしれませんね。
それでも、1本の筒でやると、フィルタ毎によるピント合わせが必要になって、煩わしいですが、3連装なら効率が最大限に発揮ですねー。
ジェットストリームアタックの威力・・!短時間で、見事に美しい写真を仕留めましたね!

Commented by supernova1987a at 2019-07-09 22:45
> te kureさん
ありがとうございます。
(恐らく)前例の無い試みだったので、内心ハラハラしてました。もちろん万能ではないのですが、今後色々な対象を狙っていきたいです!
Commented by supernova1987a at 2019-07-09 22:57
> utoさん
おっしゃるように典型的なアクロマートだと、d線をアプラナート化して、C線とF線を少し離れたところで色消し化、g線は遠くに捨てる、だと思うんですが、SE120はやや特殊な気がしてます。
焦点内外像を見てみるとHaやS2は結構良い対称性を示すんですが、OⅢが醜くて回折リングが内外ともに全く見えないんです。幸い実害は少ないようですし、3本それぞれで好き勝手にピント合わせできるのでなんとかなってますが、万人向きではないですねぇ(当たり前か・・・)。
Commented by Markun at 2019-09-05 21:09 x
初めまして。隣町の天文ファンです。
入選おめでとうございます。
作品を拝見させていただきまして、また冷却再開しようかなぁ・・・なんて思いました。
今後ともよろしくお願いいたします。
Commented by supernova1987a at 2019-09-06 22:37
> Markunさん
はじめまして。ようこそ拙ブログへ♪
実は密かに「ソロキャンプ」記事、楽しませていただいてました。
昨年大怪我して以来、遠征から遠ざかってますが、お近くなのでいつかプチ遠征先ではち合わせるかもしれませんねぇ。今後ともよろしくお願いします。
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by supernova1987a | 2019-07-08 11:38 | 機材 | Comments(20)

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