自作顕微鏡で冷却CMOSカメラのベイヤー構造を観察する

★正直、やられたーと思いました

先日、ほしぞLOVEログのSamさんが、とても興味深い記事をアップされていました。

以前から『サッポロポテト現象』とか『ASI294のクアッドベイヤー構造』などのテーマに付随して「カメラのセンサー面を実際に観察してみたい」というお話が出ていたんですが、なんとSamさんが実際に顕微鏡でCMOSカメラのベイヤー構造の撮影に成功したというのです。
これ、単純そうに見えて意外と難儀する課題でして、そもそも顕微鏡の対物レンズと撮影対象との距離(マクロ撮影風に言うとワーキングディスタンス)が非常に小さいため、容易には撮影できないだろうと思ってました。それをCMOSカメラや顕微鏡のステージを分解することで、見事に成功された・・・・と。

うきー!羨ましすぎる。

でも・・・・


★無いなら作ろう顕微鏡

あぷらなーと軍には顕微鏡が無い

いや、あるにはあるんですよ・・・4台ほど。
ただし、それらの顕微鏡は小学生の頃に自由研究に使う目的でお小遣いで買ったオモチャみたいなやつで、ちょっと今回の目的に用いるには貧弱すぎ。

でも、よく考えてみれば・・・・
ほら、惑星を拡大撮影するときにアイピースを使うんですが、これって望遠鏡の対物レンズが結像した実像面をアイピースでカメラに投影しているんですよねぇ。ある意味、実像を対象とした顕微鏡ともいえるわけで、逆に言えば、惑星撮影時のようなセットアップを組めば「顕微鏡」になるのではないか・・・と。

というわけで、手持ちのパーツだけで作ってみました「なんちゃって顕微鏡」を。

ででん!!

自作顕微鏡で冷却CMOSカメラのベイヤー構造を観察する_f0346040_04465931.jpg
どうです、この禍々しさ。

撮影カメラとしてはピクセルピッチが細かいニコン1V3をチョイス。肝心の顕微鏡本体は余っているBORG系パーツとアルカスイス系パーツだけで組んだのですが、これ、ちゃんと対象物を左右にスライドできたり、『鏡筒』を上下にスライドできたり、ヘリコイドでピントの微調整できたり、カメラを回転できたり、液晶画面で観察できちゃったりしちゃうんですよー。しかも、対象物~カメラまでをロックできるように組んだので、スローシャッターを手でレリーズしてもブレが出ません。(ニコン1系の最大の弱点はリモートコードが使えないこと。)

★Samさんに続け!
・アイピースは何を使う?
・光源をどうする?
・カメラと撮像面との角度はどうする?
・光源の照射角度はどうする?

その他諸々のパズルを解いて、いざCMOSセンサー面の撮影に移ります

果たして、こんな邪悪な顕微鏡で冷却CMOSカメラASI171MC-Coolのベイヤー構造を写すことができるでしょうか?

では、行ってみましょう♪
自作顕微鏡で冷却CMOSカメラのベイヤー構造を観察する_f0346040_05175161.jpg
ででん!!
自作顕微鏡で冷却CMOSカメラのベイヤー構造を観察する_f0346040_05092599.jpg
※nikon1-V3+ビクセンLV20mm+BORGコンパクトエクステンダー
 JPEG61コマをステライメージ6.5で位置合わせ無し加算平均コンポジット
 画像処理はトーン修正のみ

おお、カラーベイヤー構造が鮮明に写りましたよ
なんか、むちゃくちゃ感動なんですけど~♪


さて、今回のMVPは身を挺して観察対象になってくれたASI174MC-Coolですな。
いやー、トリウムレンズの放射線に被曝させられたり保護ガラスを外されて観察対象にされたり、思えば不憫なヤツだなぁ。
ASI174よ、後でセンサー面の清掃と乾燥剤の換装を施してあげるから・・・許してくれ。



★★★お約束★★★
①センサー面の撮影については、保護ガラスを外した状態で長時間放置することになるため、ホコリや湿気などによりカメラにダメージを与える危険性があります。
また、センサー面に対物レンズ(今回の場合はアイピース)が接触してキズが付くと再起不能になるため、真似をしてはいけません。

②慎重に組まないと機材全体の転倒やセンサー面へのパーツ落下などの恐れがあるため、作製に用いたパーツの詳細は記載しませんでした。

③メインカメラを分解して撮影する勇気は持ち合わせていませんので、ASI1600シリーズやASI294の撮影リクエストには応じかねます。



Commented by Marshall_555 at 2020-01-20 08:37
初めまして。
いつも楽しく拝見させていただいてます。
今後のご活躍もいろんな意味で期待してます。

Marshall
Commented by 是空 at 2020-01-20 14:02 x
すごい。
素子の1つ1つまで見れるもんなんですね。
WEB上の画像でも、赤や緑は色まではっきりとその色と認識できる。

顕微鏡のワーキングディスタンスって短いですよね。
小学生のときに顕微鏡を持っていて、プレパラートに対物レンズをぶつけてガシガシ割った記憶がある。
Commented by noritos1047 at 2020-01-20 15:13 x
今回は分かりました。
ASI294が見たいな。という冗談はさておき、
あぷらなーとさんの綺麗なグラフや図表は何というソフトを使ってるんでしょうか。
Commented by supernova1987a at 2020-01-20 21:25
> Marshall_555さん
コメントありがとうございます。ようこそ拙ブログへ♪
色んなネタを温めているんですが、「特に面白そう」と思ったらそちらに突っ走る癖があります。あまり役に立たないニッチな記事が多いんですが、ぜひ今後とも覗きに来てください。
Commented by supernova1987a at 2020-01-20 21:29
> 是空さん
そうなんです。通常の顕微鏡だとワーキングディスタンスがあまりにも短くて、センサー面を割っちゃいそうで怖いんです。

さて、Twitterで呟いたとおり「なんちゃって顕微鏡」はすでにこの記事のものとは別物になっちゃいました。青のピクセルもクッキリ写るようになりましたし、保護ガラスを外さず撮影できるように進化したのですが・・・・ASI294MCのセンサー面が曲者で難儀しています。
Commented by supernova1987a at 2020-01-20 21:34
> noritos1047さん
実は、「なんちゃって顕微鏡」はすでに改良してて、ASI294などのセンサーを開腹無しで撮影できるように進化しました。・・・・が、ASI294MCのセンサー面はどうも『おかしい』気がします。予想では、メーカー公称値の約1/2の画素ピッチであることを示唆する結果が出ちゃいまして、鋭意検証ごっこ中です。近日中に面白いことが見つかるかもしれません。

さて、グラフや図表についてです。
グラフについてはEXCEL一本槍でしたが、年末からMATLABを多用するようになりました。
図表についてはジャストシステムの花子が主力なんですが、パワーポイントを使うことも多いです。
Commented by kem2017 at 2020-01-21 05:44
流石です。
レンズをどう組み合わせると、どうなるかを熟知されている成果ですねぇ~。

そういえば、耳掃除用 USB Camera 持ってました。あれも拡大率、そーとーなモノなので、やってみようかな... 接写(多分 5mm くらいで合焦します)には使えるかも(先端にライト付)
https://amzn.to/2RBbieT

Commented by 是空 at 2020-01-22 14:34 x
twitterの画像、マイクロレンズそのものが写ってる。
すげぇ!! ◎◎;
Commented by otabou at 2020-01-23 19:50 x
毎回、記事楽しみにしております。いろいろSE120で趣味レーションをしております。観測仲間もアクロマートに対する評価が随分変わりました。早速ですが、Instagramに最近の撮影成果をアップしましたので。
https://www.instagram.com/koujimikami/
次の記事楽しみにしておりますー
Commented by supernova1987a at 2020-01-23 23:46
> kem2017さん
昔、マクロ撮影が好きだった影響ですね。
カメラレンズのリバース結果は次回まとめますね。

それにしても耳掻きカメラという発想はなかったー!
Commented by supernova1987a at 2020-01-23 23:50
> 是空さん
結局、アイピースよりもカメラレンズの方が鮮明という、あまり面白くない結果ですが、これでなんとか開腹無しでASI294MCのセンサー面撮影の可能性が見えてきました。
個人的には今回のブログのセットアップがカッコ良くて好きなんですが、肝心の写りで負けちゃうとねぇ。
Commented by supernova1987a at 2020-01-23 23:54
> otabouさん
アクロマート仲間がどんどん増えてくるのが嬉しいです。
Instagramも拝見しました。かなり個性的なセットアップに唸りました。
SE120は本当によく写るので、どんどん作品を撮ってほしいです。
Commented by 是空 at 2020-01-24 13:38 x
いよいよ、禁断のクワッド・ベイヤーがみれるわけですね。
楽しみ、楽しみ。^^
Commented by supernova1987a at 2020-01-26 10:56
> 是空さん
ASI294MCのクワッドベイヤー構造、果たして本当4つのピクセルに分かれているのか、1つのマイクロレンズやフィルターを4画素で共用されているのか、謎解明まであと一息です。もう少し解像度を上げないと・・・。
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by supernova1987a | 2020-01-20 05:37 | Comments(14)

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