機材レビュー

PlayerOne Xena_M インプレッション④

★月面・太陽用として推奨されているのはなぜ?

Xena-Mに限らず、ASI174などのグローバルシャッター機は「月面・太陽用」として推奨されていることが多いのですが、それは何故でしょう?
今回は、それを検証ごっこするために、お気軽月面撮影してみることにしました。

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今回の装備は、笠井のカプリ102ED+PlayerOneのXena-M+IR/UVカットフィルタです。
これだけシンプルな装備だと、セットアップも楽ちんです。庭に常時据え付けてあるEQ6Pro赤道儀に鏡筒をポンと取り付けて、コントローラやPCを接続すれば終わり。月面が対象ですから実質アライメントも不要です。

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カプリ102EDは接眼部を「高機能DXマイクロフォーカサー」に換装しているため、ピント合わせも楽ちんです。


★月面全景を撮って楽しむ
Xena-Mは1インチセンサーのため、焦点距離700mmのカプリと組み合わせると上限過ぎの月がちょうど良いあんばいで入ります。早速SharpCap4でお月様の全景を撮ってみましょう

☆☆主な設定は下記の通り☆☆
 Colour Space=MONO16
 Capture Area=1920x1080
 Output Format=SER file (*.ser)
 Offset=60
 Analogue Gain=100
 Exposure=0.4580ms

上記の設定で2048コマをSer動画で撮影し、これをAS!3で良像40%スタックしてみます。さらにレジスタックスでウェーブレットを掛け、ステライメージ9で階調等を整えると完成です。
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シーイングは悪かったのですが、なかなか綺麗なお月様になりました♪

近年月面を撮影する機会が減ってしまいましたが、たまに撮影すると楽しいですねぇ。


★グローバルシャッターで何がうれしいのか?

Xena-Mの最大の特徴はグローバルシャッター搭載のセンサIMX249が搭載されていることです。
以前レビューしたとおり、一般的なローリングシャッター搭載カメラと異なり、いわゆるコンニャク現象が生じない点が魅力で、ミルククラウンなどの高速移動体の撮影には威力を発揮します。

実は、「天体の撮影シーンにおいてグローバルシャッターが有用なケースがあるかどうか」を検証ごっこするのが、今夜の目的でした。
数年前から、シーイングの悪い夜にローリングシャッター機で月面を動画撮影すると像全体が波打つようにクネクネして写ることが多くて、どうも不快でした。

今回は、それを同一条件で比較するため、PlayerOneのNeptuneCⅡでも撮影をしてみました。
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GIF動画アップの許容サイズが400kBまでなので、ちょっと分かりにくいかも知れませんが、像全体がクネクネと波打っていることが分かります。

では、Xena-Mではどうなるか試してみましょう

すると・・・

ででん!!
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おお、素晴らしい!!

センサーサイズが異なるので少々小さめの動画になってしまいましたが、NeptuneCⅡの像とは異なり、クネクネ波打つのではなく、像全体がスライドするような揺らぎになっていることが分かります。

もちろん、『さざ波』のようにメラメラ動くシンチレーションは生じていますが、とにかく像全体を動かすような『大波』に対して、非常に耐性が強いのです。

この差が、グローバルシャッター機が「月面・太陽に好適」とされる要因なのでしょうね。


★スタック後に差は出るか?
では、コンニャク現象が発生するローリングシャッター機では月面が撮影できないのかというと、そうでもありません。マルチポイントアライメントが可能なAS!3などを用いてスタックをすると、像の歪みをある程度補正しながらスタックされるからです。
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では、センサーサイズの差を埋めるために、NeptuneCⅡはそのまま、Xena-Mの方には笠井のショートバーローレンズを装着してみます。また、画素数はどちらも約230万画素ですので解像度不足を補うために3xドリズルを掛けてみます。

さて、画像処理後の差は出るでしょうか?

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左がNeptuneCⅡで右がXena-Mです。どちらもピクセル200%切り出しですが、NeptuneCⅡの方がガタガタになっています(画像をクリックして拡大してみてください)。ただし、これはシャッターの違いではなくカラーベイヤー構造が悪さをしてドリズル効果が弱まり、ウェーブレット時に誤収束してしまったのだと思います。
つまり、シャッターの仕様以前に、カラーかモノクロかが大きく寄与した可能性があります。

この件に関しては、今後も色々と検証ごっこをする必要がありそうですね。


★ともあれ
スタック後に差が出るかどうかは別にして、Xena-Mのグローバルシャッターの効果(月面撮影におけるコンニャク現象の有無)は明瞭に確認できました
また、ウェーブレットなど強めの画像処理を施しても像が破綻しにくい印象で、やはり月面撮影用途には好適なようですね。
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  ※カプリ102ED+笠井2.5xショートバーロー+IR/UVカット+Xena-M
   2048コマの良像40%スタック ウェーブレット処理有り

うむ。これでXena-Mの「本来の用途」についてもテストできたぞ。
めでたい♪


★★★お約束★★★
①本レビュー内容は、シュミットさんからお借りしたXena-Mを試用して感じた個人的な換装です。
②シャッターの違いだけではなく、ピクセル配置(カラーかモノクロか)やセンサーサイズも異なるので、テスト結果の解釈が正しい保証はありません。

Commented by UTO at 2021-11-16 21:42 x
グローバルシャッターの効果がよく分かりますね。動画を見るとシンチレーションが悪い日本では案外効果が大きい気もします。

そういえば国内販売はされてない?かもしれませんが、Apollo-M Maxなんて、IMX432センサー採用で、長焦点DeepSky用にも面白そうな気がします。センサーサイズも、ST10XMEと同じく約15mm×10mmほどで、699$って、すごくインパクトのある価格設定・・(ST8Eなんて130諭吉もしたものですが・・)
しかも、ビットランさんで、30分でも低ノイズというお墨付きのDSO向けセンサー・・
軽くでもペルチェで安定冷却してくれれば、間違いなく買っちゃうんだけどな、、、^^;

IMX249(174)は、グローバルシャッター構造のためにちょこっとリードノイズがCMOSとしては高くなってるんですよね。
IMX432は第三世代なので、QEも高くリードノイズも抑えていて魅力的なので、、、
ぜひ、国内販売も働きかけてみてください m(__)m

Commented by supernova1987a at 2021-11-16 23:18
> UTOさん
グローバルシャッターセンサーは、おっしゃるとおりノイズの面では色々と難儀な点もあるのですが、Xena-Mは枯れたセンサーをうまく料理してるように感じました。

それにしても、Apolloシリーズは国内販売店が望まれますね!
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by supernova1987a | 2021-11-15 01:02 | 機材レビュー | Comments(2)

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