振り返り

2024年のふりかえり

2024年のふりかえり_f0346040_13142017.jpg
★令和6年も暮れようとしています
今年は、色々な天文活動に取り組んで、とにかく大忙しでした。
では、恒例の「ふりかえり」いってみましょう。

★出演関連
4回目の登壇となるCP+のサイトロンジャパンさんセミナーですが、今年はなんと「現地での生講演」に初挑戦させていただきました。大変緊張しましたが、スタッフの方々のフォローと聴衆の皆様のあたたかいご声援のおかげで元気よくトークすることができました。(当日のアーカイブ動画は下記の記事中にあります)

★レビュー『案件』関連
今年はメーカーさんから色々なレビューオファーをいただきました。
貴重な機会をいただき、本当にありがとうございました。

①サイトロンジャパンの0.75xレデューサ
CP+2024用の話題として、サイトロンジャパンさんから新開発のアメリカンサイズの0.75xレデューサを3個セットで(笑)お借りしました。
これはアクロマート屈折望遠鏡と小サイズセンサーカメラを組み合わせて使うことを想定した新設計の製品です。StarQuest80と各種フィルタやカメラと組み合わせてテスト撮影したところ、抜群のコストパフォーマンスを持つことが分かりました。詳細は、先述のCP+2024アーカイブ動画中でお話ししています。
2024年のふりかえり_f0346040_13353443.jpg
②SVBONYの高性能ズームアイピースSV230
SVBONYさんからのご厚意で、最新のズームアイピースSV230をお借りしてレビューしました。
特に、驚くほど視界が広い点と、『本物のズーム』(単なる変倍ではなくパーフォーカル性を満足する)であることに驚きました。

③SkyWatcherの新型アストログラフHAC125
サイトロンジャパンさんのご厚意で、口径125mmF2という驚異的な明るさを誇る新型アストログラフHAC125をお借りして、レビューしました。
非常に尖ったスペックで、使用カメラの種類とユーザーさんを選ぶ特殊な鏡筒ではありますが、予想以上に高性能であることに驚きました。





また、今回の試用で撮影した画像の一部は、シュミットさんの製品ページ↓にも作例として採用していただきました。

④その他、進行中の『案件』
上記の2件に加えて、別途3件のオファーをいただき鋭意進行中ですが、まだ情報は公開できません。
年が明けてからをお楽しみに♪

あぷらなーとは、基本的に忖度できない悪い子なので、いわゆる『提灯記事』は書かないのですが、こうして色々な企業さんからお声がけしていただけるのは身に余る光栄です。今後ともよろしくお願いいたします。


★考察ごっこ・検証ごっこ関連
今年も、天文活動をする中で様々な疑問点が出てきましたので、独自視点での検証遊びを行いました。

①サッポロポテト現象
強い光源(アルニタクなど)が写野内に存在するときに生じる不思議な網目状の像は、一般のカメラ界隈では『サッポロポテト現象』と呼ばれています。これは、専門書によれば「マイクロレンズフレア」と呼ばれる既知の現象のようですが、天文界隈ではあまり知られていないため過去に検証記事を書きました。今回、フォロワーさんからの情報を元にさらに詳細な検証ごっこを行った結果、自分の解釈に誤りがあることが発覚しましたので、その詳細を記事にまとめました。


②ASI482MCの『怪現象』について
フォロワーさんから以前お借りしていたZWOの非冷却カラーCMOSカメラASI482MCは、大変気むずかしいカメラとして一部界隈で有名です。実写テストは昨年完了させていたのですが、今回は「カタログスペックは十分に満たしている」のに「星雲がまるで写らない」原因と思しき特性と、その対処法について見いだすことができたので、勇気を出して詳細記事を公開しました。これは、ある意味で「SNR1やダイナミックレンジなどのカタログスペックが非常に高性能でも、実写性能には寄与しない」という難儀なケースですので、興味のある方は自己責任で慎重にお読みください。
(あぷらなーとは、忖度しないくせに一方的にディスるのも苦手というチキン野郎です。)


③ASI294MM-Proのノイズが激増した件
ZWOの冷却モノクロCMOSカメラASI294MM-Proは、非常に高性能なカメラで、現在は主力カメラとして愛用しています。ところが、2年ほど前から感じていた『違和感』の正体が、ドライバの仕様変更と想像される「異常ピクセル除去機能の無効化」らしいことを真偽不明ながら見つけました。これは、別件でASI294MM-Proのテスト画像8万枚を解析する作業を進めていた際に、同一個体なのにノイズ特性が過去の解析結果と全く別物に変貌していることに気づいたのがきっかけです。今回は、その『犯人』を推理するとともに、その対処法にまで踏み込んでみました。



★開発ごっこ関連
今年も、色々な怪しいソフトや魔改造機材を開発ごっこして遊びました。
実用性はともかくとして、こうした遊びはその過程そのものが楽しくて仕方がありません。

①60mm三連装砲:とりぷる☆まくしー
バーゲンセールでうっかり3匹ポチってしまった60mmマクストフカセグレン:マクシー60を三連装化して「とりぷる☆まくしー」と命名しました。
2024年のふりかえり_f0346040_14422791.jpg
2024年のふりかえり_f0346040_14424139.jpg
単筒では驚異的によく見え、写真写りも非常に良好なマクシー60ですが、さすがに「プラ鏡筒の三連装」は無謀すぎたようで、実際の運用が『苦行級に難儀』なので、詳細記事は書いていません。いつの日かお笑いネタ枠としてブログ記事を書くかもしれませんが・・・。


②40mm三連装砲:メザシちゃん
SVBONYの小型ガイドスコープSV165には30mmタイプと40mmタイプの2種が存在します。このうち30mmタイプはガイド鏡としてはなんとか実用になるものの、像が非常に甘々です。それに対して40mmタイプの方は驚くほどシャープだったので、慌てて2本買い増しして三連装化しました。その外観から『メザシちゃん』と命名しました。
2024年のふりかえり_f0346040_14491903.jpg
こちらは、Xena-Mとナローバンドフィルタを装填することで、気軽な星雲撮影が楽しめましたので、そのうちブログ記事を書くかもしれません。8千円程度の爆安鏡筒なのに、下記のように北アメリカ星雲が鮮明に写せました。
2024年のふりかえり_f0346040_14515950.jpg
※SV165は『案件』ではありませんが、SVBONYさんから「詳細な組み方を教えて欲しい」と依頼されましたので、資料を作成して送付しました。似たような目的で使いたい方が居たのかもしれません。(さすがにメーカーさんの想定範囲外の運用ですよねぇ・・・)


③赤道儀化トラバース:デンドロビウム
サイトロンジャパン産が扱っているトラバースは、非常にコンパクトで操作も簡単な自動導入経緯台です。もちろん、そのまま楽しめるのですが、経緯台の根本原理をピンポイントで突き、トラバースを「今、南極点にいるのだ」と誤認させることで「ファームの更新など不要で、経緯台モードのまま赤道儀化する」という邪悪な魔改造を施し「デンドロビウム」と命名しました。


④『邪崇帝主』に新機能を実装
邪崇帝主(ジャスティス)は、あぷらなーとが(素人ながら知恵を絞って)独自のアイディアをMATLABを用いて書いた天体画像処理専用のプログラムです。
今年は、固定撮影した紫金山アトラス彗星の画像を『彗星核追尾風タイムラプス動画』に自動変換するため新機能を完成させ、実装しました。
さすがにニーズは無いと思いますが、自分への備忘録として詳細を記事にまとめました。

また、別プログラム『邪・我流道(ザ・ワールド)』の時系列解析機能と連携することで、ドライバで撮影したASI294MM-ProのRAW画像を旧ドライバで撮像した画像と同等品質に変換する機能を実装しました。


★天文現象関連

①ポンスブルックス彗星
様々なトラブルに見舞われたため悪戦苦闘しながらも、辛うじて撮影に成功しました。


②紫金山アトラス彗星
固定撮影ではありますが、大変美しい姿を撮影することができました。




③ペルセウス座流星群
遠征できなかったので、自宅のお庭からでも流星が写る方法として、冷却CMOSカメラによるSer動画撮影に初挑戦しました。なぜ動画の方が暗い流星が写るのかのシミュレーション考察と、今後具体的にどういうシステムで撮影したいか、などについては、後日記事にするかもしれません。


④土星食
あいにくの曇天でしたが、雲が薄くなった瞬間に人生初の土星食観測に成功しました。


★というわけで・・・
今年はハードながらも大変充実した天文ライフでした。

では、みなさま良いお年を!!



名前
URL
削除用パスワード
by supernova1987a | 2024-12-31 15:37 | 振り返り | Comments(0)

あぷらなーとの写真ブログ


by あぷらなーと
PVアクセスランキング にほんブログ村