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「自然写真大好き」
HNあぷらなーと が いろんな写真ネタを のんびり語ります。 気合い入れすぎると 続かないので、 「ぼちぼち」いきます。 生息地:香川・徳島 カテゴリ
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★皆さんの冷却CMOSカメラは・・・
天気が悪い日に大人しく寝ていますか? さて、天候不順に泣いているうちにあぷらなーとのGW休暇は終わってしまいました。 しかし、なにか新しい課題を撮影しないと面白くないので、冷却CMOSカメラASI174MC-COOLの特性を活かした屋内の撮影対象を狙ってみることにしました。 それは・・・・ずばり「ミルククラウン」です!! 一滴のミルクが着水した瞬間に花開く刹那の『王冠』・・・美しいですね。 実はこれ、ひと昔前なら相当に難敵でして、いわゆる『職人芸』が必要でした。 ちなみに、あぷらなーとは高校~大学生時代に試行錯誤の末「フィルムカメラ+ストロボでミルククラウンを撮影」するコツを(ある程度)会得したのですが、それはおよそ次のようなものでした。 (無論、本来なら光電センサーと遅延装置を組み合わせて効率よく撮影するのが正解でしょうが、そいういう『反則ワザ』は無しという方向で) ★フィルムカメラでミルククラウンを撮るコツ デジタル時代の今、その大半はもう時代遅れでしょうがネタ的には面白いので特別公開♪ ①ミルクを落下させるのは、平たいお皿。かつミルクは極力薄く張る。 お皿の表面がミルクでうっすら隠れる程度でよく、決してミルクをなみなみと『溜め』てはいけない。 ②ミルクを落下させるのはおよそ30~50cm上方から。 できれば一定の間隔で滴下させる。 (例えば、上下に小さな穴を空けたフィルムケースにミルクを詰め、上の穴に画鋲を刺してその刺さり具合で滴下間隔を調整するなど) ③立体感を持たせるため、ストロボの光は斜め前方から逆光気味に当てる。 ④レンズのピントは、部屋を明るくした状態でファインダー内の落下予想地点に目視で合わせる。 またレンズの絞りは極力絞り込む(F11~22が目安) ⑤ストロボは落下予想地点までの照射距離と実効F値とフィルムISOからガイドナンバーを計算し、マニュアルで発光量を調整する。 ⑥実際の撮影は完全な暗闇の中で行う。 ⑦カメラのシャッターをバルブにし、シャッターを開放したらポタポタ落ちるミルク滴の音を耳で聞き、着水タイミングを推測してストロボを手動で発光させる。 ⑧ストロボの発光が完了したらカメラのシャッターを閉じる。 ⑨ストロボの閃光で、上手く撮れたかどうかは視認できるので、納得がいくまで⑦⑧を延々繰り返す このうち①~③はデジタル時代の今でも使える『超重要』ノウハウではないかと思います。 特に①で失敗する人が多いんじゃないかと思います。 受け皿のミルクが多いと、ミルク滴が「ドボン」って落ちて『王冠』では無く『丼』型とか『こけし』型になります。実は成功した場合の『王冠の底』は、お皿が写っているんです!(ここに気づくまで、いったい何本のフィルムを無駄にしたことか・・・) ★ASI174MC-COOLの最大の武器は・・・ ZWOの冷却CMOSカメラASI174MC-COOLの特徴は、その超高速なフレームレートと、グローバルシャッターにより歪みの無い高速シャッターが切れることです。 ちなみに、800×600にROI(クロップ)し、HighSpeedModeをON(ADCが10bitで駆動)にした上で、出力形式を8bitRAWのSER出力にすれば、高速シャッターでのフレームレートは実測でおよそ350FPS(1秒間に350コマ連写)にまで上がりました。 今回は、その特性を活かしたミルククラウン撮影を試みることにします。 ★実際の撮影風景は・・・ ![]() ※ASI174系はASI1600系と異なり、メーカーからカメラレンズを装着するアダプタが発売されていないので、手持ちの色んな部品を組み合わせてアダプタを自作しました。用いたレンズは、ニコンのAFマイクロ60mmF2.8(Gタイプは絞りが操作できないのでNG)です。 ![]() 今回の場合ストロボが使えない(同期できない)ので、LEDライトなどを複数用いて十分な明るさを確保します。 (ノウハウの③に準じて配光位置をセットします。) ※少なくとも1/2000秒以上の高速シャッターを切らないとミルククラウンがブレてしまいますので、相当な明るさが必要です。 ★ASI174MCの撮像パラメータは 試行錯誤の末、下記のパラメータで撮影すると上手く行きました。 [ZWO ASI174MC-Cool] Debayer Preview=On Pan=484 Tilt=304 Output Format=SER file Binning=1 Capture Area=968x608 (※この程度の解像度は欲しいところですが、ここはお好みで) Colour Space=RAW8 (※この設定が最速です) High Speed Mode=On (※ADCを通常の12bitから10bitに変わり高速駆動します) Turbo USB=80(Auto) Flip=None Frame Rate Limit=Maximum Gain=244 Exposure=0.0002 (※1/5000秒のシャッター速度ですね) Timestamp Frames=Off White Bal (B)=79(Auto) White Bal (R)=99(Auto) Brightness=1 Gamma=50 ★撮像データの現像処理は・・・ RAWデータのSER動画ですので、複数のソフトを使う必要があります。 色々と試行錯誤した結果、 ①SER Player でSERファイルを開く ②上手く写ったコマだけを抽出してTIFFで吐き出す ③シルキーピクスで色調や階調を整え、適宜ノイズ処理とシャープ処理を行う という流れで良い感じに仕上げることが可能でした。 ★まずは、NG例からどうぞ(笑) ![]() ○照明が足りていない ○シャッターが遅く、ブレている ○ホワイトバランスが合っていない ○ピントがミルククラウンの前面に来ていない(後ピンになっている) ○構図が悪く、ミルククラウンが切れている(近すぎ) ![]() ○ゲインを上げすぎて、ノイズまみれ ○まだシャッターが遅く、ブレている ○ホワイトバランスが合っていない ○階調が乏しく高輝度部がサチっている ○ミルクのシズル感(瑞々しい質感)が出ていない ※ライティングの方向、映り込みの出し方、陰の方向、撮影像の大きさはバッチリなのにもったいない(涙) ★では成功例をどうぞ♪ 1.ミルク球が落下してきます。 ![]() ![]() 3.誕生したミルククラウン ![]() ![]() 5.王冠の『角』が開き始めます ![]() 6.ミルククラウンの完成♪ ![]() 7.でも、一瞬で崩れます ![]() 8.無数の玉が飛び散ります ![]() ![]() ・・・この間(1~9まで)実に0.032秒の出来事です! ASI174MC-COOLの超高速グローバルシャッターの威力、しかと見届けたっ! という訳で、 今回は、あぷらなーとがお届けする「刹那のドラマ」でしたー♪ ※注:ASI174系以外のCMOSカメラ(ASI1600系など)の場合はグローバルシャッターではなくローリングシャッター仕様のため、いわゆる『コンニャク現象』で王冠が歪むと思われます。(王冠が変形し、左右対称でなくなる可能性がある)ただし、ローリングシャッターの『走行方向』が鉛直方向に一致するようにセットすることで、(ミルククラウンの撮影においては)歪みの影響を目立たなくなることが予想されます。 ▲
by supernova1987a
| 2017-05-07 23:14
| 科学写真
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