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あぷらなーと
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2017年 12月 11日 ( 1 )

『光跡の途切れを解消する』冷却CMOSカメラを入手したらやろうとしていたこと

★天気が悪いので・・・・

『フルアーマーBORG』によるSAOナローの『一発撮り作戦』を決行しようと目論んでいたのですが、どうも天気が悪いですね。昨夜も途中から雨が降ったり雲が湧いたりで極軸セットすら不可能な状態に(涙)

・・・というわけで、2014年に考案したもののデジタル一眼では(恐らく)画像処理エンジンが余計なことをしてるために『理論通り』には上手くいかなかった案件を忘れないうちに片付けることに。実は、これ、素のRAW画像が得られる(と期待される)冷却CMOSカメラを買ったらすぐに『検証ごっこ』する予定だったのですが、ASI1600MC-COOLの謎が面白すぎて、すっかり後回しになってしまってたのですよー。



★みんな大好き比較明コンポジット・・・だけど

星座の日周運動を固定撮影で写す際の比較明コンポジットは、すっかり星景写真の「ど定番」になりましたね。
町中でも星の軌跡が明瞭に写せるこの手法は、低照度相反則不軌特性が無いが故に背景が飛んでしまいやすいデジカメにとっては、まさに救世主的存在です。

でも、こんな写真になって困ったことは無いですか??

f0346040_15320246.jpg
一見『インスタ映え』しそうな星景写真に見えますが、我々天文ファンが見ると「なにかおかしい」のですね。



★比較明コンポジットでは「色々途切れちゃう」

先ほどの画像はD700を使って撮影したものをステライメージで比較明コンポジットしたものですが、気になるところを拡大してみましょう。

・・・すると・・・
f0346040_15352948.jpg
こ、恒星の軌跡がプチプチ途切れちゃってる!!

コマ間のデッドタイムが悪いのでしょうか?
いやいや、それだと次の例が説明できないのですよ。

f0346040_15374539.jpg
な、なんじゃこりゃーっ!!
雲がシマシマになって気色悪い!!

さすがに、ゆっくり動く雲が途切れて写るほどデッドタイムは無いですよねぇ。



★どんなに高性能のカメラでも「途切れ」は必ず生じる

というわけで、無い頭を振り絞って考えてみた結果、
この「比較明コンポジットにおける途切れ現象」は、「原理的に回避できない」という結論に至りました。
(3年ほど前、あぷらなーとブログは、「このネタ」からスタートしました♪)




ゴタゴタした『考察ごっこ』がお好きな方は、お暇なときに上記のリンクを見ていただくとして、今回は直感的な説明を試みます♪



★「途切れ」が起こる仕組みを直感的に・・・♪

まず、一本の紙テープがあったとします。
この紙テープが本来の光跡だと思ってください。ちなみに、このテープの太さは明るさを表します

f0346040_16434792.jpg
短時間露光をすることは、このテープを細かく切っていく作業に相当します。
ここで問題なのは、「恒星像がピクセル上を移動している最中に露光が終わる」ため、コマの境目は「斜めに切られてしまった」状態に相当するという点です。

f0346040_16481296.jpg
これを元に戻すには原理上「加算コンポジット」をすべきですが、残念ながら加算コンポジットしてしまうと、背景が明るくなりすぎるので比較明コンポジットを行うというの主流ですよね。
比較明コンポジットでは、本来2つのパーツに分かれている部分(切れ目)を貼り付けずにより幅が大きい方のみを採用します。
これは、本来平行四辺形であるパーツを台形に変形して糊付けしてしまう行為に相当します。

f0346040_17001770.jpg
したがって、つなぎ目には「原理上かならず」凹み(途切れ)が出てしまうわけですね。
撮像素子上を移動していく像をモデル化して簡単にシミュレーションしてみると、実際の途切れ像が再現できます。

f0346040_17040946.jpg
これは、比較明コンポジットして得られた実際の像の輝度分布と良い近似を示します。

f0346040_17105151.jpg
      ※比較明コンポジットして得られた光跡の輝度を簡易測定したグラフ



★『イーブンオッド・コンポジット法』のイメージ

この途切れの現象を軽減するには、2つのポイントがあります。
 ①同じピクセルに同一天体の像が重なったコマ同士を比較明合成してはいけない
 ②加算合成処理は最小限にとどめないといけない
①に反すると「途切れ」が生じ、②を守らないと背景がトンでしまう訳ですね。

そこで、撮影した元画像を「イーブン群」(偶数Noコマ)と「オッド群」(奇数Noコマ)の2群に分け、
まずそれぞれの群を比較明合成した後、最後に「1回だけ」加算合成する手法を思いつきました。
で、これを「イーブンオッド・コンポジット法」と勝手に命名しました♪
(すみません。変な造語を作るの好きなんです。)

f0346040_17180832.jpg
こうすることで、バックグラウンドの輝度上昇を最小限に止めつつ、光跡の途切れを「原理的に」押さえ込むことが可能だと目論んだわけです。

詳細にシミュレーションしてみると、
 背景光(バックグラウンド)に対する恒星の軌跡のS/N比は、単純な加算コンポジットよりも高く
 光跡の途切れは比較明コンポジットから飛躍的に改善
されることが予測されました。

f0346040_17225046.jpg
これで「万事めでたし」と思ったのですが・・・

・・・が、しかし!


★現実は甘くない

自信満々で考案した『イーブンオッド・コンポジット法』なのですが、『比較明コンポジット星景写真の権威』でもある知人に試してもらうと、どうもこれが上手くいかないらしい
実際に、あぷらなーと自身も
 JPEGからだと暗めの星は途切れずに上手くつながるが
 明るい星は過剰補正でつなぎ目が明るくなってしまう。
 RAWのままだと偽色まみれのシマシマになってしまう。
という怪現象に悩むことになります。

色々と考えた末、暫定的に下した結論は
「デジカメの画像処理エンジンが変なことをしてる」
です(笑)

ちなみに、(一般的な認識とは逆だと思いますが)、あぷらなーとの仮説は、
デジカメの画像処理エンジンは「途切れを目立たせる方向」に働いているのではなく、(像のエッジを強調することにより)「途切れを軽減する方向」に作用しているのではないか(上のモデルでいう「台形型」の裾野を高めにして長方形に近づけようとする効果)
というものでした。

とすれば、画像処理エンジンの作用を受けない冷却CCDカメラや冷却CMOSカメラのRAW画像で試してみるしかありません

実は、ASI1600MC-COOLを購入した理由の一つがこの件の『検証ごっこ』だったのですよー。




★といいつつ、色々と他に魅力的なネタが多くて・・・

「FITSファイルの解読アプリ作り」やら「ビームスプリッタ」やら「クールファイル補正法」やら「霧箱実験」やらが面白すぎて、イーブンオッドの『検証ごっこ』が後回しになってしまってました。

・・・で、ここからが本題です。(ようやく?)

f0346040_17423189.jpg
ASI1600MC-COOLにシグマ10-20mmF4.5-5.6を装着!

f0346040_17441337.jpg
所詮お気軽固定撮影ですから、装備は最小限に♪
天候は雲がワラワラと流れている状態ですが、気にせずゲイン200の30秒露光を1時間継続してデータを取ります。


★まずは普通に比較明コンポジット

今回は、「決着」させたかったので、きちんと冷却(-10度)して、同一条件でのダークファイル(120枚コンポジット)も減算。
デモザイクの影響を受けないようにRAWのまま比較明コンポジットしてみます。

すると・・・・
f0346040_17465549.jpg
一見、上手く撮れたように見えますが、
オリオンの三つ星からM42付近を拡大してみると・・・・

f0346040_17481257.jpg
ああ、やっぱり!
ご覧の通り、見事にブチブチに途切れてます。
 ※大きな隙間は雲の通過によるもの

さて、いよいよ『イーブンオッドコンポジット』を実行してみます。



★イーブンオッドよ、今こそ真の力を見せるがいい!


撮影した120コマの画像のうち、
 奇数番号の60コマを「オッド群」として比較明コンポジット
 偶数番号の60コマを「イーブン群」として比較明コンポジット
します。

f0346040_18001682.jpg
このように、それぞれが点線になりますが、理屈上この二つを加算すれば「スキマ無くピッタリつながる」はず・・・・・。

では、早速この2つを加算コンポジットし、最後にデモザイクしてカラー画像にしてみます。

すると・・・・

ででん!!

f0346040_18061362.jpg
キたぁー!!
暗い星から明るい星まで、一発でつながりました!!


通常の比較明コンポジットと比べると、こんな感じ♪
f0346040_18085947.jpg
 ※左:比較明コンポジット 右:イーブンオッドコンポジット


ああ、ここまで長かった~。
今日はよく眠れそうです♪

え?「よく見ると、ちょっぴり途切れてるぞ?」ですか。
ええと・・・
その方が(デジタル一眼のように重なり過ぎるより)納得しやすいんです。

f0346040_18270001.jpg
ASI1600MC-COOLをフル解像度の16bitRAWで連続撮影した場合、上のように実測で約0.34秒のデッドタイムが存在していて、しかもそれが揺らぎますので。さらに、(今回浮上した問題ですが)突発的ホットピクセルがダーク減算では消しきれないためホット&クール除去フィルターをベイヤーデータに作用させる必要があるのですが、この処理は若干の『星喰い』現象をもたらしますので・・・。
※この件については、いずれまた・・・・♪

 

by supernova1987a | 2017-12-11 18:09 | 天体写真 | Comments(10)


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