ステライメージ関連

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長年愛用している天体画像処理ソフト「ステライメージ」の使い方に関するまとめページです。

★まずはココから。1コマ画像の基本処理
初期設定
FITSファイルの読み込み
デモザイク
デジタル現像
オートストレッチ
マトリクス色彩強調
Labカラー調整
などにより、1コマ画像を簡易的に仕上げる方法を紹介します。

※ステライメージ9には起動時に「自動処理モード」と「詳細編集モード」がありますが、個人的には、扱いやすさと高速性の両面から「詳細編集モード」がオススメなので、処理解説は全て「詳細編集モード」を基準に書いています。

※下記記事の前半は撮影に関する内容になっています。後半がステライメージの処理法の詳細てす。



★加算平均コンポジットで、ショットノイズを減らして滑らかにする
俗に『高感度ノイズ』と称されることもある画像のザラザラの主要因は(カメラが悪いのではなく)自然現象です。明るいレンズを使ったり露出時間を増やす以外の方法として、ここでは「加算平均コンポジット」を紹介します。



★ダーク減算で、輝点ノイズを減らす
強い輝点ノイズや『白い縮緬ノイズ』の主要因は、カメラのセンサーにおける不良ピクセルの一種であるホットピクセルです。ここでは、天体画像(ライトフレーム)とは別にダークフレームを取得し、ダーク減算を行うことでノイズを低減する方法について述べました。

※ステライメージには「フィルター」メニューの中に「ホット・クール除去」機能がありますが、あくまでも簡易的なものです。また、短時間露光の画像の場合は天体像を構成する光子の揺らぎがノイズとして誤認識された結果、像が悪化する場合もありますので、私はダーク減算処理後に残った不良ピクセルを軽減する必要がある場合のみ補助的に用いています。なお「ホットクール除去」を用いる場合はデモザイク前に行うことが重要です。


★フラット補正で、周辺減光を減らす
ステライメージの「周辺減光補正」は、あくまでも簡易的なもので、補正効果には限界があります。また、センサー自体が持つ色ムラやゴミの付着による影は原理上補正できません。そのため、本格的な処理のためにはフラット補正を行います。

※フラットフレームを用いた補正でも若干の補正不足や過補正が生じた場合に用いる「周辺減光補正」についても下記で触れています。

※記事中では述べていませんが、光害や月光に起因する傾斜カブリが残った場合は「カブリ補正」を用いると軽減できます。


★倍率色収差に伴う色ずれの補正
倍率色収差や大気の分散の影響で生じる「色ずれ」について、それを軽減する方法を紹介します。
(注:その後のアップデートにより、この倍率計算は不要となりました。下記事中の追記部分に記載しました。)
※ダーク・フラット補正後に残った不良ピクセルの軽減に役立つシグマクリップについても触れました。



★『クールファイル補正法』で『黒い縮緬ノイズ』を軽減する。
ダーク減算やフラット除算を行っても、画面全体に薄暗い縮緬状のノイズが残ることがあります。この主要因は、①センサー内のクールピクセル ②ダーク減算の過補正 ③結露などによるフラットスレームの失敗 などです。ここでは、このうち①と②を大幅に軽減する『クールファイル補正法』について、紹介します。

●モノクロカメラ用の方法

●(参考)カラーカメラでの効果
※『クールファイル補正法』は、FlatAideProにも実装していただきました(この機能は課金前でも使えます)が、現状ではモノクロカメラ専用です。ステライメージを用いた場合には、下記のようにカラーカメラでも処理が可能です。

★放射線ヒットノイズの軽減
宇宙線二次粒子などがセンサーをダイレクトヒットした場合などに、ひっかき傷のような突発的ノイズが発生する事があります。通常、ライトフレームやダークフレームをコンポジットする際にシグマクリップ(閾値は3シグマ程度)を掛けることで軽減されるのですが、メモリ消費が多い重たい処理なので、ここでは別解として『コスミカット法』を紹介します。




★その他補足資料★


★星ナビ誌上での執筆記事
アストロアーツ月刊星ナビの「Deepな天体写真」コーナーに、連載記事を執筆させていただきました。ブログよりも正確かつ丁寧な解説にしましたので、以下概要を記載しておきます。

<第5回> 2022年4月号
〇ステライメージによる星雲画像処理基礎

デモザイク・レベル調整・デジタル現像・オートストレッチ・マトリクス色彩強調・Lab色彩調整・周辺減光補正など

<第6回>2022年5月号 
〇ステライメージによるコンポジット処理

バッチ処理による通常のコンポジットの方法・メトカーフコンポジットを転用した爆速処理方法など

<第7回>2022年6月号 
〇ステライメージによるダーク減算処理

ホットピクセル・縮緬ノイズ・必要なダークフレーム枚数・ワークフローによる一括処理など

※コンポジット高速化アップデートに関する囲み記事もあります。

<第8回>2022年7月号 
〇ステライメージによるフラット除算処理

フラット補正の原理・フラットダークの必要性・LEDトレース台によるフラット撮影・具体的な補正処理方法など

<最終回>2022年10月号 
〇ステライメージによる色ズレ補正処理

倍率色収差+大気分散+光軸ズレの複合的な色ズレモデル・RGB分解+再合成による色ズレ補正方法・SAO合成への活用例など

※アップデートにより、新機能(RGB合成時の倍率補正機能)が実装されましたので、本記事はそれに即した内容にしています。


★ノイズに関する私見
画像処理時に遭遇する各種ノイズについて、自分なりの考えをまとめました。


★ステライメージ9のレビュー
大幅に改良されたステライメージ9についての感想を書きました。




★各種の条件についての検証ごっこ
撮影時のゲイン設定、処理対象のライトフレームの枚数と必要なダークフレームの枚数の相関など、気にはなるけど実際に検証しようとすると難儀しそうなテーマについて、ちょっと真面目に試してみました。



★ステライメージ10に私が考案した各種の処理メソッドが搭載
2025年3月発売予定の「ステライメージ10」に、私が考案した各種の機能
「ハイパーイーブンオッド法」
「クールファイル補正法」
「コスミカット法」
「時系列ノイズ解析」
「ソフトウェアピクセルマッピング法」
「手動ダーク減算法」
が実装されます!

以下、ステライメージ10関連の記事です。

<ハイパーイーブンオッド法について>
<クールファイル補正法について>

<時系列ノイズ解析+ソフトウェアピクセルマッピング法について>

<宇宙線ヒットノイズを高速排除するコスミカット法について>

<『手動ダーク減算法』を不要とする『マイナス輝度値保護』について>





以下、不定期に加筆予定です。



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