あぷらなーと |
あぷらなーと
「自然写真大好き」
HNあぷらなーと が いろんな写真ネタを のんびり語ります。 気合い入れすぎると 続かないので、 「ぼちぼち」いきます。 生息地:香川・徳島 カテゴリ
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★ここまでの試行で2つの武器を手に入れたので
半年がかりで、下記2点の『怪しげな』ワザを手に入れました ①LRGBを同時露光する『ビームスプリッタシステム』 ②ダークやフラットで消せない黒点を軽減する『クールファイル加算法』 もちろん、はじめから『王道』に進めば変な回り道をせずに済みそうですが、折角なので4月24日に撮影していたM17オメガ星雲の画像処理をやり直してみることに。 今回の画像処理目標は「滑らか」です♪ 極力「変な処理」はしないように心がけてみます。 ★撮影時のデータは・・・ 望遠鏡:VMC260L+ACクローズアップレンズNo3 フィルタ:LPS-P2 赤道儀:K-ASTEC改造Newアトラクス ガイド:ノータッチガイド カメラ:ASI1600MM-COOLとASI1600MC-COOLを ビームスプリッタで同時露光 ゲイン:MM・MCともに400 撮像温度:-15度に冷却 露光:MM・MCともに15秒 撮像枚数:MM・MCともに200コマ ★撮って出しの画像は・・・ ![]() ![]() こんな感じの画像ですね。市街地でたったの15秒露光の割には良く写ってます。 前回処理したときは、 MCのカラー画像をモノクロ化してL画像に加算したり シルキーピクスのノイズ整列を多用したり レジスタックスのウエーブレットを使ったり ありとあらゆる『秘策』をフル動員したのですが 今回はシンプルに行きます。 ★大まかな処理フロー (1)MMとMCそれぞれについて撮影時と同等条件で撮像したダーク画像を 各200コマコンポジットしてダークファイル作成 (2)ダークファイルを減算処理 (3)ステライメージのホット除去フィルタを実行 (4)位置合わせ無しで200枚コンポジットしたものと、 さらにステライメージのクール除去フィルタを作用させたものとの 差を取って『クールファイル』作製 (5)(3)の画像それぞれに『クールファイル』を加算 (6)MM,MCそれぞれ200コマを「位置合わせあり」で加算コンポジット した後2×2ソフトウェアビニングを掛けてL画像とRGB画像にする (7)ステライメージでデジタル現像+周辺減光補正 (8)MMのL画像にNikCollectionのシルバーエフェクトをかけて調整 (9)L+RGB合成処理 + Lab色彩調整 (11)NikCollectionのノイズリダクションを軽めに実行 (12)シルキーピクスでテイスト調整 (13)その他微調整 以上、合計400コマの画像処理にかかった所要時間は約2時間ほどでした。 ステライメージ6.5のコンポジットは「爆速」なので、慣れれば全行程を1時間以内に納められそう。 ★今回の仕上がり写真 ![]() あまり時間を掛けなかった割には滑らかに仕上がりました。 ※ちょっとマゼンタに寄りすぎたなぁ・・・ ※ストラクチャに関してはもっとドキツイ処理でも良かったかも? ※フラット無しなので周辺部はトリミングしてカット ちなみに、少し荒れ気味になって良いなら、レジスタックスに少し掛けて・・・・ ![]() さて、あとはVMC260L用のフラット補正に着手しなきゃ。 ・・・・たぶん、まもなく5000円程度の『秘密兵器』が届く予定♪ ▲
by supernova1987a
| 2017-09-14 08:40
| 天体写真
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★ASI1600MMのクールピクセル回避法で・・・・
『クールファイル加算法』で『縮緬ノイズ』が回避されることが分かったので、 過去の撮像データの内クールピクセルの影響を受けていそうなものを再処理してみることに。 ★手始めに干潟星雲を・・・ 元々撮影したのは5月1日でして、VMC260L+ビームスプリッタで、MMとMCの同時露光したもの。 ただし、途中でモヤが掛かってしまって(若干の結露も?)ボケボケの像に(泣)。かといってシャープ処理やウェーブレットするとノイズバリバリだったのでお蔵入りに・・・・という困った素材です。 ちなみに元画像は、こんな感じです。 ![]() ASI1600MMーCOOL ゲイン400・30秒露光 K-ASTEC改造Newアトラクス+ミニBORG50+PHD2によるオートガイド VMC260Lのフラット撮影はまだ実施していないので、とりあえずダークファイルを引いて、例の『クールファイル処理』を実施したものを60枚コンポジット MCの方はあまりクールピクセルの影響を受けないので普通にホット・クール除去フィルタ処理を実施して60枚コンポジット MMの方にレジスタックスのウェーブレットとNikCollectionのHDRを軽く掛けてLRGB合成してみます。 ![]() 少し眠い画像ですが、なんとかウネウネがよく見える画像に生まれ変わりました。 残念ながら今年の夏はM8が撮れなかったので、また来年再チャレンジします。 ・・・それにしてもM8やM42のような明るい対象はお気軽に写せるので楽しいですね。 ▲
by supernova1987a
| 2017-09-12 23:44
| 天体写真
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★クールピクセルの軽減のために
「位置合わせ無しコンポジットした画像からクールピクセル情報を抽出して補正する」というアイディアがなかなか上手くいっています。 そこで、ツインBORG60EDで撮影したM31のデータをLRGB合成して再処理するために、今度はカラー冷却CMOSカメラASI1600MC-COOLのクールピクセルについて処理してみました。 ★カラーカメラのクールピクセルはどんな様子? ASI1600MM-COOLの時と同じ手法で、ASI1600MC-COOLのクールピクセルを抽出してみます。 ![]() 右:その画像から抽出したクールピクセル(の反転画像) カラーカメラはそのベイヤー構造のために、ぱっと見クールピクセルが目立ちませんが、抽出処理をしてみると「ウジャウジャ」出てきました。 ただしカラーカメラの場合、実際の画像処理ではクールピクセルが目に付くことは希ですし、一般的にクールピクセルの軽減処理は不可欠では無いとされています。 では、なぜ目立ちにくいのかを確かめるために、上で抽出したクールファイルをさらに反転して、デモザイク(ディベイヤー)処理に掛けてみます。 ![]() 左:ダーク・フラット補正したMCのRAW画像を位置合わせ無しで60枚コンポジットしたものをデモザイク 右:クールファイルを反転しデモザイク どうやらカラーカメラの場合はそのベイヤー構造によって、クールピクセルが「輝度の欠損」ではなく主に「色の欠損」として処理されるわけですね。 そのため、クールピクセルを放置していても「黒い筋」にならず、むしろ「色むら」として認識されやすいと推測されます。 ちなみに、ホットピクセルは輝度が過剰になっているため加色混合法にしたがい「赤か緑か青か」で現れますが、クールピクセルの場合は一種の減色を行うことになるため、補色である「イエローかシアンかマゼンタか」で現れるようです。(上の右図参照) ★ASI1600MC-COOLで『クールファイル』補正処理 では早速、ASI1600MC-COOL用に作製した『クールファイル』について、補正の有無を比較してみましょう。 ![]() 左:クールファイル補正なしで加算平均コンポジット(位置合わせあり) 右:クールファイル補正を加えて加算平均コンポジット(位置合わせあり) 左の画像に見られる「マゼンタやシアンで横に伸びた様な不愉快なノイズ」が右の画像ではキレイに除去されていること分かります。 モノクロカメラほどではありませんが、カラーカメラにもこの手法は効果があるようですね。 ★では、全データを使って再処理してみます。 ツインBORG60EDにASI1600MC-COOLとMM-COOLを用いて撮影したM31の画像(MCとMM、それぞれゲイン300・30秒露光×120コマ)を再処理してみました。 ![]() 前回LRGB合成したときは、NikCollectionのノイズ処理やシルキーピクスのノイズ整列などを多用する必要(要するにノイズをぼかして誤魔化す必要)がありましたが、今回はほとんどノイズ処理の必要がありませんでした。いい加減なフラットファイル(PCモニタ+ディッシュ)を使ったので色むらは残っていますが、M31本体とその周辺の『縮緬ノイズ』や『色むら』は激減しました。 えらく苦戦しましたが、少し前進したような気がします♪ ★さて、次は・・・・ 久しぶりに「主砲」VMC260L+ビームスプリッタ装置を用いて、星雲などをドカーンとクローズアップしたいですねぇ。 ![]() どうです? スゴイでしょこれ。 もうメーカーさんのカタログや説明書に使えそうなクオリティで、ビックリ! ▲
by supernova1987a
| 2017-09-11 19:29
| 天体写真
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★先日来のエントリーで・・・・
ASI1600MM-COOL(他のモノクロカメラも?)で多発する『縮緬ノイズ』について ①主要因はホットピクセルではなくクールピクセル ②クールピクセルはダーク減算では消えない(当たり前) ③クールピクセルはフラット除算でも消えない(ビックリ!) ④短時間露光の場合、クール除去フィルタでも消えない 『ようだ』ということが分かりました。 また、クールピクセルとその周辺のピクセルの輝度データを解析した結果 ①クールピクセルと正常ピクセルの輝度差は一定では無い ※撮影対象の明るさによって非線形変化する →減算処理できない理由 ②クールピクセルの正常ピクセルに対する比感度(輝度比)は一定では無い ※撮影対象の明るさによって非線形変化する →除算処理できない理由 『らしい』ことが分かりました。 最後の頼みはステライメージなどの「クールピクセル除去」系のフィルタなのですが、プログラムが『コイツがクールピクセルだ』と認識するためにはある程度の露光量が必要なようです。したがって、あぷらなーとが得意とする「短時間露光+多数枚コンポ」では、周辺ピクセルのショットノイズに埋もれてしまいクールピクセルが正常ピクセルから弁別できていないように見えます。 ・・・では、どうする?? ★ふと閃きました♪ ちなみに対処法のアイディアは、下記のジレンマから生まれました。 多数枚コンポジット+ノータッチガイドの場合 ①元画像にクール除去フィルタを掛けてもあまり効かない ②位置合わせありコンポジット後だと全くフィルタが効かない ③位置合わせ無しコンポジットだとフィルタが効く(でも、これだと被写体が流れまくり・・・) というわけで堂々巡りになるのですが、ふと閃きました。 「位置合わせ無しコンポジット」したデータからクールピクセル情報を抜き取り 『クールファイル』を作製すれば良いのでは?! ★早速やってみます 元データにダークファイルとフラットファイルの補正を加えた後、下記の行程を実行してみます。 <行程①> 位置合わせ無しコンポジットした画像を複製して2枚にします。 その一方にステライメージのクールピクセル除去フィルタを掛けます(閾値はゼロ) ![]() 右:さらにクール除去フィルタ適用(しきい値ゼロ) <行程②> クール除去フィルタを掛けた画像から、フィルタを掛ける前の画像を減算処理します。 ![]() 右:クール除去フィルタ適用画像から左の画像を減算したもの この行程で、クールピクセルの位置と『加算すべき輝度』情報が入ったファイルが出来上がりました。これを『クールファイル』と呼ぶことにします。 ここで重要なのは、フラットファイルやダークファイルと異なり、実際の撮影データから『クールファイル』が抽出されたことです。そのため前回のエントリーで困窮した比感度の非線形変化の影響を避けられます。 別な表現をすると、1枚画像では効かないクール除去フィルタ機能に『クールピクセルの場所を教える』ファイルとも解釈できます。 また、「位置合わせ無しコンポジット画像」に適用したクール除去フィルタの効果を元画像に分散させるファイルとも言えますね。 <行程③> 作製した『クールファイル』を元画像(1コマデータ各々)に単純加算処理します。 (加算平均ではなく、加算です) ![]() 右:左画像に『クールファイル』を加算コンポジットしたもの 一見なにも変わってないように見えますが、それだけショットノイズが激しいと言うことです。気にせず先に進めます。 (これまでやっていた「元画像にクール除去フィルタ」を掛けても効かない理由は、上記の画像を見れば想像が付きます。こんなザラザラの中からクールピクセルを見分けろと言われても無理ですよねぇ。たぶん、余計なものが消えちゃってたんだと思います。よく考えれば短時間露光で生じるザラザラは空間ノイズではなく時間ノイズなので、真っ黒に見えても貴重なデータがほとんどで、これを消しちゃうと解像度が大幅にダウンしちゃうハズです。) <行程④> 『クールファイル』を加算した元画像を加算平均コンポジット(位置合わせ有り)していきます。 ![]() 右:60コマ加算平均コンポジットしたもの おしまい♪ ★効果のほどをチェックしてみましょう さて、実際に効果があったのか(クールピクセルの除去に成功して『縮緬ノイズが消えたのか』)をチェックしてみましょう。 行きますよ・・・・・・ 左が「ダークフラット補正のみ」右が「『クールファイル』加算処理後」です。 ・・・ででん! ![]() 左の画像(ダーク・フラット補正のみ)ではウジャウジャと存在する『縮緬ノイズ』が右の画像では、(ほぼ)完璧に消失しました!! めでたい♪ ★なぜ『縮緬ノイズ』が消えたのか? 今回の手法が有効に効いたかどうかは、コンポジット時にあえて「位置合わせをせず」に比較すると分かりやすくなります。 ![]() 中:それにくわえてクール除去フィルタ処理した画像を60コマコンポジット 右:今回の新手法で処理した画像を60コマコンポジット 上の画像を比較すると明らかなように、やはりコンポジット前の画像にクール除去フィルタは効きにくいようです。しきい値ゼロでもクールピクセルは部分的にしか軽減されていません。それに対して今回の手法では、ほぼ完璧にクールピクセルが消えた上に、変なニジミも生じていないことが分かります。 では、位置合わせ有りのコンポジット画像で比較してみます。 ![]() 左:ダークフラット補正のみの画像を60コマコンポジット 中:それに加えてクール除去フィルタ処理した画像を60コマコンポジット 右:今回の新手法で処理した画像を60コマコンポジット 位置合わせ無しの時ほどは差が分かりにくいですが、『縮緬ノイズ』が効果的に消えた上に、画像の鮮明度が失われていないことが分かると思います。 ★★★ご注意★★★ ①今回の結果は、下記のようなごく限られた条件の下でのみ有用だと思います。 ※短時間露光の多数枚コンポジットをする ※オートガイドはしない ※ある程度正確に極軸が合ってる ②そもそもノータッチガイドなどしなければ、クール除去フィルタで一発解消かも ③きちんとディザリングすれば(クールピクセルの位置が重複しなければ)シグマクリップで一発解消かも ④輝星の周囲のうちガイドズレ方向にはクールピクセルが残る可能性があります ※サチってしまうとクールピクセルの情報が抜き取れませんので ⑤『クールファイル』という用語があるわけではなく、単にあぷらなーとの造語です。 ▲
by supernova1987a
| 2017-09-10 20:01
| 天体写真
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★前回のエントリーで・・・
モノクロ冷却CMOSカメラASI1600MM-COOLで発生する『縮緬ノイズ』について ①主要因はクールピクセル『らしい』 ②クールピクセルは「ダーク減算」で消せない『らしい』 ③クールピクセルは「フラット補正」でも消せない『らしい』 ということに気づいたのですが 少しだけ、クールピクセルの挙動について『検証ごっこ』してみました。 ★『検証ごっこ』の試行 そのうちDelphiかVBあたりで解析用のコードを書いて調べてみようとは思いますが、とりあえず「調べる価値があるか」(面白そうか)を「手動で」チェック♪ ステライメージで複数の(コンポジット済みの)画像を読み取り、同じ座標のクールピクセルとその周辺(5×5)の輝度にどのような相関があるのかを調べてみました。 ![]() 今回の調査は、ステライメージを使って、ピクセル情報を読み取る方法で行きます。 比較対象は ①フラットフレーム120枚コンポ ②M31付近A60枚コンポ ③M31付近B60枚コンポ ④アイリス星雲付近60枚コンポ の4枚です。それぞれ加算平均したもので、ダークやフラットの補正は無しです。 すると・・・ ![]() こんな感じになりました。 クール輝度はクールピクセルそのものの値 平均輝度はクールピクセルを含む5×5ピクセルの領域の内、クールピクセルを除いた24ピクセルの輝度平均値 差分は平均輝度からクール輝度を引いた差 比感度はクール輝度を平均輝度で割ったもの です。 ★ダーク減算で補正できない理由(らしきもの) まあ、ダーク画像にはクールピクセルは写りにくいので、そもそもダメですが 少なくとも、「減算処理」で消せない理由は分かりました。 ![]() (このグラフが真っ直ぐにならないと原理的に減算では消せません) とにかく、減算処理では無理っぽいですね。 ★フラット除算で補正できない理由(らしきもの) フラット補正は、画面全体の輝度が1になるようにノーマライズ(規格化)して、その値でライトフレームを除算するロジックだと思われますが、この場合、撮影画像に対するクールピクセルの比感度が一定で無いと補正できません。 ![]() ところが、上のグラフのように、比感度も周辺輝度値に対して非線形変化しちゃってるのですねぇ。 (このグラフが水平にならないと原理的に除算では消せません) これでは、除算処理でも補正は無理っぽそうですね(泣)。 とりあえず、ダークやフラット補正をしてもクールピクセルが残ってしまう『からくり』は分かってきました。 ・・・・いよいよ、夢の中で閃いた『妙案』をさらに発展させた『秘策』の出番ですかねぇ! これが失敗したら、短時間露光+多数枚コンポジットは封印しなきゃ(と言いつつ失敗したりして・・・) ▲
by supernova1987a
| 2017-09-09 01:41
| 天体写真
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★★★ご注意★★★ 今回は、自分への覚え書きの意味合いが強いエントリーなので、「ヘビのように長い」です。 お恥ずかしながら、ウン十年も天文やっているくせに、一度も「フラット撮影」なるものに手を出していなかったという『汚点』を解消すべく、フラット撮影に初挑戦してみました。 といっても「フラット初心者」ですから高尚なことには手を出さず、(これじゃダメ『らしい』ことは承知の上で)PCのモニターに白色を表示させたものをティッシュペーパー付きのBORG60EDで撮影するという「いい加減な」ヤツです。 ・・・でも、その前に、気になっていることが・・・・ ★モノクロ冷却CMOSカメラで気になること これまでデジカメやASI1600MC-COOLで撮影していたときにはあまり気にならなかったのに、MMを使うようになってやたらと目立ってきた現象に『縮緬ノイズ』があります。 『縮緬ノイズ』とは、例えばこんなヤツですね。 ![]() この正体を明らかにするために、ダークやフラットを補正する前の素のデータを「位置合わせ無し」で加算平均コンポジットしてみます。 ![]() 元画像は同じものですが、左は「位置合わせ無し」で右が「位置合わせ有り」です。 左右の画像を見比べると分かるように、いわゆる「ホットピクセル」があると白い筋に、いわゆる「クールピクセル」があると黒い筋になるようです。 そしてシマシマの方向は、ガイドエラーの方向に一致します。要するに『対象』(天体)を追いかけた結果『背景』(ノイズ)が流れて写ったのが『縮緬ノイズ』の正体というわけです。 ★ちなみにカラーCMOSの場合は この「ノイズ」のうち、現在頭を抱えているのが『黒い方』です。 ちなみに、ASI1600MC-COOLなどカラーカメラの場合はそれほど致命的ではありません。 ![]() どちらも マイナス10度・ゲイン300・30秒露光×60コマコンポジット 上の画像のとおり、カラーカメラの場合、クールピクセルよりも目立つのはホットピクセルです。この要因を推測してみると ①たまたま私のASI1600MMが『外れ個体』で欠陥ピクセルまみれ ②カラーフィルター有無により生じるベイヤー素子と非ベイヤー素子の差 ③画像生成ロジックの違い(デモザイクの有無)による差 といったところでしょうか。 このうち、①は『考えたくない』ので除外して(笑)、今のところ②と③の効果が大きいのではないかと解釈しています。 たとえば、モノクロ素子の場合、1ピクセルが無信号だった場合、明らかな「黒点」として認識されますが、ベイヤー素子の場合は、GRBGのうちたまたま1色が欠けただけに過ぎません。また、各ピクセルの輝度がそのまま現像されるのではなく、近隣素子との補完処理で明るさが決まりますので、輝度の差というようりはむしろ色の差として現れやすいのではないかという仮説です。(そのうち、シミュレーション計算してみますが・・・) ★白い筋を軽減するには 輝点ノイズ(ホットピクセル)は、主にダークノイズと考えられますので、ダークを撮って後から補正すれば軽減できます。 先ほどの例なら、ダークを引くことによって、下記のように改善します。 ○ダークの有無を比較(位置合わせ無し) ![]() ○ダークの有無を比較(位置合わせあり) ![]() ※左:ダーク減算なし 右:ダーク減算有り このように、真面目にダークファイルを引けば、白いノイズは軽減します。 ただし 当然ながら、これでは『縮緬ノイズ』は解消しません! 黒い筋が残るからです。 それどころか、「ダークの過剰補正」による黒筋が増加するケース(上画像の画面下部)すら見られます。 ★フラット画像を観察してみる 「クールピクセル」(黒点)が常に出ているのかどうかをチェックするために、初挑戦した簡易フラット画像(PCモニタ+ティッシュ)を超拡大して調べてみます。 ![]() それぞれ画面中心の座標を慎重に読み取りながら、1200%で切り出していますので、撮像素子の同じエリアを観察していることになります。これを見れば明らかなように「クールピクセルは恒常的に存在している」ことが分かりました。しかも、ものスゴイ数が・・・・です。 ★・・・ということは!? 本来、周辺減光やゴミの影などを補正するのがフラット補正の主目的でしょうが、せっかくクールピクセルがフラット画像中に正確に再現できているのですから、これがフラット補正を行うことによって、どう寄与するか試してみました。 ○フラットの有無を比較(位置合わせ無し) ![]() ○フラットの有無を比較(位置合わせ無し) ![]() ※左:フラット補正なし 右:フラット補正あり 残念! 今回のケースでは、フラット補正は黒点の解消には無力なようです。 恐らくは(勘違いかも知れませんが)「引き算と割り算の違い」が原因と思われます。 ダーク引きの場合は「信号の上に乗ったノイズを引く」ために減算しているのに対して、フラット補正の場合は「減光などによる信号の出力低下を補う」ために除算(各ピクセルごとの露出倍数を掛けているイメージ)しているからと思われます。 したがって、黒い点の部分が「本来の明るさの何%に低下しているのか」が正確に分からないと除算しても無駄な訳で、もしもフラット補正によって黒点が消えるのだとしたら、フラットフレームの輝度レベルとライトフレームの輝度レベルが完全に一致した時だけでしょうね。(これ、解釈としてあってるのかなぁ??) 今後、撮影時に同じ条件でフラットを撮影できたら、『検証ごっこ』してみます。いや、それ以前にステライメージの「フラット補正」のロジック(ソース)が分からないと、堂々巡りになる気がしますが・・・。 ★ステライメージのクール除去 まあ、以前から使ってはいたものの、ここでステライメージのクールピクセル除去機能を使ってみることにします。 一般的なデジカメやカラー冷却CMOSの場合は、このクールピクセル除去機能はあまり必要性が無いとされていますが、黒点が盛大に発生するモノクロCMOSカメラの場合は重宝しますね。・・・あと、ダーク引きのしすぎで生じた黒点の除去にも使えます。 ○オリジナル VS ダーク・フラット・クール除去 の比較(位置合わせ無し) ![]() ○オリジナル VS ダーク・フラット・クール除去 の比較(位置合わせあり) ![]() 位置合わせ無しの画像を比較すると分かりますが、ステライメージのクール除去を閾値0で適用しても、黒点は完全には消せませんね。 恐らくその要因は、(ガイドズレを含む多数枚画像はコンポジットする前にクール除去を実施する必要がありますが)元の1枚画像データにはクールピクセルの周辺にショットノイズに伴う輝度のバラツキが存在するため、ソフトがクールピクセルの位置を特定できない(黒点だと認識できない)ことにあると推測します。 それでも、位置合わせ有りの画像を比較すると分かるように、相当に『縮緬ノイズ』が軽減されていることは分かります。 ★短時間露光+多数枚コンポの唯一の弱点?? ・サチる心配が無い ・シーイングの影響を受けない ・オートガイドの必要が無い ・階調が豊富になる などなどのメリットと「不精者に最適」という理由でこれまでこだわってきた「短時間露光+多数枚コンポジット」ですが、こと、クールピクセル除去に関しては、致命的に弱い可能性が浮上してきました。 「天体画像はあとからコンポジットすることによりシグナルを強めらる」のですが「クールピクセルは短時間露光によるショットノイズに埋もれる」のでソフトが位置を認識できずに放置されてしまうからです。(これはある程度ホットピクセルにも通じる弱点です。) これが、長時間露光の場合だとクール除去処理一発で消せそうに思えます。 降参! ★・・・・ともあれ せっかく初挑戦したフラット画像は、本来の目的である「周辺減光の軽減」や「ゴミの影の除去」に対して、一定の成果を得ましたので、M31アンドロメダ銀河の画像をフラット補正ありで再処理してみました。 BORG60EDツインにASI1600MM-COOL+ASI1600MC-COOLで30秒のLRGB同時露光した画像の合計240コマコンポジットです。 フラットで消しきれない減光があったので、少しだけトリミングしてます。 ![]() うむ。 なかなか良い感じです。 ★★★今後の抱負★★★ ①さらに良質なフラット画像を撮る方法を考えたい ②クールピクセルの位置を特定してピクセルマッピングしたい(コード書いちゃう?) ③ある程度の長時間露光も視野に入れなきゃ ④そろそろオートガイドも再開しよう ⑤鏡筒のタワミをなんとかしなきゃ ⑥放置したままのAPT・・・・ ⑦死蔵しているオフアキ・・・ ⑧一度も登場させてないナローバンドフィルタ・・・ ⑨夢想中の「光害チョッパー装置」実現するのか?? ・・・・それにしても、曇ったからといって、PCの前にへばりついて30時間以上画像処理してたら疲れちゃった・・・・ふう。 ★★★追記★★★ 寝ている間に夢の中で妙案(?)を思いつきました。 フラット画像をA フラット画像にクール除去フィルタ処理したものをB B-Aの減算処理したものをC とすると、Cがクールピクセルのみを反転した画像になるので ライトフレームにCを加算すれば・・・・・・。 あとで試してみます。
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by supernova1987a
| 2017-09-05 05:05
| 天体写真
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★ビームスプリッタは大口径機用で・・・
ASI1600MM-COOLとMC-COOLを同時露光する「ビームスプリット装置」は、あくまで大口径機種用の便法として『開発ごっこ』したものです。 しかし、小口径の望遠鏡を使うのなら、なにもそんな『ややこしい装置』を持ち出さなくても、望遠鏡を2本用意してL画像とRGB画像を同時露光すれば良いわけです。光量も減りませんので露出時間も(ビームスプリッタの)半分で済むはずです。 一応、BORG60ED(絶版モデルですが、個人的に大好きな望遠鏡です)を2本揃えていたので、いつか「ツインBORG」としてLRGB同時露光を決行しようと画策しつつ、お仕事が忙しかったり天気が悪かったり「VML260L+ビームスプリッタ」の誘惑に負けたり(笑)して、ファーストライトが伸ばし伸ばしになってしまいました。 ★GPVは『ダメダメ』表示だったけれど 8/27の夜は、GPV予報がずっと白~灰色でして「常に雲が流れている」残念な天気と思われましたが、いざ夜になってみると意外に雲が『薄く』て2~3等星くらいなら目視できるじゃないですか。 ・・・こら、ニワトリに出撃せんとあかんでしょー! 所詮「テスト撮影」なので、少々の雲やモヤは気にしない気にしない♪ ★今回のお題は・・・ 「比較的高価な機材(BORG89ED+D810A)に、より小さな機材(BORG60ED+冷却CMOSカメラ)が肉薄できるかどうか」 です。 うーむ。これは面白そう♪ ・・・というわけで、この日のために構想を温めてきたスペシャル装備でニワトリ出撃です。 ![]() BORG89ED×1本 + BORG60ED×2本を搭載します。 ![]() D810AはISO3200のRAWで30秒露光、ASI1600はゲイン300のRAWで30秒露光を繰り返す作戦です。 空の条件はよろしくないので、オートガイドは無し。ノータッチガイドでお気軽撮影です。 ★モヤが光害で光ってる中、M31は写るのか? BORG89ED+笠井フラットナー+D810Aの30秒露光×140枚コンポジットだと、こんな感じになりました。 ![]() しかも背景の色が左右で異なるという悲惨な写真。(右の方が光害が強いのでしょうかね?) ![]() ★BORG60ED+MCの一発撮りでは BORG60ED+純正レデューサ+LPS-P2+ASI1600MC-COOLの組み合わせで、ゲイン300の30秒露光をするとこんな感じ。 ![]() トーンをいじってみると・・・・ ![]() 今回の『対決』のキモは、「焦点距離600mmのBORG89ED+フルサイズ一眼」に対して「焦点距離約300mmのBORG60ED+フォーサーズCMOS」を戦わせる所でして、ご覧の通り、ほぼ同じ画角になるのですね。当たり前ですが(笑)。 ★MCの画像を120枚コンポジットしてみる ASI1600MC-COOLのゲイン300+30秒の画像を120枚コンポジットして、トリミングしてみると・・・・。 ![]() このコンディションで、これだけ写れば十分満足なのですが・・・・・・ ★MMのL画像は強めに画像処理に耐えられそうだったので ASI1600MM-COOLのゲイン300+30秒の画像を120枚コンポジットして、NikCollectionのHDRやらシルキーピクスのノイズ整列やらを施してみます。 すると・・・・ ![]() これ、なかなか良いんじゃないですか?! では、いよいよ・・・・ ★MM+MCでLRGB合成してみる 実はダークは先日撮影したときの使い回しですし、フラット補正も無し。追尾もノータッチガイド。 いい加減な撮影ですが、雲が薄くなるタイミングのみを狙うので、仕方ありません。 ともかく、MMの120枚コンポジットした画像をLに、MCの120枚コンポジットした画像をRGBにして、LRGB合成してみます。 ついでに、若干のマスク処理とルーシーリチャードソン画像復元と軽くHDRを加えて、シルキーピクスでテイストを調整します。 すると・・・ ででん! ![]() おお、とても良い感じです♪ えーと、たしか前回M31を撮影したのは・・・・・そうだ! 2009年のお盆に、R200SS+コマコレ+ニコンD700(無改造)で2分露光6枚コンポジットしたきり、8年間もご無沙汰!! ちなみに2009年のM31がコチラ(満濃池に遠征して撮影) ![]() そもそも露光量が異なりますし、画像処理の手法が全く違うので比較はできませんが、当時、20cm反射で(空の暗いところまで)遠征してようやく写せたアンドロメダが、薄曇りの自宅でしかもたった6cmの屈折で写せるようになった、ということですねぇ。 ・・・これ、ちょっと真面目に撮影行きたくなってきました。 ▲
by supernova1987a
| 2017-08-28 10:55
| 天体写真
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★お仕事から帰ると快晴じゃないか!
前回星雲星団を撮影したのは5月のこと。 いつの間にか数ヶ月のブランクが空いちゃいました。 このままブランクが長くなるかと思いきや、帰宅すると晴れてるじゃないですか。 しかも、透明度は良くないものの天頂付近のシーイングが良さそう♪ ここは、頑張って『ニワトリ』せなあかんでしょー! ・・・と言うわけで ★(本当に)久しぶりのVMC260L出撃!! しばらく電源を入れてなかったので動くかどうか不安ですが、 K-ASTEC改造アトラクス + VMC260L + ビームスプリッタ装置 + ASI1600MM-COOL + ASI1600MC-COOL + 自作レデューサ + LPS-D1フィルタという装備で、天頂付近のM33銀河を狙ってみることに。 ただし、思い立ったのが午前2時頃で、薄明まであんまり時間が無いので、 ・極軸は極望目視のみ ・追尾はノータッチガイドガイド ・ビームスプリッタでMCとMMを同時露光 ・ゲイン300+20秒露光の多数枚コンポジット という手抜き撮影(・・・ていうか、最近いつも手抜きになってるけど)で、「細かいことは後からなんとかする」方針で行きます。 ★やっぱビームスプリッタはVMC260Lに似合うなぁ ![]() モノクロCMOSカメラとカラーCMOSカメラを同時露光するために自作した「ビームスプリッタ装置」ですが、カメラを2台載っけると結構な重量で、天頂付近を撮影するなら、シュミカセやVMC260Lのような主鏡移動式の接眼部が(ずり下がらないので)安心ですね。 ![]() ようやくスタンバイできたのは、午前3時! きゃー! あと1時間で薄明~! 慌てて撮影開始します。 ★とりあえず、素材は揃いました なにしろ、ただでさえ約F8の暗い望遠鏡の上に、スプリッタで光量が半分になってて、しかもたったの20秒露光ですからねぇ。 撮って出しだと、こんな感じです。 ASI1600MC-COOLの撮って出し画像 ![]() ASI1600MM-COOLの撮って出し画像 ![]() ははは。心眼で見ないと一体何が写ってるのかすら分かりませんね(笑) ★MCとMMそれぞれ180コマをコンポジット ダークを引いた画像180コマをそれぞれコンポジットしてからレベルを調整してみます。 MCの画像180コマのコンポジット ![]() MMの画像180コマのコンポジット ![]() おお!ちゃんとM33の全貌が見えてきましたよ♪ 光害カットフィルタを使った市街地の撮影ですが、赤い星雲が点在するのも分かりますね。 周辺減光が醜いですが・・・まあ、フラット撮影してませんし、見なかったことにします。 どうせ最後にトリミングするしねぇ・・・(笑)。 MCとMMの画像比較 ![]() 正確には、機材に起因するノイズではなくて、天体から到来するフォトンの粒のバラツキを捉えた『ショットノイズ』だと思うのですが、MCの方はショットノイズがベイヤー処理されることにより肥大化したとも解釈できますね。 ※ショットノイズとベイヤー処理に関する『考察ごっこ』はこちら↓をご参照ください♪ ★いよいよLRGB合成してみる MMで撮ったL画像とMCで撮ったRGB画像をLRGB合成してみます。 ![]() うむ。なかなか良い感じ♪ ★あとは『秘術』の限りを尽くして ・・・というほどのものでは無いですが、今回は露光量が少なかったので(ホントは3時間の総露光したかった・・・)、『得意の』最大エントロピーやウェーブレット処理はパスしまして、もっぱら、ステライメージのLab色彩調整+シルキーピクスのテイスト調整+NikCollectionで仕上げていきます。 ・・・すると・・・ ででん!! ![]() 一応、『自己ベスト』のM33銀河が撮れましたよ~♪ めでたい ▲
by supernova1987a
| 2017-08-20 14:05
| 天体写真
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★前回の『考察ごっこ』をしていたら・・・
あいにくの曇天続きのため天体写真が撮れず、ふてくされてビームスプリッタのケラレの考察ごっこをしていたら、なんだか窓の外から月の光が差してる!? ああっ! こんな時に限って晴れちゃったのか? 慌てて外に出てみると ・・・あれれ? こんな天候 ![]() 確かに月光は指しているけど、薄曇り。お月様が見事にカサをかぶってます。 しかし、ここ3ヶ月ほど全く天体写真が撮れていないことだし、雲の切れ間を狙ってなんとか月面を撮影できないかと・・・・・。 ★こんな時こそ、ビームスプリッタ♪ 恐らく、「チャンスは一瞬」と思われるので、速写性を重視したシステムで行ってみます。 むろん、いつものアトラクス+VMC260Lなんて出してるヒマはありません(セットしている内に薄明) ・・・と言うわけで、 本当に久しぶりのGPD赤道儀を引っ張り出して、BORG89EDを載せます。 さらに、L画像とRGB画像を同時に撮影するために、『例の』ビームスプリッタを装着してASI1600MM-COOLとASI1600MC-COOLの同時挿し ![]() 月を撮ろうと思い立ってから撮影開始まで、わずか15分!! GPD赤道儀なんて、組み立てたまま物置からヒョイと出すだけだし。 ニワトリでの自己最短スタンバイ記録更新です♪ ![]() ちなみに、時間が無いので 極軸セットは、極軸望遠鏡の中心に北極星を入れるだけ。 モーターは通常のステッピングモーターなのでアライメントも無し。 ノートPCもDELLのcore-i5機1台だけ。 ファインダーはドットサイトのみで目視導入。 冷却CMOSカメラ(ASI1600のMM&MC)も冷却無し。 それぞれをROIでクロップして30コマ/秒で16bitRAW動画撮影。 ・・・どうだ。 これなら、雲の切れ間がたったの10秒もあれば、L画像300コマ+RGB画像300コマが撮影できるぜ♪ ★ASI1600MC-COOL&MM-COOLの「撮って出し」 MCとMMで撮影したSERファイルから1コマを切り出した「撮って出し」画像はこんな感じです。 ![]() シーイングはあまり良くありませんが、600mmの直焦点ですから、それほど神経質になる必要もないみたい。 ★MCとMMをスタッキングすると MCとMMの画像それぞれをAutoStackert!2で300コマスタッキングして、良像25%に切り詰めるとこんな感じ。 ![]() 上の画像からはよく分かりませんが、滑らかさは向上しています。 ★レジスタックスにかけてウェーブレットすると AutoStackert!2でスタッキングした画像をレジスタックスでウェーブレット処理してみます。 ![]() おお! さすがレジスタックス。一気に解像感が上がりますねえ♪ 愉快、愉快。 ★ステライメージでLRGB合成すると 出来上がったL画像とRGB画像をステライメージでLRGB合成してみます。 さらに、シルキーピクスで色調やトーンなどを整えると・・・・・ ででん!! ![]() おお~。なかなか良い感じです♪ ・・・て言うか、あの・・・冷静に思い起こしてみると、月の「全体像」を直焦点で撮影したのって、かれこれ20数年ぶりでは?! 前回は確か、ミザールのアルテア15+ニコンFG20+コダックT-MaX400ネガで撮影したのを暗室で覆い焼きして仕上げたんだっけなぁ。 シーイングは良くないのに、あの頃とは雲泥の差のシャープさ。しかも、テレコン無しの「素の600mm直焦」でこんなに写るとは・・・・・。 ★最大エントロピー法でも試してみる ウェーブレット処理した画像は若干の違和感(やり過ぎ感)があったので、ステライメージの最大エントロピー法による画像復元も試してみた。 L画像はスタック後に画像復元処理、RGB画像はスタックのみでLRGB合成してみます。 ![]() なるほど、こっちの方が自然で良いかもしれませんね。まさに「条件が良い夜に望遠鏡で覗いた」時の感じ。 うーむ。 月面のお気軽直焦点撮影ってのも、結構面白いもんだなぁ。 P.S. デジタル時代の月面撮影は、スタッキングやウェーブレットなどの画像処理技術の進歩はもちろんですが、クイックリターンミラーもフォーカルプレーンシャッターも無いCMOSカメラの場合は原理上ブレが無いことが相当に効いているんでは? などと今更ながらに気づきました。たぶん、フィルム+一眼レフの時代は「ブレまみれ」だったんだろうなぁ。 ▲
by supernova1987a
| 2017-08-15 00:12
| 天体写真
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★久々に晴れたので・・・
お仕事が立て込んでいた日曜日だったのですが、良い天気だったので帰宅後すぐにニワトリ開始することに。 空はどんよりしていて北極星が目視できない状態でしたが、なんとなくシーイングが良さそう♪ 早速、VMC260Lにビームスプリット装置を装着して、ASI1600MC-COOLとMM-COOLの同時露光で木星を狙うことにしました。 今回は、ビームスプリッターにADC(大気差補正装置)とIR/UVカットフィルタとショートエクステンダーメタルを加えて撮影してみます。 ★SERファイルの1コマキャプチャ ![]() (MCはビームスプリッタの影響で鏡像になっています。) 最近ご無沙汰していた大赤班がちょうど良いところにありました。 しかも、画像処理前の動画を再生しただけでも、いつもよりもシーイングが良いことがうかがえます。 さっそくAutoStackert!2で1000コマスタックしてみます。 ★MCとMMで同時露光した各1000コマのスタック ![]() ※左:MCの1000コマスタック 右:MMの1000コマスタック (MCは左右反転処理しました。) ぐっと滑らかになり色んな模様が見えてきました♪ では、レジスタックスに回してウェーブレット処理してみましょう。 これは期待できそうで、ワクワクします。 ★MCとMMのウェーブレット処理画像 ![]() ※左:MC 右:MM おお。細かい模様がウジャウジャ現れてきましたよ。 良い感じです♪ 若干ですがMMの方がシャープに見えますが、それほど差はありません。 いつもよりはシーイングが良いとはいえ、木星像はユラユラしていましたのでベイヤー処理の弊害が見えにくいのでしょうね。 ★LRGB合成して仕上げます ![]() 大きな差では無いですが、明らかにLRGB合成した画像の方が解像感が高いですね♪ ★シルキーピクスで微調整して完成 ![]() 一応自己ベストの木星像ですなぁ。 ベテランの方の解像度には及びませんが、ここまでくると、あとはシーイングの問題ですね。 ★気にすべきかどうか微妙ですが そういえば、素のVMCもビームスプリット装置込のVMCも、一体どれくらいシャープなのかは検証したことがありませんでした。 機会があれば『検証ごっこ』してみたいのですが、あいにくフーコーテスターもロンキーテスターも持ってないので、もしやるとすればハルトマンテストか焦点内外像テストくらいしか思いつきません。 というわけで、撤収前に焦点内外像を(テキトーに)撮影してみました。 ![]() ちなみに、この像はADCやらビームスプリッタやらエクステンダーやらが途中に入ってきている状態(要するに、上記の木星を撮影した条件)で撮影したので、複合的に収差が出ているんだと思いますが、はあー。『ダメな望遠鏡の見本』にような非対称性ですねぇ。 さらに奇妙なことには、たいていの『ダメ望遠鏡』は、回折リングの間隔が「徐々に」広がっていくか「徐々に」狭まっていくかのどちらかだと思っていたのですが、なんかある一定の輪体に達すると急激に悪くなっているような感じで「気色悪い」。 でも、ある程度のレベルまでは惑星も写せるし、望遠鏡の収差よりも小さなシーイングには出会ったことが無いことだし、ま、いっかー。 あ、そうだ! 「内外像ともに「同心円」にはなってるので、光軸がバッチリ合っていることが確かめらた」 ということにしておこう(笑)。 (『超絶良シーイング』に遭遇したときに「泣きを見そう」な気がしないでもないけれど・・・・・。) あの・・・み、皆さんの望遠鏡って、焦点内外像がちゃんと「対称」になってます??? <補足> カメラのレンズなら、上記の写真のうち左の状態が「二線ボケ」で右の状態が「芯のある柔らかなボケ」ということになって、前ボケか後ボケのどちらが良好という点で『個性(味)』として評価されますが、望遠鏡の場合は「ボケ味」は評価対象外なので内外像が完全に一致するのが理想(球面収差が無い)ですよねぇ・・・。 <参考> ニコンの60mmマクロはボケ傾向が真逆となる2機種↓が併売されていて「好みで選べたり」しますが、ねぇ・・・・ ▲
by supernova1987a
| 2017-05-22 09:53
| 天体写真
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