あぷらなーと


あぷらなーとの写真ブログ
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あぷらなーと
文系寄りの元理系(?)
「天体」「マクロ」「実験ごっこ」その他諸々の科学写真が大好きな HN:あぷらなーと が いろんな写真ネタをのんびり語ります。あまり気合い入れすぎると続かないので、「ぼちぼち」いきます。
※コメント大歓迎です♪

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カテゴリ:天体望遠鏡( 31 )

『激安望遠鏡』に手を出してみる

★ずっと気になっていた望遠鏡
口径90mmクラスの天体望遠鏡として2本揃えちゃったBORG89EDですが、これ、結構良いお値段がします。ですから、2本ともバーゲンセールの時に買ったわけです。

ま、EDやフローライトを用いた屈折望遠鏡は昔からお高いものですが、だからといってお手軽なアクロマートは国内メーカーさんのラインナップから消える一方です。
高倍率時や星雲の写真撮影での性能はとりあえず置いといて、お気軽観望に使える90mmクラスの屈折望遠鏡が欲しいなあと思っていたところ、とても気になる機種が・・・・。


★Gskyer 90600、だと?

どうも耳慣れないこのアヤシい機種。気になってたんです。
口径90mm・焦点距離600mmのアクロマートなのですが、アマゾンなら経緯台とのセットで27,999円という信じられないお値段。
困ったことにほとんどレビューらしきものが見当たらないのですが、商品写真を見る限り、鏡筒・接眼部・架台・三脚の4つともプラスチックではなく金属製に見える質感で、とてもフルセットで3万円を切る望遠鏡には見えません

もし、これが「そこそこの性能」なら(・・・せめて『大ハズレ』でなければ)生徒達に自力観望させるのに良い(壊されてもキレずに済む)のになあ・・・と悶々。


★『軍拡』終了宣言はどこ行った?
先日来、「2018年の軍拡は終了♪」と宣言していたのにも関わらず、このアヤシい望遠鏡が気になって仕方がありません。だって・・・海外製の激安望遠鏡は販売業者さんが手を引けば市場から消えるので、この機種もすぐに消えちゃうかもしれないじゃないですか。

ええい!勉強代だっ!!

・・・結局、ポチっちゃいました(笑)。
以下、万が一同じように気になっている人が居たら、貴重な『人柱記事』ですよ~♪

ででん!
f0346040_04100477.jpg
この口径90mmアクロマート屈折経緯台に・・・
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 ・6×30mm xy型ファインダー
 ・正立45度プリズム
 ・25mmアイピース
 ・10mmアイピース
 ・5mmアイピース
 ・3×バーローレンズ
という具合でアクセサリーが無駄に・・・ドッサリとついてて27,999円(新品・税込)。
一体、鏡筒本体の原価いくらだよ!!
もう訳が分かりません

ちなみに、1枚物の使用説明書は、意外に分かりやすい。
f0346040_05583767.jpg
ただし、中国語と英語のみの説明なので、初めて天体望遠鏡に触れる人は意味不明かも・・・・。
 
 
★材質やつくりはどうだ?
世の中には、買ってはいけない』系の望遠鏡も多々あって、大抵は粗悪な対物レンズのプラスチック鏡筒にグラグラの架台や三脚がついてくるヤツですね。
下手すると、アクロマートですらないレンズや、そもそも光学ガラスを用いてないレンズもあるとのウワサ。

さて、今回のブツはどうでしょうか?

まず、鏡筒、これは(商品写真から推測したとおり)しっかりとした金属製でした。ただし、フードはプラスチックです。
嬉しい誤算は接眼部も金属製だったこと。
「さすがにここはプラだろう」と推測してたんですが、ちゃんとした金属製ラック&ピニオン接眼部でした。ただし精密感はありませんし、それなりにガタもあります。
f0346040_04225342.jpg
経緯台も金属製で、意外としっかりとしています。
フリーストップ式ですが、水平・垂直ともにクランプがあるのは良いですね。
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三脚はステンレス製で、伸縮部の接続のみプラスチックでした。
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★心臓部の対物レンズはどうだ?

望遠鏡の「命」は対物レンズです。こればかりは、粗悪品を引いてしまうと『即アウト』ですので。

・・・とりあえず、光をあてて観察してみます。
f0346040_04243846.jpg
なるほど、反射光から推測するに、2枚玉分離式のフラウンホーフェル型(前玉が凸レンズ)アクロマートで、
コーティングは、マルチコート×1面 マゼンタコート×1面 ノンコート×2面 といったところでしょうか。

とりあえず、変なキズや割れは無いようで一安心。

・・・ん??
・・・ちょっと待て!
な、なんぞこれ?!
f0346040_04370700.jpg
「なんか四角いの」が、前玉と後玉のスキマに挟まってる!
さらに、対物レンズの背後に「モコモコした黒い布みたいなの」が無造作に出てる!

あちゃー。
いきなり『アウト』か?
うーん。
ベテラン天文家たちの『ほらー、こんなのに手を出すから~www』って声が聞こえる・・・・。


★転んでもタダでは起きたと「思いたくない」
小中学生の頃から、望遠鏡や双眼鏡の対物レンズやプリズムを分解して掃除や調整をしてきた身です。(さすがに高級品はバラす勇気はありませんが)激安望遠鏡の分解ごときでは躊躇しませんよー。

まずは、フードが外れるハズ!
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これ、意外に苦戦しました。
ねじ込み式じゃなくて、かぶせ式でした。(軽く接着剤で止めてただけみたい)

むう?
鏡筒は金属製なのに、対物レンズセルはプラスチックだー。
しかも、なんかネジが斜めに刺さってるし・・・(笑)。

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フードを取り外すと、さっきの『謎の四角いの』がハッキリと見えますね。
ああ、これって・・・分離式アクロマートの空気層調整用のスペーサー『お散歩』してるんじゃ?
それと、『モコモコした布状のもの』・・・対物セルのビスの位置から考えて『鏡筒内に突き出したビスの先を隠す布』じゃねーか?

分離式対物レンズにとって、スペーサーはとても大切な部品です。これが『お散歩』してちゃ設計値出せません・・・てか、レンズ傾きます。

ここで、メーカーさんからの注意文が脳裏をよぎります。
曰く、

鏡筒周りの固定ネジが精密な光学システムによって調整ずみですので、勝手に変えると、光軸の変化を引き起こす可能性があります。」

光軸調整装置が無いのは悪いことばかりではなくて、『素人が調整して余計酷く』のを防ぐ手段であることも知っています。プラスチックのセルはダメなんじゃなくて、耐衝撃性などで有利なこともあると思います。だから、多少不具合があっても、分解するのはよろしくありません

ですが・・・いやいや、さすがにスペーサーが散歩してるのは『事故』でしょう。

・・・バラします♪

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うーん。レンズ押さえリングもプラスチックかー。
ま、耐衝撃性が増すのかもねー。
ただし、工具無しでリングが外れるのもどうかと思いますが(笑)。

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出ました、心臓部です。
黒いのが3つあるのが分かるでしょうか?
やっぱりスペーサーですね。ま、普通は金属箔とかを使ってスキマを微調整するものだと思いますが、コイツは薄い樹脂状のチップっぽいですね。

しかし、すごい位置だなぁ。こんなの初めて見た(笑)。

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正しいと思われる位置にスペーサを配置し直して、組み直します。
ついでに、間に挟まっていたホコリやレンズ表面の汚れも清掃♪

ちなみに、ここまで対物セルはあえて外さずに作業しました。
メーカーさんの一文が気になるので・・・ね。
だって、プラスチックのレンズセルを止めているビスは、本当に『精密な光学システム』によって微調整されてるかもしれないじゃないですか。

ただし、鏡筒内に付き出したビスの頭を隠しているモコモコは撤去して、植毛紙で作ったリングを貼り付けました。
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よし、これで他人に対物レンズをのぞき込まれても『恥ずかしくない』ぞ。

さて・・・と。


★果たして、『ちゃんと見える』のか?
いよいよ、『実食』です♪
まずは、純正の組み合わせ(正立プリズム+付属アイピース)で月や街灯を観察。

・・・・悪くない・・・悪くないけど、なんかねむい。

正立プリズムを外してみます。

・・・・おお、だいぶスッキリしたぞ♪
いや、だってーまともな正立プリズムなら、それだけで3万円行っちゃうもん。
オマケのアクセサリーに期待しちゃいけませんって。

ではアイピースを『コスパ抜群の広角アイピース』UW-20(BORGはじめ、色んなとこで売ってるヤツね。)に変えてみます。

・・・・おお!
すごい
まともに見える!!


しかも・・・
あれ?
(気のせいかも知れませんが)
色収差が妙に少ない『ような気』がする・・・・

月面の縁とか、もっとケバケバに色収差が出ると思ったんだけどなぁ。

・・・よし!
足まわりチェンジだ!


★赤道儀に搭載して撮影を試み

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スカイメモSに搭載♪
見た目より鏡筒が軽いので、バランスも楽勝でとれちゃいました。

まあ、想定したのは、初心者がこの望遠鏡の経緯台操作をマスターして、次のステップに移行した状態ですかね(笑)。
さすがに、100倍越えの倍率だと、赤道儀の自動追尾がありがたいですなぁ。


★予定外のファーストライト
元々、「お気楽観望に耐えれば儲けもの」との趣旨でポチったものでしたが、予想外によく見えるので・・・・

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あーあ、原価不明のアヤシい激安アクロマートに赤道儀と冷却CMOSカメラ・・・・。
結局『変態チック』な機材に成り果ててしましました(笑)。

とりあえず、(シーイング最悪でしたが)お月様、行ってみましょう。

すると・・・

ででん!!

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 ※ASI174MC-COOL(冷却なし) Gskyer 90600直焦点 500コマのSer動画をAutoStackert!2で12%スタッキング
  レジスタックスでウェーブレット処理 ステライメージで最終調整

あれれ?
90mmのF6.7短焦点アクロマートって、こんなにスッキリ写せるものでしたっけ??

なんとなく、セミアポ級の性能のような気が・・・・・。
いや、きっと気のせいに違いない。


★ファーストレビュー総括ごっこ

Gskyer90600は非常にコスパ高くて面白い望遠鏡
 ※ただし、色んな部品が緩んでたり汚れてたり散歩に出かけてたりする
初心者用の観望用途に十分耐えうる性能
 ※ただし、周囲に助けてくれるベテラン天文家がいることが必須

天文『沼』の住人なら、さらに色々と遊べそう

 ※ただし、オモチャ感覚でポチることが必須


それにしても、対物キャップに絞り用の穴が空いていたり、アイピースホルダーの止めねじが2本で、しかもTネジが切ってあったり、鏡筒バンドの上にはストッパー付きのカメラネジがついてあったり、ドローチューブの長さと鏡筒内絞りの位置が(そこそこ)理にかなっていたり、鏡筒のアリガタはビクセン互換だったり、なんとなくマニア要素が盛り込まれてます。
そのくせ、アイピースは3本とも部品が緩んだ状態だったり、三脚のアクセサリートレーが欠品してたり、内部のつや消しがいい加減だったり、対物レンズは件のごとし・・・・・。とにかく、謎すぎる品です。

以下、続く・・・のか?

★★★お約束★★★
 ○1台のみの購入のため、個体差がどれほどあるかは不明です
 ○「色収差が少ない」とか「スッキリ見える」とかはあぷらなーと個人の主観です
  ※真の性能は後日、BORG89EDとサイドバイサイドでゆっくりテスト予定。
 ○自力での分解・調整は危険だとメーカーさんが警告しています。
 ○本記事は、特定の商品の評価を下げるものでも、購入を推奨するものでもありません。



by supernova1987a | 2018-03-05 06:07 | 天体望遠鏡 | Comments(10)

『フルアーマーBORG・完全体』出撃準備♪

★ここまで長い道のりでしたが・・・

ようやく、『フルアーマーBORG』が当初夢想した仕様に到達しました。

目指したのは、
「Hαナロー・SⅡナロー・OⅢナロー・RGB の全てを同時露光してしまう」
という、まさに『ど変態仕様機』


★まずはカメラ・・・

カメラはZWOの冷却CMOSカメラです。
 ASI1600MC-COOL×1機
 ASI1600MM-Cool×2機
 ASI1600MM-Pro×1機
合計4台の『赤缶』がついに揃いました!

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★誰もマネしてくれないであろう「ビームスプリッター」

我ながら画期的アイディアだと思ってはいるのですが、色々とリスクがあって、万人にはオススメできない変態アイテム「ビームスプリッター」も、ついに2セット目の部品が納品されました。

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発注先は前回と同じ、エドモンドオプティクスさん。
本来研究者向けであろうパーツを個人相手に販売してくれるところが素敵♪

・・・で、色んなパーツを組み合わせて・・・

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クローズアップレンズ利用のレデューサ内蔵のビームスプリッタ装置が2個完成♪

これらを組み上げると・・・・


・・・ででん!!

★『フルアーマーBORG』完全体、降臨っ!

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ちなみに、50mmガイドスコープ・50mm光学ファインダー・広角電子ファインダーも装備していて、死角無し。
もはやBORG89EDが原型をとどめていません(汗)

うーむ。
我ながら、ほれぼれするほど変態チックな機材だなぁ(笑)。

少ない観測時間しか取れない身でも・・・
こ・・・この機体なら!

うひひ・・・。



★ご注意★

●ビームスプリッタによる同時露光には、下記のリスクを伴います
 ①光路分割するものなので、明るさは1/2になります。
 ②一種のハーフミラーなので、その原理上、偏光が生じます。
 ③40mmほどのガラスを通過するので、負の球面収差が発生します。
 ④若干の色収差が発生します。
 ⑤設置位置によってはゴーストが避けられません
 ⑥たいていの場合、コスパ悪いです。

●ASI1600MMは、そのバージョンやロットによって個体差があり、特性をよく調べてからでないと意図通りの運用ができない可能性があります。
例えば、あぷらなーと保有の3個体については、下記のように吐き出される像には大きな差がありました。
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 ※左:1号機 中:2号機 右:3号機
 ※全て-30度+ゲイン200+0.5秒露光でフラットパネルを撮影して出力した16bitFITS画像を50コマコンポジットしたもの。

ご覧のように
 1号機は網目状ノイズが少ない代わりにクールピクセルが多い
 2号機はクールピクセルが少ない代わりに網目状ノイズが盛大に出る
 3号機は(今のところ)どちらも少ない
という有様で、とても同じ(系列の)機種とは思えませんね(笑)。
さらに、1号機にはゲイン400前後で盛大に横シマノイズが発生するため、高ゲイン下で撮影した像は、ステライメージでのコンポジットは不可能で、AutoStackert!2のRowNoiseCollection機能を利用したスタックなどの必要があったり・・・など、色々とクセがあります。

※MM1号機の横シマノイズ(Rowノイズ)は、例えばこんな感じ
f0346040_01140479.jpg
とりあえず、ゲイン400+30秒露光で発生することは分かってるんだけど、同じゲイン400でも短時間露光によるフラットフレームには再現しないという困りもの。でも、まあ、AutoStackert!2で補正できるので良しとします。


※MM2号機の網目状ノイズの正体は、素子別の輝度分布を解析してみるとハッキリします。

f0346040_01162806.jpg
このように感度の高いピクセル(L2・L3)と感度が低いピクセル(L1・L4)が交互に並んでいる訳ですね。
正確には、感度と言うよりもむしろ、L2・L3群とL1・L4群のオフセット(零点補正)がズレてる(涙)。
まあ、これもオフセットのズレ(バイアスノイズ)を含んだダークフレームを減算すれば軽減するので、良しとします。

さて、MM3号機、今回のフラットパネル試写では良い感じに見えるけれど、実際に天体撮ったときは一体どんな問題が出てくるのか、ハラハラドキドキです。

by supernova1987a | 2018-01-28 21:15 | 天体望遠鏡 | Comments(14)

『フルアーマーBORG』用「電子ファインダー」

★なんぞこれ?的なゴテゴテしたBORGを

なかなか天候には恵まれませんが、『フルアーマーBORG』の出撃準備がノロノロと進行中です。


その中で「初挑戦」したのが「電子ファインダーの装着」です。



★1点アライメント仕様の赤道儀では

あぷらなーとの主力赤道儀はK-ASTEC改造newアトラクスです。


DCモーターとロータリー接点の相性が『微妙』で暴走しまくっていたアトラクスですが、K-ASTECさんの改造で見違えるほど安定した駆動が可能となりました。
ただし、それまでSS2000PCによる3点アライメントが、仕様上1点アライメントになってしまったため、お世辞にも導入精度が高いとは言えません。(無論、『極軸合わせが完璧』で『鏡筒や赤道儀のタワミがゼロ』なら1点アライメントで問題ありませんが。)
そこで、撮影対象を変える度に、その近傍の明るい恒星を手動で導入して1点アライメントを行い、そこからの自動導入を行っています。
この場合、目的の恒星をいかに素早く導入できるかがカギなのですが、普通の光学ファインダーだと自分の体勢が(オヤジさんのいう)『イナバウワー』になっちゃうので結構難儀します。まあ、これは屈折望遠鏡やカセグレン系の宿命ですね。

と言う訳で、「明るい恒星だけ導入できれば十分」というコンセプトで「電子ファインダー」を作ることに。



★すでに退役したかわいそうなCCDカメラ

惑星撮影用に導入した
イメージングソース製のCCDカメラDFK21AU618ASは、個人的には大好きなカメラです。
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ちっこい割に「所有感」満点なんですよ、このカメラ。さすがはドイツ製♪
がっしりとした筐体、丁寧な面取りにはため息が出ます。(お高いだけのことはあるなぁ)

でもたった30万画素ですから、撮像素子全体を使わないとなかなか良い画像が撮れません。これ、意外に導入に難儀するのですよ。
で、画素数に余裕があって素子自体も大きいASI174MC-COOLを導入してからというもの、すっかり出番がなくなってしまいました。個人的には、画素数的に数十万画素もあれば十分だと思ってます。そこで、拡大率を低めにした望遠鏡でASI174とかASI1600とかで撮影すると、「導入時にはフル画素で写野を広く」して、導入後は「ROI(クロップ)で惑星周辺のみ拡大」という手法で撮影しています。このやり方だと、恐ろしく簡単に導入できます。

・・・と言うわけで、退役したDFK21AU618ASは、ずっと防湿ケースの中で休眠していました。



★今こそ目覚めよ、DFK21AU618AS!!

電子ファインダーを構築するにあたって、ああでもないこうでもないと悩んでいたときに、ふと
「あ!ヤツが眠っていた!!」
と思いつきました。
コイツにCマウントの広角レンズを取り付ければ、それだけで電子ファインダーになっちゃうではないか??

というわけで・・・

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わはははは。
たった20秒で「電子ファインダー」完成♪

速攻で『フルアーマーBORG』の制式装備となりました。
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★はたして使い物になるのか?

手持ちの部品達が(笑いが止まらないほど)うまくマッチしてくれたおかげで、なんの加工も必要なく完成した「電子ファインダー」ですが、問題は「実用になるのか」です。『イナバウワー』回避のために導入したドットサイトファインダーよりも視認性が低いようでは使い物になりません。

・・・というわけで、実際にぎょしゃ座付近を観察してみることに。

すると・・・・


ででん!!

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素晴らしい♪

リフレッシュレート2FPS(露出0.5秒)でバッチリぎょしゃ座全体が視認できますよー。
こ、これならあっという間に対象近傍の恒星が手動導入できて『フルアーマーBORG』の捕捉効率が格段に向上するのは間違いなし。
ふはははは。
これさえあれば、どんなターゲットでも一瞬で捕捉してくれるわ!

さて、お次は(難航している)自作レデューサの「取り付け位置決め」ですなぁ。
・・・これは(ビームスプリッタのせいで)相当に難儀しそう(泣)。


P.S.
最近ハマっていた自作霧箱による放射線検出ごっこですが、
おかげさまで『本業』のイベントで無事実戦投入できました。
小学生から中学生まで、全員が自作に成功。(驚異的な成功率♪)
「見えたー!」
「飛んだー!」
「うわー、今のは宇宙線ですね?!」
わき上がる歓声と拍手で会場は「興奮のるつぼ」に♪
子供の理科離れが叫ばれて久しいですが、なんの、最近の子供達もなかなか見所があるではないですか。
刺激的な理科実験ネタ探しにお悩みの学校関係者様、高松市近傍なら、いつでも「出張教室」いたしますよー(笑)。

by supernova1987a | 2017-12-05 01:23 | 天体望遠鏡 | Comments(13)

フルアーマーBORG発進!?

★なんぞこれ?!
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なんというか、もはやBORGとしての原型をとどめていないという・・・・(笑)
いやいや、いたって真面目に組んだつもりです。


★今回の改良点

①ASI1600MMによる「Hαナローバンド」と「SⅡナローバンド」をビームスプリッターで同時露光
②上記に加えてASI1600MCによる「OⅢナローバンド」も同時露光
③純正ヘリコイドのガタを解消するため接眼部をプレート2枚で強化
④V-POWER接眼部に重量級のスプリッタを搭載しても撓まないようにL字金具2枚で強化
⑤ガイド鏡・暗視野ファインダー・ドットサイトファインダーに加え、CCDカメラによる電子ファインダー搭載


・・・というわけで、
あぷらなーと自慢の「ツインBORGシステム」「ビームスプリッタシステム」まさかの融合!!
まさに『フルアーマー』仕様機♪

ふははは。
これで、晴れ間の少ない今シーズンでも
「通常の三倍」の効率(※)でナローバンド撮影してくれるわ!!

・・・・すみません。
ちと病んでいるようです。



※<注釈>
あくまでカラーカメラ+フィルタホイールを用いてナローバンド撮影する場合と比較した推測値ですが、
本当は「通常の5倍」の撮影効率を見込んでいます
カラーカメラ1機単独の場合、ベイヤー配列の仕様により
 Hαで有効な面積:1/4
 SⅡで有効な面積:1/4
 OⅢで有効な面積:1/2
ですので、どんぶり勘定すると、全露光量を1に揃えるには
Hα×4+SⅡ×4+OⅢ×2 = 10 の撮影時間が必要なところ

今回の「フルアーマー」機では
全画素利用可能なMMはビームスプリッタでの光量損失(分離)、MCは最も画素数の多いG素子を利用してOⅢを単独露光することを考慮に入れて
 Hαの効率:1/1×1/2
 SⅡの効率:1/1×1/2
 OⅢの効率:1/2×1/1
と、全て美しく揃った上で3機同時露光しちゃうので、
たった2の撮影時間で同等の成果が得られると期待。

それにしても、ASI1600×3連装って・・・これじゃ「赤い彗星」ならぬ「赤い変態」ですな(苦笑)

★★★ご注意★★★
モノクロ冷却カメラ+フィルタホイールと比較すると、たかだか1.5倍程度の撮影効率に過ぎません。
・・・が、各波長ごとにピントを固定できること、3波長同時露光により、途中で天候が悪化しても「ある程度の」成果が残る点がメリットです。
そして、まだ詳細は内緒ですが、その他数種類の実験的要素を含んでいます♪


by supernova1987a | 2017-11-20 22:34 | 天体望遠鏡 | Comments(10)

久しぶりにレンズ設計『ごっこ』してみる

★むかーし昔のお話・・・

実家の荷物を色々と掃除していて、懐かしい本が大量に発掘されました。

・・・という訳で、子供時代の あぷらなーと と 天文書籍関連の思い出をば・・・。

★小学2年生
 誕生日プレゼントに旺文社の図鑑「宇宙」をもらう。
 表紙が取れてバラバラになるまで読みふける。

★小学3年生
 あかね書房の「科学のアルバムシリーズ」にハマる。
 藤井旭先生の「惑星」や「星座」の写真に憧れる。
 望遠鏡の性能は口径で決まることを刷り込まれる。
 『口径15cm』に憧れる。

★小学4年生
 誠文堂新光社の「子供の科学」購読開始。
 60mmF16.6 のアクロマート屈折経緯台で天体観測を始める。
 コリメート法で天体写真も撮り始める。

★小学5年生
 平凡社の「カラー天文百科」を祖母に買ってもらう。
 大学学部生レベルの内容だったので難しすぎ、半泣きで読んで内容を丸覚えする。
 (まさか、この知識が大学院時代にバリバリ役立つとは・・・・子供の記憶力恐るべし)

★小学6年生
 藤井旭先生の「星雲星団ガイドブック」を学校の図書室で見つけ衝撃を受ける。
 早速本屋に走り購入。ボロボロになるまで読んで主要な星雲星団の位置と形状を暗記する。
 さらに「天文ガイド」購読開始。広告ばかりを見る日々が続く。

★中学1年生
 吉田正太郎先生の「望遠鏡光学」を本屋で見つけ、明快な解説に感激する。
 この頃、口径15cmのカタディオプトリックカセグレンを使って本格的に天文にハマる。

・・・あぷらなーとの価値観や用語定義が『古くさい』のは、たぶん今の知識の大半が子供時代に身につけた物だからでしょうね。
「三つ子の魂百まで」とはよく言ったものです(笑)。


★HIROPONさんの記事を読んで

 にゃあさんの「ナローバンドで撮ると、ピントズレがひどい」というお悩みに呼応して、HIROPONさんが光学レイトレーシングソフトで鮮やかな検証と解説をされているのを拝見して感激しました。

ところで、スポットダイアグラムや収差曲線をシミュレートできる、いわゆる『光学設計ソフト』の大半は、正確には『光学評価ソフト』でして、そもそも自力で設計したレンズデータを入力しないと、なにも始まりません

実は、あぷらなーと も 大学生時代(MS-DOSとPC98が全盛期の頃)には、天文ガイド編集部から販売されていた「テレオプト」というDOSベースの光学設計ソフトがお気に入りで、日々「レンズ設計ごっこ」して遊んでいましたが、事前にN88BASICやTurboCで書いたプログラムでハルチングの解を計算させて得た設計データを「たたき台」として使ってました(うう、懐かしすぎる)。


★今後の「検証ごっこ」のために・・・

HIROPONさんに触発されて、早速光学設計ソフト「LensCal」をダウンロード
こんな素敵なソフトがフリーだなんて、スゴい時代ですね♪

となれば、「LensCal」とは別に「たたき台」としての設計初期データを求めるツールが欲しくなりますねぇ。
・・・いえ、別に高度な機能は必要ありません。

単に、フラウンホーフェル型の2枚玉アクロマートが自動設計できれば十分事足ります
要するにハルチング公式に基づいて、各エレメントの曲率半径が求まれば良いだけです。

・・・・というわけで・・・


ででん!
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EXCELだけで作った「自動レンズ設計シート」完成♪
プログラムコードを書くときには途中計算(式)がミスしていないかを頻繁にチェックしながら書き進めるのですが、EXCELくんなら「途中計算が全部見える」ので楽ちんですね。

ちなみに上記の自動計算シートなら、組み合わせる2種類のガラスのd線屈折率とアッベ数を入力した後に希望の焦点距離を入れれば勝手にアクロマートを設計してくれます。プログラミング言語が分からなくてもEXCELさえあれば誰でもアクロマートが設計できちゃう「ハルチングの解」は偉大ですねぇ。

※ハルチング解を求めるところまではものの30分で作れたのに、設計したレンズの断面図を描かせるロジックを考えるのに四苦八苦しちゃったなんてのは、ココだけの話(笑)。



★ドキドキのレイトレーシング♪

ああ、ここまで来ると、大昔テレオプトを使っていた頃の感覚がよみがえってきました。
収差曲線見るのが楽しいんですよねー♪
早速、インストールしたばかりのLensCalに設計データを移してみます
ちゃんと計算されるでしょうか??


☆まずは収差曲線(球面収差図)
f0346040_02355824.jpg
ふむふむ。
いかにも2枚玉のアクロマートらしい図です。
設計時に人間の目の感度が高いd線(黄色い光)に最適化して計算したので、d線に関しては完璧な像だなあ。
反対に、目では見えにくいg線(青紫の光)は大きく散らして目立たなくなってますね。
うん。典型的な眼視用の設計だー。

焦点距離1000mmのアクロマートだと、d線(黄色)とg線(青紫)とでは、焦点位置が約2mmもズレることが分かりますね。
しかも「口径によらず」。
(※上記グラフの上端まで使うと口径10cm、半分で切ると口径5cm相当の収差を見ていることになります)


☆次にスポットダイアグラムをば・・・

f0346040_02404721.jpg
なるほど、なるほど。
直感通りの像ですなぁ。
d線は中央に鋭く集中していて、g線は画面全体に散ってます。

いやー面白い!


★SDガラスを使って設計してみる

高校生の頃は、2枚玉でアポ化するために特殊低分散素材としては、フローライトとかFK01(いわゆる普通のED)しか知りませんでした。
今は、EDよりもフローライトに近いSDガラスが主流ですね。
では、ホタロンCaFK95と重クラウンSK5を使って、ハルチング解を求めてみます。

f0346040_03134997.jpg
ま、EDやフローライトはハルチング解一発では補正がキマらないのですが、一応LensCalに通してみましょう。

f0346040_03150752.jpg
おお!何もしなくても劇的に色収差が減少しましたねぇ。さすがホタロン♪
でも全体的に球面収差が負修正(補正不足)ですね。これだと口径7cmくらいまでが限界っぽいので、ベンディング(焦点距離を変えずに、各エレメントの曲率を微調整していくこと)して調整してみます。

えっ!
LensCalって調整したい面を指定してスライドバーを動かすだけで、収差曲線の変化をリアルタイムで見ながらベンディングできる!
すごっ!
これ、素人でも簡単にベンディング『ごっこ』できちゃうやん!

・・・でベンディング後の収差曲線は・・・
f0346040_03195526.jpg
うむ。なかなか美しい収差曲線だ!

では、スポットダイアグラムを見てみましょうか・・・

f0346040_03312417.jpg
ふむふむ。
普通のガラス使ったときには画面全体に散っていたg線が一気に収束してきましたね。
エアリーディスクの約3倍の範囲に全波長が収まってます♪
まあ、デジタル時代だと青ハロが濃縮されたように見えるかも知れませんが・・・ね。

実際は、ここからの試行錯誤が大変なんでしょうが、
とりあえず自作設計シートとLensCal使うと、ここまでの作業がわずか2~3分で完了することにビックリ。

・・・うーん。
時代は変わったなぁ・・・・
とても嬉しいんだけど、なんか少し寂しい(笑)


by supernova1987a | 2017-11-14 06:17 | 天体望遠鏡 | Comments(16)

BORG89ED『ツイン化』始動♪

★まだ学生だった頃・・・

 学生の頃、発売されたばかりのBORG65アクロマート(プラスチック鏡筒仕様)のモニターに当選したので格安で買い取って、主としてバードウオッチング用に愛用していました。さすがにプラスチック鏡筒は使い勝手が悪かったので、後に金属鏡筒に交換しましたが、なんとこのBORG65アクロはTC16ASテレコンを装着するとニコンのF801Sなどででオートフォーカスが可能だったのですよ(近年では、BORGのAF化もメジャーになりましたね)。しかも写りが結構良くて、トキナーの400mmF5.6SDやニコンAF180mmF2.8+テレコンよりも解像度が高かったのに仰天したのを覚えています。(密かに復活希望の機種です)
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対物セルにフードが付いていない独特のデザインは、今見ると斬新ですね。
その後、ミニBORG60EDを入手したのちは出番が無くなっちゃいましたし、なにしろ20年以上使い込んだキズまみれの鏡筒なのですが、「いつか対物レンズだけを交換して現役復帰させよう」と大切にしまいこんでいたのです。


★大好きな『白』仕様が・・・

 近年のBORGは、黒仕様の鏡筒ばかりになってしまいましたね。あれはあれで格好良いのですが、個人的には暗闇で使う天体望遠鏡は白い鏡筒の方が視認性が高くて好きです。
 さて、以前B品セールでBORG89EDをお安く入手したのですが、「いつか89EDの対物レンズをもう1個買ってBORG65の対物レンズと交換すればツイン化できるよなぁ」と機会をうかがっている内に、白仕様の対物レンズは販売終了してしまい、物理的に入手できなくなっちゃいました。

 ところが、先日、まさかの白仕様のBORG89ED対物レンズが中間決算セールで限定3本出てるじゃないですか!
・・・・思わず『気絶買い』しちゃいましたよぉ・・・(汗)。



★89ED対物レンズが届いた!

というわけで、ほどなく大阪KYOEIさんから「ブツ」が届きました♪
f0346040_00192646.jpg
『幻の白仕様』の89ED対物レンズ!!

さらに、今回は中間決算セールということで、オマケがドッサリついていました♪
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ちなみにオマケの内訳は、
 ○植毛紙2枚セット
 ○ネジ噛みこみ防止用グリス
 ○BORGキャップ2セット
 ○BORGステッカー
 ○アサヒカメラ8月号
そして、御大中川さんサイン入りの月面写真♪(恐らく、これ銀塩写真です。実になつかしいトーンが良いです。かつて天文雑誌上で中川さんの月面写真を見てはため息をつく天文少年だった我々おっさん連中には嬉しいプレゼント。)

ううむ。これは大盤振舞だなぁ・・・ラッキー♪


★早速対物レンズを換装して仕上げてみる

BORG65アクロの金属鏡筒には、もともと直進ヘリコイド接眼部がついていたのですが、すこしヘタレ気味。
そこで、以前買ったBORG89ED鏡筒の接眼部をV-POWERクレイフォードに換装した際に外したヘリコイドを利用。

・・・というわけで、

f0346040_00302933.jpg
BORG89ED鏡筒2本め、完成♪

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80mm鏡筒シリーズのヘリコイドにはちと弱点があります。目で見ても分かるほどタワミが出るんですね。
そこで、K-ASTECさんの80mm鏡筒バンドと60mm鏡筒バンドでヘリコイド前後を挟んでプレートで補強
ピント合わせにコツが要りますが、かなり強固になりました。

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対物レンズの後方には手持ちのドットサイトファインダーを装着。通常のファインダーと違ってドットファインダーはかなり後方から見ても実用になるところが良いですね。ちなみにメイン鏡筒との視差調整をする際だけの利用ですから暗い星が見えなくても無問題です♪



★完成!『ツインBORG89ED』

f0346040_01071664.jpg

うむ。なかなかメカメカしくて格好良いぞ、ツインBORG89ED♪


★あ・・・・!

そういえば、BORG89EDに使えるレデューサやフラットナーも1個ずつしか持ってないよ・・・・。
どうしよう・・・・・。

とりあえず、ACクローズアップレンズを転用した自作レデューサでしのぐしか無いかなぁ。
マイクロフォーサーズのASI1600で使う予定なので周辺画像やケラレの影響は少ないし。

P.S.
ふと気づくと、随分BORGが増殖しました。
89ED×2 60ED×2 45ED×1 50mmアクロ×1 65mmアクロ×1
・・・対物レンズ7個かぁ・・・まさに『沼』ですね(汗)。
FLにだけは手を出さないように気をつけないと、破産だな・・・こりゃ(笑)

by supernova1987a | 2017-10-02 00:56 | 天体望遠鏡 | Comments(14)

ツインBORG『観望仕様』完成♪

★色々と課題を残した「ツインBORG」ですが

先日、ようやくLRGB同時撮影に成功した「ツインBORG」ですが、鏡筒のタワミなど課題は山積です。


諸々の課題解決のため、すぐにでも追加テスト撮影をしたいところですが、日頃の行いが悪いのか天候が優れません。
こういう時は、「夢を育てる」に限りますね。



★天体を撮影してる間は結構ヒマですので・・・・

オートガイドするにしてもノータッチガイドで多数枚連写するにしても、一度設定が完了して露光を始めると、結構「ヒマ」ですよねぇ。
そんな時には、初心に返って「天体観望」を楽しみたいもの。
ちなみに、手持ちの機材のうち「お気軽観望」専用の機材として、セレストロンの15×70mm双眼鏡があるのですが、直視型なのでいかんせん高角度の天体を見る時に苦しい体勢になっちゃいます。

そこで、過去には双眼装置を利用した観望仕様のBORG60EDを組んでみて好結果を得たのですが・・・・

ビームスプリッタ装置と同様、双眼装置の弱点は「光の量が半分になってしまう」事です。
・・・で、よく考えたら
撮影用にBORG60EDが2本揃ってる今なら、『本物の』双眼望遠鏡が作れるじゃないか!


・・・というわけで、手持ちのパーツを使って組んでみました。
しかも、「正立像・45度対空型」



★双眼望遠鏡作製にはBORG60EDが「最適」かも??

実際には、双眼望遠鏡を作製しようとすると、色々な困難が予想されます。
たとえば・・・

 ①2本の鏡筒の光軸をどうやって揃える?
 ②正立化の手法は?
 ③正立プリズムなどで光路長が食われてもピントは出る?
 ④アイピースの幅を目幅に揃える機構は?

といったところでしょうか。
ところが、今回『遊び』でお気軽作製してみたところ、BORG60EDはこの手の用途に『最適』なことが分かりました♪
たぶん、何の工夫も要りません。

さて、
「構想」30分「制作時間」15分(笑)
という超短時間で作製した「正立対空型ツインBORG」がこちら。

f0346040_05560260.jpg
ウソの様にあっけなく完成っ!!

BORG系共通のメリットは鏡筒の長さが「変幻自在」のため光路長がどうにでもなるところです。今回の場合も(安物の)45度正立プリズムを付加しても容易に無限遠が出ました。(というか何も試行錯誤する必要すらなかったという・・・・)

さらに(ココ重要♪
BORG60EDだと2本の鏡筒がぶつかる寸前くらいの幅に設置するだけで(あぷらなーとの場合)目幅とドンピシャ一致しちゃうのです。
たぶん、これよりも小口径ならば目幅が『もったいなく』て、これ以上大口径になると目幅調整のためのなんらかの機構が必要です。

光軸を合わせるための機構は、最近「別目的で」入手していたスリックのマイクロモーションヘッド SMH-250 を転用

f0346040_06141123.jpg
この微動マウントはカメラネジにもアルカスイスにも対応していて、微動機構もなかなか良くできています。(押しバネのテンションが調整できたり、諸々)
本来はポラリエなどの軽量なポタ赤を三脚に載せる用途のアイテムでしょうが、他にも色んな使い道がありそうです。(さすがにガイドマウントとして使うのは強度的に無理かな?)

アイピースは双眼装置を導入時に色々「ペア」で揃たので追加購入の必要なし♪
せっかくですから「お気に入り」のハイペリオンアイピースを主力として使うことにします。
BORG60EDの焦点距離は350mmですので、
 ハイペリオン24mmで14.6倍
 ハイペリオン13mmで27倍
 ハイペリオン5mmだと70倍
などなど、明るい星雲探訪から月面観望まで幅広くこなせそうです。

あとは、オーバースペックになるかも知れませんが、
ビクセンNLV2.5mmを使えば140倍まで出せるので、惑星観望まで行けそうますね。



★今は絶版モデルですが

BORG60ED、通常の使い方はもちろんのこと、先日のようにレデューサ併用で星雲を撮影したり、今回の様な双眼化で遊んだり、色んな用途で使い勝手が良くて、本当に良い機種だと思います。絶版になったのが惜しまれます。

f0346040_06441572.jpg

あと、性能とは関係ないですが、BORG60EDはフード先端の丸め方とか、対物セル部と鏡筒との接続部のラインとか、デザインが「美しいなあ」と感心します。
この手のデザインって大型機以外ではあまり見かけませんものねぇ。
再販してくれないかなぁ・・・

・・・・いや、別に、「トリプル化」とか「クアッド化」とかして、ナロー3波長モノクロ+RGBカラーの同時撮影とか目論んでいる訳ではないのですが、たぶん(笑)

えっ?
そこで後継機種の55FLですか?・・・さすがに「お高い」です。
55FL+専用レデューサのクアッド化とかに手を出す軍資金があれば、『余裕で』VMC260L+ビームスプリッタの二連装とかできちゃいますので・・・。
あ、でも、それだとアトラクスが重量オーバーで壊れちゃうか・・・・。


ともあれ、晴れた夜がいっそう楽しみになってきました。
VMCL260L+ビームスプリッタで星雲とか銀河とか撮影している合間に、対空双眼BORGで観望!
早く試してみたいものです♪


★★★ご注意★★★
今回のような簡易的な手法で『双眼化』が成功するかどうかは、当然「個人差」があります。目幅の差はもちろんですが、特に2本の鏡筒間に微妙な光軸のズレが生じたまま観望を続けると気分が悪くなる恐れがあります。
個人的には、ステレオ写真(平行法の)鑑賞に慣れている方以外には、あまりオススメできません。


by supernova1987a | 2017-09-03 07:09 | 天体望遠鏡 | Comments(6)

トラペジウムの『ダンス』

★モノクロCMOSカメラの利点は

ASI1600MM-COOLなどモノクロ版の冷却CMOSカメラの利点は、主に下記の2点が有名です

 ①カラー版と比べて実効感度が高い
 ②ナローバンド撮影に有利

ただし、「天邪鬼なあぷらなーと」としては、

 カラーフィルタが無いためベイヤー処理が不要であり
 結果としてベイヤー処理に伴う解像度の低下が無い

にこだわってしまう訳ですね・・・・・



そのズバ抜けた解像度を活かすためにビームスプリッタ装置などを自作したわけですが、
VMC260L+ビームスプリッタを用いた実際の運用では、「思ったほど解像度が上がらない」のですね。



★リアルタイムだと天体の像はどんな感じなの?

先日のM33の撮影後、薄明の中でオリオン座が上ってきたので、シーイングや架台の微少なエラーによって、「実際の像がどのような動きをしているか」動画でチェックしてみることに。

ASI1600MM-COOLをゲイン400、露光1/10秒で16bitRAWのSER動画撮影してみました。
追尾は、K-ASTEC改造Newアトラクスのノータッチガイドです。

見やすいように後から(画像処理で)ゲインを上げて、トラペジウム付近をピクセル等倍で観察してみます。
すると約1秒間のリアルタイム挙動は、こんな感じだと分かりました。(あくまで一例です)

f0346040_15264372.gif
ああ、なるほど!
たった1秒間でもこんなに「踊りまくっている」のですねぇ。

これじゃあ、いくら
「ラッキーイメージングだ~!!」
と言って1秒や2秒に露光を切り詰めたところで、ブレは止まりません
「オートガイドだー!!」
と言って、オートガイダーで追尾補正しても、ガイド信号のインターバルや補正動作までのタイムラグがあるので追い切れる訳がないわけです。


★残る手段は・・・・

シーイングの悪い日本では、1秒間に数回~数十回の補正を加えられる「補償光学系」(いわゆるAO装置)を併用しない限り、VMC260Lの様な長焦点望遠鏡にモノクロCMOSカメラは、「猫に小判」なのかもしれませんね。


★補足

今回の「考察ごっこ」で、リアルタイム画像を観察してみて、気づいたことがあります。先ほどの動画を見ると分かるのですが、画面全体に散らばる「ザラザラノイズ」には何種類かあります。

 ①完全にランダムな周期で色んな所に現れるが、その頻度は明らかに背景の星雲の分布に対応している輝点

 ②背景の星雲の揺れ(ブレ)とは無関係で、同じ画素のみで短周期で点滅している輝点

 ③背景の星雲の輝度分布とは無関係で、突発的に現れる輝点

①は(その揺らぎはともかくとして)大切な輝点ですね。
要するに、貴重な星雲の構成要素であってノイズのように見えるのは錯覚です。これが、画像処理で消してはいけない「ショットノイズ」と考えられます。実際に星雲から到来した個々のフォトンを捉えたものと解釈しても良いでしょうね。これを大切に蓄積することで『点描画』のように、徐々に星雲の姿が現れてきます。

②は典型的なダークノイズ(いわゆるホットピクセル)ですね。
ただ、今回気づいたのですが、短時間露光でもコレちゃんと出てますね。意外だったのは「灯きっぱなし」ではなく、ダークノイズの輝点って結構「点滅」してるんですね。それらが蓄積して『均される』長時間露光と異なり、短時間露光ではダークファイルの減算って、難しそうです。

③これは厄介そうです。
撮像素子への二次宇宙線素粒子のダイレクトヒットはもちろんですが、意外にも、なんだか素子上を蠢くように移動している輝点も観察されましたので、系統的な除去って無理そうです。さすがにコレばかりはシグマクリップなどを利用するしか手が無いかも。(でもシグマクリップって時間掛かるんだよなぁ。ステライメージ6.5なら普通の基準点指定のコンポジットは300枚でも1分程度の爆速で完了しますが、ためしにシグマクリップしてみたら、300枚コンポジットに3時間!!・・・こんなんガマンできんよ~)


以上、「2夜連続でニワトリできそう」だと、赤道儀一式を庭に「出しっぱ」にしてワクワクしてたら、曇られてしまい意気消沈している あぷらなーとでした。


by supernova1987a | 2017-08-21 16:30 | 天体望遠鏡 | Comments(4)

VMC260L用のサブファインダー

★カセグレン系の弱点は・・・

鏡筒のコンパクトさが魅力のカセグレン系の望遠鏡は大好きですが、実際の運用で意外な弱点となるのが、天頂付近の天体を導入するとき、アクロバティックな姿勢を強要されることでしょう。まあ、この辺は屈折望遠鏡の弱点でもあるわけですが・・・・。特に、無理してファインダーをのぞき込んでいる時に、うっかり三脚を蹴飛ばしたりすると極軸合わせからやり直しになり、ムキーってなります。


★現在のあぷらなーとの天体導入法は

今のところ、こんな感じです。
 ①撮影目的の天体に近い恒星をファインダーで手動導入
 ②SharpCapの画面で写野中央に恒星像が来るよう修正
 ③SuperStarⅣをその恒星で1点アライメント
 ④SuperStarⅣで目的の天体を自動導入
 ⑤SharpCapの画面で写野中央に目標天体が来るよう微調整

要するにファインダーは明るい恒星の導入時だけに使用します。


★正立で無くても、せめて・・・

というわけで、アクロバティックな姿勢を取らなくて良いように、手持ちのパーツを組み合わせて直交型のファインダーを作れないものかと・・・・。
・・・・で、ゴソゴソやってみた。

f0346040_23343126.jpg
なんだか、えらく『メカメカしい』物ができあがっちゃいました。
メインパーツはBORGのパーツですが、ファインダー支持脚とアイピースは笠井トレーディング製のものを転用しました。

5cm10倍くらいのファインダーが欲しいかったのですが、アイピースが20mmなので、ミニBORG50アクロ(焦点距離250mm)でも、ちと長過ぎ・・・・。というわけで、ケンコーのACクローズアップレンズNo5(200mm相当)を対物レンズにすることにしました。

f0346040_23365114.jpg
うむ。対物レンズがクローズアップレンズだということがバレないほど、格好良く仕上がりました。

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アイピースに十字レチクルと暗視野照明装置が付いているので、バッチリですね。しかも結構広角です♪

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予定より、ちと重くなったので、VMC260Lには笠井製の2点止めファインダー台座で装着しました。うーむ。我ながらなかなか格好いいぞ♪
天頂プリズムの方向は自由に変えられるので、どんな高さの恒星でも、スイスイ導入できそう♪
これで、導入に関するロスタイムが大幅に減り、一晩で撮影できる天体数が飛躍的に増える!・・・かな??

あ、パーツの総額は聞いちゃダメです。たぶん、真っ当なファインダーが買えます。まあ、手持ちパーツのうち使ってない物をかき集めたので実質タダみたいなものでして・・・。

以上、この休日も(晴れたものの)モヤっていて観測できなかったので、小ネタ記事でした。

<念のため>
ケンコーのACタイプのクローズアップレンズは大変優秀なアクロマート対物レンズに転用でき、ファインダー用途はもちろん望遠レンズそのものとしても十分実用に耐えるのですが、シリーズの内、No3だけは球面収差が大きすぎて全く役に立ちませんでした。(No2、4、5はシャープです)私のロットがたまたまなのかもしれませんが、対物レンズ代わりに使用を考えている方はお気を付けください。(レデューサやフラットナーに転用する用途ならNo3も結構イケます♪)あ、もちろん、ACタイプじゃ無い通常版のクローズアップレンズは単レンズなので、超ボケボケの像しか結びません。

by supernova1987a | 2016-11-07 23:54 | 天体望遠鏡 | Comments(6)

快適なピント合わせのために・・・

★望遠鏡での撮影は・・・

天体写真でも風景写真でも基本マニュアル撮影なので、ピント合わせは結構大変です。
特にピント合わせ時のバックラッシュやミラーシフトなどがやっかいです。
そんなわけで、小道具を入手しました。

★BORGのMMF-1♪
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BORG用の専用パーツMMF-1です。
特に『鳥屋』さんに人気のパーツらしいのですが、要するに微動装置付きのクレイフォード接眼部です。
銀色のノブを回すと粗動、金色のノブを回すと微動となり、精密なピント合わせが快適にできるとのこと。ちょうど笠井トレーディングのDXマイクロフォーカス接眼部を小型にしたような外観で、接続部がM57規格のため、ミニBORG鏡筒などにダイレクトに接続できます。
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早速ミニBORG60EDに装着してみましたが、なかなかカッコイイですね。
・・・さて、使い勝手はいかがでしょう??

ニコン1-V3を装着してライブビューにて動作確認してみました。

★操作ノブの感触

粗動の動き始めが重く動き始めると止まりにくいという感覚は減速装置付きのクレイフォード特有のもの(もう慣れました)。一方、微動の感触は、キリキリとした手応えがあって、DXマイクロフォーカス接眼部よりもV-POWER接眼部に近いような印象です。バックラッシュなどのガタは感じません。やはり、一般的なラックピニオン接眼部やヘリコイド接眼部と比べると格段にピントの微調整がしやすいですね。

★弱点は・・・

小型の接眼部のため最初から覚悟していましたが、やはり延長筒を付けた場合やピントロックネジを締めた際などにドローチューブがたわみます。
ちなみに、ピントロックネジを締めるとどれくらいずれるのかを簡易測定してみました。
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ミニBORG60ED+ニコン1ーV3直焦点で樹木を撮影したものです。
MMF-1を用いてピントを合わせ、そのままシャッターを切った後に、ピントロックネジを締め再度撮影。これらの2枚をコンポジットで重ねてみると、実測で約250秒のズレが確認できました。

まあ、この程度のたわみは仕方ないのですが、もう1点、天体写真を想定すると頭の痛い問題点がありました。
それは、ピントロックネジを締めると「ピントがずれる」ことです。
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※左:ピントロック前 右:ピントロック後
(BORG60ED+ニコン1V3直焦点 ピクセル等倍トリミング

左の画像に比べて右は明らかにピントがずれています。挙動を細かく観察すると、どうもピントロックネジを締めた瞬間にわずかにドローチューブが外側に移動してしまっているようです。これだと、せっかく精密にピントを合わせても、ロックした瞬間にピンぼけになるわけですから少々困りものです。もっとも、天体撮影ならヘリコイドの目盛りを用いてピントを追い込んだりより大型の接眼部を用いれば良いわけですし、一般撮影ではピントロックする必要がないので実用上問題はないでしょう。

★当初のもくろみは崩れ・・・

・・・実はがっかりです。
VMC260Lのミラーシフト回避に使えないかなあ、などと期待していたのですが、これでは使えませんね。
おとなしくV-POWER接眼部(あまりの巨大さに躊躇していたのですが)を使うことを考えます。


by supernova1987a | 2016-01-03 06:03 | 天体望遠鏡 | Comments(0)


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