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あぷらなーとの写真ブログ
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あぷらなーと
文系寄りの元理系(?)
「天体」「マクロ」「実験ごっこ」その他諸々の科学写真が大好きな HN:あぷらなーと が いろんな写真ネタをのんびり語ります。あまり気合い入れすぎると続かないので、「ぼちぼち」いきます。
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2017年の天体写真振り返り

★今夜は年越しニワトリ・・・

『フルアーマーBORG』の出撃は2連続で悪天候にやられて収穫ゼロという燦々たる状況。
このままでは2017年を終えられないので(笑)。
夜から回復するというGPV予報を信じて、「年越しニワトリ」決行。

・・・が、しかし・・・
うわーん。全然雲が切れないよー。
もう、GPVの嘘つきー。
(大抵、悪い予報は当たるんですがねぇ)

・・・というわけで、けむけむさんに習って、にゃあさんのエントリーをパクってみることに。


★2017年の天体写真振り返り

今年は色々と試行錯誤した1年でした。
主な試行は次の4つ

 ①ASI1600MMとMCを同時露光する『ビームスプリッタシステム』の構築
 ②ASI1600MMとMCを同時露光する『ツインBORGシステム』の構築
 ③ASI1600MMの黒点問題を軽減する『クールファイル補正法』の開発
 ④ナローバンドなるものに着手

さらに①~④の合わせワザも画策して、気がつくと1年があっという間に終わりました。
・・・で、収穫(というかテスト撮影に終始しましたが)は!



★「VMC260L+ビームスプリッタ」編

f0346040_21233677.jpg
ASI1600MMとMCを同時露光してL-RGB合成することでオメガ星雲の詳細が写せました♪

f0346040_21252826.jpg
ASI1600MMとMCを同時露光してL-RGB合成することでM33の赤いプチプチを写すことに成功♪

f0346040_21262677.jpg
自転の速い木星もビームスプリッタならL-RGB撮影&合成が楽ちん♪

f0346040_22002576.jpg
固有運動の大きなジョンソン彗星も、ビームスプリッタなら色ズレすることなくL-RGB合成できました♪


f0346040_21272786.jpg
大好きなM42(いったい何千コマ撮ってきたことか・・・)もHαナロー+ビームスプリッタでクッキリ滑らか♪

f0346040_21301589.jpg
あこがれのバブル星雲もHαナロー+ビームスプリッタで初めて撮影に成功♪



★「ツインBORG」編

f0346040_21314066.jpg
たった60mmのBORGでもツインシステムでM31がクッキリ写せました♪

f0346040_21324348.jpg
89ED のツインにHαナローの合わせワザでは、パックマン星雲がキレイに写せました♪



★「89ED+ビームスプリッタ」編
f0346040_21360497.jpg
雲の切れ目からBORG89ED+ビームスプリッタで狙ったお月様。同時露光ならLかRGBのどちらかを撮り損ねることもありませんしね♪



★「番外」編
f0346040_21423977.gif
f0346040_21425971.gif
百均ショップの材料だけを使って霧箱を自作して宇宙線などの自然放射線をASI1600MMで捉えることに成功。
こちらは、しっかり『本業』でも活用できました。

f0346040_21455927.jpg
ケンコーのACクローズアップレンズNo2を対物レンズにして『にせBORG』を制作。キレイなお月様が写せました。



★「超・番外」編

f0346040_21484429.jpg
最近出番が減っていたASI174MC-COOLのグローバルシャッター機能を活用して、コンニャク現象の生じない高速動画撮影に挑戦。
キレイなミルククラウンが歪みなく写せました。

あ、これは天体写真とは関係ないか(笑)


悪天候に泣かされっぱなしの2017年でしたが、あらためて振り返ると色々と撮ったなあ。
しかし、まあ『変態性』の高いネタばっかしだこと。


では、みなさん 2018年もあぷらなーとの『変態』ネタにご期待ください♪
よいお年を!!



by supernova1987a | 2017-12-31 21:55 | 天体写真 | Comments(6)

2017年を振り返り

★2017年のお仕事も無事完了。

今年のお仕事は12/29で終了。
12/30~1/1はめでたくお休みと相成りました。

・・・でもGPV見ると今夜は天気悪そう。
やりたいこと、いっぱいあるのになあ・・・・。


★もし予報が『良い方に』外れたら

とりあえず、13:00現在は快晴です。もしも今夜晴れたら、こんなことしてみる予定♪

①今度こそ、『フルアーマーBORG』の初陣♪

 2台のBORG89EDと1個のビームスプリッタを使い、ASI1600MM×2機とMC×1機でのナローバンドSAO『一気撮り』、やってみたいです。
f0346040_21051039.jpg


②撮影中は、久々に『のんびり観望』♪

手持ちのパーツをフル動員して組んだ『双眼BORG60』ですが、まだ昼間の風景しか眺めたことが無いです。
今回、「のんびり」&「じっくり」天体観望できるように、小さな赤道儀に載せて『完成形』になったので・・・
f0346040_13325630.jpg
ヒマになる撮影中は、コイツでのんびり天体観望といきたいところです。
昼間の遠景を見る限り、双眼BORG、とても鮮明な像を見せてくれるハズなんですよねー。



★今年ゲットした『ジャンル別のMyベストアイテム』は


<①望遠鏡編>

これ以上望遠鏡ばかり増やしても(腕が伴ってないので)仕方ないのですが、
BORG89ED対物レンズのB品を引き当てたのが今年の『大物』ですかねぇ。


以前は、同じ予算なら『今持ってない機種』に魅力を感じてたのですが、今年はそれとは真逆で『同じ機種を増やしたい』という考えに変わりました。
本業が忙しかったり、天候が悪かったりで実稼働時間がほんのわずかしか撮れない現状だと、「2倍の撮影時間を確保」するより「2倍の撮影速度」でデータ量を確保する方が得策ではないかと思ったからです。



<②光学パーツ編>

比較的安価で軽量の望遠鏡ならともかく、値が張る上に重量級の望遠鏡をツイン化するのは骨が折れます。
そのため編み出した独自パーツが「ビームスプリッタ露光装置」でした。

これにより、2台のカメラを同時に露光できるようになりました。
ツイン鏡筒のように稼働時間を1/2にはできませんが、晴れ間を縫っての慌ただしい撮影などではカメラ交換の手間が省ける点が魅力です。
また、自転の早い木星や固有運動が大きい彗星などでは、2台のカメラの同時刻性が大きく寄与すると実感しています。



<③小物編>
今年は、光路長や各種カメラやパーツとのマッチングを試行錯誤することが多くなったので、BORGのリングが噛み込んでしまって外れなくなることが多々ありました。
そんななか、ダメ元でポチってみた「ラバーベルトレンチ」(固くなった瓶詰めのフタなどを開ける道具)の効果が絶大で、それ以後『噛み込み地獄』に悩むことが皆無になりました。



<④失敗編>

ポチってしまった後に、いざ使ってみて『しまった!』ってこと、ありますよねぇ?
今年最大の失敗は・・・・

ででん!
名付けて『爆発する中華木炭』でしたー(笑)


結露回避用に長年愛用してきた木炭カイロですが、肝心の燃料が底をつきかけた上に日本のメーカーさんが撤退したので同等品を求めてポチったものの『爆跳』が頻繁に発生して怖くて使い物になりませんでしたとさ(笑)。
あ~あ、欲張って沢山買うんじゃなかった(どうすんだ、これ・・・)。


では、
来年も皆様方とともに素敵な『沼』ライフが送れますように♪


by supernova1987a | 2017-12-30 14:47 | 機材 | Comments(10)

ASI1600MM-COOLの『のっぴきならぬ問題』④


★少し真面目に比較データを取ってみました

まずは、お断り

先日のエントリーで

ASI1600MM-COOL2号機の出力データを解析してみて、
 ①「L1L4素子」と「L2L3素子」との間には、出力輝度に差がある
 ②その違いは比感度(ゲインの違い)では無く、差分のようだ
 ③「L1L4素子」は「L2L3素子」よりも高めの数値が出ている
と書いたのですが、「ポカミス」が発覚しました。

元々、MM2号機はビームスプリッタの直交方向に装着していたので鏡像になっており、これを回避するために撮像時にフリップ(上下反転)出力をしていたのを忘れていました。
つまり、
 L1 L2
 L3 L4
のように想定した配置が、実際には
 L3 L4 
 L1 L2
のように転置されていたことになります。
したがって、上記の③は
 「L1L4素子」は「L2L3素子」よりも低めの数値が出ている
の誤りでした。

さて、これまでは(網目状ノイズが出るという)問題を想定していなかったため、「何気なく撮影した」データを無理矢理解析していたのですが、今回は少し真面目にデータを取ってみました。

<撮像データの概要>
[ZWO ASI1600MM-Cool]※2号機
Pan=0
Tilt=0
Output Format=Fits files (*.fits)
Binning=1
Capture Area=4656x3520
Colour Space=MONO16
Hardware Binning=Off
High Speed Mode=Off
Turbo USB=96(Auto)
Flip=None
Frame Rate Limit=Maximum
Gain=139
Exposure=0.014
Timestamp Frames=Off
Brightness=10
Gamma=50
Temperature=-14.6
Cooler Power=73
Target Temperature=-15
Cooler=On
Auto Exp Max Gain=300
Auto Exp Max Exp M S=30000
Auto Exp Target Brightness=100
Pattern Adjust=0
Apply Flat=None
Subtract Dark=None
Display Brightness=1
Display Contrast=1
Display Gamma=1

撮影対象は、トレース台を転用したなんちゃってフラット光源です。

撮影鏡筒は、BOERG89ED+ビームスプリッタ+自作レデューサで
フィルターは用いていません。
今回は、ショットノイズの影響を回避するために200枚コンポジットした画像を整数値変換して16bitFITSに書き戻し、Delphiで解析ごっこしてみました。


★2系統の素子間の輝度分布差異
f0346040_02074364.jpeg
モノクロ機であるASI1600MM-COOLですが、上記のように撮像素子を4つの群に分けて輝度分布を解析してみます。
その結果

f0346040_23405264.jpg
※緑のラインがL1+L4の輝度分布、青のラインがL2+L3の輝度分布です。
 横軸が出力輝度値で、縦軸がピクセル数です。
 横軸はリニアスケールで、縦軸はログスケールにしています。

今回は、ノンフィルターでフラット光源を撮影したので、輝度分布が見やすくなりました。

やはり、「比」ではなく「差」が出ているようですね。


★時間が取れないので・・・

本来、ここでコーディングし直してL1~K4の4ピクセルを1グループとして、「L1&L4の平均」と「L2&L3の平均」を各グループごとに調べて統計処理するべきなのですが、今あまり時間が取れないので、簡易的な『検証ごっこ』に切り替えます。

大まかな考え方は下記の通りです。

 ①任意の輝度を持つピクセル数をイベント数と解釈する
 ②隣接するセルの真の輝度値は等しいと仮定
 ③低輝度側からイベント数を積分する(いうなれば積分スペクトル)
 ④積分値が同じになった点は「頻度が等しい」と解釈する
 ⑤「頻度が等しい」=「本来の輝度値が等しい」と仮定する

ちなみにこの手法は(大昔に研究していた)高エネルギー宇宙線の縦方向発達の解析に用いられる「Equi intencity method (等頻度法)」からヒントを得ています。
当然、カメラの検証に用いる物ではありませんが、社会人になって一切の研究から手を引いたあぷらなーとは昔身につけた手法しか出てこないので、大目に見てやってください。(イーブンオッドコンポジットも宇宙線解析のイーブンオッド法からヒントを得てます)


★『等頻度法』による出力輝度差推定

先述の方針にしたがい、「解析ごっこ」した結果は次のようになりました。

同じ『ハズ』の輝度値が素子グループによりどう出力されてしまっているかの推定は・・・・

f0346040_00023434.jpg
 ※青ラインは「L1&L4」、赤いラインは「L2&L3」による出力輝度の推定を表します。
  横軸が積分イベント数、縦軸が推定される出力輝度値で、どちらもリニアスケールです。

むう・・・。
やはり、比では無く差が一定になっている様ですねぇ。

ちなみに「L1&L4」グループと「L2&L3」グループの出力輝度差は、758と推算されました。
要するに
「L1&L4」素子は「L2&L3」素子よりも758だけ出力値が低くなっちゃってる
というのが、今回の『解析ごっこ』の結論です。
ASI1600MM-COOLのADCは12bit出力で、出力値に16を掛けて(4bit分のスキマを入れることと同義)16bitデータを吐き出しますので、
約1.2%の出力誤差(というかズレ)が生じてるとも解釈できますね。


★『やっつけ補正』してみる

では、上記で推定した「758」を「L1&L4」グループの出力値に加算してやるとどうなるのかを見てみます。

すると・・・

ででん!
f0346040_00201486.jpg
 ※青ラインは「L1&L4」に758加算したもの、黄色いラインは素の「L2&L3」出力値です。

完全では無いものの、かなり差が埋められました♪


★以上の『解析ごっこ』から得た方針

ASI1600MM-COOL2号機の『網目状ノイズ』を軽減するには・・・
L1素子とL4素子の出力値に758を加算すれば良い。
という方向性が見えてきました。
(あくまで今回の撮影条件の場合です)

でもなー。モノクロ機はカラーベイヤー機と異なり、「チャンネルごとに別処理できるソフト」が無いからなあ・・・。
うーん。
やっぱ、自分でコード書くしか無いんだろうか・・・・・。
でも、FITSファイルの読み込みルーチンを考えるだけでも膨大な時間がかかっちゃったし、そもそも、ど素人が無理矢理コードを書いたので
読み込みだけで1ファイル30秒もかかっちゃうしなあ。これ、書き出しルーチンを実装するだけで力尽きそう。しかも激遅という・・・・(笑)。


★いや、ちょっと待て!!

「網目状ノイズ軽減のアイディア」として思いついた「第1案」は、
L1素子とL4素子に補正定数を加算する
というものでしたー。

いや、待てよ・・・・これって・・・・・・
もしかして・・・・・
なんか
『オフセット』の挙動っぽい気が・・・

さっそくやってみます。

冷却温度や光源や望遠鏡などの条件は全て同じにして
露光だけをゼロ(というか最小値)にして撮影してみます。
それを200コマコンポジットしてみると・・・

・・・出た!!
f0346040_01181838.jpg
あちゃー!
いわゆる『オフセットファイル』自体に網目状ノイズがバリバリ乗ってる!
犯人はこれかっ!

ここで得られた『オフセットファイル』をフリップして「ダークファイル」に見立て、先日の鉄塔写真に作用させてみます。

すると・・・・

ででん!
f0346040_02062448.jpg

 ※左:先日の『素』画像をコンポジット 右:今回作った『オフセット』を減算

おお!
あんなに『じゃじゃ馬』だった2号機の画像が、
まるで別物に!!

あ~あ。
もう、「灯台もと暗し」とはこのこと。
MM1号機が「ダークもフラットもオフセットも」不要なくらいに素直な画像を吐き出すものだから、完全に盲点でした。


★という訳で(前提的)結論

ASI1600MM-COOLのRev3機で乾燥剤入り口が銀色のタイプはオフセットを意識しなくてもセーフだけれど
乾燥剤入り口が黒色の個体の場合は、
露光や明るさに関わらず「必ず」オフセットを引くべし

ということですなー。

あ~あ疲れたー。
(けど安心した)

※まだ完全に問題が解消したわけでは無いですが、解決まで時間の問題という印象です。

by supernova1987a | 2017-12-25 01:32 | 機材 | Comments(12)

ASI1600MMの『のっぴきならぬ問題』③

★天気が悪いので・・・

今日は休日でしたが、1日中小雨が降る悪天候。
他にやることも無いので、先日来困っている問題を少し前進させることに。

f0346040_17315191.jpg
どちらもASI1600MM-COOL(Pro版では無くノーマル機)なんですが、ずいぶんと特性が違ってるようで・・・。

ただし、前回は個体差が出ることを全く想定していなかったので、真面目に比較できませんでした。
どうせなら、フィルタやケーブルやPCのポートも条件を揃えて、フラットな光源を撮影して比較したいところ。

と言うわけで・・・


★『秘密兵器』の投入

だいぶ前にポチった『秘密兵器』:LEDトレース台を投入することにします。

本来の用途とは異なりますが、A3サイズの格安フラット光源として転用できそうなので、確保していたアイテムです。

そして今回「ふと閃いて」10年近く長年愛用している「とある道具」に『重要任務』を与えてみることに。
それは・・・


ででん!
f0346040_17412793.jpg
ヤマハの譜面台です
そうそう、これを使うと・・・
f0346040_17432610.jpg
両手が空くので、部活指導でタクト振るときに便利なんだよねー
うんうん♪
・・・って・・・違う!
このブログはあくまで「科学系写真ブログ」。決して「音楽系ブログ」などではありません。

実は、このトレース台と譜面台という
「美術アイテム」と「音楽アイテム」を組み合わせると・・・・・

・・・ででん!
f0346040_17471537.jpg
新兵器、名付けて
『どこでもフラット台』
が完成♪
・・・色々と使い方間違ってますが(笑)


★検証ごっこのため「どこでもフラット台」投入

はじめにお断りしておきますが、譜面台自体はあくまで楽譜の閲覧を想定した構造なのでオーバーウエイトに弱く、下手すると転倒します。
よい子の皆さんは真似しちゃダメです(笑)。

f0346040_18140965.jpg
たかが89mm口径のBORGにA3サイズのフラット光源を持ち出す必要も無いのですが、「ツイン鏡筒のフラット一気撮り」とか「VMC260Lのフラット撮影」とかを想定した構成です。
架台に載せた鏡筒を少し下向きにして譜面台と直交を取れば、なかなか良い感じでフラット撮影できそう。
(・・・あ、実際の撮影では、暗幕で覆うなど一工夫が必要でしょうが)


★『のっぴきならぬ』は再現するか?

さて、今回はフラット撮影を兼ねての比較となりました。
とりあえず『現象』が再現されるか確認してみます。

ゲイン200+0.25秒露光でフラット光源を撮影した16bitFITS画像をそれぞれ100コマコンポジットして比較してみると・・・

f0346040_02070179.jpeg
 ※左:ASI1600MM-COOL1号機 右:ASI1600MM-COOL2号機

・・・うむ。やっぱり差が出ますねぇ。

要するに、
 1号機:クールピクセルがウジャウジャ でも 網目状ノイズは出ない
 2号機:クールピクセルはほとんど出ない でも 網目状ノイズまみれ
という真逆の特性。
こりゃ、全く別機種だと思って処理を考えないとダメみたい。


さてと、そろそろ真面目に『検証ごっこ』して下記の試行に入るとしますか。

A:クールピクセル軽減のためのアイディア
  思いついた5案のうち1案が成功して、2案は失敗。
  残る2案のうち1案は(今回の一件で)潰えたので、最後の1案を実験♪

B:網目状ノイズ軽減のためのアイディア
  思いついた案は3つ。
  1つずつ実験していきますね~♪

よし。
面白くなってきた♪
(いや、決して負け惜しみでは無くて・・・・)


★★★お約束★★★
一連の「検証ごっこ」は、あくまで『ごっこ』であって
その結果の正確性を保証するものではありません。


by supernova1987a | 2017-12-24 19:09 | 機材 | Comments(0)

ASI1600MMの『のっぴきならぬ問題』②

★全く予想外の展開を見せるASI1600MM『2号機』

『フルアーマーBORG』の主要装備として調達したモノクロ冷却CMOSカメラASI1600MM-COOLの2号機の調整のため試運転していた時、あぷらなーとに降りかかってきた『のっぴきならぬ問題』。青天の霹靂とはまさにこのこと(涙)。


全く想定外だったため、まともな検証はできませんが、ここで引き下がっては天リフさんも公認の『ど変態』の名が廃ります。
転んでもタダでは起きたと「思いたくない」のが信条の あぷらなーと ですから、ここは
「想定外に面白そうなネタを手中に収めた!」
と気分一新、楽しむことにいたしましょう♪
前回感じた『違和感』を視覚化するために、少しばかり『検証ごっこ』してみます。


★直感的に『なんか変』を視覚化する

前回感じたMM1号機とMM2号機との差異は、主として下記の3点でした。
 ①1号機に盛大に生じていたクールピクセルが2号機では姿を消した
 ②2号機には「なんか気色悪いノイズ」が出てる
 ③2号機はモノクロ機特有のシャープ感が無い
このうち、②を分かりやすくするために、前回の画像を強拡大してみます。

すると・・・
f0346040_01450505.jpeg
ダークもフラットも引いていない、素のRAW画像(16bitモノクロFITS)を100コマ加算平均コンポジットした画像の強拡大です。
見えますか?
モザイク状のノイズが・・・

ああ、なるほどね。
変だと思ってたんですよ。
最初に感じた『違和感』はモノクロ機なのにディスプレイに表示してみるとモアレが生じていたこと。
これって、絶対に周期的に明滅しているってことなんですよねぇ。
・・・そう。まるでカラー機のベイヤーデータのように・・・。

・・・となれば、すべき『検証ごっこ』は!


★出でよ、愛しのDelphiっ!!

ずいぶん前に「ASI1600MCの謎」シリーズを連載していた時に使ったPASCAL系プログラミング言語Delphiの出番が回ってきたようです。
え?他にも完成された解析ツールは沢山あるですって?
いやいや、今回やりたいのは、モノクロ機であるASI1600MMのFITSファイルを「まるでベイヤー機のように」解析することなんですよー。
だって、上記の画像を見て明らかなように、縦×2+横×2の4ピクセルを単位として周期的に『変なこと』が起こってますもん。

・・・という訳で
Delphi10.1コードネーム「ベルリン」よ
今こそ我が眼前に蘇るがいいっ!!
f0346040_01584476.jpeg
ふふふ。
Delphi復活♪

まあ、去年FITSファイルを『素のまま叩く』ツール作りではずいぶん苦労しましたからねぇ。


そのとき作ったコードを少し修正すれば、今回の目的には事足りるでしょう♪
あ、現在のあぷらなーとは、研究者でも開発者でもなく、文系寄りのオッサンですので、あまり期待しないでください。


★『解析ごっこ』するにあたり、想定したモデル

本来モノクロ機であるASI1600MMは、当然、「画素の種別」なんていう概念そのものがありません。
(カラー機なら、R画素・G画素・B画素に分類できますが・・・)
・・・ですが、前述の通り、どうも「4画素単位で変なことが起きてそう」なので下記のようにピクセルを分類して解析してみます。

f0346040_02074364.jpeg
つまり、モノクロの撮像素子をL1~L4の4つのグループに分類し、それぞれが『まるでカラーベイヤー機の様に』分布しているという仮定です。

だって、格子状の『変なノイズ』を説明しようとすると、こうするしか無いです・・・。



★いざ『解析ごっこ』開始!!

さて、自前の解析ツールでL1~L4各グループごとに、輝度分布がどうなっているのかを見てみましょう。

すると・・・

ででん!!
f0346040_02114011.jpeg
出た!!
あちゃー。
こりゃダメだわ。

L1&L4のグループ(カラー機ならGチャンネル2本に相当)と、L2&L3のグループ(カラー機ならRチャンネルとBチャンネルに相当)とが
全く異なる輝度分布を示してるじゃないか!!

ええと、横軸は素のままの輝度値(リニアスケール)で、縦軸がカウント数(ログスケール)です。

これ、いうなれば『感度が高い素子』と『感度が低い素子』が交互に配置されてるってことで、これじゃいくらコンポジットしても滑らかになる訳が無い!!

★★★12月24日追記★★★★★★★★★★★★★★★★★
解析ミスがありました。撮影時に上下反転出力をしていたことを見逃していました。
上記グラフの素子グループは下記のとおり間違っています。
 L1→L3の誤り L2→L4の誤り L3→L1の誤り L4→L2の誤り
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★


え?
「ASI1600MMって、元がカラーデジタル一眼用の撮像素子の転用だし、そんなもんじゃないの?」
ですって?
いやいや、同じ条件で撮影したMM1号機を同様の解析に掛けてみた結果が下記です。

f0346040_02193951.jpeg
ね?
どの素子もキレイに分布が揃ってるでしょ?
・・・というか、モノクロ機なんだから、それが当然


★いやはや、まいったなぁ・・・

大枚はたいて追加購入したASI1600MM-COOL2号機なんだけど、クールピクセルが劇的に減少したのは良いとして、
こんなの補正できるソフト、無いよぉ。

え?
「フラット補正でなんとかならぬか」
ですか?

ええと・・・たぶん無理っす。
輝度分布を見ての通り、比が一定になってるんじゃなくて、差が一定になってる雰囲気なんですよねぇ。
だから、キャリブレーションで除算を用いる従来のフラット補正では無理。

いや、待てよ。
これって、ひょっとしてオフセット調整でなんとかなるかも・・・・。
たしかオフセットのキャリブレーションって減算処理ですよね?

まあ、オフセットノイズの測定で同じ結果が出たら・・・の話ですが。

しかし、まあ
じゃじゃ馬だな、ASI1600MM2号機よ・・・
マジで泣きたくなるわー。

P.S.
まあ、時間が取れたら、色々と真面目に再検証ごっこしてみます。
・・・といいつつ、そろそろ「本業」が激務化するので、しばらくは無理かも(涙)
「Pro」版じゃない方のASI1600MM-COOLで「乾燥剤入れ口が黒いキャップになってて、カメラケースがサービス品でついてきてる」ロットをご愛用の方、皆さんのMMは「変な現象」起こさない良い子ですか??

by supernova1987a | 2017-12-20 02:46 | 機材 | Comments(16)

ASI1600MMの『のっぴきならぬ問題』を見つけてしまった

★『フルアーマーBORG』の出撃準備として・・・

BORG89EDをツイン鏡筒にして、そのうちの1本にはビームスプリッタを装着し、合計3機の冷却CMOSカメラを同時稼働させて「SAOナローを一発撮りしてしまおう」という乱暴な機材、名付けて『フルアーマーBORG』の出撃準備中です。残念ながらASI1600は2台がMMで1台はMCなのですが、OⅢなら(数の多い)G画素が使えるのでMCでも代用になるかと・・・・。

所詮、鏡筒は2本ですのでリアルなトリプル鏡筒には勝てないでしょうが、フィルター交換の手間や波長によるピントズレの補正の手間が省ける分、単なるツイン鏡筒よりは効率は上がるかと目論んだ次第。・・・まあ、CPUで例えると、「実際は2コアだけれど、ハイパースレッディングで3コアに見せかけてる」みたいなもんですかね(笑)。

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★ビームスプリッタには純正のフラットナが使えないので

ここで問題になるのが、ビームスプリッタを積んだことによって、純正のフラットナが使えないことです。
仕方ないので、ケンコーのクローズアップレンズAC3をレデューサ兼フラットナとして各カメラの前に組み込みました。
また、ASI1600MMは新機種「ASI1600MM-Pro」がアナウンスされていましたが、特性が変わっちゃうと色々とめんどそうなので、あえて従来の機種を入手しました。

さらに、ビームスプリッタを積んだことによって(V-Powerに換装しているとはいえ)接眼部に掛かる負担が大きいので、色々と補強を施しました。
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また、サブの鏡筒(MC×1で運用)は標準のヘリコイドでタワミが大きいので、こちらも補強。
さらに使わなくなったCCDカメラを電子ファインダーに仕立てて搭載しました。
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★ファーストライトまでの道のりは遠くて・・・

ここで、サクッとファーストライトに突入すれば楽しいのですが、自作レデューサの成否とか、フィルターの位置の調整とか、そもそもピントが出るのかとか、課題が山積しているので、なかなか実戦投入までの道のりは遠そうです。

というわけで、まずは、2台のASI1600MMが「似たような特性なのかどうか」をチェックするとともに、ビームスプリッタ併用時の弊害が出ないかチェックすることに。

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とりあえず、メイン鏡筒にビームスプリッタと2枚のASI1600MMを装着して、両方ともピントが出せるかどうかをテスト。
補強ステーと補強リングによって接眼部の可動範囲が制限を受けるので、意外と難航しました。

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天気が悪いので、こんな感じで約1km遠方にある鉄塔を撮影してみます。

・・・ところが・・・


★なんだ?この違和感は!

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まずは1コマ撮りです。左がビームスプリッタの直視方向に装着したASI1600MM1号機(元々持っていた物)、右が直交方向に装着したASI1600MM2号機(今回買い足した物)です。さすがに、MCと異なりMMはシャープです。ベイヤー処理が不要なことが大きく効いてきている上に、600mm前後の焦点距離だとシーイングの影響も受けにくいからでしょうね。

・・・でも、ちょっとまってください。
ええと・・・なんだか違和感があります。

2号機の方だけディスプレイで見るとモアレが見えるんです。これがカラー機のベイヤー画像なら分かります。
ディスプレイのナイキスト周波数がベイヤー配列の周波数よりも低い場合はモアレが生じて当然ですので。

でも、これ、モノクロ機ですよ。モアレなんて出ないでしょ普通。

ちと拡大してみます。

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すると今度は2号機のモアレは消えたものの・・・・。
なんというか、やはり違和感が。

ええと、どう言えば良いんでしょう。ちょうど、モノクロ機とカラー機の中間のような「なんだかピリッとしない」画像
それになんだか、変なノイズリダクションを掛けた後のようにボソボソしてます。


★コンポジットして比べてみる

1枚画像だけではショットノイズが支配的なので、カメラの特性が見えてきません。
そこで、それぞれ50コマコンポジットしてみました。もちろん、位置合わせは無しの加算平均処理です。

・・・すると・・・

ええっ!!
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ショットノイズが打ち消された結果、左のMM1号機は「お馴染みの」クールピクセルが明瞭に出てます。
ところが、右のMM2号機にはクールピクセルがほとんど見当たらない!?
その代わり、なんだか不自然な網目模様というか、「荒れ」が一面に広がっていて、とても50コマコンポジットには見えません。
しかも、若干像が甘い。

これ、カメラ内部でなんか『変な』処理されちゃってるんじゃ・・・。


★まさか・・・・

せっかくPro版ではなく従来仕様のASI1600MM-COOLを買い足したのに、これじゃ特性が違いすぎて「やりたかったこと」できないよぉ・・・・。
ああ、もう!

・・・・まさか・・・・・マイナーチェンジで「ピクセルマッピング」されちゃったとか「ノイズ低減処理エンジン」が積まれちゃったとか・・・???
ううー。マジで泣きそうです。(こんなことなら、おとなしくPro版に行ってたよー。)

というわけで(ナローバンド撮影にはさほど影響はしないでしょうが)副産物的に思いついていた『種々の面白い試み』が全てパーかも(涙)


★★★お約束★★★
あくまでも私見です。一般的にはクールピクセルが減るのは良いことです。
また、あぷらなーとはあくまで素人なので、今回の『検証ごっこ』には、多大なるミスが含まれているかもしれません。
なお、正確には、乾燥剤を入れる口のキャップの色など変更点が認められますので、まったくの同一仕様であるという保証自体がなかったわけですが・・・・



by supernova1987a | 2017-12-18 21:58 | 機材 | Comments(14)

○十年ぶりに「ふたご群」を撮ってみる

★「ふたご群」って苦手です

三大流星群の一角、双子座流星群が極大日でしたね。
でも、ここ○十年間撮影した記憶がありません。
だって・・・、寒いし、平日に当たることが多いし・・・・なんだかんだ言って「ふたご群」って苦手なんですよー。

★「気合い入れず」に撮ってみる

ところが、GPVみて「やれやれ曇りか・・・」と今年もパスしようと寝てたのですが、ふと2時頃に空を見上げると晴れ間が広がってしまってる。しかも、最近まれに見る透明度!!

あちゃー。油断して何も準備してないよー。
でも、「気楽に」撮影するなら間に合うか?

というわけで、
「撮影開始を決意してから撮影開始まで20分」
という『やっつけ仕事』で撮影してみました。

★お気軽布陣

バリアングルによる構図決定が楽ちんで、しかも(画素数が少なくて)現像処理が軽いD5000を2台投入。レンズはシグマの20mmF1.8と17-35mmF2.8-4をチョイス。
スリックの三脚にスカイメモNSを積んでノータッチガイドで行きます。
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あまりにも寒くて結露必至だったので、秘密兵器:ドリンクウオーマーで「ぬくぬく仕様」にします。
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撮影は、F2.8+ISO1600+30秒露光+RAWで100コマずつ連写(大抵のニコン機は100コマで強制停止しちゃうので)を繰り返します。
ニワトリなので、撮影中の50分間は『仮眠』♪

★とりあえず・・・

薄明近くになって明るいのが増えましたねぇ。

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今回のベストショットは、こちら。
トリミングして、3コマ比較明コンポジットしたものです。
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うむ。
なかなか良い感じ♪


by supernova1987a | 2017-12-15 11:09 | 天体写真 | Comments(10)

『光跡の途切れを解消する』冷却CMOSカメラを入手したらやろうとしていたこと

★天気が悪いので・・・・

『フルアーマーBORG』によるSAOナローの『一発撮り作戦』を決行しようと目論んでいたのですが、どうも天気が悪いですね。昨夜も途中から雨が降ったり雲が湧いたりで極軸セットすら不可能な状態に(涙)

・・・というわけで、2014年に考案したもののデジタル一眼では(恐らく)画像処理エンジンが余計なことをしてるために『理論通り』には上手くいかなかった案件を忘れないうちに片付けることに。実は、これ、素のRAW画像が得られる(と期待される)冷却CMOSカメラを買ったらすぐに『検証ごっこ』する予定だったのですが、ASI1600MC-COOLの謎が面白すぎて、すっかり後回しになってしまってたのですよー。



★みんな大好き比較明コンポジット・・・だけど

星座の日周運動を固定撮影で写す際の比較明コンポジットは、すっかり星景写真の「ど定番」になりましたね。
町中でも星の軌跡が明瞭に写せるこの手法は、低照度相反則不軌特性が無いが故に背景が飛んでしまいやすいデジカメにとっては、まさに救世主的存在です。

でも、こんな写真になって困ったことは無いですか??

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一見『インスタ映え』しそうな星景写真に見えますが、我々天文ファンが見ると「なにかおかしい」のですね。



★比較明コンポジットでは「色々途切れちゃう」

先ほどの画像はD700を使って撮影したものをステライメージで比較明コンポジットしたものですが、気になるところを拡大してみましょう。

・・・すると・・・
f0346040_15352948.jpg
こ、恒星の軌跡がプチプチ途切れちゃってる!!

コマ間のデッドタイムが悪いのでしょうか?
いやいや、それだと次の例が説明できないのですよ。

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な、なんじゃこりゃーっ!!
雲がシマシマになって気色悪い!!

さすがに、ゆっくり動く雲が途切れて写るほどデッドタイムは無いですよねぇ。



★どんなに高性能のカメラでも「途切れ」は必ず生じる

というわけで、無い頭を振り絞って考えてみた結果、
この「比較明コンポジットにおける途切れ現象」は、「原理的に回避できない」という結論に至りました。
(3年ほど前、あぷらなーとブログは、「このネタ」からスタートしました♪)




ゴタゴタした『考察ごっこ』がお好きな方は、お暇なときに上記のリンクを見ていただくとして、今回は直感的な説明を試みます♪



★「途切れ」が起こる仕組みを直感的に・・・♪

まず、一本の紙テープがあったとします。
この紙テープが本来の光跡だと思ってください。ちなみに、このテープの太さは明るさを表します

f0346040_16434792.jpg
短時間露光をすることは、このテープを細かく切っていく作業に相当します。
ここで問題なのは、「恒星像がピクセル上を移動している最中に露光が終わる」ため、コマの境目は「斜めに切られてしまった」状態に相当するという点です。

f0346040_16481296.jpg
これを元に戻すには原理上「加算コンポジット」をすべきですが、残念ながら加算コンポジットしてしまうと、背景が明るくなりすぎるので比較明コンポジットを行うというの主流ですよね。
比較明コンポジットでは、本来2つのパーツに分かれている部分(切れ目)を貼り付けずにより幅が大きい方のみを採用します。
これは、本来平行四辺形であるパーツを台形に変形して糊付けしてしまう行為に相当します。

f0346040_17001770.jpg
したがって、つなぎ目には「原理上かならず」凹み(途切れ)が出てしまうわけですね。
撮像素子上を移動していく像をモデル化して簡単にシミュレーションしてみると、実際の途切れ像が再現できます。

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これは、比較明コンポジットして得られた実際の像の輝度分布と良い近似を示します。

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      ※比較明コンポジットして得られた光跡の輝度を簡易測定したグラフ



★『イーブンオッド・コンポジット法』のイメージ

この途切れの現象を軽減するには、2つのポイントがあります。
 ①同じピクセルに同一天体の像が重なったコマ同士を比較明合成してはいけない
 ②加算合成処理は最小限にとどめないといけない
①に反すると「途切れ」が生じ、②を守らないと背景がトンでしまう訳ですね。

そこで、撮影した元画像を「イーブン群」(偶数Noコマ)と「オッド群」(奇数Noコマ)の2群に分け、
まずそれぞれの群を比較明合成した後、最後に「1回だけ」加算合成する手法を思いつきました。
で、これを「イーブンオッド・コンポジット法」と勝手に命名しました♪
(すみません。変な造語を作るの好きなんです。)

f0346040_17180832.jpg
こうすることで、バックグラウンドの輝度上昇を最小限に止めつつ、光跡の途切れを「原理的に」押さえ込むことが可能だと目論んだわけです。

詳細にシミュレーションしてみると、
 背景光(バックグラウンド)に対する恒星の軌跡のS/N比は、単純な加算コンポジットよりも高く
 光跡の途切れは比較明コンポジットから飛躍的に改善
されることが予測されました。

f0346040_17225046.jpg
これで「万事めでたし」と思ったのですが・・・

・・・が、しかし!


★現実は甘くない

自信満々で考案した『イーブンオッド・コンポジット法』なのですが、『比較明コンポジット星景写真の権威』でもある知人に試してもらうと、どうもこれが上手くいかないらしい
実際に、あぷらなーと自身も
 JPEGからだと暗めの星は途切れずに上手くつながるが
 明るい星は過剰補正でつなぎ目が明るくなってしまう。
 RAWのままだと偽色まみれのシマシマになってしまう。
という怪現象に悩むことになります。

色々と考えた末、暫定的に下した結論は
「デジカメの画像処理エンジンが変なことをしてる」
です(笑)

ちなみに、(一般的な認識とは逆だと思いますが)、あぷらなーとの仮説は、
デジカメの画像処理エンジンは「途切れを目立たせる方向」に働いているのではなく、(像のエッジを強調することにより)「途切れを軽減する方向」に作用しているのではないか(上のモデルでいう「台形型」の裾野を高めにして長方形に近づけようとする効果)
というものでした。

とすれば、画像処理エンジンの作用を受けない冷却CCDカメラや冷却CMOSカメラのRAW画像で試してみるしかありません

実は、ASI1600MC-COOLを購入した理由の一つがこの件の『検証ごっこ』だったのですよー。




★といいつつ、色々と他に魅力的なネタが多くて・・・

「FITSファイルの解読アプリ作り」やら「ビームスプリッタ」やら「クールファイル補正法」やら「霧箱実験」やらが面白すぎて、イーブンオッドの『検証ごっこ』が後回しになってしまってました。

・・・で、ここからが本題です。(ようやく?)

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ASI1600MC-COOLにシグマ10-20mmF4.5-5.6を装着!

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所詮お気軽固定撮影ですから、装備は最小限に♪
天候は雲がワラワラと流れている状態ですが、気にせずゲイン200の30秒露光を1時間継続してデータを取ります。


★まずは普通に比較明コンポジット

今回は、「決着」させたかったので、きちんと冷却(-10度)して、同一条件でのダークファイル(120枚コンポジット)も減算。
デモザイクの影響を受けないようにRAWのまま比較明コンポジットしてみます。

すると・・・・
f0346040_17465549.jpg
一見、上手く撮れたように見えますが、
オリオンの三つ星からM42付近を拡大してみると・・・・

f0346040_17481257.jpg
ああ、やっぱり!
ご覧の通り、見事にブチブチに途切れてます。
 ※大きな隙間は雲の通過によるもの

さて、いよいよ『イーブンオッドコンポジット』を実行してみます。



★イーブンオッドよ、今こそ真の力を見せるがいい!


撮影した120コマの画像のうち、
 奇数番号の60コマを「オッド群」として比較明コンポジット
 偶数番号の60コマを「イーブン群」として比較明コンポジット
します。

f0346040_18001682.jpg
このように、それぞれが点線になりますが、理屈上この二つを加算すれば「スキマ無くピッタリつながる」はず・・・・・。

では、早速この2つを加算コンポジットし、最後にデモザイクしてカラー画像にしてみます。

すると・・・・

ででん!!

f0346040_18061362.jpg
キたぁー!!
暗い星から明るい星まで、一発でつながりました!!


通常の比較明コンポジットと比べると、こんな感じ♪
f0346040_18085947.jpg
 ※左:比較明コンポジット 右:イーブンオッドコンポジット


ああ、ここまで長かった~。
今日はよく眠れそうです♪

え?「よく見ると、ちょっぴり途切れてるぞ?」ですか。
ええと・・・
その方が(デジタル一眼のように重なり過ぎるより)納得しやすいんです。

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ASI1600MC-COOLをフル解像度の16bitRAWで連続撮影した場合、上のように実測で約0.34秒のデッドタイムが存在していて、しかもそれが揺らぎますので。さらに、(今回浮上した問題ですが)突発的ホットピクセルがダーク減算では消しきれないためホット&クール除去フィルターをベイヤーデータに作用させる必要があるのですが、この処理は若干の『星喰い』現象をもたらしますので・・・。
※この件については、いずれまた・・・・♪

 

by supernova1987a | 2017-12-11 18:09 | 天体写真 | Comments(10)

『フルアーマーBORG』用「電子ファインダー」

★なんぞこれ?的なゴテゴテしたBORGを

なかなか天候には恵まれませんが、『フルアーマーBORG』の出撃準備がノロノロと進行中です。


その中で「初挑戦」したのが「電子ファインダーの装着」です。



★1点アライメント仕様の赤道儀では

あぷらなーとの主力赤道儀はK-ASTEC改造newアトラクスです。


DCモーターとロータリー接点の相性が『微妙』で暴走しまくっていたアトラクスですが、K-ASTECさんの改造で見違えるほど安定した駆動が可能となりました。
ただし、それまでSS2000PCによる3点アライメントが、仕様上1点アライメントになってしまったため、お世辞にも導入精度が高いとは言えません。(無論、『極軸合わせが完璧』で『鏡筒や赤道儀のタワミがゼロ』なら1点アライメントで問題ありませんが。)
そこで、撮影対象を変える度に、その近傍の明るい恒星を手動で導入して1点アライメントを行い、そこからの自動導入を行っています。
この場合、目的の恒星をいかに素早く導入できるかがカギなのですが、普通の光学ファインダーだと自分の体勢が(オヤジさんのいう)『イナバウワー』になっちゃうので結構難儀します。まあ、これは屈折望遠鏡やカセグレン系の宿命ですね。

と言う訳で、「明るい恒星だけ導入できれば十分」というコンセプトで「電子ファインダー」を作ることに。



★すでに退役したかわいそうなCCDカメラ

惑星撮影用に導入した
イメージングソース製のCCDカメラDFK21AU618ASは、個人的には大好きなカメラです。
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ちっこい割に「所有感」満点なんですよ、このカメラ。さすがはドイツ製♪
がっしりとした筐体、丁寧な面取りにはため息が出ます。(お高いだけのことはあるなぁ)

でもたった30万画素ですから、撮像素子全体を使わないとなかなか良い画像が撮れません。これ、意外に導入に難儀するのですよ。
で、画素数に余裕があって素子自体も大きいASI174MC-COOLを導入してからというもの、すっかり出番がなくなってしまいました。個人的には、画素数的に数十万画素もあれば十分だと思ってます。そこで、拡大率を低めにした望遠鏡でASI174とかASI1600とかで撮影すると、「導入時にはフル画素で写野を広く」して、導入後は「ROI(クロップ)で惑星周辺のみ拡大」という手法で撮影しています。このやり方だと、恐ろしく簡単に導入できます。

・・・と言うわけで、退役したDFK21AU618ASは、ずっと防湿ケースの中で休眠していました。



★今こそ目覚めよ、DFK21AU618AS!!

電子ファインダーを構築するにあたって、ああでもないこうでもないと悩んでいたときに、ふと
「あ!ヤツが眠っていた!!」
と思いつきました。
コイツにCマウントの広角レンズを取り付ければ、それだけで電子ファインダーになっちゃうではないか??

というわけで・・・

f0346040_00500459.jpg

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わはははは。
たった20秒で「電子ファインダー」完成♪

速攻で『フルアーマーBORG』の制式装備となりました。
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★はたして使い物になるのか?

手持ちの部品達が(笑いが止まらないほど)うまくマッチしてくれたおかげで、なんの加工も必要なく完成した「電子ファインダー」ですが、問題は「実用になるのか」です。『イナバウワー』回避のために導入したドットサイトファインダーよりも視認性が低いようでは使い物になりません。

・・・というわけで、実際にぎょしゃ座付近を観察してみることに。

すると・・・・


ででん!!

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素晴らしい♪

リフレッシュレート2FPS(露出0.5秒)でバッチリぎょしゃ座全体が視認できますよー。
こ、これならあっという間に対象近傍の恒星が手動導入できて『フルアーマーBORG』の捕捉効率が格段に向上するのは間違いなし。
ふはははは。
これさえあれば、どんなターゲットでも一瞬で捕捉してくれるわ!

さて、お次は(難航している)自作レデューサの「取り付け位置決め」ですなぁ。
・・・これは(ビームスプリッタのせいで)相当に難儀しそう(泣)。


P.S.
最近ハマっていた自作霧箱による放射線検出ごっこですが、
おかげさまで『本業』のイベントで無事実戦投入できました。
小学生から中学生まで、全員が自作に成功。(驚異的な成功率♪)
「見えたー!」
「飛んだー!」
「うわー、今のは宇宙線ですね?!」
わき上がる歓声と拍手で会場は「興奮のるつぼ」に♪
子供の理科離れが叫ばれて久しいですが、なんの、最近の子供達もなかなか見所があるではないですか。
刺激的な理科実験ネタ探しにお悩みの学校関係者様、高松市近傍なら、いつでも「出張教室」いたしますよー(笑)。

by supernova1987a | 2017-12-05 01:23 | 天体望遠鏡 | Comments(13)


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