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2018年の『新プロジェクト』の一つを開始してみる

★公言したは良いけれど・・・

先日のブログで

「2018年にやりたいことリスト」を公言しちゃいました。
①「クローズアップレンズ転用の望遠鏡」を『4連装』にしてナローバンド撮影。
②『フルアーマーBORG』のテスト撮影。
③『3板式CMOSカメラ』を構築して遊んでみる。
④簡易分光望遠鏡を作り「自宅周辺の光害」のスペクトルを測定してみる。
⑤トリウムレンズを放射線源にして「突発的ホットピクセル」の正体に迫ってみる。
⑥グローバルシャッターを用いて、夜空全体がフリッカー現象を起こしているか調べてみる。
⑦『光害チョッパー装置』の設計に入る?
⑧シンクロトロン輻射を起こしている星雲の偏光状態を調べてみる。
⑨簡易的なハルトマンテストで手持ちの機材の収差曲線を描いてみる。
⑩オフアキシスガイダーならぬ『オンアキシスガイダー』のテスト運用開始。
⑪8ヶ月計画で『アマチュアの壁を越えてみるごっこ』プロジェクト始動。

実は、公言したのには深い理由がありまして・・・。

新年早々、右腕に『大けが』しちゃったのですよぉ。
本業とは別に担当している某高校男子応援部の実技指導がらみなのですが、年甲斐も無く速度セーブせず『本気で演舞』したら名誉の負傷・・・・MRI検査したら右肩の腱が切れて肩に水が溜まってるという『のっぴきならない事態』に。いつもは入念なアップ&テーピング&サポーター装備で万全を期していたはずが、この日に限ってこれらが甘くて・・・。

手術+入院+リハビリ で何ヶ月かかるか不明というガクブルな毎日なわけですよー。

ま、この辺は、本業との絡みで慎重に事を進めるつもりですが、たぶん『やりたいこと』が沢山あった方が快復も早いかな、と。


★プロジェクト④準備始動!
高校生の頃、光害カットフィルタの効果を検証するために、自宅周辺の街灯のスペクトルを簡易測定する目的でプリズムと双眼鏡とポラロイドカメラを組み合わせた簡易分光器を自作したことがありました。ちなみに当時愛用していたフィルタはミザールの「μフィルタ」(ピンと来た方は昭和時代の元天文少年認定ですね。)

・・・で、最近自宅周辺に増えたLED街灯の光害を有効除去する方法を色々と模索している中で、
「そもそも、従来型街灯の輝線スペクトルとLED型の連続スペクトルのどっちが効いているのか」
という当然の疑問が・・・。

というわけで・・・

なんぞこれ?
f0346040_01022817.jpg
まるで、なつかしのマウント仕上げポジのようですが、これ1000本/1mm仕様の回折格子です。
近年ではDVDの溝を転用した反射型回折格子による分光器作りが流行っているようですが、それだと(先駆者さんが沢山いらっしゃって)面白くないので、透過型のヤツを作ってみたいと♪

ちなみに、この回折格子は、ビームスプリッタ装置作成の部品調達でいつもお世話になっているエドモンドオプティクスさんの製品(このメーカーさん、ホントなんでも手に入る♪)
ただし、あくまで「あそび」なので実験グレードではなくて、レプリカグレード。要するに、生徒に『実験ごっこ』させたりする用途の『オモチャ』ですな。

・・・え?お値段ですか?
あくまでオモチャなので、1個150円程度です♪


★点光源なら、なんの苦労も要りません

スペクトル撮影というと、なにやら難しそうに聞こえますが、対象が街灯とか恒星などの点光源ならば、なんの苦労も要りません。
カメラの前に回折格子をかざして、向きを対象からズラせば・・・・

f0346040_01122376.jpg
 ※ニコンクールピクスP7800で撮影

こんな風にキレイなスペクトルが楽勝で写せます。
この写真の中に、蛍光灯光源とLED光源が弁別されているのが分かるでしょうか?

では、比較してみましょう。

すると・・・

ででん!!
f0346040_01145060.jpg
上が従来型の街灯のスペクトル下がLED型街灯のスペクトルです。
従来の街灯は明瞭な輝線スペクトルで、LEDは起伏を伴った連続スペクトルであることが確かめられました。

簡易測定グラフも付けていますが、RGB素子がどの波長に反応しているのかも分かって面白いですね。

ところで(別件になりますが)フィルム時代には天体写真の「青ハロ」が問題だったのに、デジタル時代になって急に『赤ハロ』が問題視されるようになった背景には、「本来存在しないはずのマゼンタスペクトル」を無理矢理演出しようとするデジカメ側の事情が効いてきていると睨んでます。
上の写真とグラフを見てください。青い色の中に明瞭なマゼンタが見えますね。本来、マゼンタは補色なので、赤いスペクトルと青いスペクトルが重なった場合にのみ生じる色のハズです。ところが実際には「完全に青のみの波長」にR素子が反応してます。つまり、R素子の感光領域がB素子の感光領域に割り込んでいて、本来青い色を無理矢理マゼンタ(赤紫)に見せようとしていることが推測されますね。(この件も色々調べると面白そう♪)

★相手が「面積体」の場合は事情が異なるので・・・

このように、相手が点光源の時のスペクトル撮影は楽勝です。なんの工夫も要りません。
だたし、今回の主目的は、光害の主要因を特定することなので、天体写真のバックグラウンド(夜空)のスペクトルを撮影する必要があります。
この場合は、相手が面積体になりますので、ピンホールやスリットなどを用いて対象の光(の入射角度)を絞り込まないとスペクトルが全部重なってしまいます

・・・という訳で、どんな装置にすればいいか思案開始です。
ともかく、レプリカグレードの回折格子でも十分に分光できることが確かめられたので、プロジェクト④の第一段階は突破です♪

by supernova1987a | 2018-03-06 05:53 | 科学写真 | Comments(6)

『激安望遠鏡』に手を出してみる

★ずっと気になっていた望遠鏡
口径90mmクラスの天体望遠鏡として2本揃えちゃったBORG89EDですが、これ、結構良いお値段がします。ですから、2本ともバーゲンセールの時に買ったわけです。

ま、EDやフローライトを用いた屈折望遠鏡は昔からお高いものですが、だからといってお手軽なアクロマートは国内メーカーさんのラインナップから消える一方です。
高倍率時や星雲の写真撮影での性能はとりあえず置いといて、お気軽観望に使える90mmクラスの屈折望遠鏡が欲しいなあと思っていたところ、とても気になる機種が・・・・。


★Gskyer 90600、だと?

どうも耳慣れないこのアヤシい機種。気になってたんです。
口径90mm・焦点距離600mmのアクロマートなのですが、アマゾンなら経緯台とのセットで27,999円という信じられないお値段。
困ったことにほとんどレビューらしきものが見当たらないのですが、商品写真を見る限り、鏡筒・接眼部・架台・三脚の4つともプラスチックではなく金属製に見える質感で、とてもフルセットで3万円を切る望遠鏡には見えません

もし、これが「そこそこの性能」なら(・・・せめて『大ハズレ』でなければ)生徒達に自力観望させるのに良い(壊されてもキレずに済む)のになあ・・・と悶々。


★『軍拡』終了宣言はどこ行った?
先日来、「2018年の軍拡は終了♪」と宣言していたのにも関わらず、このアヤシい望遠鏡が気になって仕方がありません。だって・・・海外製の激安望遠鏡は販売業者さんが手を引けば市場から消えるので、この機種もすぐに消えちゃうかもしれないじゃないですか。

ええい!勉強代だっ!!

・・・結局、ポチっちゃいました(笑)。
以下、万が一同じように気になっている人が居たら、貴重な『人柱記事』ですよ~♪

ででん!
f0346040_04100477.jpg
この口径90mmアクロマート屈折経緯台に・・・
f0346040_04111879.jpg
 ・6×30mm xy型ファインダー
 ・正立45度プリズム
 ・25mmアイピース
 ・10mmアイピース
 ・5mmアイピース
 ・3×バーローレンズ
という具合でアクセサリーが無駄に・・・ドッサリとついてて27,999円(新品・税込)。
一体、鏡筒本体の原価いくらだよ!!
もう訳が分かりません

ちなみに、1枚物の使用説明書は、意外に分かりやすい。
f0346040_05583767.jpg
ただし、中国語と英語のみの説明なので、初めて天体望遠鏡に触れる人は意味不明かも・・・・。
 
 
★材質やつくりはどうだ?
世の中には、買ってはいけない』系の望遠鏡も多々あって、大抵は粗悪な対物レンズのプラスチック鏡筒にグラグラの架台や三脚がついてくるヤツですね。
下手すると、アクロマートですらないレンズや、そもそも光学ガラスを用いてないレンズもあるとのウワサ。

さて、今回のブツはどうでしょうか?

まず、鏡筒、これは(商品写真から推測したとおり)しっかりとした金属製でした。ただし、フードはプラスチックです。
嬉しい誤算は接眼部も金属製だったこと。
「さすがにここはプラだろう」と推測してたんですが、ちゃんとした金属製ラック&ピニオン接眼部でした。ただし精密感はありませんし、それなりにガタもあります。
f0346040_04225342.jpg
経緯台も金属製で、意外としっかりとしています。
フリーストップ式ですが、水平・垂直ともにクランプがあるのは良いですね。
f0346040_04260718.jpg
三脚はステンレス製で、伸縮部の接続のみプラスチックでした。
f0346040_04215093.jpg
★心臓部の対物レンズはどうだ?

望遠鏡の「命」は対物レンズです。こればかりは、粗悪品を引いてしまうと『即アウト』ですので。

・・・とりあえず、光をあてて観察してみます。
f0346040_04243846.jpg
なるほど、反射光から推測するに、2枚玉分離式のフラウンホーフェル型(前玉が凸レンズ)アクロマートで、
コーティングは、マルチコート×1面 マゼンタコート×1面 ノンコート×2面 といったところでしょうか。

とりあえず、変なキズや割れは無いようで一安心。

・・・ん??
・・・ちょっと待て!
な、なんぞこれ?!
f0346040_04370700.jpg
「なんか四角いの」が、前玉と後玉のスキマに挟まってる!
さらに、対物レンズの背後に「モコモコした黒い布みたいなの」が無造作に出てる!

あちゃー。
いきなり『アウト』か?
うーん。
ベテラン天文家たちの『ほらー、こんなのに手を出すから~www』って声が聞こえる・・・・。


★転んでもタダでは起きたと「思いたくない」
小中学生の頃から、望遠鏡や双眼鏡の対物レンズやプリズムを分解して掃除や調整をしてきた身です。(さすがに高級品はバラす勇気はありませんが)激安望遠鏡の分解ごときでは躊躇しませんよー。

まずは、フードが外れるハズ!
f0346040_04341917.jpg
これ、意外に苦戦しました。
ねじ込み式じゃなくて、かぶせ式でした。(軽く接着剤で止めてただけみたい)

むう?
鏡筒は金属製なのに、対物レンズセルはプラスチックだー。
しかも、なんかネジが斜めに刺さってるし・・・(笑)。

f0346040_04343484.jpg
フードを取り外すと、さっきの『謎の四角いの』がハッキリと見えますね。
ああ、これって・・・分離式アクロマートの空気層調整用のスペーサー『お散歩』してるんじゃ?
それと、『モコモコした布状のもの』・・・対物セルのビスの位置から考えて『鏡筒内に突き出したビスの先を隠す布』じゃねーか?

分離式対物レンズにとって、スペーサーはとても大切な部品です。これが『お散歩』してちゃ設計値出せません・・・てか、レンズ傾きます。

ここで、メーカーさんからの注意文が脳裏をよぎります。
曰く、

鏡筒周りの固定ネジが精密な光学システムによって調整ずみですので、勝手に変えると、光軸の変化を引き起こす可能性があります。」

光軸調整装置が無いのは悪いことばかりではなくて、『素人が調整して余計酷く』のを防ぐ手段であることも知っています。プラスチックのセルはダメなんじゃなくて、耐衝撃性などで有利なこともあると思います。だから、多少不具合があっても、分解するのはよろしくありません

ですが・・・いやいや、さすがにスペーサーが散歩してるのは『事故』でしょう。

・・・バラします♪

f0346040_05101721.jpg
うーん。レンズ押さえリングもプラスチックかー。
ま、耐衝撃性が増すのかもねー。
ただし、工具無しでリングが外れるのもどうかと思いますが(笑)。

f0346040_05133220.jpg
出ました、心臓部です。
黒いのが3つあるのが分かるでしょうか?
やっぱりスペーサーですね。ま、普通は金属箔とかを使ってスキマを微調整するものだと思いますが、コイツは薄い樹脂状のチップっぽいですね。

しかし、すごい位置だなぁ。こんなの初めて見た(笑)。

f0346040_05163338.jpg
正しいと思われる位置にスペーサを配置し直して、組み直します。
ついでに、間に挟まっていたホコリやレンズ表面の汚れも清掃♪

ちなみに、ここまで対物セルはあえて外さずに作業しました。
メーカーさんの一文が気になるので・・・ね。
だって、プラスチックのレンズセルを止めているビスは、本当に『精密な光学システム』によって微調整されてるかもしれないじゃないですか。

ただし、鏡筒内に付き出したビスの頭を隠しているモコモコは撤去して、植毛紙で作ったリングを貼り付けました。
f0346040_05201716.jpg
よし、これで他人に対物レンズをのぞき込まれても『恥ずかしくない』ぞ。

さて・・・と。


★果たして、『ちゃんと見える』のか?
いよいよ、『実食』です♪
まずは、純正の組み合わせ(正立プリズム+付属アイピース)で月や街灯を観察。

・・・・悪くない・・・悪くないけど、なんかねむい。

正立プリズムを外してみます。

・・・・おお、だいぶスッキリしたぞ♪
いや、だってーまともな正立プリズムなら、それだけで3万円行っちゃうもん。
オマケのアクセサリーに期待しちゃいけませんって。

ではアイピースを『コスパ抜群の広角アイピース』UW-20(BORGはじめ、色んなとこで売ってるヤツね。)に変えてみます。

・・・・おお!
すごい
まともに見える!!


しかも・・・
あれ?
(気のせいかも知れませんが)
色収差が妙に少ない『ような気』がする・・・・

月面の縁とか、もっとケバケバに色収差が出ると思ったんだけどなぁ。

・・・よし!
足まわりチェンジだ!


★赤道儀に搭載して撮影を試み

f0346040_05360011.jpg
スカイメモSに搭載♪
見た目より鏡筒が軽いので、バランスも楽勝でとれちゃいました。

まあ、想定したのは、初心者がこの望遠鏡の経緯台操作をマスターして、次のステップに移行した状態ですかね(笑)。
さすがに、100倍越えの倍率だと、赤道儀の自動追尾がありがたいですなぁ。


★予定外のファーストライト
元々、「お気楽観望に耐えれば儲けもの」との趣旨でポチったものでしたが、予想外によく見えるので・・・・

f0346040_05422077.jpg
あーあ、原価不明のアヤシい激安アクロマートに赤道儀と冷却CMOSカメラ・・・・。
結局『変態チック』な機材に成り果ててしましました(笑)。

とりあえず、(シーイング最悪でしたが)お月様、行ってみましょう。

すると・・・

ででん!!

f0346040_05444523.jpg
 ※ASI174MC-COOL(冷却なし) Gskyer 90600直焦点 500コマのSer動画をAutoStackert!2で12%スタッキング
  レジスタックスでウェーブレット処理 ステライメージで最終調整

あれれ?
90mmのF6.7短焦点アクロマートって、こんなにスッキリ写せるものでしたっけ??

なんとなく、セミアポ級の性能のような気が・・・・・。
いや、きっと気のせいに違いない。


★ファーストレビュー総括ごっこ

Gskyer90600は非常にコスパ高くて面白い望遠鏡
 ※ただし、色んな部品が緩んでたり汚れてたり散歩に出かけてたりする
初心者用の観望用途に十分耐えうる性能
 ※ただし、周囲に助けてくれるベテラン天文家がいることが必須

天文『沼』の住人なら、さらに色々と遊べそう

 ※ただし、オモチャ感覚でポチることが必須


それにしても、対物キャップに絞り用の穴が空いていたり、アイピースホルダーの止めねじが2本で、しかもTネジが切ってあったり、鏡筒バンドの上にはストッパー付きのカメラネジがついてあったり、ドローチューブの長さと鏡筒内絞りの位置が(そこそこ)理にかなっていたり、鏡筒のアリガタはビクセン互換だったり、なんとなくマニア要素が盛り込まれてます。
そのくせ、アイピースは3本とも部品が緩んだ状態だったり、三脚のアクセサリートレーが欠品してたり、内部のつや消しがいい加減だったり、対物レンズは件のごとし・・・・・。とにかく、謎すぎる品です。

以下、続く・・・のか?

★★★お約束★★★
 ○1台のみの購入のため、個体差がどれほどあるかは不明です
 ○「色収差が少ない」とか「スッキリ見える」とかはあぷらなーと個人の主観です
  ※真の性能は後日、BORG89EDとサイドバイサイドでゆっくりテスト予定。
 ○自力での分解・調整は危険だとメーカーさんが警告しています。
 ○本記事は、特定の商品の評価を下げるものでも、購入を推奨するものでもありません。



by supernova1987a | 2018-03-05 06:07 | 天体望遠鏡 | Comments(10)

ASI1600MMの『のっぴきならぬ問題』②

★全く予想外の展開を見せるASI1600MM『2号機』

『フルアーマーBORG』の主要装備として調達したモノクロ冷却CMOSカメラASI1600MM-COOLの2号機の調整のため試運転していた時、あぷらなーとに降りかかってきた『のっぴきならぬ問題』。青天の霹靂とはまさにこのこと(涙)。


全く想定外だったため、まともな検証はできませんが、ここで引き下がっては天リフさんも公認の『ど変態』の名が廃ります。
転んでもタダでは起きたと「思いたくない」のが信条の あぷらなーと ですから、ここは
「想定外に面白そうなネタを手中に収めた!」
と気分一新、楽しむことにいたしましょう♪
前回感じた『違和感』を視覚化するために、少しばかり『検証ごっこ』してみます。


★直感的に『なんか変』を視覚化する

前回感じたMM1号機とMM2号機との差異は、主として下記の3点でした。
 ①1号機に盛大に生じていたクールピクセルが2号機では姿を消した
 ②2号機には「なんか気色悪いノイズ」が出てる
 ③2号機はモノクロ機特有のシャープ感が無い
このうち、②を分かりやすくするために、前回の画像を強拡大してみます。

すると・・・
f0346040_01450505.jpeg
ダークもフラットも引いていない、素のRAW画像(16bitモノクロFITS)を100コマ加算平均コンポジットした画像の強拡大です。
見えますか?
モザイク状のノイズが・・・

ああ、なるほどね。
変だと思ってたんですよ。
最初に感じた『違和感』はモノクロ機なのにディスプレイに表示してみるとモアレが生じていたこと。
これって、絶対に周期的に明滅しているってことなんですよねぇ。
・・・そう。まるでカラー機のベイヤーデータのように・・・。

・・・となれば、すべき『検証ごっこ』は!


★出でよ、愛しのDelphiっ!!

ずいぶん前に「ASI1600MCの謎」シリーズを連載していた時に使ったPASCAL系プログラミング言語Delphiの出番が回ってきたようです。
え?他にも完成された解析ツールは沢山あるですって?
いやいや、今回やりたいのは、モノクロ機であるASI1600MMのFITSファイルを「まるでベイヤー機のように」解析することなんですよー。
だって、上記の画像を見て明らかなように、縦×2+横×2の4ピクセルを単位として周期的に『変なこと』が起こってますもん。

・・・という訳で
Delphi10.1コードネーム「ベルリン」よ
今こそ我が眼前に蘇るがいいっ!!
f0346040_01584476.jpeg
ふふふ。
Delphi復活♪

まあ、去年FITSファイルを『素のまま叩く』ツール作りではずいぶん苦労しましたからねぇ。


そのとき作ったコードを少し修正すれば、今回の目的には事足りるでしょう♪
あ、現在のあぷらなーとは、研究者でも開発者でもなく、文系寄りのオッサンですので、あまり期待しないでください。


★『解析ごっこ』するにあたり、想定したモデル

本来モノクロ機であるASI1600MMは、当然、「画素の種別」なんていう概念そのものがありません。
(カラー機なら、R画素・G画素・B画素に分類できますが・・・)
・・・ですが、前述の通り、どうも「4画素単位で変なことが起きてそう」なので下記のようにピクセルを分類して解析してみます。

f0346040_02074364.jpeg
つまり、モノクロの撮像素子をL1~L4の4つのグループに分類し、それぞれが『まるでカラーベイヤー機の様に』分布しているという仮定です。

だって、格子状の『変なノイズ』を説明しようとすると、こうするしか無いです・・・。



★いざ『解析ごっこ』開始!!

さて、自前の解析ツールでL1~L4各グループごとに、輝度分布がどうなっているのかを見てみましょう。

すると・・・

ででん!!
f0346040_02114011.jpeg
出た!!
あちゃー。
こりゃダメだわ。

L1&L4のグループ(カラー機ならGチャンネル2本に相当)と、L2&L3のグループ(カラー機ならRチャンネルとBチャンネルに相当)とが
全く異なる輝度分布を示してるじゃないか!!

ええと、横軸は素のままの輝度値(リニアスケール)で、縦軸がカウント数(ログスケール)です。

これ、いうなれば『感度が高い素子』と『感度が低い素子』が交互に配置されてるってことで、これじゃいくらコンポジットしても滑らかになる訳が無い!!

★★★12月24日追記★★★★★★★★★★★★★★★★★
解析ミスがありました。撮影時に上下反転出力をしていたことを見逃していました。
上記グラフの素子グループは下記のとおり間違っています。
 L1→L3の誤り L2→L4の誤り L3→L1の誤り L4→L2の誤り
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★


え?
「ASI1600MMって、元がカラーデジタル一眼用の撮像素子の転用だし、そんなもんじゃないの?」
ですって?
いやいや、同じ条件で撮影したMM1号機を同様の解析に掛けてみた結果が下記です。

f0346040_02193951.jpeg
ね?
どの素子もキレイに分布が揃ってるでしょ?
・・・というか、モノクロ機なんだから、それが当然


★いやはや、まいったなぁ・・・

大枚はたいて追加購入したASI1600MM-COOL2号機なんだけど、クールピクセルが劇的に減少したのは良いとして、
こんなの補正できるソフト、無いよぉ。

え?
「フラット補正でなんとかならぬか」
ですか?

ええと・・・たぶん無理っす。
輝度分布を見ての通り、比が一定になってるんじゃなくて、差が一定になってる雰囲気なんですよねぇ。
だから、キャリブレーションで除算を用いる従来のフラット補正では無理。

いや、待てよ。
これって、ひょっとしてオフセット調整でなんとかなるかも・・・・。
たしかオフセットのキャリブレーションって減算処理ですよね?

まあ、オフセットノイズの測定で同じ結果が出たら・・・の話ですが。

しかし、まあ
じゃじゃ馬だな、ASI1600MM2号機よ・・・
マジで泣きたくなるわー。

P.S.
まあ、時間が取れたら、色々と真面目に再検証ごっこしてみます。
・・・といいつつ、そろそろ「本業」が激務化するので、しばらくは無理かも(涙)
「Pro」版じゃない方のASI1600MM-COOLで「乾燥剤入れ口が黒いキャップになってて、カメラケースがサービス品でついてきてる」ロットをご愛用の方、皆さんのMMは「変な現象」起こさない良い子ですか??

by supernova1987a | 2017-12-20 02:46 | 機材 | Comments(16)

クローズアップレンズ『だけ』で月面を撮る

★カメラ用の『老眼鏡』

趣味たる物、他人とは違った『妙なこと』やる方が面白いですよねぇ?
失敗しても良いネタになるし、成功すればなお良し♪

さて、カメラレンズの先に付けて簡易マクロ撮影をするためのアイテムとして「クローズアップレンズ」がありますね。
これをつけると最短撮影距離が短くなる・・・早い話が、カメラにつける『老眼鏡』ですな。

f0346040_23531840.jpg

大抵のクローズアップレンズは1枚玉なのですが、「ACタイプ」と呼ばれる高級品は2枚玉のアクロマートになってまして、色収差が軽減されています。
近年では、天体望遠鏡の接眼部やカメラアダプタに組み込んで「簡易レデューサ」や「簡易フラットナ」として用いられることも多くなりました。
これ、以外と侮れない性能なので、あぷらなーと自身もVMC260LやBORG89EDでの天体写真撮影に多用してます。

・・・とまあ、ここまでは良くあるお話なのですが・・・。



★せっかくの『アクロマート』なので

銀塩カメラ時代には、良く知られていたウラ技として「ACクローズアップレンズそのものを望遠レンズの替わりにすると意外に良く写る」ってのがありました。
これはメーカーさんも認識されていたようで、例えばケンコーからは「その用途」専用の鏡筒まで販売されてました。

残念ながら、今はそのパーツは売られていませんが、BORGのパーツをフル動員すると、クローズアップレンズを対物レンズにした簡易望遠鏡が作れます

たとえば、2500円程度で販売されているACクローズアップレンズNo2の52mm径(口径約50mm・焦点距離500mm)を用いて「ちょい本気」で望遠鏡を作ると・・・


ででん!
f0346040_23572940.jpg
こんな格好いい屈折望遠鏡が作れちゃいます。

あ、皆さんが言いたいことは分かります。
「2500円の対物レンズに対して、パーツにいくらつぎ込んでるんだ?!」
はい。その通り、コスパが良いんだか悪いんだか分からないアヤシい望遠鏡です。

名付けて
にせBORG50L」!!

・・・とまあ、ここまでならジョークで終わるのですが、『変態』あぷらなーとはこれで終わらせませんよー。



★にせBORG50L出撃!

今日は台風通過後の晴れ間が広がったので、「にせBORG」出陣となりました。
撮影対象は、ちょうど見頃のお月様♪

f0346040_00080597.jpg
どうです、この勇姿?!
とても2500円の対物レンズとは思えないでしょう??

f0346040_00092908.jpg
撮影用カメラはいつものASI1600ではなくて、ニコン1V3をチョイス。
焦点距離500mmだと、マイクロフォーサーズでは月の像が小さすぎるので1インチフォーマットがちょうど良いのです。
それになにより撮影にPCが要りませんしね。

さて、ニコン1V3の「必殺技」秒間60コマの超高速連写で50コマほどRAW撮影して、本日の撮影会は終了。


★ほんとに2500円のレンズで月面が写るのか?

さて、「にせBORG」の実力をお見せする時がやってきました。
あいにくシーイングは最悪でユラユラした月面でしたが、そこは画像処理で乗り切ります。

50コマ撮影した画像をAutoStackert!で100%スタッキングしたものをステライメージで最大エントロピー画像復元+軽くアンシャープマスクすると・・・


ででん!
f0346040_00195209.jpg
どうです?
まさかこれが2500円のレンズとは思えないでしょう?

と言うわけで、(個人的に大好きだった)ミニBORG50アクロが絶版になった今でも、ケンコーのACクローズアップレンズがあれば、大丈夫
いくらでも「にせBORG」が作れますね。

今回は、No2(焦点距離500mm)を使いましたが、No4(焦点距離250mm)を用いると、まさに「ミニBORG50アクロ」と同等のスペックに!!



★あれれ・・・・・

「にせBORG」が、いつの間にか
ぞ・・・増殖しちゃった(笑)

f0346040_00241186.jpg
★ご注意★
①ケンコーのACクローズアップレンズには色々な焦点距離の物が揃っていますが、No3だけは対物レンズに転用できません。
 なぜかNo3だけは「強烈な球面収差」が残っていて、「アクロマート」ではなく単なる「色消しレンズ」のようです。
②短焦点になればなるほど、像面湾曲の影響で画面周辺の像が大きく乱れます。
③短焦点になればなるほど、色収差が盛大に出ます。

※どうでもいい蛇足:
 色消しレンズ:色収差を補正したレンズ
 アクロマート:2色について色消しで、そのうちの1色については球面収差もコマ収差もないレンズ
 セミアポクロマート:3色について色消しで、そのうちの1色については球面収差もコマ収差もないレンズ
 アポクロマート:3色について色消しで、そのうちの2色については球面収差もコマ収差もないレンズ
 いずれもペッツファール条件を満たすことは要請されていないので像面湾曲は残ります。


by supernova1987a | 2017-10-31 00:42 | 天体写真 | Comments(8)

ツインBORG89EDファーストライト

★モヤモヤしてますが、一応晴れなので

せっかく念願のBORG89EDの「ツイン化」が成功したというのに、全く晴れ間に恵まれていませんでしたが、10/9にようやくGPVが「真っ黒」予報になっていたので、ファーストライトを行うことに。

どうせなら、「初ナローバンド」にも挑戦しようということで、こんな布陣になりました。

f0346040_06294136.jpg
※BORG89EDⅠ号機には、ACクローズアップレンズNO4+LPS-D1フィルタを装着して、ASI1600MC-COOLを。
※BORG89EDⅡ号機には、ACクローズアップレンズNO4+Hα12nmフィルタを装着して、ASI1600MM-COOLを。

なお、準備している内にどんどん露が降りてきたので、対物レンズ付近と冷却CMOSカメラ付近をヒーターで暖めます。



★月明かりとモヤのダブルパンチで・・・

正直、コンディションは良くないですねぇ。
とりあえず、今回のテストターゲットは『パックマン星雲』に定めました。
(モタモタしている内に曇りそうだったので、極軸合わせは目視のみで、追尾もノータッチガイドです)

さて、
ASI1600MC(ゲイン300・30秒露光)の一発撮りでは、こんな感じです。

f0346040_06364251.jpg

2×2ソフトビニングを掛けただけで、ほとんど真っ白けですね。

さて、初挑戦のHαナロー+MM(ゲイン300・30秒露光)の一発撮りの方はどうでしょうか・・・
f0346040_06383135.jpg
えっ!?
全く同じゲイン・同じ露光・同じ画像処理 なんですが、ほとんど「真っ黒け」じゃないですか。
さて、単に暗いだけなのか、余計な光をカットしてくれているのかを見るためにコンポジットしてみます。


★120枚コンポジットしてみると・・・

早速、120コマコンポジットを施してみます。
あまり時間が無いので、ダーク減算と「例の」クールファイル補正のみ行い、フラット補正は省きます。

すると・・・・
f0346040_06405661.jpeg
 ※左:LPS-D1+MC 右:Hα12nm+MM


おお!
Hαナローすげえ!!

星雲がクッキリと写るのはもちろんのこと、恒星像が驚くほどシャープですね。
色収差が無視できるので当然と言えば当然ですが、ナローバンド初体験なので、とにかくビックリ♪



★MCのRチャンネルをMMのHαと交換してみると・・・

f0346040_06531943.jpg
うむ。
なかなか良い感じです♪

多少のモヤや月光があっても、ナローなら「なんとかなる」と言うことですね。
それに、クローズアップレンズを転用した「簡易レデューサ兼フラットナ」が意外に良い仕事してくれて嬉しい限り♪
たった1500円のレンズでこれだけ補正できていれば御の字ですねぇ。

さて、次の機会にはOⅢとSⅡにも挑戦しつつ、フラット補正もやってみたいですねぇ。
あ、今回サボったオートガイドとポールマスターも(笑)


by supernova1987a | 2017-10-10 07:04 | 天体写真 | Comments(6)

カメラとストロボを大量に同期させてみる

★おことわり★

本記事は、使用している機材に使用上の問題が認められましたので削除いたしました。あしからずご了承ください。




by supernova1987a | 2017-08-16 00:03 | 自然写真 | Comments(14)

「激安中華ストロボ」で多灯ライティングする試み

★何度か痛い目にあったのに・・・

 望遠鏡の結露防止用に用いる目的で購入したカイロ用木炭が『爆発』したり

生徒実験用のスタンドが、『ゴミレベル』の梱包で届いたり

どうも最近、『はずれクジ』を引くことが多い『激安中華グッズ』なのですが、
性懲りも無く、またポチってしまいました。
梅雨時は、これ(ポチリヌス菌)が怖いんですよねぇ。

★今回のポチりテーマは「多灯ライティング」

マクロ撮影やブツ撮りをするときに、デジカメの内蔵フラッシュ一発では汚い影が出て使い物にならないので、たいていは2台以上のストロボをリモート制御して「多灯ライティング」します。

例えば、あぷらなーとの手持ち機材で「2灯ライティング」するなら、

 ①ニコン ワイヤレススピードライトコマンダー SU-800
 ②ニコン スピードライト SB900
 ③ニコン スピードライト SB600

を下記のように配置して、

f0346040_23534497.jpg
ストロボをそれぞれAグループとBグループに分けて設定して・・・

f0346040_23572050.jpg
 ※SB900を1CHのB群に割り当てた様子

f0346040_23581295.jpg
 ※SB600を1CHのAグループに割り当てた様子


コマンダーSU800でそれぞれの光量比を設定して・・・

f0346040_23554942.jpg
 ※同期チャンネルを1CHに一致させ、ストロボAとストロボBの光量比を1:2に設定した様子

カメラ側でシャッターを切ると、良い感じで光が回ります。

f0346040_23594159.jpg
 ※上記の設定で撮影した画像(動作が分かりやすいように、ワザと影を残してます)
 ※カメラ:ニコンD300 レンズ:ニコンマイクロ60mm F22 1/250秒
 ※ストロボ:ニコンSB900+SB600

ところが、コレ、結構なお値段がする組み合わせでして・・・
定価だと

 ニコンSU-800 43,200円
 ニコンSB900 70,200円
 ニコンSB600  37,800円

という有様で、カメラとレンズ以外の出費が15万円を超えちゃいます(涙)
こうなると、さすがにもう一セット組み上げるのは苦しい・・・。

★激安中華グッズで同等の効果を狙う

 こんなとき頼みの綱は、『激安中華グッズ』ですよねぇ。

・・・というわけで、組んでみた。

 思案の末、採用したストロボは・・・・

NEEWERのTT560
f0346040_00113727.jpg

 これ、とても立派な外観の割には・・・・

お、お値段が・・・・・ま、まさかの

2個セットで
5,699円!!

一応、内蔵ストロボの可視光をカットして赤外線に変換する装置(ニコンSG-31R)が必要なので、そこに1404円かかりますが、
それでも・・・

 ★ニコン純正システム
  151,200円
 ★中華ストロボ利用システム
   7,103円

と、実に21分の1の出費で済んでしまいます。

・・・・ここまで来ると、もう頭がクラクラするほどの激安ぶりですね。

★実際にシステムを組んでみる

NEEWERのTT560ツインシステムを組み上げるとこんな感じです。

f0346040_00202359.jpg
★もちろん、色々なコツが必要ではあります

無論、そんなにオイシイ話はそうそう無いわけで、安いには安いなりの理由があります。
実はこの中華ストロボTT560は「完全マニュアル仕様」なのです。
要するに、ストロボの照射量を自動で調整する類いの機能は「全く」ありません。

若い人には難しいかもしれませんが、昔から写真を趣味にしているオッサンであれば、たぶん楽勝で使えます。


★ノスタルジーを感じつつ・・・・

 あぷらなーとが、一眼レフなるものにもっとも傾倒していたのは、中学~高校の頃でした。
その頃、手持ちのカメラはニコンFG20という初心者用の安い一眼レフのみでしたが、(買えもしないのに)主要メーカーの一眼レフのカタログは全て入手していて、その仕様は全て丸暗記している始末でした。

 あの頃のニコンのストロボ(ニコン用語では『スピードライト』が正しいですが)の制御方式には4パターンありまして、エライ順に・・・

 ①TTL自動調光(F3・FA・FE2・FGなどに実装)
  →露光中にフィルム表面に反射したストロボの光をセンサーで測って明るさを調整する
   フィルターや絞り値を変えても、自動的にストロボの明るさを合わせてくれる素晴らしい機能
 ②絞り連動自動調光(EMとFG20のみに実装)
  →外部自動調光(いわゆる外光オート)する際に、カメラがレンズのF値をストロボに自動転送し演算に加味する
   使用できる絞りの候補が格段に多くなる画期的機能
 ③外部自動調光(機種依存が無くすべてのカメラで使用可能)
  →ストロボが被写体から反射した光を専用の受光窓で捉えて、照射量を調整する
   たいていは、使用できるF値が1~2種類に限定されていしまう。
 ④マニュアル調光(機種依存が無くすべてのカメラで使用可能)
  →ストロボはある決まった光量で発光するだけで、明るさの自動調整は一切行わない

ちなみに、現在のストロボは上記の①よりもさらに高度な調光技術が実装されています。

さて、TT560は上記の④なわけですのでこのご時世では考えられないほど古典的な仕様だと言えます。


★マニュアル調光のやり方

 ベテランカメラマンの方には常識でしょうが、最近では失われつつある『文化』だと危惧されているので(笑)、念のために記載しておくと

 L:ストロボから被写体までの距離(m)
 F:レンズの絞り値
 GN:ストロボのガイドナンバー

とするとき、適正な明るさを得るための公式は

 L = GN / F

です。
たとえば、ISO100でガイドナンバーが22のストロボを用いて、撮影距離が2mの被写体を撮るなら
レンズの絞りを11にすれば良い、などと計算してから撮影するわけですね♪

逆に、撮影距離2mの時に、どうしてもF5.6で撮影したければ、ストロボのガイドナンバーが11になるように光量を下げてやれば良いわけです。
ところが、オート頼りのたいていのストロボには光量を手動で調整する機能が省かれていることが多くて、難儀したものです。

さて、TT560の機能はどうでしょう?

f0346040_00550737.jpg
背面をみれば分かりますが、
なんと光量をMAXから1/128まで8段階に調整できるのです!!
しかも操作が(+-ボタンを押すだけという)分かりやすくて素晴らしい♪

ちなみにフル発光でガイドナンバーが公称38ですので、もし理論値通りの仕様だと仮定すると、
ガイドナンバーは
38-27-19-13-9.5-6.7-4.8-3.4
の中から選択できることになります。


★リモートライティングの機能は??

最近のストロボは赤外線通信機能が実装されていて、カメラ側(もしくはマスターライト側)から離れたところに設置してても自動的に同期発光が可能です。しかし、TT560にはこのような機能は一切ありません。

ところが!!
その代わりに「スレーブ機能」が実装されています。

背面パネルの「モード切替スイッチ」をよく見てみると

「M」「S1」「S2」の3つのモードがあることが分かります。
英文による簡易マニュアルが付いているので、それを意訳すると

 Mモード:マスタースレーブモード(通常の発光)
 S1モード:スレーブモード1(マスターライトが1回光るとそれに同期して光る)
 S2モード:スレーブモード2(マスターライトが2回光ると、2回目に同期して光る)

一瞬「S2」の意味が分かりづらいですが、実はこれこそがこのストロボの『真骨頂』でして、クラシカルな機種のくせに、実に『今風』なのです。昔なら、シャッターを切ると同時にストロボも一回光るのが常識でした。ところが、最近のストロボは「明るさの調整等のため、事前に1回予備発光」する機種が多いんですね。つまりマスターライトが光ったとしてもそれはあくまで「プリ発光」であって、スレーブ側はそれに同期しちゃ「フライング」になるのでダメなんです。
ところが、TT560のS2モードは「1回目の光を無視して2回目の光に同期して光る」という、実に賢いモードな訳です。
これには思わず唸ってしまいました。

なら、話は単純です!

カメラ側に内蔵されているストロボをIRフィルタで隠して、赤外線のみが当たるようにすれば(人の目には映りませんが)プレ発光は無視して本発光のタイミングでTT560が光ってくれるハズです。

★高価なリモート装置は一切不要!

こうなると、TT560で多ライティングする際には、赤外線や電波で同期させる専用の装置は一切不要で、カメラ側のストロボを隠すIRフィルタ(ニコンならSG-31R)を追加するだけで、システムが完成します。

f0346040_01292453.jpg
ちと分かりにくい写真になりましたが、ポップアップしたD300の内蔵ストロボに覆い被さるように付いているのがSG31Rです。
これにより、被写体には内蔵ストロボの(可視)光が当たらず、TT560には発光シグナルが伝わる事になります。

・・・・で、実際に撮影してみると・・・

・・・ででん!
f0346040_01321243.jpg
 ※上記の設定で撮影した画像(動作が分かりやすいように、ワザと影を残してます)
 ※カメラ:ニコンD300 レンズ:ニコンマイクロ60mm F22 1/250秒
 ※ストロボ:NEEWER-TT560を2台シンクロ

比較のため、ニコン純正システムでの画像をもう一度載せてみます。
f0346040_23594159.jpg
 ※ニコンの純正システムによる画像

どうです?この写り!
純正システムの20分の1以下のシステムとは思えないほど、ソックリではないですか♪

中華ストロボ、バンザイ♪


★ご注意★
あくまでこのストロボは「分かっている人」用の、特殊アイテムだと思います。

ニコンのSB900などの純正ストロボと比べると、外観は似たように見えても
 ○TTL調光できません
 ○外光オートできません
 ○AF補助光の照射できません
 ○純正のリモートライティングシステムに同期できません
 ○照射角ヘッドのズームできません
 ○後幕シンクロできません
 ○マルチフラッシュできません
 ○FP発光できません
など、ほとんどの機能が省略されている「完全マニュアル機」です。
少なくとも「最初の1台」としてはオススメできませんので・・・念のため。


by supernova1987a | 2017-07-10 02:01 | 機材 | Comments(14)

しばらくやっていた事

★ふと気づけば

週に1回更新を目指しているブログですが、前回更新から1ヶ月もブランクが空いてしまいました。
冷却CMOSカメラがらみで色々と試行錯誤していたのが原因なのですが、残念ながら(?)天体写真撮影がらみでは無く、まさかの『本業』の方(笑)。


★無謀なる(?)挑戦

夏休みに『本業』の方で「実験教室」を開くことになりまして、「ミルククラウン」を題材にしようと1ヶ月ほど格闘してました。
自分が趣味でやるならともかく、生徒達にやらせるとなると、これ、かなり難敵なんですねぇ。(たぶん、これまで実践した同業者さんはいないかと・・・)ここ数年は大学入試対策の現代文講師としての出番が一番多かったのですが、今回は小中学生相手の理科講師の役作りとなります。久々に趣味と実益を兼ねた企画なのでテンションが上がります。


★まずは、形から入る

ミルククラウン自体は、別に特殊な実験用具が必要な訳では無くて、前回の記事↓の通り

三脚か何かに穴を開けたフィルムケースをセロテープで縛り付けて、そこからお皿にでもミルクを滴下すれば事足りるのですが、これだとさすがに『みすぼらしい』ので、『それっぽい』ものをいくつかポチってみました。


★「ミルク滴下装置」完成

 普通のプラ容器に穴を開けたり、熱帯魚用の「水替え点滴装置」の転用とか色々試行錯誤しましたが、イマイチ動作が安定せず断念(少なくとも、子供では制御不可能)。結局、『理科実験御用達』のケニスさんから活栓付きロートや実験スタンドなどを取り寄せました。最近はこんなものもアマゾンからクリック一発で取り寄せできるんですねぇ。良い時代になりました。

 そう言えば小学生の頃、小遣いを貯めては分厚いケニスのカタログを手に近所の薬局に通い、試験管やアルコールランプや各種試薬をコツコツ買いそろえていたなあと、なんだかノスタルジーに浸ってしまいました。(あの頃は1年の大半を理科の自由研究に費やしてましたっけ・・・。)

 ・・・というわけで、こんな装置になりました。

f0346040_22072617.jpg
 うむー。なかなか「それっぽい」装置が組み上がったぞ。良い感じです♪
これなら、子供でも操作できそう。

 滴下するミルクは「教育上の配慮」からポスターカラーを溶いた疑似ミルクを用意。粘性率がすこし低下しちゃいますが、まさか生徒の自由研究ノートに「実験で使用したミルクは、実験後にみんなでおいしくいただきました」とか書かせられないですしねぇ(笑)。


★問題は冷却CMOSカメラ

 「最新鋭の機材を使って・・・」とか広告に書いちゃったので、普通のビデオやカメラじゃダメだろうと、ZWOの冷却CMOSカメラを『簡易版ハイスピードカメラ』として投入します。(『本物』のハイスピードカメラは高価なので無理・・・)
 ・・・ああ、こんなマニアックな製品を『本業』で使うことになるとは・・・・買った当初は、少しだけ想定してました(あれ?)

 ここで問題となるのが、3本の『赤缶』のうち、どれをメイン投入するかです。


★ASI1600MMの弱点

 実際の実験ではモノクロ画像を使用するので普通ならASI1600MMをROIでクロップしてハイスピード動作させたいところですが、ここで問題が生じます。このカメラ(というか、ほとんどの電子シャッターカメラは)ローリングシャッター仕様なのですね。要するに、全画素を一括露光して一気に読み出すCCDカメラと異なり、CMOSカメラでは1ラインごとに露光してそれを順次読み出すのですが、その間に撮影対象が動くと画像が歪んでしまうわけです。したがって「どんなに高速なシャッターを切っても、運動する物体の『瞬間の姿』は写せない」のです。俗に『コンニャク現象』と呼ばれるこの現象は、フォーカルプレーンシャッター搭載のフィルム一眼レフ(スリット走行によって高速シャッターに見せかけている)でも見られた現象でして、原理的に回避することは不可能です。


 それでは、実際にASI1600MMのローリングシャッターが起こす『コンニャク現象』が実験にどんな影響を与えるか見てみます。

下記の撮影パラメータで、滴下するミルク滴を高速撮影して『検証ごっこ』してみました。

[ZWO ASI1600MM-Cool]
Pan=844
Tilt=624
Output Format=SER file
Binning=2
Capture Area=1280x1024
Colour Space=MONO8
Hardware Binning=On
High Speed Mode=On
Turbo USB=100(Auto)
Flip=None
Frame Rate Limit=Maximum
Gain=114
Exposure=0.0001
Timestamp Frames=Off
Brightness=10
Gamma=50

f0346040_23015662.jpg
 ※左:ミルクの滴下方向と垂直にシャッター駆動した場合 右:滴下方向にシャッター駆動した場合
  (それぞれピクセル等倍トリミング)

上記の画像の左は、カメラを90度傾けて撮影したもの、右は水平を出して撮影したものです。
同じように写るはずのミルク滴が全く異なる形に変形しているのが分かりますね。さらに細かく見ると、左の写真では、水面に映った像と実際の滴とがキレイな線対称に写っているのに対して、右の写真では、全く異なる形(実態は縦長で虚像は横長)に写っている点も興味深いです(理論的に正しい挙動です)。



★左の画像は次のように解釈できます
f0346040_00180941.jpg

 このように、1ラインずつ左から右に露光している内にミルク滴が落下していくために、右斜め下に歪んだ像ができる訳ですね。
なお、水面に対して平行方向に走査しているため、実像と虚像が同じ形に歪むことも説明できます。



★右の画像は次のように解釈できます
f0346040_00191391.jpg
 このように、1ラインずつ上から下に露光している内にミルク滴が落下していくために、上下に伸びた像ができる訳ですね。
なお、水面に対して直交方向に走査しているため実像と虚像とではその像の動きが真逆となります。したがって実体と水面に映った像の歪み方が異なることも説明できますね。



★ASI174MCはスゴイ!

画素数が少なかったり、冷却しても消えない盛大なアンプノイズがあったりして『じゃじゃ馬』なASI174MC-COOLですが、このカメラにはCMOSカメラとしては画期的とも言える「グローバルシャッター」が実装されています。要するに、CMOSカメラでありながら、まるでCCDカメラのように全画素一斉露光できちゃうのです!!

では、ASI174MC-COOLを下記のパラメータで撮影したものでグローバルシャッターの実力を見てみましょう。

[ZWO ASI174MC-Cool]
Debayer Preview=On
Pan=568
Tilt=308
Output Format=SER file
Binning=1
Capture Area=800x600
Colour Space=RAW8
High Speed Mode=On
Turbo USB=80(Auto)
Flip=None
Frame Rate Limit=Maximum
Gain=348
Exposure=0.000235
Timestamp Frames=Off
White Bal (B)=90(Auto)
White Bal (R)=99(Auto)
Brightness=1
Gamma=50

f0346040_00263940.jpg
落下するミルク滴が「まんまる」です!! お見事♪
さらに、800×600のROIでも実に300FPS以上をたたき出す点も素敵すぎます。
(ASI1600で同等条件だと120FPS前後しか出せません)

・・・という訳で、使用するメインCMOSカメラは、ASI174MC-COOLに決定しました。


★あとはノートPCを・・・

実際の実験では、色々な条件を変えて大量に動画を撮像するので、ノートPCもできるだけ高速化する必要がありますね。

・・・・で、(万が一生徒に壊されてもダメージが少ない)HPの格安ノートPCを・・・・

f0346040_00345479.jpg
分解して、内蔵HDDをSSDに換装しました。

※このHPのノートPCは、各種オプションの交換を想定していないらしく、SSD換装は相当に苦戦しました。そもそも開腹する方法が(思いもよらぬ手順が必要で)膨大な時間が掛かった上、外装にも結構なキズが残っちゃいました。また、普通にクローニングしただけではOSが走らなくなったりして、いつもならものの2~3時間で完了する作業に2週間も掛かっちゃいました。真似する人がいると危ないので(笑)機種名と分解の手順詳細は伏せておきます(正直、二度と中身を触りたくないです。)

さらに、windows10に特有の、『訳の分からないタスクがCPUリソースを100%食いつぶす』現象が実験中に起こると致命的なので、怪しいプロセスには使用するコアに制限を与えて、いざという時にも無負荷のコアが生き残るように設定しました。(2コアのセレロン機なので、もともと非力ですが、なんとか使えるレベルになったかと・・・)


★・・・というわけで

約1ヶ月かかった実験教室の準備もヤマを越えました。
・・・あとは・・・生徒用のシナリオと、助手の先生用のシナリオと、想定される破損事故に備えたサブシステムの構築をやらなきゃ・・・・。

・・・ともかく、似たような機材を使う撮影であっても「趣味」と「お仕事」とではプレッシャーの差がハンパないことを再認識した1ヶ月でした。

え?公開天体観測教室は、ですか?・・・・いつかやりたいですね。
(本業では20年くらい前に一度だけ開催したことがありますが、色々としんどかったです)。



by supernova1987a | 2017-06-25 23:44 | 科学写真 | Comments(6)

オヤジさんのご依頼を受けて♪


★皆さん頑張りますねぇ

 ASI1600つながりで最近情報交換をしている皆様方は、それぞれ独自のアイディアをお持ちのようで、ブログを巡回するのが楽しいのですが、その内の1人、オヤジさんからご依頼を受けましたので、「ASI1600MM-COOLとASI1600MC-COOLをフリップミラーでワンタッチ切り替えして撮影できる装置」を手持ちパーツを元に試し組みしてみました。(パーツのリスト紹介だけのつもりだったのですが、実際に試し撮りしてみないと、ピントが出ないとかのトラブルが怖かったので・・・・)


★LRGB切替撮影用フリップミラーシステム

 極力、『個人の趣味』的要素のパーツは排除して、シンプルに組んでみました。

f0346040_15303672.jpg
<上記図中のパーツ名称>
 ①ビクセン フリップミラー(31.7mmアイピースホルダーは外す)
 ②BORG M42P0.75-M57変換リング 7522
 ③NEEWER マクロエクステンションチューブ・ニコン用(のうちNo3)※代用品有
 ④NEEWER マクロエクステンションチューブ・ニコン用(のうちNo1)※代用品有
 ⑤BORG 2インチホルダ-SⅡ 7504
 ⑥ZWO ASI1600MM-COOL
 ⑦BORG M42ヘリコイドT 7839
 ⑧BORG M42P0.75-M57変換リング 7522 7528 (ミスタイプでしたので訂正しました)
 ⑨NEEWER マクロエクステンションチューブ・ニコン用(のうちNo2)※代用品有
 ⑩BORG 2インチホルダ-SⅡ 7504
 ⑪ZWO ASI1600MC-COOL

※上記の組み合わせの「キモ」は、③④⑨です。
ここで直視方向と直交方向の光路差を調整しています。
ちなみにM57系の延長筒はBORG純正だと結構な出費となりますが、上記のマクロエクステンションチューブは、
 M57準拠の延長リングが×3個 + ニコンFマウントがオス・メス各1個
がセットになった商品で、(私が買ったときは)この5点セットが『まさかの1136円』だったのです。
アマゾンでざっと調べたところ、現在はこの商品が見当たりません
見た感じだと、
Pixcoのマクロエクステンションチューブ ニコンFカメラ対応
が同等品の『様に』見えたのですが、仕様不明なので自信がありません。
(注:Neewerの製品でも、M57ネジとなっているのはニコン用だけで、それ以外はM60だったり色々で使えません)

ところで、
 直視方向の③+④は光路長合計が39mm
 直交方向の⑨は光路長が19mm
なので
これらをBORG純正品で置き換えるなら
③④の代わりに
 BORG M57/60延長筒M 7603(光路長40mm)
⑨の代わりに
 BORG M57/60延長筒S 7602(光路長20mm)
を使ってみても、上手くピントが出ました。

さて、この構成で、実際に組んでみると・・・・


★実際に組み立ててみた

上記のパーツを組み立てると、こんな感じです。

f0346040_16094831.jpg
 ビームスプリッタシステムに比べると相当に軽量です。

直視方向から覗いてみると・・・
f0346040_16112599.jpg
こんな感じで、向かって左側は跳ね上げたミラーのせいでケラレそうに見えますが、こちらにカメラの短辺を向ければ問題ないでしょう。ミラーの裏面とミラー回転ノブの背面がテカっているので、適宜植毛紙などを貼るべき『かも』知れません。


直交方向から覗いてみると・・・
f0346040_16142738.jpg
こんな感じです。
あきらかにミラーが小さく見えるので『ひょっとすると』周辺減光が出る『かも』知れません。

 対物側は・・・
f0346040_16165814.jpg
このように、49mmのフィルターネジが切ってあるのですが、けむけむさん情報によると、ココに49-48mmの変換リングをかませば48mm径のフィルタが使えたとのこと。

※5月5日追記:
 追加情報をいただきました。 マルミのステップダウンリング49mm→48mmでOKとのこと。
 けむけむさん、ありがとうございました




★実際にピントが出るか試してみた


主鏡移動式のVMC260Lはバックフォーカスが変幻自在なので特殊。
BORG系の鏡筒は伸縮自在で、やはり特殊。

・・・というわけで(一般的な特性と思われる)ビクセンの70EDSSに取り付けてピントが出るかテストしてみました。

f0346040_16210567.jpg
・・・といいつつ、実際には、仮組みしてキャプチャしてみるとMCかMMかどちらかのピントが出なかったり、パーツが干渉したしして失敗で、色々とパーツ交換して試行錯誤したのですが(笑)。
最初の構成図は、その結果「実用になる」ことが判明した最終解です♪

 というわけで、上記パーツの組み合わせで直視方向のMM、直交方向のMCともにピントが出ました。

f0346040_16490657.jpg

 左:MCの画像 右:MMの画像


★センタリングのズレはいかほどか

 拡大率を上げて、センタリングのズレを見てみます。

f0346040_16510184.jpg
 それぞれ200%で表示したものです。十字線がクロスしてところが写野中心なので、少しのズレはありますね。
ここは個体差が大きいかも知れませんので数値化は控えておきます。


★LRGB合成を試してみる

MCとMMの画像比較をしてみましょう
f0346040_16551711.jpg
 ※左:MC 右:MM

200%表示ですが、MMの方が圧倒的にシャープですね。

では、これらをLRGB合成してみます。

f0346040_16571079.jpg
うん。良い感じで合成できました。
色はMC、シャープさはMMの「いいとこ取り」成功です。

・・・・というわけで、オヤジさん、これで行けそうですか??


by supernova1987a | 2017-05-04 18:05 | 機材 | Comments(34)

本当の『ファーストライト』は波瀾万丈

★本当にやりたかったのはコレ!

先日、木星の撮影でファーストライトを果たした「LRGB同時露光型ビームスプリット装置」ですが、木星撮影以外のところにも「野望」がありまして・・・・。
それは、ズバリ
「星雲星団をビームスプリッタでLRGB同時露光する!」
という奇想天外な遊びです。

・・・という訳で、ウンウン悩みながら惑星用のシステムを星雲星団用に組み替えました。

f0346040_14393403.jpg
今回ビームスプリッタ本体に装着するのは、左から、「LPS-P2フィルタ」、「回転装置」、「レデューサ代わりのACクローズアップレンズNO3」です。というのも純正のレデューサを用いるにはバックフォーカスが長すぎますし、ビームスプリッタの直前にフィルタを付けると醜いゴーストが出そうだったからです。

さて、これらを組み上げると、

f0346040_14415879.jpg
こんな感じのメカが出来上がりました。
VMC260Lへの接続はM60のネジリングで、これが単独でねじ込み作業できるように回転装置を利用します。

・・・・ところが、この「工夫」が後に悲劇を生もうとは・・・・・。


★好事魔多し

カメラ制御用のノートPCとアトラクスを無理なく長時間駆動させるために投入した、suaoki400Wh電源

f0346040_20101991.jpg
絶好調で動きました。
これ、前面のパネルに現在消費している電力がリアルタイムで表示されるので、あとどれくらいでバッテリーが切れそうかが一目瞭然ですね。ちなみに、アトラクスの恒星時駆動では3~5W程度、満充電したノートPCへのAC供給が8~10W程度で収まってましたので、ざっくり言って30時間程度の連続駆動ができそうです♪

これ、さらにアトラクス制御用のサブノートPCに電源供給しても1晩は余裕で持ちそう。
あとは、2台のASI1600カメラの冷却用の電源としてスゴイバッテリーが1台あれば十分です。

f0346040_14514600.jpg
早速VMC260Lにビームスプリットメカを取り付け、初の星雲撮影に臨みます。

これはもう、「大勝利の予感」♪

・・・・などと思っていたら・・・。



「ドスンっ!!」

正直、一体何が起こったのか把握できませんでした。

実は、突然「ASI1600MC-COOLとASI1600MM-COOLを装着したビームスプリッタ」が「丸ごと」地面に落下したのです!

正直、血の気が引きました。

しばし、全身が硬直した後、地面に横たわるビームスプリッタを拾い上げ、緊急撤収します。
装置を軽く振ると
「カランコロン」
と嫌な音がします。

・・・ひょっとして、ここ数ヶ月の努力が水の泡か?!

★不幸中の幸い

 落下の原因は、先述の、鏡筒へビームスプリッタを接続する際の工夫である「回転装置」でした。これ、カメラ側を手に持ったまま、接続リングだけがフリーで回転するので、強固かつ迅速に接続できるアイディアだったのですが、なんと、「接続リングを鏡筒にねじ込む」作業中に「回転装置が上手く作動せず」に「接続リングが緩んだ」のですね。

 ただし不幸中の幸いで、落下場所が周囲よりも柔らかい赤土だったこと、落下体制が良かった(全パーツに均等に撃力が掛かる)ために、外観のキズと若干の光軸ズレ以外はダメージが無さそうです。ちなみに、「カランコロン」の正体は、カメラの空冷装置部分に入り込んだ土砂でした。


★気を取り直してセッティング

一度全パーツをバラして、内部に損傷が無いか確認した後、丁寧に掃除して、再度セットアップします。

f0346040_15483980.jpg

果たして、上手く作動するでしょうか?


★MMとMCで星雲を同時キャプチャー

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 M8を対象にして、プリズムの被害を調べます。(左:MC 右:MM の同時キャプチャー画面)
見たところ、ほとんど光軸のズレは無さそうですし、変な光やノイズは出ていないようです。

 大急ぎで、-ゲイン400+15秒露光で連射し、MMの画像100コマとMCの画像100コマを同時に取得してみました。(撮像温度:-15度、MMは16ビットモノクロ、MCは16ビットRAWのFITSでそれぞれ出力)



★1コマ撮りでMMとMCを比較

同時に撮像した1コマ画像を比較してみます。

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 ※左:MC 右:MM (ともにゲイン400の15秒露光一発撮り)

感覚的には、MMの方が2倍ほど感度が高く、画像も滑らかに感じますね。

では早速、コンポジットしてみましょう!


★100コマコンポジットで比較

f0346040_15295672.jpg

 ※左:MCの100コマコンポジット 右:MMの100コマコンポジット(ダーク減算無し)

おお、どちらもかなり滑らかになりましたが、若干MMの勝ちでしょうか。


 ★LRGB合成してみる

 いよいよ、仕上げです。
MMで撮像したL画像(100コマコンポジット)とMCで撮像したRGB画像(100コマコンポジット)をLRGB合成し、さらにシルキーピクスで色調などを調整してみます。

 すると・・・


・・・ででん!
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 おお!とても良い感じです。
市街地からのニワトリのため、以前遠征してD810A撮影して400コマコンポジットした画像には少し負けているようなきもしますが、これはこれでなかなか見応えがありますね。


※4/24追記※

先日、単体でも稼働できることが分かったNikCollectionのHDRを活用すると、こんな↓方向性もアリですね。
ちと画質が荒れますが、星雲内のウネウネがハンパないです♪

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ちなみに、レデューサ代わりに装填したACクローズアップレンズNo3ですが、画像を実測してみた結果、純正レデューサ(1860mm)よりも少し長めの約1950mmになっていることが分かりました。口径が260mmですから、F値は11.4→7.5まで明るく出来たことになります。青にじみが発生していますが、クローズアップレンズによるものかビームスプリッタによるものかはまだ不明です。


★という訳で結論!

ビームスプリッタで生じた「負の球面収差」とキャンセルするよう「正の球面収差が残っているタイプ」のクローズアップレンズを用いてみたり、ゴースト軽減のフィルタ配置にしたり・・・が功を奏しているかどうかは不明ですが、とりあえず、あぷらなーとの「珍パーツ」:「LRGB同時露光用ビームスプリット装置」は、惑星の撮影でも星雲の撮影でも実用になることが分かりましたっ!!

めでたい♪

※ダークの減算とか諸々の真面目な画像処理は、これからゆっくりと・・・。

by supernova1987a | 2017-04-24 15:44 | 機材 | Comments(8)


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