あぷらなーと


あぷらなーとの写真ブログ
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あぷらなーと
文系寄りの元理系(?)
「天体」「マクロ」「実験ごっこ」その他諸々の科学写真が大好きな HN:あぷらなーと が いろんな写真ネタをのんびり語ります。あまり気合い入れすぎると続かないので、「ぼちぼち」いきます。
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ノイズが取れたら、しめたもの♪

★長らく悩んでいた『縮緬ノイズ』とも決別か
いやー。長かったです。色んな画像処理で遊んでみようにも、肝心の素材自体に載っている『消えないノイズ』のせいで画像処理が破綻してたんですね。でも『クールファイル補正法』と『手動ダーク減算法』を併用することで、かなりいい線までたどり着きました。

ふはははは。
ここから先は一方通行だ!
邪道成就の道、突き進むのみッ!

★打倒パックマン
2夜連続でニワトリできるのって何年ぶりでしょう??
f0346040_22591485.jpg
夜露でびしょ濡れになった『三連装・がちBORG:グランデ』を天日で乾かして、2戦目に臨みます。
f0346040_23031748.jpg
狙うはナローハンター垂涎の対象:NGC281「パックマン星雲」です!
メジャーな対象ですが、あぷらなーとは過去(昨年)1回しか挑戦したことがありません。

撮像温度-15℃・ゲイン300・露光30秒・ノータッチガイド
というお気に入り設定で、とにかく連写しまくります。

結果、Hα:480コマ SⅡ:360コマ OⅢ:480コマ、合計1320コマのライトフレームを確保しました♪
(我ながら無茶苦茶な物量作戦だなぁ・・・)



★いざ画像処理行くぜ!
撮影したパックマン星雲ですが、さすがに1コマ原画ではノイズに埋もれてほとんど写ってないように見えます。
例えば、最も明るく写るHαナロー画像に『手動ダーク減算法』『クールファイル補正法』を施しても、こんな感じ。
f0346040_23144825.jpg
 ※左:撮って出し1コマ画像(レベル調整のみ) 右:『手動ダーク減算法』&『クールファイル補正法』適用後

一見何にも変わってないように見えますが、補正した内容がショットノイズに埋もれているだけです。
補正成分を抽出してみると・・・
f0346040_23172287.jpg
 ※左:『手動ダーク減算法』で差し引かれたダークノイズ
 ※右:『クールファイル補正法』で加算された輝度成分(クールピクセルの穴埋め)

これ以外のザラザラは、コンポジットによって解消するランダムノイズと、天体から飛来する光子の揺らぎを捉えたショットノイズと思われます。

では、どんどんコンポジットしていきます
f0346040_23213058.jpg
 ※左から順に1コマのみ・4コマコンポジット・8コマコンポジット・15コマコンポジット

みるみる像が鮮明になっていきますね♪
さらに重ねます。
f0346040_23271527.jpg
 ※左から順に15コマコンポジット・30コマコンポジット・60コマコンポジット・120コマコンポジット

ここまでくるともう十分なように見えますが、今回はノイズを相当に追い込んだので、枚数を重ねることでまだ改善できます

f0346040_23303482.jpg
 ※左から順に120コマコンポジット・240コマコンポジット・478コマコンポジット

478コマともなると総露光時間は4時間にもおよびます。さすがにここまでやったのは初めてですよー。
だって、今まではある程度の枚数を重ねるとそれ以上改善しませんでしたもの。
でも、今回は違います。
なにしろダークノイズが少ないのですから、理論的には、重ねれば重ねるほどショットノイズが均一化されて像に化けていくはず

もっと拡大してみましょう。
f0346040_23345884.jpg
 ※左から順に120コマコンポジット・240コマコンポジット・478コマコンポジット

ピクセル200%拡大してみると、その差は歴然ですね♪
うーん、滑かだー。



★同様の処理を他の波長にも施して・・・
ここで、画像処理ソフトはステライメージ6.5からステライメージ7に選手交代
コンポジット自体は比較にならないほど6.5が高速ですが、カラー合成処理行程の仕様は圧倒的に7の方が優れているためです。
なお、今回は無精してフラットは撮影していないのでステライメージの周辺減光補正ツールとFlatAideProを用いてザックリと修正しました。
f0346040_23412307.jpg
 ※左から順に、画像・OⅢ画像・SⅡ画像

さあ、ここまでくればしめたもの。
ここは、仕上げも『邪道』を貫くべきでしょう(笑)

今こそ出でよ!
渾身の『リバースパレット法』ッ!!

うむ。
ここは『OSAリバース』をチョイスだ
まだ見ぬテイストのパックマンを具現化するのだ~!


すると・・・

ででん!!
f0346040_00593720.jpg

わはははは。
デジタル時代の最先端を行くナローバンド撮影のはずなのに、どこか昭和のポジテイスト(笑)


見よ。
オートガイドディザリング長時間露光σクリップフラット撮影レイヤー処理要らぬッ

これが『三連装・ガチBORG:グランデ』の実力だぁー!
※あくまで、こんな『別解』もあるよっていうネタですよ、念のため(笑)


P.S.
あ、もちろん、ちゃんとした『今風』のテイストも試してます。
はい。みんな大好き「極彩色SAOテイスト」もこのとおり。
f0346040_00055141.jpg
白状すると、こちらのテイストを出す試みも今回初めて成功したっていう・・・・。
正直もう独学では無理かと思っていたけれど、今回は拍子抜けするほど簡単に処理できてビックリ
なーんだ。
結局ダークノイズが取り切れていなかったのが諸悪の根源だったのかー。


★★★お約束★★★
※今回の実践における各種の評価っぽい文言は、あくまであぷらなーとの『邪道』遊びにおける個人的な感想です。
※ダークノイズの挙動にはまだ不明点が多々ありますので、今後『検証ごっこ』予定です。
※まさか『リバースパレット』をやってみようという酔狂な方は居ないと思いますが、本来RGBである光の三原色をあえてCMYに充てるというロジック故に、残存ノイズに極めて敏感だという弱点があります。そのため、FITSではなくTIFFファイルでないと処理できなかったり、単なるCMY合成ではダメで、事前に『表』(RGB)のパレットで作製した画像をモノクロ化し、別途L画像を用意しておくことが必要だったり、実は色々と面倒です。(ステライメージ7の場合)
※今回の各種画像処理には強引な過程を含むため、元素の存在領域を推定するなどの科学的視点とは全く無縁です。

by supernova1987a | 2018-10-23 07:17 | 天体写真 | Comments(1)

馬頭星雲・やるだけのことはやるっ!!

★まさかの晴天で急遽出撃したものの
ダークノイズについて『考察ごっこ』をしようと決めていたのに急に晴れるもんだから、急遽『三連装・ガチBORG:グランデ』でニワトリ出撃しました。目標は「打倒!馬の首」だったのですが、ここにきて『サッポロポテト現象』が勃発。一気にテンションが下がっちゃいました。

でもやるだけのことはやってみましょう。
そもそも、馬頭星雲はあぷらなーとが超苦手とする天体。これまでまともに写せた試しがありません。
・・・原因はズバリ「消しきれないダークノイズ」&「消えてくれないクールピクセル」によって白や黒の『縮緬ノイズ』が盛大に出ちゃうこと。
恐らくベテランの皆様は
「オートガイドすることでホットピクセルやクールピクセルの弁別精度を上げる」
「ディザリングガイドでノイズを散らして見た目の違和感を軽減する」
「σクリップで突発的なノイズをカットする」
などなどの奥義を駆使しておられるのでしょうが、天邪鬼あぷらなーととしては、これらの王道とは違った道を歩みたい
ここ2年間の『研究ごっこ』でクールピクセルに関しては『クールファイル補正法』がかなり効果的で、ホットピクセルに関しても先日の『手動ダークファイル減算法』で相当な改善が見られることが判明しました。


・・・となると

今なら、馬頭星雲も『縮緬ノイズ』無しで写せるかも♪

うむ。
『サッポロポテト現象』ごときに打ちのめされている場合じゃぁ無いッ!



★各種画像処理の効果
相変わらずオートガイダー無しのノータッチガイド一本槍なので、露出時間はせいぜい30秒程度です。
でも、120コマを加算平均コンポジットすると、ここまで改善します。
f0346040_16475069.jpg
 ※共通データ:BORG89ED+マルチフラットナー+Hαナローバンドフィルタ+ASI1600MMーPro 撮像温度-15℃・ゲイン300・露光30秒
 ※左:1コマ画像のトーンを調整した物 右:120コマをコンポジットしたもの

 しかし、よく見ると、120コマコンポジットの方はガイドエラーに伴い、盛大な『白い縮緬ノイズ』が発生しています。
f0346040_16504089.jpg
 ※上記画像のピクセル等倍

この主要因は、ダークノイズが残っているためです。このノイズはこれまでダークファイルを減算してもなかなか消しきれなかったのですが、その原因が「減算後の0以下の数値がカットされている」ことにあることを突き止めました。そこで、バッチ処理の内容を手動で設定する『手動ダーク減算法』を用いる
f0346040_16532008.jpg
 左:ダーク減算前 右:『手動ダーク減算法』の適用後

ほとんどの白い『縮緬ノイズ』がキレイに消えました。ところが、よく見るとうっすらと「黒いスジ」が残っていることが分かります。クールピクセルに起因する『黒い縮緬ノイズ』ですね。大丈夫。こちらは『クールファイル補正法』を適用することによってですねぇ・・・
f0346040_16552109.jpg
 左:手動ダーク減算のみ 右:『クールファイル補正法』の適用後

このように劇的に改善しました。

f0346040_16575362.jpg
 ※左:ダーク減算なし 中:『手動ダーク減算法』を追加 右:『クールファイル補正法』を追加

ここまで来れば、もうディザリングやσクリップの必要も無いかも??です。(炙り出しをした状態でコレですので♪)



★同様の処理をSⅡ・OⅢにも施して・・・
さて、ここからが『三連装BORG』の真骨頂です。撮影時間はわずか1時間でしたが、その間にHα・SⅡ・OⅢの3波長画像を同時にゲットしているのですよー。
f0346040_17035774.jpg
では、それらを全て合成して、疑似カラー化してみましょう。
(・・・詳細が書ききれないほどの試行を延々繰り返して悶絶していたのは内緒)

すると・・・

ででん!!
f0346040_17083640.jpg

ふははははっ!
苦節30年(どれだけ才能無いんだか)ついに馬頭星雲を仕留めたわ

え?
『サッポロポテト現象』が出ちゃってるぞー?
ですって?

いやー、これたぶん、ASI1600MM系のCMOSカメラを用いた場合に「スパイダーが無く・収差による像肥大も出ないシャープな屈折光学系」だと、原理的に出るのが自然なのかもしれないっす。(カメラ内部の保護ガラスと撮像素子の間隔、および画素ピッチで決まる?)

だから文句言っても仕方ないかもです。

P.S.
え?フラット処理?
ええと・・・フルサイズ用のフラットナーにマイクロフォーサーズカメラですので、フラット補正の必要が全く無かったんです(笑)
それにしても・・・・なんかVMC260Lよりも良く写ってるような気が・・・・。ASI1600MMの画素ピッチとシンチレーションの影響から考えて実は600mm前後って絶妙な落としどころなのかも知れないなぁ。(カラーカメラなら1200mmは欲しいところですが)

by supernova1987a | 2018-10-22 07:16 | 天体写真 | Comments(9)

ダークノイズ減算の謎①(予告編)

★面倒くさい事を成すには『公言』が一番♪
「ダークノイズが消しきれない件」について、ゴソゴソ『検証ごっこ』していて、「手作業で1ピクセルずつポチポチクリックして輝度を測定してはEXCELに打ち込む」のでは気が変になりそう(笑)だったので、潔く国立天文台が公開しているFITSファイル解析ソフト「マカリ」に手を出しました

・・・といっても、複数ピクセルの輝度を(直線上に並んだピクセルなら)一気にCSVに書き出してくれる機能を利用するだけのことですが。


★公言しよう!
『解析ごっこ』途中であぷらなーとが逃げ出すのを防止するため、あえて公言しておくことにしましょう♪
いやー。調べれば調べるほど『難敵』っぽいっす。このダークノイズとかいう輩。

 たぶん、がんばれば近日中に下記のような謎について暫定的結論が出せそう・・・かな?

謎①:「ダークノイズには2種類ある?」
謎②:「ホットピクセルって灯きっぱなしじゃないの?」
謎③:「従来のダーク減算で消しきれないノイズは如何ほど?」
謎④:「手動ダーク減算してもダークノイズが残るのはなぜ?」
謎⑤:「ダークを引くとかえってノイズが増える説の真相は?」
謎⑥:「ダークフレームって何コマぐらい必要なの?」
謎⑦:「従来のダーク減算でもうまく作用することがあるのは何故?」

・・・で目標としては
目標①:現実的なダークファイル使い回し法を確立するぞー♪
目標②:オートガイド無しでなんとかするぞー♪
目標③:長時間露光無しでなんとかするぞー♪
目標④:ディザリング無しでなんとかするぞー♪
目標⑤:σクリップ無しでなんとかするぞー♪
を実現しようっていう『遊び』

わははは。
まさに『邪道の極み』



★本当に『解析ごっこ』進めてますよー(笑)
まだ詳細には言及できないけれど、上記の「謎①」「謎②」の『考察ごっこ』のためにやってる作業途中の絵を恐る恐る公開してみると・・・
f0346040_05381082.jpg
冷却CMOSカメラASI1600MC-COOLを撮像温度-15℃・ゲイン300・露光30秒で運用した際のダークフレームについて、32個のピクセルについて64コマ分のデータから「各ピクセルのダークノイズがどう分布してるのか」をスキャッタプロットしたのがのグラフ。その結果からノイズの揺らぎ(標準偏差)を求めてノイズの推定輝度を誤差棒付きで表示したのがのグラフ。

この作業だけでも(ザックリと言えば)
 ☆No4のピクセルはホットピクセルっぽい
 ☆No14は一見ホットピクセルに見えるけど統計的有意性がないっぽい
 ☆No21とNo29はクールピクセルかもしれない
 ☆その他のピクセルは『正常』で、ダークノイズがランダムっぽい
とか、色々と面白そうな推論が出てくる訳ですねー。

しかし、これ・・・・冷却CCD全盛時代に長時間露光の試行を元に編み出された(と思われる)各種のノウハウは、冷却CMOS(とか近年のデジタル一眼)を用いた短時間露光+多数枚コンポジットでは根本的に通用しない『気』がしてきた。「ダーク減算」って難しいぞって印象。

ぬう・・・
ダークノイズとやら
敵として不足なしっ!

P.S.
ああ、もう誤差棒とか使ったのって20年ぶりだよ・・・。
若い頃にもう少し勉強(記憶が残る程度まで)しとくんだった(涙)。
そもそも「ライトフレーム上に載ったノイズ」と「ダークフレーム」は別標本なので、検定しないといけないんだろうけど。
あ、現役エンジニアの方とか研究者の方とかは鼻で笑っておられるでしょうが、謎解き遊び自体が楽しいので、まだ『答え』言っちゃダメ、絶対!(笑)


by supernova1987a | 2018-10-18 07:21 | 機材考案 | Comments(9)

お気軽撮影のポテンシャル

★脱『変態』とは言うものの・・・
先日のエントリーで、へんてこな(変態的)機材無しの『清く正しい手抜き撮影』でオリオン座大星雲付近を試し撮りしてみましたが、さすがはD810A+サンニッパ。思いの外良く写ってました。

・・・で、今回は、少し『邪道』に走ってみます。
いえ別に秘技を繰り出すわけではなくて、「もっと手を抜いてみる」という遊びです。



★前回からの変更点
前回手抜きしたのは撮影時のみ。いざ画像処理の段階では色々といじくったのですが、
今回は同じ素材(169コマ)を用いてさらに手抜きしてみます。具体的には・・・
 ①ダークファイルを引かない
 ②フラット補正しない
 ③RAW現像は純正のNX-Dに丸投げ
ただし
 ④オリオン座大星雲付近だけ強トリミングしてみる
という遊びです。

え?

「うけけけ、そりゃ無理。フルサイズの利点は拡大率を抑えて見かけ上の画質を向上させられるところ。それを捨てた上で補正もやめたら解像感も出ないしノイズでボロボロだぜ。」

ですか?

まあまあ、そう言わずにやってみようではないですか。



ででん!!
f0346040_03214737.jpg
これにNikCollectionで味付けすれば・・・
f0346040_03162054.jpg
画像復元もレイヤー処理もしてないけど、もうコレでいいんじゃね?的な・・・(笑)。

ま、特に(ダーク減算やフラット補正などの)技法を用いなくても、ノータッチガイド+短時間露光の多数枚コンポジットならこの程度は楽勝で写りますよーってことですね。昔買ったサンニッパとかサンヨン(今回はF4に絞ったので)とかが眠っている方、この冬はカメラ用の望遠レンズでオリオン座大星雲でも狙ってみません?


★★★お約束(というか補足説明)★★★
①D810Aはニコンデジカメの中ではノイズが(ホットピクセルもアンプノイズも)異常に少ないと感じます。
②ニコン純正現像ソフトNX-Dには「アストロノイズリダクション」があり、これを用いると簡易的にホットピクセルが消せます。
③NX-Dのベースになったと『思われる』シルキーピクスには②の機能はありません。
④純正ソフトを用いる限り、色合いなどは恐ろしく簡単に調整できますが、ステライメージで修正は掛けています。
⑤ちなみに撮影時のパラメータは「高感度ノイズ低減:しない」「長秒時ノイズ低減:しない」「アクティブDライティング:弱め」「ホワイトバランス:晴天」「ピクチャーコントロール:ニュートラル」「ISO:400」「露出:30秒」「F値:」「画質:ロスレス圧縮RAW(14ビット)」です。


P.S.
などと油断させておいて、水面下では(とうとう国立天文台のFITS解析ソフト「マカリ」を投入♪)ダークノイズの『解析ごっこ』が着々と進行していたり♪
f0346040_03492024.jpg
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だって・・・NX-Dが延々とバッチ処理している間、ヒマなんだもん(笑)


by supernova1987a | 2018-10-16 07:03 | 天体写真 | Comments(7)

たまには『変態性』の低い(?)ニワトリを♪

★最近、天気が悪かったとはいえ
ここ1ヶ月半ほど、クローズアップレンズ転用の三連装『にせBORG』の開発ごっこや、人工星テスターによる回折現象(?)の検証ごっこや、ダークファイル減算についての考察ごっこ等々、『変態性』の高い課題がどんどん捗っています・・・・・が。

ちがうー
「天文」ってこんな遊びじゃ無いッ!


★たまには心に潤いを与える天体観測をしてみよう
ほら、天体写真と言えば、ガイド鏡のレチクルを凝視して延々モードラのコントローラをポチポチ押し続けること(半自動ガイド)が必要で、観望と撮影の両立とか絶対無理だった20世紀の天文少年は、夢見ていたのですよー。
「いつか、勝手に追尾エラー補正とか自動レリーズとかしてくれて撮影の間はのんびりと観望できる時代が来ないかなぁ・・・」
って。正直、がんばって貯金して赤道儀+モータードライブを買ったのに追尾エラーがあるとか、子供心に詐欺かと思った。

あれから○十年、今では機材の進歩(というか主に情報処理関連機器の進歩)でその気になれば機械が勝手に天体写真を撮ってくれる時代。
よし、
たまには『変態ネタ』封印して、PC無しの天体写真撮影+のんびり観望とかやってみるか!

当然、狙うのは超メジャー天体




★今こそ出でよ、真っ当な機材っ!
パソコンもオートガイダーも・冷却カメラも・ヒーターも・電子ファインダーも・自動導入アプリも・ナローバンドも・ビームスプリッタも・・・ぜーんぶ無しッ!
今夜は『変態性ゼロ』のお気楽ニワトリを目指します。

というわけで
ででん!!
f0346040_18002874.jpg
庭に常設しているEQ6Pro赤道儀にニコンのサンニッパD810A・・あとはレンズの中にLPS-D1フィルタ
今夜の撮影機材はコレだけっ♪

①アライメントなんてしません。
 ※コントローラが恒星時駆動状態にするために1点アライメント機能は走らせますが、位置合わせをせずにエンターボタン押すだけです。
②自動導入もやりません。
 ※300mmの焦点距離+フルサイズ一眼なら、ファインダーすら不要です。
③バーティノフマスクも使いません。
 ※色収差があるレンズはむしろハロの出方をライブビューで見た方が正確だったりするので・・・。
④オートガイダーやPECやディザリングも使いません。
 ※短時間露光の多数枚コンポジットねらいです。きちんとダークを引けば追尾エラーが累積しても『縮緬ノイズ』が出ないことが分かりましたもの。
⑤段階露光もしません。
 ※ISO400・F4・30秒露光ならさすがにサチらないでしょう(笑)

撮影しようと思い立ってから、わずか20分で全セットアップが完了!!

どうです?
「はじめて星座写真をポラリエとかで撮る初心者並のステージ」にサンニッパとD810Aを投入しちゃうという潔さ♪

さて、赤ハロではなく青ハロが出る位置(あぷらなーと好み)にサンニッパのピントを持って行ったら、D810Aを無限連写にセット。
あとは、ほったらかし(笑)



★D810Aが無限連写している隙に・・・・
なんだかんだ言って、近年操作系統が多くなりすぎて撮影中にのんびり観望とかやったこと無かったんですよねぇ。
今回は、極限までシンプルかつ信頼性が高い(失敗しようがない)陣容なので、安心して観望しますかねぇ。

うむ。
2年間休眠していた笠井のカプリ102EDよ、今こそビデオ三脚に載って蘇るが良い!!

ででん!!
f0346040_18282856.jpg
口径10cmのEDアポに双眼装置+広角アイピースの組み合わせ
これはもう、よく見えないわけが無い
f0346040_18301890.jpg
では、撮影ターゲットと同じオリオン座大星雲M42をじっくりと眺めてやりますかねぇ♪

さて、見え味はどうか?

・・・・・

ぐはぁ、すんごい臨場感!
み、見えすぎるッ!!

もう、30分もオリオン座大星雲を見つめてしまった(笑)。

撮影は約1時間30分ほどかかるので、その間、のんびりと冬の星雲星団を堪能できました。



★・・・で、撮れたの?
ま、サンニッパとD810Aですからねぇ。オリオン座大星雲くらい楽勝で写るんでしょうけれど、この組み合わせは初挑戦。
ちなみに1コマの画像はこちら
ダークやフラットも補正せず純正NXDで現像してレベル調整だけしたもの。
f0346040_18392380.jpg
天文少年時代だったら、これでビックリ仰天ですね。
だってISO400で30秒って・・・・。恐ろしい時代になったものです。


★だが、その先がある
さて、この日撮影したオリオン座大星雲付近の写真は・・・・
 ①30秒露光のライトフレーム169コマ
 ②30秒露光のダークフレーム208コマ
 ③1/8000秒露光のフラットフレーム186コマ
 ④1/8000秒露光のフラットダーク160コマ
合計723コマのRAWファイルです(しめて25GBなり)

ASI1600などの冷却CMOSカメラと違ってFITSに変換するだけでも膨大な時間がかかっちゃうのですが、半日かかって暫定的処理が完了。

すると・・・

ででん!!
f0346040_18480335.jpg
ま、恒星の色が出てなかったり、フラットが決まってなかったり、星雲の色が浅かったり・・・とツッコミどころは満載ですが・・・
手抜き撮影でこれだけ写れば、十分じゃないか♪

誰ですか?
「これ、ある意味『変態』」
って笑ってるのはー。

P.S.
あぷらなーとも元「昭和の天文少年」ですので、今風ではないけれどこんな感じの(フィルムっぽい)テイストも捨てがたいなあ♪
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by supernova1987a | 2018-10-14 18:53 | 天体写真 | Comments(14)

ダーク減算処理についての『不快感』の正体③(結論)

※ご注意※
ヘビのように長いエントリーですが、前半部分は、これまでの旅の「振り返り」です。
『邪道』には『邪道なりの真理』があるわけで、あくまで『別解探しの旅』だという主旨をご理解いただければ(笑)。
「なんで、こんなことにこだわってるの?」
と不思議に思われてる方以外は後半部分にワープしてOKです♪

------前半------ 

★何をそんなに悩んでいたのかというと

「ふっふっふ。往生際の悪いやつだ。『三連装BORG』とか『ビームスプリッタ』とか『クールファイル補正法』とか『リバースパレット法』とか妙ちくりんなことばかりやってないで、潔く王道(長時間露光・オートガイド・ディザリング・シグマクリップ)に墜ちちゃえよー。幸せになるぜ。」

などと、天上から『王道の悪魔』が囁いてくるのですが、どうも沼の奥から『邪道の天使』が励ましてくるんですよねぇ。

「だめ。短時間露光・ノータッチガイド・ノーディザリング・ノーシグマクリップ・・・これこそが清く正しい邪道でしょ?王道に惑わされることなく自分の信じた道を進みなさいな。」

ええ。これまでなんだか釈然としなかったのですよー。だって、フィルム時代と異なりデジタルの時代なら色んな『別解』があっても良いじゃないですか。(演算の過程や順番が異なっていても、同等の結果が得られるという意味で)・・・だったら自分の好きな(自分が楽と思う)流儀で処理したいと思っちゃうんですよねぇ。所詮は趣味だもの

というわけで、王道に墜ちたい欲求をぐっと堪えて、邪道を成就させるための『研究ごっこ』を続けてきたわけですが・・・・。



★短時間露光でもコンポジットすれば長時間露光と大差ない筈
細かいことは置いといて、大局的には「60分露光×1コマでも15秒露光×240コマコンポジット」でも大きな差は出ないはずで、むしろ高輝度部分がサチる可能性やガイドエラーの危険性、そしてシーイングの影響を考えると、むしろ短時間露光+多数枚コンポジットの方が(自分に)有利だと信じてた訳です。・・・で、まずやってみた『検証ごっこ』

冷却CMOSカメラASI1600MC-COOLを用いた「15秒×40コマ」VS「30秒×20コマ」VS「60秒×10コマ」の対決
それぞれの描写は大差ないことを確認♪ 原理的に段階露光の必要性がなく(ビット数が小さな冷却CMOSカメラの弱点を補い)階調が豊かになる短時間露光・多数枚コンポジットを極める方向に舵を切りました



★冷却CCDと異なり、冷却CMOSのビット数は微妙
今でこそSharpCapに輝度分布データのテーブルが保存できる機能が実装されましたが、当初は完全にブラックボックス。
無い知恵を振り絞り「素の輝度分布がどうなってるのか」を解析ツールを自作することで『解析ごっこ』をしてみました。

結局、16ビットFITSモードで撮像した場合は、12ビットの輝度データの間に15カウント分のスキマを入れて『散らしている』ことが判明
また、理論上ありえない値(16の倍数になっていない数値)も(非冷却時には)散見されることも発見。理論上、長時間の1枚撮りよりも短時間の多数枚コンポジットの方が最終的なビット数(階調)を増やせる方向に寄与するだろうと判断しました。(枚数をN倍にすると撮像素子のビット数を log2 N だけアップするのと同じ効果を生むという解釈。)
※最新のSharpCapではこの「スキマ」を詰めた形(下位ビットにスキマを作らず上位ビットに空白を残す)での出力も可能となってます。



★ショットノイズは消しちゃいけない
短時間露光時に画面がザラザラになるのは仕方ないのですが、このザラザラには各種のダークノイズ以外にも貴重なシグナル(ショットノイズ)が含まれているので消しちゃダメな筈だ、というのが持論でした。つまり、ショットノイズは天体から飛んでくるフォトン(光子)の統計的揺らぎを捉えた物であって、多数枚コンポジットした際には像を構成する貴重な部品だという解釈です。この仮説が正しいかどうか確かめるために『考察ごっこ』してみたのが


結果、M27亜鈴状星雲から飛来していると思われる光子のフラックスをオーダーレベルで一致する精度で検出することにも成功しましたので、この仮説は概ね正しいと判断しました。



★ベイヤー配列カラーCMOSカメラでは本来の解像度は出ない
まあ、これはデジカメ黎明期に「フィルムカメラと異なり、デジカメの像はシャッキリしない」と言われていた件と同義なのですが、その要因の1つであるローパスフィルタの影響を避けたとしても(ローパスレスカメラであっても)原理上、画素数通りの解像度は得られない筈。それを確かめるために行った『考察ごっこ』がこちら。

結果、カラーカメラでは画素数の1/4とまでは言いませんが相当な解像度ロスが生じていることを予想。モノクロCMOSカメラとの「サイド・バイ・サイド」で実写テストする『検証ごっこ』を敢行します。

その結果、同じ画素数であっても圧倒的にモノクロカメラの方が解像度が高いことを確認しました。そこから、モノクロCMOSカメラとカラーCMOSカメラを同時稼働させてLRGB一気撮りへと方向性を定めます。そのため、『ビームスプリッタ同時露光装置』や『多連装BORG』などの珍システムを構築するのですが・・・。



★モノクロCMOSカメラの『クールピクセル問題』勃発
カラーCMOSカメラの運用時にも気がついてはいたのですが・・・

このように、いわゆるデッドピクセルに類似した黒点:『クールピクセル』が高輝度部分にも生じていて、これが『黒い縮緬ノイズ』(黒い縞ノイズ)の原因になっていることが推測されました。もっとも、幸か不幸かカラーカメラの場合は先述のベイヤー配列に起因する像のボケが生じますので、それほどの実害は出ていません。ところが、ベイヤーボケが生じないモノクロカメラの場合、像があまりにもシャープであるが故、クールピクセルの影響が露骨に現れます。・・・で、その挙動を『解析ごっこ』してみると・・・

ダークファイル減算でもフラットファイル除算でも回避できそうにない事が示唆されました。

悩みに悩んだ挙げ句、その解消法として苦肉の策:『クールファイル補正法』の開発に至ります。

これにより、クールピクセルによって生じる黒い筋状の『縮緬ノイズ』を押さえ込むことに成功し、降臨した「救世主」:ぴんたんさん がFlatAideProに実装までしてくれたのですが・・・・。



★『白い縮緬ノイズ』が消せないって根本的におかしい!
『クールファイル補正法』によって『黒い縮緬ノイズ』は退治できたのですが、今度は『白い縮緬ノイズ』が目立つようになって、頭を抱えます。(ASI1600MM系の個体差にもよってどちらが目立つかは異なります)その認識論的解釈は『心理的エントロピー』の減少にあるとの珍説を公開し、ディザリングがなぜ効くのかを『考察ごっこ』しましたが・・・

そもそも、『白い縮緬ノイズ』自体が「ダーク減算後に残っている」こと自体が『気色悪い』んですね。だって、これってダーク補正に失敗してるってことじゃないですかー。・・・で、初心に返ってダーク減算処理の過程で何が起こっているのかを『解析ごっこ』してみることに・・・。

その結果、ステライメージ(あくまで6.5のケースですが)のバッチ処理における「ダークファイル補正」には、そもそも原理的な問題点(悪いと言っているのではなくて留意すべき点)があって、ダーク減算時に生じた負の値がカットされていることがダークノイズを消しきれない原因であることが推測されました。


はい
ここまで律儀に読んでくれた方は、お疲れさまでした♪
ここからがいよいよ「本題」ですよー!!

----------後半-----------


★『よく効く』ダーク補正とは?
あぷらなーとが『邪道』を成就するために、どうしても越えないといけない壁、それが「オートガイドもディザリングもシグマクリップも一切使わずに、ダークファイル減算だけで『白い縮緬ノイズ』を退治する」という難問です。
・・・で、ようやく結論が出ました。やはり、「マニュアル操作でダークファイルを引く」が正解のようです。

前にも少し書きましたが、以下にステライメージ6.5の場合の処理詳細を紹介します。

①撮影画像(ライトフレーム)と同じ条件でダークファイルを撮像する
ゲインや露光時間や撮像温度をライトフレームと同じにして暗闇でダークファイルを撮影します。
撮影枚数は「最低でも」ライトフレームと同数、可能なら多ければ多いほど良好な結果を得ます。
※少ない枚数だとランダムノイズの影響やホットピクセルの時間変動の影響を受けて画質が急激に悪化します。
(ライトフレームのコンポジット効果が帳消しになるという意味)

②ダークファイルを加算平均コンポジットする
ステライメージ6.5のバッチ処理メニューからコンポジットを実行します。
f0346040_02162900.jpg
撮影したダークファイルをロードし、パラメータをセット
f0346040_02183897.jpg
合成方法は加算平均、位置合わせは無しにします。シグマクリップは特に使いません。

出来上がったコンポジット画像を保存します。
f0346040_02235226.jpg
ファイル形式は実数32ビットのFITS形式を指定します。
(本当は整数16ビット型にしたいところですが、これで上手く行ってます。まあ、ステライメージの仕様でしょうね。)

③撮影したライトフレームを1コマだけロードする
 ※1コマだけならどのコマでも大丈夫です。

④②で作製したダークファイルをロードする


⑤ライトフレームのウインドウをクリック(フォーカス)する
f0346040_02301117.jpg
※上の図では左がライトフレームなので、これをフォーカスしてアクティブにします

⑥設定メニューからワークフロー指定する
f0346040_02341132.jpg
※この前に必ずライトフレームをフォーカスしておくことに注意してください。

⑦ワークフローにダーク減算処理を記憶させる
まず、ワークフローウィンドウから記録開始を実行
f0346040_02373362.jpg
次に合成メニューからコンポジットを指定する
f0346040_02412343.jpg
コンポジットのパラメータを設定する
f0346040_02493649.jpg

※ウィンドウはダークファイルを選択
※合成方法は減算
※レベル調整は「使わない
※0以下は「切り捨てない(これ、最重要♪)

「ワークフローに追加」ボタンを実行すると処理内容が記憶されます。
f0346040_02542522.jpg
「記録終了」ボタンを押すとワークフローが完成です。

⑧ワークフローをバッチ処理として実行する
「バッチ実行」ボタンを押す
f0346040_02571834.jpg
対象ファイルリストに出ている2つのファイルをリストから削除する
f0346040_02584711.jpg
「ファイルから追加」ボタンを押してライトフレーム全てをロードする
f0346040_03014334.jpg
ファイル追加の処理後保存先を「別のフォルダに保存」にチェックを入れ、「参照」ボタンで任意フォルダを指定する。

「OK」ボタンを押す。

おしまい♪

後は、出来上がったダーク補正済みのライトフレームを位置合わせコンポジットします。

え?
「で、効果の程はいかほどか?」
ですって?



★手動ダーク減算の威力
これはBORG89EDで撮影した北アメリカ星雲のハイライト部分(ASI1600MM-COOL・撮像温度0℃・ゲイン300・30秒露光・ノータッチガイド)を120コマコンポジットしたものですが、従来の手法(自動でダーク補正した場合)の効果はこんな感じです。
f0346040_03120967.jpg
 ※左:ダークファイル補正無し 右:自動でダークファイル補正
ノータッチガイドによる被写体の流れを補正するように位置合わせした結果、『背景』として存在していたダークノイズが流れて盛大な『白い縮緬ノイズ』が発生します。従来の自動ダーク補正でも相当軽減されていますが、それでもまだまだ白いスジが目立ちますね。・・・本来なら撮影時にディザリングしてノイズ自体を拡散させたり、コンポジット前にステライメージの「ホットピクセル除去フィルタ」を作用させたりして軽減すべきものだと思っていたのですが・・・。

今回紹介した『手動ダーク補正法』(って命名するほどのものじゃなくて、単にダーク減算時のマイナス輝度データを大切にした処理)で、それらの処理の代替になり得るかチェックしてみましょう。

では、行きますよ・・・

ででん!!
f0346040_03203455.jpg
 ※左:自動ダークファイル補正 右:今回の手動ダークファイル補正

ぬおーっ!
「ステライメージのホットピクセル除去フィルタ」や「NikCollectionのDefine」や「シルキーピクスのノイズ整列」などを一切使わずしてこの低ノイズっ!!

わ、我ながら・・・・信じられん。

よーし、ではチョッピリNikCollectionのHDR+Defineを掛けて・・・と

f0346040_03474768.jpg
うひゃー!
このカット、実はこんなに良く写っていたのかー。

ふはははは
長時間露光もオートガイドもディザリングもシグマクリップも一切いらぬ!
『邪道』成就の道
 見えたわ!

あ、ごめんなさい。調子に乗りすぎました。
あくまで『別解』ってことで・・・(笑)

★★★★お約束★★★★
①あぷらなーとが保有する3台のASI1600MM系冷却CMOSカメラには色々と個体差があって、それぞれに適した(キモとなる)処理は微妙に異なります。
※MM1号機は『クールファイル補正法』、MM2号機は「バイアス補正」、そしてMMーProは『手動ダーク減算』が今のところ重要なようです。
②例によって、なんらかの勘違いをしている可能性は否定できません。
③本エントリーはステライメージのダーク減算機能を否定する主旨ではありません。
④ステライメージ8は残念ながら持っていません。7は・・・処理が遅いので大量コンポジットには使いたくありません(小声)。
⑤さらなる『別解』として、「撮影時のオフセット設定で輝度を底上げ」「ダーク減算前に輝度値を引き上げ」「ダークファイル作成時だけシグマクリップ」などなどが思いつきますが、まだ実戦していません。
⑥ステライメージ6.5は『神』♪

by supernova1987a | 2018-10-09 06:55 | 天体写真 | Comments(8)

ダーク減算処理についての『不快感』の正体②

★先日のエントリーで書いた『不快感』
最近、なんか「ダークファイル補正してもダークノイズって消しきれないよなぁ」と不思議に思ってた件について、自動ダークファイル補正処理に頼らず手動で減算処理すると結構キレイにダークノイズが消えることを見つけたんだけど・・・

直感的に「平均値の差分」と「差分の平均値」が一致してないのが原因ではないかと感じたので、少し『検証ごっこ』してみることに。



★コードを書いてるヒマはないので・・・
ええ、本来ならいつぞやDelphiで書いたFITSファイル簡易解析コードを改修して一気に統計処理すれば良いんだけれど、あのコードあまりに読み込みが遅いのでC#で書き直そうと思いつつ、まだ着手できてないという・・・(汗)。
でも、今回の件が気になって仕方ないので・・・・

・・・ええい!
こうなったら手動で解析してやるわっ!
f0346040_17164610.jpg
はい。
ダークファイル16コマを全部開いて、特定のピクセルをG1・R・B・G2それぞれのチャンネルから1匹選んで、手作業で輝度変化を調べる・・・という力技を敢行。

これを
 ①:ダークフレームそのもの
 ②:①をコンポジットして作ったダークファイル
 ③:①にダーク補正を加えたもの
 ④:③のコンポジット
それぞれについて調査するっていう、気の長い作業。

ああー面倒くさいなあ。
なんだか、昔の放射線乾板解析をしている宇宙線物理学者になったような気分(笑)

・・・で、例えばこんなふうに整理
f0346040_17353528.jpg
分かります?
要するに、ステライメージ6.5の自動ダーク補正(ファイル読み込んでダークファイルとの減算を一気にやってくれるヤツ)だと、「補正後に負の値になったピクセルデータがカットされてる」んですね。
上の図の補正後輝度値を平均したものが実際の「ダーク減算後に加算平均コンポジットした画像」におけるダークノイズとなるわけだけど、このロジックで行くとダークファイルの値(ダークノイズの平均値)よりも小さなノイズを持つピクセルがサチったようになって、コンポジット時に加味されない・・・・と。
これは定性的には「ダークノイズが取り切れない」方向に作用するので、結果としてダークノイズが残っちゃうんですね。

ちなみに他のチャンネルについても、同様の傾向。
f0346040_17573216.jpg
本来各コマのダークノイズ輝度は揺らぎますから、その平均値であるダークファイルを減算すると0を中心として正負各方向にばらつくハズなのですが、そのうち負の方向に分布したデータがバッサリ切られちゃってるわけですね。
f0346040_18064798.jpg
それぞれグラフにすると、こんな感じです。
f0346040_18191056.jpg

★補正前と補正後の輝度値の相関
では、ダーク補正の前後で輝度値がどのように変化しているかをスキャッタープロットして整理してみましょう。

すると・・・

ででん!
f0346040_18384343.jpg

このように自動ダークファイル補正では、ダークファイル減算の前後でダークノイズの平均値をスレッショルド(閾値)としてリニアリティ(線形性)が崩れていることが分かります。これじゃそもそもダークノイズが消える訳がないじゃん!(膨大な量のライトフレームをコンポジットすればこの影響は多少緩和されますが、それでも固定ノイズは原理上取り切れないはず)

※実際にはライトフレームのバックグラウンドがダークノイズの揺らぎを『受け止める』ほど明るければ問題ありませんので、長時間露光した場合は影響が減るかも知れません。
※ダークファイル中のダークノイズの揺らぎはダークファイルを作成する際のコンポジット枚数によっても小さくなりますので、十分な量のコンポジットをしておくことは大前提でしょうね。

これを防ぐためには・・・・
前回のエントリーで試みたように、手動でダーク減算処理をワークフローに保存してバッチ処理するか、撮影時に(ダーク減算で負の値が生じないように)輝度データの底上げをするかの必要がありそうです。

不覚っ!
・・・ディザリングとかに初挑戦する前に、すべきことがあった・・・か。

え?
ひ、ひょっとして・・・
撮影時のオフセット設定(固定輝度値加算)とか、この現象の回避のためだったりして、実は常識なの??


PS
すっきりしたけど、ある意味ショック。今まで何やってたんだろ・・・ボク。
むうー。しかし・・・なんだ、このデジャブは??

ああ、そうだ。たしか、学生時代に複数のワークステーション使って大気原子の破砕シミュレーションをやっていた時に、なぜか特定の機体だけ演算が無限ループに陥っていて悶絶。泣きながら調べて見るとIEEE754規格でいうところの非数処理仕様がCPUの種類によって異なってたのを発見した時、ちょうどこんな感じのショックを受けたっけなあ・・・。(0を0で割ったときに、非数とするか、1とするか、0とするかっていうやつ・・・)


by supernova1987a | 2018-10-07 19:02 | 天体写真 | Comments(8)

ダーク減算処理についての『不快感』の正体

★ずっと感じていた『不快感』
冷却CMOSカメラはその温度を低下させることによってダークノイズ自体を低減させるとは言え、星雲などを炙り出そうというレベルの画像処理においては、まだまだ大量のダークノイズが邪魔になります。そこで、暗闇で撮影したダークファイルを減算することによりノイズを消すのが常套手段なのですが・・・・。
ええと・・・画像処理の下ごしらえとしてステライメージのバッチ処理で「ダーク補正」を行った際に、ですねぇ・・・「ダークノイズが取り切れてない」感がするってことありませんか?

さて、前回のエントリーで、(過去に構想しつつも実行に移せていなかった)「ダークファイルのみを加工して」ノイズの挙動を『考察ごっこ』するという手法をついに実行しました。その結果、輝点ノイズに起因する『縮緬ノイズ』がディザリングを用いることで目立たなくなることを検証できたのですが、そもそも(原理的にダーク減算でもフラット除算でも消せない)クールピクセルに起因する『縮緬ノイズ』はともかく、輝点ノイズ(ホットピクセル)に起因する『縮緬ノイズ』が出ること自体が気色悪いんですよねぇ。・・・だって、原理的にこれはダーク減算で消せるハズじゃないですか。・・・でも実際は消しきれない・・・と。

いや、ちょっと待て!
そもそも、ダークファイルのノイズ画像自体をダークファイルで消せるのか?

いえ、笑い事ではありません。これって、ダークファイル自体をダークファイルで減算するようなことで、あまりにも「消えてあたりまえ」すぎて誰も検証したことなかったりして・・・・。


★やってみた♪
ASI1600MC-Coolで過去に撮影したダークファイルを使って『検証ごっこ』開始♪

ちなみに、このときの撮像データは下記の通り

[ZWO ASI1600MC-Cool]
Debayer Preview=Off
Pan=0
Tilt=0
Output Format=Fits files (*.fits)
Binning=1
Capture Area=4656x3520
Colour Space=RAW16
Hardware Binning=Off
High Speed Mode=Off
Turbo USB=80(Auto)
Flip=None
Frame Rate Limit=Maximum
Gain=400
Exposure=15
Timestamp Frames=Off
White Bal (B)=99
White Bal (R)=63
Brightness=10
Gamma=50
Temperature=-14.8
Cooler Power=30
Target Temperature=-15
Cooler=On
Auto Exp Max Gain=300
Auto Exp Max Exp=30
Auto Exp Max Brightness=100
Mono Bin=Off
Subtract Dark=None
Display Brightness=1
Display Contrast=1
Display Gamma=1


さて、今回の『検証ごっこ』は愛用のステライメージ6.5で行いました。

①同じ条件で撮像した20コマを位置合わせ無しで加算平均コンポジットしたものをAとします。
②Aを共通ダークファイルに指定し、コンポジット前のダーク画像20コマそれぞれにダーク補正バッチ処理を加えます。
③ダーク減算処理済みの20コマを位置合わせ無しで加算平均コンポジットします。

さて、どうなるでしょう??

え?
「そんなもの、全部消えて当たり前だろ!」
ですか?
まあまあ、そう言わずにもう少しおつきあいくださいな。

いきますよー。

ででん!
f0346040_02542272.jpg
 ※左:ダークファイル20コマのコンポジット
  右:ダーク補正済みのダークファイル20コマのコンポジット

意外ッ!
ダークファイルがダークファイルで消えないッ!!
なんというパラドキシカル(逆説的)な現象(笑)
(余談:ま、本業で教えている入試現代文なら「ダークファイルがダークファイルで消えない」には傍線を入れて、どういうことか?と問いますね。絶対。)
ええ、確かに相当に軽減されてはいます。でも、そもそも『実体が同じ物』なんですよ?。もっとバチッと消えて良さそうじゃないですか。



★一体どういうことなのだ??
なんだか狐に化かされたような気分ですが、気を取り直して原因を邪推してみましょうか・・・。

仮説①「フラクチュエーションとスレッショルドの喧嘩」説
個々のダークにはフラクチュエーション(揺らぎ)がある。そこに何らかのスレッショルド(閾値)が作用した結果、数学的には「個々の値から平均を引いたもの」の合計はゼロのハズだが、実際にはゼロにならない。

仮説②「ソフトウェアのロジック上の問題」説
いつもステライメージ6.5のバッチ処理でダーク補正を行っているが、それは「きちんと処理されているだろう」という盲信に基づいており、そのロジックを知らないため、なにか意図せぬ不具合が起こっている。

仮説③「パラメータの設定ミス」説
そもそも16ビット整数型の撮像ファイルに32ビット実数型のダークファイルを演算させて大丈夫なんだろうか?
(※一応、マニュアルにはそうするように指示されてはいます)

勘違いして欲しくないのですが、決してステライメージにケチをつけているわけではありません。
単にあぷらなーと自身が仕様やロジックを理解していないだけのお話です。



★困ったときの手作業
ブラックボックス化された自動処理が不安になったときは『マニュアル』に切り替えればよろしい♪
ほら、高度なテクノロジーを駆使した超兵器を扱う映画などでも、ピンチを切り抜けるときはたいてい手作業じゃないですかー(笑)

というわけで、ステライメージ6.5を用いて「マニュアル操作でダーク補正」する方法を考えてみた。
 ①20コマコンポジットした共通ダークファイルを読み込む
 ②素のダークファイル1枚を読み込む
 ③ワークフローに②のファイルから①のファイルを減算する操作を記憶させる
 ④バッチ処理で20コマのダークファイルそれぞれに③の演算を実行し保存する
 ⑤④で生成されたファイルを加算平均コンポジットする。
ま、理論的にはフルオートと同じハズなんですが・・・・。


すると・・・

ででん!!
f0346040_03250270.jpg
 ※左:ダークファイル20コマのコンポジット
  中:ダーク補正済みのダークファイル20コマのコンポジット
  右:マニュアル操作でダーク補正したダークファイル20コマのコンポジット

げげっ!
ぜ、全然違うやんかー!

・・・てことは、
無精してフルオートに任せず、真面目に手作業でダークを引けば画質が改善するかもしれないってこと??


★実写画像で試してみる
9月に『三連装にせBORG』で撮影した北アメリカ星雲のHα画像(ASI1600MM-Pro)にこの手法を適用し、差異が出るかどうか試してみます
あ、ついでにもしもダーク減算を行わなければどれだけ悲惨なことになるかも再確認しておこう♪

では行きますよー

ででん!!!
f0346040_03375307.jpg
 ※左:ダーク減算なし 中:オートでダーク補正 右:マニュアルでダーク補正

見づらいのでさらに拡大すると・・
f0346040_03364424.jpg
 ※左:ダーク減算なし 中:オートでダーク補正 右:マニュアルでダーク補正

左のダーク減算無しは論外(0℃冷却でも炙るとこんなに盛大なダークノイズが・・・これディザリングでも消せないかも?)として、中と右をよく見比べると明らかに右の方がホットピクセルが良く消えてます
まあ、過補正っぽい黒いノイズも出てはいますが、こんなのクールピクセル除去フィルタや必殺『クールファイル補正法』で退治できますし。


★ん?これって、もしかして・・・
「オフセット」(SharpCapで言うところのブライトネス)ってこれまで意識してなかったけれど、もしや、そういうことなのか??
(撮影時はもちろんのこと、ダーク減算などフラクチュエーションに起因する負の値が発生しうる際には注意が必要的な・・・・)

5が平均値の各データが[2,5,8]だったとして、演算ルールに「0以下の値はカット」という条件を加えた場合、
((2-5)+(5-5)+(8-5))÷3 が 0にならない」っていう類いの・・・・。

★★★以下たぶん続きます♪(台風25号のせいで)★★★

by supernova1987a | 2018-10-04 06:49 | 天体写真 | Comments(1)

ディザリングはなぜ「効く」のか?

★結局、ディザリングに勝るもの無し?
お恥ずかしながら、ディザリングはおろかオートガイドすらほとんど経験の無い「ひよっこ」あぷらなーとなのですが。ディザリングって不思議なんですよねぇ。

ええ、固定位置に居座るホットピクセルやクールピクセルを『散らす』ことによって希釈するのがディザリングだというのは理解しているつもりですよー。
でも考えてみると「ピリオディックモーションをあえて補正しないノータッチガイド」とか「極軸を少しズラしてノータッチガイド」で短時間露光したコマを多数枚コンポジットしても固定ノイズは『散る』はずだと考えるとなんだか訳が分からなくなりませんか??

・・・と言うわけで、今回はディザリングについて『考察ごっこ』してみることに



★まずは、論より証拠
ま、本来はここで実際にディザリングの有無をテスト撮影するべきなんでしょうが、ディザリングってやったことないんですよー。
でも、原理は理解しているつもりなので、シミュレーションしてみようじゃないか

素材はASI1600MC-COOLで撮影したダークファイルに決定。ゲイン400で15秒露光したダークファイルを20コマ用いて実験。
ノータッチガイドやディザリングで被写体のみが動いた結果、本来固定位置で発生するダークノイズが流れるはずなので、これを再現してみようじゃないかという遊びです。

f0346040_00053916.jpg
想定したモデルは上の図の通り。
20コマのダークファイルをコンポジットする際に、その位置合わせをコマごとにズラしていくという方法です。

すると・・・

f0346040_00071428.jpg
 ※左:①シフトなし 中:②追尾エラー再現型 右:③ディザリング再現型

①「シフトなし」について
 固定位置でコンポジットしたものです。普通のダークノイズ(いわゆるホットピクセル)が観察されますね。
②「追尾エラー再現型」について
 ピリオディックモーションの大きな赤道儀で短時間露光ノータッチガイドを行い、コンポジット時に被写体に合わせた位置合わせを行うというシミュレーションです。見事な『縮緬ノイズ』が再現されましたね。
③「ディザリング再現型」について
 ディザリングの1方法であるスネーク型の駆動を行った結果をシミュレーションしたものです。この3種の中では最もノイズが目立たないことが分かります。




★被写体の画像と合わせるとどうなる?
では次に、ノイズが目立たない素材(先日再処理したM42)にシミュレーションしたノイズを加算してみます。
これは同じ被写体を3種類の方法で撮影し、それぞれコンポジットすることに相当します。

すると・・・

ででん!
f0346040_00311387.jpg
 ※左:①シフトなし 中:②追尾エラー再現型 右:③ディザリング再現型

うむ。予想通りのイメージが再現できたぞ♪
 ①は完璧な精度でノータッチガイドした場合
 ②はノータッチガイドした場合
 ③はディザリングした場合
にそれぞれ相当しますね。
やはり、ノイズが取り切れないカメラの場合にはディザリングの効果は大きいようです。




★でもどうしてそうなるの?
さて、ここで疑問が生じます。
だって、不思議じゃないですか?
①はともかく、②と③はノイズの輝点が「動いた道のり」が等しいので、原理的には全く同等の希釈がなされたはずなのです。
でも、全く結果が異なる・・・と。

そこで、ちょっとこの図を見てください。
f0346040_00381762.jpg
左の図は固定ノイズの模式図で、全てのノイズが固定されている場合です。それに対して右の図は全てのノイズがランダムノイズだった場合の模式図で、ノイズから生じる総電子数が等しくても各ピクセル位置でそれが累積されるかどうかでその濃度が異なることを示しています。要するに、コンポジットもしくは長時間露光でランダムノイズが減少する原理ですね。

さて、固定ノイズを伴うカメラで短時間露光のノータッチガイドした場合はどうなるでしょうか。
f0346040_00413818.jpg
極軸エラーやピリオディックモーションの効果で、(被写体に位置合わせをすると)固定ノイズが移動して写る事になります。
これが『縮緬ノイズ』ですね。ノイズ自体は薄まったのに非常に不愉快な写真になります。

では、尾を引くように流れるのがダメなのかというと、そうではなくて
f0346040_00443464.jpg
もしも、このようにノイズの流れが「縞目状」だと、そんなに不快感を感じませんよね?

ディザリングも同様で、
f0346040_00455160.jpg
直線上に流れるよりも渦巻き状(あるいは格子状)に流れた方が不快感が少ないのですね。

要するに、ディザリングはノータッチガイドに比べてノイズが軽減された訳ではなく、写真を見る人の違和感を軽減する方向に作用するという解釈です。




★違和感(不快感)の正体は何なのだ?
ところで、物理学にはエントロピーという概念があります。その定義は色々なのですが、概ね『乱雑さ』を表すパラメータだと解釈していいと思います。
個人的には「エントロピーは状態数の対数に比例するもので、言わば『確率』のようなもの」と解釈しています。つまり、ありふれた状態・頻発する現象は「エントロピーが大きい」と表現でき、特殊な状態・レアな現象は「エントロピーが小さい」と表現できるわけです。

ところが、ここで問題となるのは「何をもって『特殊』と判断されるか」です。例えば、こんなケースはどうでしょう?
 太郎くん「おい聞いてくれよ!俺、『あぷらなーとクジ』で一等100万円が当たったんだ。」
 花子さん「ええっ!マジで?そのクジ見せてよー。」
 太郎くん「見ろ、33組の3333番だ。」
 花子さん「もう、そんなバカなー。そんな番号が当たるはずないでしょーが!」
数学の確率で出てきそうなお話ですが、たとえ「23組の1764番」であろうと「33組の3333番」であろうと、当たる確率は同じはずです。(そうでないと、インチキ抽選です。)
でも、心情的には「33組の3333番」が当たりって『気色悪い』ですよね。
あぷらなーとは、これを『心理的エントロピー』または『主観的エントロピー』と呼んでいます。

つまり無機質な観測者(コンピュータやセンサーなど)から見ると同じ確率(等しいエントロピー)であっても、人間から見るとそうではないケースが多々あるということです。これは人間個人の個性によっても変動する現象です。
たとえば、
「0のカード×1枚、2のカード×3枚、3のカード×2枚、4のカード×5枚、7のカード×1枚、8のカード×1枚」
があって、それをシャッフルして並べてみると「4243434202478」という順に並んだとします。
それを見ている人が一般人なら「普通のケース」(エントロピーが大きい)に見えるでしょうが、我々アマチュア天文家なら
「貴様!なにか細工しただろう?オリオン座大星雲・馬頭星雲・燃える木星雲・ウルトラの星・・・ってオリオン座の名所が並んでるなんて話がうますぎるぞ」
『違和感』(エントロピーの小ささ)を感じるかもしれません。

話をノイズに戻します。
下記の画像を見てください。
「上下が一致していない画像は左・中・右のどの列でしょう?」
f0346040_01304016.jpg
恐らく、ほとんどの人は左の列の上下が異なることはハッキリと認識できたはずです。だって2本だけ線が横倒しになってますもの。目立ちますよね。少し注視すれば真ん中の列も模様が異なることに気づきます。それに対して、右の列は一見同じに見えます。
でも実は3列とも同じ数のピクセルを別な場所に移動させているのです。
「ノイズとはランダムであるはず」という先入観から、その配列が「キレイすぎる」ノイズは『心理的エントロピーの低下』すなわち心理的な違和感を生みます。縮緬ノイズが持つ『違和感』の正体はこれだと考えられないでしょうか。それに対して、ディザリングはノイズ配置のランダム性を殺さないようにその濃度だけを希釈する作用を持ちますので『心理的エントロピーの低下』を招きません。何気ない風景の中に人の顔状のパターンを見出してしまう「シミュラクラ現象」(心霊写真とか火星の人面岩とか)と同様、「自然現象っぽさ」を鑑賞者に与えるノイズ以外は嫌われるのかもしれませんね。

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うむー。
やはり、ディザリングって偉大なんだなぁ。

あぷらなーとの撮影環境だとディザリングできないけど(笑)。
だってー、多連装・複数カメラでディザリングする方法って思いつかないよぉ・・・
やはり、ここは『くるりんぱ撮法』開発プロジェクトを進めるしかないか・・・・。


★★★お約束★★★
①『心理的エントロピー』『主観的エントロピー』は単にあぷらなーとの造語です。
②各ノイズの模式図は適当に描いたので雰囲気程度に捉えてください。
③ディザリングのみを賞賛する意図はありません。恐らく、撮影対象の明るさ・ダークノイズ量・撮影コマ数の組み合わせによって、「ダーク減算やホットピクセル除去処理」と「ディザリング」のどちらが効いてくるかの閾値がありそうな予感がします。
④現在のあぷらなーとは数式処理能力が著しく劣化してるので正確な議論はご容赦ください。今回の文字ばかりの記事を書くにも(20数年前の記憶を忘却の沼からサルベージするため)教科書(キッテルの熱物理学)を読み返す始末です。
⑤20数年ぶりに読んだが、キッテルは良い♪


by supernova1987a | 2018-10-02 07:52 | 天体写真 | Comments(16)

デジタル一眼の画像処理復習

★台風24号の接近で・・・
本来、本日は天体写真の物理実験的アプローチ勉強会」に参加予定にしてて、とても楽しみにしてたのだけど、台風24号の接近に伴い11月に順延とのこと。残念で仕方ありません。(11月だと参加できるかどうか微妙なライン・・・)

・・・で、やることも無くなったし、台風で天候も大荒れなので外出もできないので、デジタル一眼の画像処理の復習でもしてみようかと。


★デジタル一眼の弱み
敬虔な『ニコン信者』を自認するあぷらなーととしては、天体界のメジャー代表のキヤノンや、無改造でHαが写るペンタやフジ、そして近年高感度性能で注目されているソニーなどのメーカーさんには浮気しません(やせ我慢)。・・・え?ZWO赤缶の大群は何なのだ?って・・・ああ、あれはカメラじゃなくて兵器なのでセーフなの♪
冗談はさておき、軌跡のカスタム機D810Aの登場で天文屋さんのニコン使用率が少しは上がってきたかな?とも思うのですが、D810Aは画素数があまりにも多過ぎて処理が苦しいのと、大好きなステライメージ6.5でRAW画像が読めなかったりするので、目下のところ天体用メインデジカメは改造D5000なのです。
無論、D5000は非冷却ですから、冷却CMOSカメラであるASI1600MC-COOLと比較すると・・・
f0346040_14352593.jpg
※左:改造D5000 ISO3200・20秒露光 ノイズ処理無し VMC260Lレデューサなし
※右:ASI1600MC-COOL -15℃・ゲイン400・10秒露光 VMC260L+レデューサ

このようにダークノイズが目立ちます。しかも強拡大してみると
f0346040_14392123.jpg
 ※左:改造D5000 右:ASI1600MC-COOL

このように、明るいダークノイズ(いわゆるホットピクセル)以外にもモヤモヤした斑点状のノイズなどが生じていることが分かります。

でも、このD5000、一昔前のニコンデジタル一眼の中では結構低ノイズ↓なのですよー。

とうわけで、(無改造の予備機も含め3台も保有している)大好きなD5000ですから、再び第一線で働いてもらうためにも画像処理の復習をしてみることに。



★一発撮りとコンポジット
では、先ほどの改造D5000の画像144枚にダークファイル減算を加えてコンポジットし、さらに無改造D5000の画像144枚にダークファイル減算を加えてコンポジット。それらを合成してみます。

すると・・・
f0346040_14535558.jpg
 ※左:改造D5000の1枚画像 右:288枚コンポジット

ずいぶんと滑らかになりましたが、なんだか少し『眠い』ですね。


★『秘技』投入♪
まあ、別に『秘技』と呼ぶほどの物ではないのですが、下記の処理を試みます。

①ダーク減算済みの元画像をデモザイク(ディベイヤー)せずにそのまま2×2ビニング
②ステライメージ6.5でコンポジットし、デジタル現像やレベル調整を実行
③さらにレジスタックスでウェーブレット処理してL画像とする
④ダーク減算済みの元画像をデモザイクしてから2×2ビニング
⑤ステライメージ6.5でコンポジットし、デジタル現像やレベル調整をしたものをRGB画像とする
⑥③と⑤でL-RGB合成

⑦ダーク減算済みの元画像をデモザイクしてから2×2ビニング
⑧ステライメージ6.5でコンポジットし、デジタル現像やレベル調整を実行
⑨NikCollectionのHDR+Defineを実行

⑥と⑨を合成

以上を288コマの画像について行います。要するに解像感をウェーブレットで出し、モクモク感をHDRで稼ぐという作戦ですな。

すると・・・
f0346040_15055725.jpg
 ※左:コンポジットのみ 右:『秘技』投入

よしよし、だいぶ勘が戻ってきたぞ。

というわけで、

ででん!
f0346040_15080488.jpg
うむ。なかなか良い感じ♪
VMC260LとD5000(改造+無改造の2台)を用いたM42オリオン座大星雲の画像処理の練習完了♪

・・・といいつつ、2ヶ月前の記事↓でやった処理とほとんど同じ仕上がりっていう・・・

なぁーんだ。進歩ないじゃん。

・・・否っ!


もし天体写真が『科学写真ごっこ』と位置づけられるのならば、多少異なるアプローチでも常に似たようなテイストの作品が出せるってのは、意外に大切なことなのでは・・・・なんてね(笑)。(もし『芸術作品ごっこ』ならば、自己模倣はダメだろうけど)

さて、ぼちぼち冬期の一大プロジェクト:作戦名『マルチ隊形』の準備を進めるとしようか・・・・。
「それ、死亡フラグ」とか言っちゃダメ、絶対!

by supernova1987a | 2018-09-30 15:37 | 天体写真 | Comments(10)


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