あぷらなーと


あぷらなーとの写真ブログ
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あぷらなーと
文系寄りの元理系(?)
「天体」「マクロ」「実験ごっこ」その他諸々の科学写真が大好きな HN:あぷらなーと が いろんな写真ネタをのんびり語ります。あまり気合い入れすぎると続かないので、「ぼちぼち」いきます。
※コメント大歓迎です♪

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ノイズが取れたら、しめたもの♪

★長らく悩んでいた『縮緬ノイズ』とも決別か
いやー。長かったです。色んな画像処理で遊んでみようにも、肝心の素材自体に載っている『消えないノイズ』のせいで画像処理が破綻してたんですね。でも『クールファイル補正法』と『手動ダーク減算法』を併用することで、かなりいい線までたどり着きました。

ふはははは。
ここから先は一方通行だ!
邪道成就の道、突き進むのみッ!

★打倒パックマン
2夜連続でニワトリできるのって何年ぶりでしょう??
f0346040_22591485.jpg
夜露でびしょ濡れになった『三連装・がちBORG:グランデ』を天日で乾かして、2戦目に臨みます。
f0346040_23031748.jpg
狙うはナローハンター垂涎の対象:NGC281「パックマン星雲」です!
メジャーな対象ですが、あぷらなーとは過去(昨年)1回しか挑戦したことがありません。

撮像温度-15℃・ゲイン300・露光30秒・ノータッチガイド
というお気に入り設定で、とにかく連写しまくります。

結果、Hα:480コマ SⅡ:360コマ OⅢ:480コマ、合計1320コマのライトフレームを確保しました♪
(我ながら無茶苦茶な物量作戦だなぁ・・・)



★いざ画像処理行くぜ!
撮影したパックマン星雲ですが、さすがに1コマ原画ではノイズに埋もれてほとんど写ってないように見えます。
例えば、最も明るく写るHαナロー画像に『手動ダーク減算法』『クールファイル補正法』を施しても、こんな感じ。
f0346040_23144825.jpg
 ※左:撮って出し1コマ画像(レベル調整のみ) 右:『手動ダーク減算法』&『クールファイル補正法』適用後

一見何にも変わってないように見えますが、補正した内容がショットノイズに埋もれているだけです。
補正成分を抽出してみると・・・
f0346040_23172287.jpg
 ※左:『手動ダーク減算法』で差し引かれたダークノイズ
 ※右:『クールファイル補正法』で加算された輝度成分(クールピクセルの穴埋め)

これ以外のザラザラは、コンポジットによって解消するランダムノイズと、天体から飛来する光子の揺らぎを捉えたショットノイズと思われます。

では、どんどんコンポジットしていきます
f0346040_23213058.jpg
 ※左から順に1コマのみ・4コマコンポジット・8コマコンポジット・15コマコンポジット

みるみる像が鮮明になっていきますね♪
さらに重ねます。
f0346040_23271527.jpg
 ※左から順に15コマコンポジット・30コマコンポジット・60コマコンポジット・120コマコンポジット

ここまでくるともう十分なように見えますが、今回はノイズを相当に追い込んだので、枚数を重ねることでまだ改善できます

f0346040_23303482.jpg
 ※左から順に120コマコンポジット・240コマコンポジット・478コマコンポジット

478コマともなると総露光時間は4時間にもおよびます。さすがにここまでやったのは初めてですよー。
だって、今まではある程度の枚数を重ねるとそれ以上改善しませんでしたもの。
でも、今回は違います。
なにしろダークノイズが少ないのですから、理論的には、重ねれば重ねるほどショットノイズが均一化されて像に化けていくはず

もっと拡大してみましょう。
f0346040_23345884.jpg
 ※左から順に120コマコンポジット・240コマコンポジット・478コマコンポジット

ピクセル200%拡大してみると、その差は歴然ですね♪
うーん、滑かだー。



★同様の処理を他の波長にも施して・・・
ここで、画像処理ソフトはステライメージ6.5からステライメージ7に選手交代
コンポジット自体は比較にならないほど6.5が高速ですが、カラー合成処理行程の仕様は圧倒的に7の方が優れているためです。
なお、今回は無精してフラットは撮影していないのでステライメージの周辺減光補正ツールとFlatAideProを用いてザックリと修正しました。
f0346040_23412307.jpg
 ※左から順に、画像・OⅢ画像・SⅡ画像

さあ、ここまでくればしめたもの。
ここは、仕上げも『邪道』を貫くべきでしょう(笑)

今こそ出でよ!
渾身の『リバースパレット法』ッ!!

うむ。
ここは『OSAリバース』をチョイスだ
まだ見ぬテイストのパックマンを具現化するのだ~!


すると・・・

ででん!!
f0346040_00593720.jpg

わはははは。
デジタル時代の最先端を行くナローバンド撮影のはずなのに、どこか昭和のポジテイスト(笑)


見よ。
オートガイドディザリング長時間露光σクリップフラット撮影レイヤー処理要らぬッ

これが『三連装・ガチBORG:グランデ』の実力だぁー!
※あくまで、こんな『別解』もあるよっていうネタですよ、念のため(笑)


P.S.
あ、もちろん、ちゃんとした『今風』のテイストも試してます。
はい。みんな大好き「極彩色SAOテイスト」もこのとおり。
f0346040_00055141.jpg
白状すると、こちらのテイストを出す試みも今回初めて成功したっていう・・・・。
正直もう独学では無理かと思っていたけれど、今回は拍子抜けするほど簡単に処理できてビックリ
なーんだ。
結局ダークノイズが取り切れていなかったのが諸悪の根源だったのかー。


★★★お約束★★★
※今回の実践における各種の評価っぽい文言は、あくまであぷらなーとの『邪道』遊びにおける個人的な感想です。
※ダークノイズの挙動にはまだ不明点が多々ありますので、今後『検証ごっこ』予定です。
※まさか『リバースパレット』をやってみようという酔狂な方は居ないと思いますが、本来RGBである光の三原色をあえてCMYに充てるというロジック故に、残存ノイズに極めて敏感だという弱点があります。そのため、FITSではなくTIFFファイルでないと処理できなかったり、単なるCMY合成ではダメで、事前に『表』(RGB)のパレットで作製した画像をモノクロ化し、別途L画像を用意しておくことが必要だったり、実は色々と面倒です。(ステライメージ7の場合)
※今回の各種画像処理には強引な過程を含むため、元素の存在領域を推定するなどの科学的視点とは全く無縁です。

by supernova1987a | 2018-10-23 07:17 | 天体写真 | Comments(1)

馬頭星雲・やるだけのことはやるっ!!

★まさかの晴天で急遽出撃したものの
ダークノイズについて『考察ごっこ』をしようと決めていたのに急に晴れるもんだから、急遽『三連装・ガチBORG:グランデ』でニワトリ出撃しました。目標は「打倒!馬の首」だったのですが、ここにきて『サッポロポテト現象』が勃発。一気にテンションが下がっちゃいました。

でもやるだけのことはやってみましょう。
そもそも、馬頭星雲はあぷらなーとが超苦手とする天体。これまでまともに写せた試しがありません。
・・・原因はズバリ「消しきれないダークノイズ」&「消えてくれないクールピクセル」によって白や黒の『縮緬ノイズ』が盛大に出ちゃうこと。
恐らくベテランの皆様は
「オートガイドすることでホットピクセルやクールピクセルの弁別精度を上げる」
「ディザリングガイドでノイズを散らして見た目の違和感を軽減する」
「σクリップで突発的なノイズをカットする」
などなどの奥義を駆使しておられるのでしょうが、天邪鬼あぷらなーととしては、これらの王道とは違った道を歩みたい
ここ2年間の『研究ごっこ』でクールピクセルに関しては『クールファイル補正法』がかなり効果的で、ホットピクセルに関しても先日の『手動ダークファイル減算法』で相当な改善が見られることが判明しました。


・・・となると

今なら、馬頭星雲も『縮緬ノイズ』無しで写せるかも♪

うむ。
『サッポロポテト現象』ごときに打ちのめされている場合じゃぁ無いッ!



★各種画像処理の効果
相変わらずオートガイダー無しのノータッチガイド一本槍なので、露出時間はせいぜい30秒程度です。
でも、120コマを加算平均コンポジットすると、ここまで改善します。
f0346040_16475069.jpg
 ※共通データ:BORG89ED+マルチフラットナー+Hαナローバンドフィルタ+ASI1600MMーPro 撮像温度-15℃・ゲイン300・露光30秒
 ※左:1コマ画像のトーンを調整した物 右:120コマをコンポジットしたもの

 しかし、よく見ると、120コマコンポジットの方はガイドエラーに伴い、盛大な『白い縮緬ノイズ』が発生しています。
f0346040_16504089.jpg
 ※上記画像のピクセル等倍

この主要因は、ダークノイズが残っているためです。このノイズはこれまでダークファイルを減算してもなかなか消しきれなかったのですが、その原因が「減算後の0以下の数値がカットされている」ことにあることを突き止めました。そこで、バッチ処理の内容を手動で設定する『手動ダーク減算法』を用いる
f0346040_16532008.jpg
 左:ダーク減算前 右:『手動ダーク減算法』の適用後

ほとんどの白い『縮緬ノイズ』がキレイに消えました。ところが、よく見るとうっすらと「黒いスジ」が残っていることが分かります。クールピクセルに起因する『黒い縮緬ノイズ』ですね。大丈夫。こちらは『クールファイル補正法』を適用することによってですねぇ・・・
f0346040_16552109.jpg
 左:手動ダーク減算のみ 右:『クールファイル補正法』の適用後

このように劇的に改善しました。

f0346040_16575362.jpg
 ※左:ダーク減算なし 中:『手動ダーク減算法』を追加 右:『クールファイル補正法』を追加

ここまで来れば、もうディザリングやσクリップの必要も無いかも??です。(炙り出しをした状態でコレですので♪)



★同様の処理をSⅡ・OⅢにも施して・・・
さて、ここからが『三連装BORG』の真骨頂です。撮影時間はわずか1時間でしたが、その間にHα・SⅡ・OⅢの3波長画像を同時にゲットしているのですよー。
f0346040_17035774.jpg
では、それらを全て合成して、疑似カラー化してみましょう。
(・・・詳細が書ききれないほどの試行を延々繰り返して悶絶していたのは内緒)

すると・・・

ででん!!
f0346040_17083640.jpg

ふははははっ!
苦節30年(どれだけ才能無いんだか)ついに馬頭星雲を仕留めたわ

え?
『サッポロポテト現象』が出ちゃってるぞー?
ですって?

いやー、これたぶん、ASI1600MM系のCMOSカメラを用いた場合に「スパイダーが無く・収差による像肥大も出ないシャープな屈折光学系」だと、原理的に出るのが自然なのかもしれないっす。(カメラ内部の保護ガラスと撮像素子の間隔、および画素ピッチで決まる?)

だから文句言っても仕方ないかもです。

P.S.
え?フラット処理?
ええと・・・フルサイズ用のフラットナーにマイクロフォーサーズカメラですので、フラット補正の必要が全く無かったんです(笑)
それにしても・・・・なんかVMC260Lよりも良く写ってるような気が・・・・。ASI1600MMの画素ピッチとシンチレーションの影響から考えて実は600mm前後って絶妙な落としどころなのかも知れないなぁ。(カラーカメラなら1200mmは欲しいところですが)

by supernova1987a | 2018-10-22 07:16 | 天体写真 | Comments(9)

晴れた!でも『好事魔多し』

★『ダークノイズ』の秘密、早よ
ええ、そのつもりでした。それこそ休日つかって徹夜で『解析ごっこ』するつもりでしたよぉ。
・・・でも
晴れちゃった!
これはもう、お部屋に閉じこもって『解析ごっこ』している場合じゃないッ!!


★というわけで♪
やっぱ、あぷらなーと と言えばコレでしょう(笑)。
BORG89ED×3+冷却CMOSカメラ×3で構成した魔道兵器:『三連装・ガチBORG:グランデ』(対SAOナローバンド装備・ぬくぬくヒーター仕様)で、急遽
出撃決行♪
f0346040_07041924.jpg
今回の攻撃目標は「馬の首」です。

「通常の3倍の撮影速度」を誇る決戦兵器でHα・SⅡ・OⅢを同時撮影
まだ手術した右腕は重い物を持てないので、ニワトリ用常設赤道儀を利用してもセットアップに1時間半ほど要しましたが、めでたく撮影開始♪

今夜こそ(自分にとっての)『宿敵』:馬頭星雲を撃破するのです!

 
★好事魔多し
冷却温度-15℃・ゲイン300・露光30秒・ノータッチガイドの無限連写で各波長につき160コマ、合計480コマのライトフレームをあっという間に確保。なかなか順調です♪

まだダークフレームは撮っていないけど、ちょっとだけ「ちゃんと写っているか」素のFITSファイルを爆速ステライメージ6.5でコンポジットして様子を伺います。

すると・・・


げげっ!!
なんぞ、これ?!
f0346040_07154672.jpg
 ※ASI1600MM-Pro+Hαナロー ピクセル等倍
f0346040_07163160.jpg
 ※ASI1600MM-1号機+OⅢナロー ピクセル等倍
f0346040_07192552.jpg
 ※ASI1600MM-2号機+SⅡナロー ピクセル等倍

うぎゃー!
で、出たー!
『サッポロポテト現象』!?
ええ。確かに、いつぞやの人工星テスターを用いた『検証ごっこ』で懸念してはいましたよ。


でも・・・でも・・・確かあの時の『検証ごっこ』では、微妙にピント位置をズラしたときにだけ発現していたはず
よもや対象天体の合焦位置でこうも鮮やかに出てしまうものとは・・・・。

ええい。
冷却CMOSのサッポロポテトは化物かっ!


ふん。
こういう事態を予見していたからこそ、事前に『検証ごっこ』していたのだ!
全ては想定の・・・範囲内じゃないです!!

ああ、ショックのあまり睡魔が襲ってきたので、とりあえず少し寝てからダークとか撮ります(泣)。

ああ、冷却CMOS使いの皆様方~。
こんなの あぷらなーと だけ??


by supernova1987a | 2018-10-21 07:34 | 機材 | Comments(8)

ダーク減算処理についての『不快感』の正体③(結論)

※ご注意※
ヘビのように長いエントリーですが、前半部分は、これまでの旅の「振り返り」です。
『邪道』には『邪道なりの真理』があるわけで、あくまで『別解探しの旅』だという主旨をご理解いただければ(笑)。
「なんで、こんなことにこだわってるの?」
と不思議に思われてる方以外は後半部分にワープしてOKです♪

------前半------ 

★何をそんなに悩んでいたのかというと

「ふっふっふ。往生際の悪いやつだ。『三連装BORG』とか『ビームスプリッタ』とか『クールファイル補正法』とか『リバースパレット法』とか妙ちくりんなことばかりやってないで、潔く王道(長時間露光・オートガイド・ディザリング・シグマクリップ)に墜ちちゃえよー。幸せになるぜ。」

などと、天上から『王道の悪魔』が囁いてくるのですが、どうも沼の奥から『邪道の天使』が励ましてくるんですよねぇ。

「だめ。短時間露光・ノータッチガイド・ノーディザリング・ノーシグマクリップ・・・これこそが清く正しい邪道でしょ?王道に惑わされることなく自分の信じた道を進みなさいな。」

ええ。これまでなんだか釈然としなかったのですよー。だって、フィルム時代と異なりデジタルの時代なら色んな『別解』があっても良いじゃないですか。(演算の過程や順番が異なっていても、同等の結果が得られるという意味で)・・・だったら自分の好きな(自分が楽と思う)流儀で処理したいと思っちゃうんですよねぇ。所詮は趣味だもの

というわけで、王道に墜ちたい欲求をぐっと堪えて、邪道を成就させるための『研究ごっこ』を続けてきたわけですが・・・・。



★短時間露光でもコンポジットすれば長時間露光と大差ない筈
細かいことは置いといて、大局的には「60分露光×1コマでも15秒露光×240コマコンポジット」でも大きな差は出ないはずで、むしろ高輝度部分がサチる可能性やガイドエラーの危険性、そしてシーイングの影響を考えると、むしろ短時間露光+多数枚コンポジットの方が(自分に)有利だと信じてた訳です。・・・で、まずやってみた『検証ごっこ』

冷却CMOSカメラASI1600MC-COOLを用いた「15秒×40コマ」VS「30秒×20コマ」VS「60秒×10コマ」の対決
それぞれの描写は大差ないことを確認♪ 原理的に段階露光の必要性がなく(ビット数が小さな冷却CMOSカメラの弱点を補い)階調が豊かになる短時間露光・多数枚コンポジットを極める方向に舵を切りました



★冷却CCDと異なり、冷却CMOSのビット数は微妙
今でこそSharpCapに輝度分布データのテーブルが保存できる機能が実装されましたが、当初は完全にブラックボックス。
無い知恵を振り絞り「素の輝度分布がどうなってるのか」を解析ツールを自作することで『解析ごっこ』をしてみました。

結局、16ビットFITSモードで撮像した場合は、12ビットの輝度データの間に15カウント分のスキマを入れて『散らしている』ことが判明
また、理論上ありえない値(16の倍数になっていない数値)も(非冷却時には)散見されることも発見。理論上、長時間の1枚撮りよりも短時間の多数枚コンポジットの方が最終的なビット数(階調)を増やせる方向に寄与するだろうと判断しました。(枚数をN倍にすると撮像素子のビット数を log2 N だけアップするのと同じ効果を生むという解釈。)
※最新のSharpCapではこの「スキマ」を詰めた形(下位ビットにスキマを作らず上位ビットに空白を残す)での出力も可能となってます。



★ショットノイズは消しちゃいけない
短時間露光時に画面がザラザラになるのは仕方ないのですが、このザラザラには各種のダークノイズ以外にも貴重なシグナル(ショットノイズ)が含まれているので消しちゃダメな筈だ、というのが持論でした。つまり、ショットノイズは天体から飛んでくるフォトン(光子)の統計的揺らぎを捉えた物であって、多数枚コンポジットした際には像を構成する貴重な部品だという解釈です。この仮説が正しいかどうか確かめるために『考察ごっこ』してみたのが


結果、M27亜鈴状星雲から飛来していると思われる光子のフラックスをオーダーレベルで一致する精度で検出することにも成功しましたので、この仮説は概ね正しいと判断しました。



★ベイヤー配列カラーCMOSカメラでは本来の解像度は出ない
まあ、これはデジカメ黎明期に「フィルムカメラと異なり、デジカメの像はシャッキリしない」と言われていた件と同義なのですが、その要因の1つであるローパスフィルタの影響を避けたとしても(ローパスレスカメラであっても)原理上、画素数通りの解像度は得られない筈。それを確かめるために行った『考察ごっこ』がこちら。

結果、カラーカメラでは画素数の1/4とまでは言いませんが相当な解像度ロスが生じていることを予想。モノクロCMOSカメラとの「サイド・バイ・サイド」で実写テストする『検証ごっこ』を敢行します。

その結果、同じ画素数であっても圧倒的にモノクロカメラの方が解像度が高いことを確認しました。そこから、モノクロCMOSカメラとカラーCMOSカメラを同時稼働させてLRGB一気撮りへと方向性を定めます。そのため、『ビームスプリッタ同時露光装置』や『多連装BORG』などの珍システムを構築するのですが・・・。



★モノクロCMOSカメラの『クールピクセル問題』勃発
カラーCMOSカメラの運用時にも気がついてはいたのですが・・・

このように、いわゆるデッドピクセルに類似した黒点:『クールピクセル』が高輝度部分にも生じていて、これが『黒い縮緬ノイズ』(黒い縞ノイズ)の原因になっていることが推測されました。もっとも、幸か不幸かカラーカメラの場合は先述のベイヤー配列に起因する像のボケが生じますので、それほどの実害は出ていません。ところが、ベイヤーボケが生じないモノクロカメラの場合、像があまりにもシャープであるが故、クールピクセルの影響が露骨に現れます。・・・で、その挙動を『解析ごっこ』してみると・・・

ダークファイル減算でもフラットファイル除算でも回避できそうにない事が示唆されました。

悩みに悩んだ挙げ句、その解消法として苦肉の策:『クールファイル補正法』の開発に至ります。

これにより、クールピクセルによって生じる黒い筋状の『縮緬ノイズ』を押さえ込むことに成功し、降臨した「救世主」:ぴんたんさん がFlatAideProに実装までしてくれたのですが・・・・。



★『白い縮緬ノイズ』が消せないって根本的におかしい!
『クールファイル補正法』によって『黒い縮緬ノイズ』は退治できたのですが、今度は『白い縮緬ノイズ』が目立つようになって、頭を抱えます。(ASI1600MM系の個体差にもよってどちらが目立つかは異なります)その認識論的解釈は『心理的エントロピー』の減少にあるとの珍説を公開し、ディザリングがなぜ効くのかを『考察ごっこ』しましたが・・・

そもそも、『白い縮緬ノイズ』自体が「ダーク減算後に残っている」こと自体が『気色悪い』んですね。だって、これってダーク補正に失敗してるってことじゃないですかー。・・・で、初心に返ってダーク減算処理の過程で何が起こっているのかを『解析ごっこ』してみることに・・・。

その結果、ステライメージ(あくまで6.5のケースですが)のバッチ処理における「ダークファイル補正」には、そもそも原理的な問題点(悪いと言っているのではなくて留意すべき点)があって、ダーク減算時に生じた負の値がカットされていることがダークノイズを消しきれない原因であることが推測されました。


はい
ここまで律儀に読んでくれた方は、お疲れさまでした♪
ここからがいよいよ「本題」ですよー!!

----------後半-----------


★『よく効く』ダーク補正とは?
あぷらなーとが『邪道』を成就するために、どうしても越えないといけない壁、それが「オートガイドもディザリングもシグマクリップも一切使わずに、ダークファイル減算だけで『白い縮緬ノイズ』を退治する」という難問です。
・・・で、ようやく結論が出ました。やはり、「マニュアル操作でダークファイルを引く」が正解のようです。

前にも少し書きましたが、以下にステライメージ6.5の場合の処理詳細を紹介します。

①撮影画像(ライトフレーム)と同じ条件でダークファイルを撮像する
ゲインや露光時間や撮像温度をライトフレームと同じにして暗闇でダークファイルを撮影します。
撮影枚数は「最低でも」ライトフレームと同数、可能なら多ければ多いほど良好な結果を得ます。
※少ない枚数だとランダムノイズの影響やホットピクセルの時間変動の影響を受けて画質が急激に悪化します。
(ライトフレームのコンポジット効果が帳消しになるという意味)

②ダークファイルを加算平均コンポジットする
ステライメージ6.5のバッチ処理メニューからコンポジットを実行します。
f0346040_02162900.jpg
撮影したダークファイルをロードし、パラメータをセット
f0346040_02183897.jpg
合成方法は加算平均、位置合わせは無しにします。シグマクリップは特に使いません。

出来上がったコンポジット画像を保存します。
f0346040_02235226.jpg
ファイル形式は実数32ビットのFITS形式を指定します。
(本当は整数16ビット型にしたいところですが、これで上手く行ってます。まあ、ステライメージの仕様でしょうね。)

③撮影したライトフレームを1コマだけロードする
 ※1コマだけならどのコマでも大丈夫です。

④②で作製したダークファイルをロードする


⑤ライトフレームのウインドウをクリック(フォーカス)する
f0346040_02301117.jpg
※上の図では左がライトフレームなので、これをフォーカスしてアクティブにします

⑥設定メニューからワークフロー指定する
f0346040_02341132.jpg
※この前に必ずライトフレームをフォーカスしておくことに注意してください。

⑦ワークフローにダーク減算処理を記憶させる
まず、ワークフローウィンドウから記録開始を実行
f0346040_02373362.jpg
次に合成メニューからコンポジットを指定する
f0346040_02412343.jpg
コンポジットのパラメータを設定する
f0346040_02493649.jpg

※ウィンドウはダークファイルを選択
※合成方法は減算
※レベル調整は「使わない
※0以下は「切り捨てない(これ、最重要♪)

「ワークフローに追加」ボタンを実行すると処理内容が記憶されます。
f0346040_02542522.jpg
「記録終了」ボタンを押すとワークフローが完成です。

⑧ワークフローをバッチ処理として実行する
「バッチ実行」ボタンを押す
f0346040_02571834.jpg
対象ファイルリストに出ている2つのファイルをリストから削除する
f0346040_02584711.jpg
「ファイルから追加」ボタンを押してライトフレーム全てをロードする
f0346040_03014334.jpg
ファイル追加の処理後保存先を「別のフォルダに保存」にチェックを入れ、「参照」ボタンで任意フォルダを指定する。

「OK」ボタンを押す。

おしまい♪

後は、出来上がったダーク補正済みのライトフレームを位置合わせコンポジットします。

え?
「で、効果の程はいかほどか?」
ですって?



★手動ダーク減算の威力
これはBORG89EDで撮影した北アメリカ星雲のハイライト部分(ASI1600MM-COOL・撮像温度0℃・ゲイン300・30秒露光・ノータッチガイド)を120コマコンポジットしたものですが、従来の手法(自動でダーク補正した場合)の効果はこんな感じです。
f0346040_03120967.jpg
 ※左:ダークファイル補正無し 右:自動でダークファイル補正
ノータッチガイドによる被写体の流れを補正するように位置合わせした結果、『背景』として存在していたダークノイズが流れて盛大な『白い縮緬ノイズ』が発生します。従来の自動ダーク補正でも相当軽減されていますが、それでもまだまだ白いスジが目立ちますね。・・・本来なら撮影時にディザリングしてノイズ自体を拡散させたり、コンポジット前にステライメージの「ホットピクセル除去フィルタ」を作用させたりして軽減すべきものだと思っていたのですが・・・。

今回紹介した『手動ダーク補正法』(って命名するほどのものじゃなくて、単にダーク減算時のマイナス輝度データを大切にした処理)で、それらの処理の代替になり得るかチェックしてみましょう。

では、行きますよ・・・

ででん!!
f0346040_03203455.jpg
 ※左:自動ダークファイル補正 右:今回の手動ダークファイル補正

ぬおーっ!
「ステライメージのホットピクセル除去フィルタ」や「NikCollectionのDefine」や「シルキーピクスのノイズ整列」などを一切使わずしてこの低ノイズっ!!

わ、我ながら・・・・信じられん。

よーし、ではチョッピリNikCollectionのHDR+Defineを掛けて・・・と

f0346040_03474768.jpg
うひゃー!
このカット、実はこんなに良く写っていたのかー。

ふはははは
長時間露光もオートガイドもディザリングもシグマクリップも一切いらぬ!
『邪道』成就の道
 見えたわ!

あ、ごめんなさい。調子に乗りすぎました。
あくまで『別解』ってことで・・・(笑)

★★★★お約束★★★★
①あぷらなーとが保有する3台のASI1600MM系冷却CMOSカメラには色々と個体差があって、それぞれに適した(キモとなる)処理は微妙に異なります。
※MM1号機は『クールファイル補正法』、MM2号機は「バイアス補正」、そしてMMーProは『手動ダーク減算』が今のところ重要なようです。
②例によって、なんらかの勘違いをしている可能性は否定できません。
③本エントリーはステライメージのダーク減算機能を否定する主旨ではありません。
④ステライメージ8は残念ながら持っていません。7は・・・処理が遅いので大量コンポジットには使いたくありません(小声)。
⑤さらなる『別解』として、「撮影時のオフセット設定で輝度を底上げ」「ダーク減算前に輝度値を引き上げ」「ダークファイル作成時だけシグマクリップ」などなどが思いつきますが、まだ実戦していません。
⑥ステライメージ6.5は『神』♪

by supernova1987a | 2018-10-09 06:55 | 天体写真 | Comments(8)

ダーク減算処理についての『不快感』の正体

★ずっと感じていた『不快感』
冷却CMOSカメラはその温度を低下させることによってダークノイズ自体を低減させるとは言え、星雲などを炙り出そうというレベルの画像処理においては、まだまだ大量のダークノイズが邪魔になります。そこで、暗闇で撮影したダークファイルを減算することによりノイズを消すのが常套手段なのですが・・・・。
ええと・・・画像処理の下ごしらえとしてステライメージのバッチ処理で「ダーク補正」を行った際に、ですねぇ・・・「ダークノイズが取り切れてない」感がするってことありませんか?

さて、前回のエントリーで、(過去に構想しつつも実行に移せていなかった)「ダークファイルのみを加工して」ノイズの挙動を『考察ごっこ』するという手法をついに実行しました。その結果、輝点ノイズに起因する『縮緬ノイズ』がディザリングを用いることで目立たなくなることを検証できたのですが、そもそも(原理的にダーク減算でもフラット除算でも消せない)クールピクセルに起因する『縮緬ノイズ』はともかく、輝点ノイズ(ホットピクセル)に起因する『縮緬ノイズ』が出ること自体が気色悪いんですよねぇ。・・・だって、原理的にこれはダーク減算で消せるハズじゃないですか。・・・でも実際は消しきれない・・・と。

いや、ちょっと待て!
そもそも、ダークファイルのノイズ画像自体をダークファイルで消せるのか?

いえ、笑い事ではありません。これって、ダークファイル自体をダークファイルで減算するようなことで、あまりにも「消えてあたりまえ」すぎて誰も検証したことなかったりして・・・・。


★やってみた♪
ASI1600MC-Coolで過去に撮影したダークファイルを使って『検証ごっこ』開始♪

ちなみに、このときの撮像データは下記の通り

[ZWO ASI1600MC-Cool]
Debayer Preview=Off
Pan=0
Tilt=0
Output Format=Fits files (*.fits)
Binning=1
Capture Area=4656x3520
Colour Space=RAW16
Hardware Binning=Off
High Speed Mode=Off
Turbo USB=80(Auto)
Flip=None
Frame Rate Limit=Maximum
Gain=400
Exposure=15
Timestamp Frames=Off
White Bal (B)=99
White Bal (R)=63
Brightness=10
Gamma=50
Temperature=-14.8
Cooler Power=30
Target Temperature=-15
Cooler=On
Auto Exp Max Gain=300
Auto Exp Max Exp=30
Auto Exp Max Brightness=100
Mono Bin=Off
Subtract Dark=None
Display Brightness=1
Display Contrast=1
Display Gamma=1


さて、今回の『検証ごっこ』は愛用のステライメージ6.5で行いました。

①同じ条件で撮像した20コマを位置合わせ無しで加算平均コンポジットしたものをAとします。
②Aを共通ダークファイルに指定し、コンポジット前のダーク画像20コマそれぞれにダーク補正バッチ処理を加えます。
③ダーク減算処理済みの20コマを位置合わせ無しで加算平均コンポジットします。

さて、どうなるでしょう??

え?
「そんなもの、全部消えて当たり前だろ!」
ですか?
まあまあ、そう言わずにもう少しおつきあいくださいな。

いきますよー。

ででん!
f0346040_02542272.jpg
 ※左:ダークファイル20コマのコンポジット
  右:ダーク補正済みのダークファイル20コマのコンポジット

意外ッ!
ダークファイルがダークファイルで消えないッ!!
なんというパラドキシカル(逆説的)な現象(笑)
(余談:ま、本業で教えている入試現代文なら「ダークファイルがダークファイルで消えない」には傍線を入れて、どういうことか?と問いますね。絶対。)
ええ、確かに相当に軽減されてはいます。でも、そもそも『実体が同じ物』なんですよ?。もっとバチッと消えて良さそうじゃないですか。



★一体どういうことなのだ??
なんだか狐に化かされたような気分ですが、気を取り直して原因を邪推してみましょうか・・・。

仮説①「フラクチュエーションとスレッショルドの喧嘩」説
個々のダークにはフラクチュエーション(揺らぎ)がある。そこに何らかのスレッショルド(閾値)が作用した結果、数学的には「個々の値から平均を引いたもの」の合計はゼロのハズだが、実際にはゼロにならない。

仮説②「ソフトウェアのロジック上の問題」説
いつもステライメージ6.5のバッチ処理でダーク補正を行っているが、それは「きちんと処理されているだろう」という盲信に基づいており、そのロジックを知らないため、なにか意図せぬ不具合が起こっている。

仮説③「パラメータの設定ミス」説
そもそも16ビット整数型の撮像ファイルに32ビット実数型のダークファイルを演算させて大丈夫なんだろうか?
(※一応、マニュアルにはそうするように指示されてはいます)

勘違いして欲しくないのですが、決してステライメージにケチをつけているわけではありません。
単にあぷらなーと自身が仕様やロジックを理解していないだけのお話です。



★困ったときの手作業
ブラックボックス化された自動処理が不安になったときは『マニュアル』に切り替えればよろしい♪
ほら、高度なテクノロジーを駆使した超兵器を扱う映画などでも、ピンチを切り抜けるときはたいてい手作業じゃないですかー(笑)

というわけで、ステライメージ6.5を用いて「マニュアル操作でダーク補正」する方法を考えてみた。
 ①20コマコンポジットした共通ダークファイルを読み込む
 ②素のダークファイル1枚を読み込む
 ③ワークフローに②のファイルから①のファイルを減算する操作を記憶させる
 ④バッチ処理で20コマのダークファイルそれぞれに③の演算を実行し保存する
 ⑤④で生成されたファイルを加算平均コンポジットする。
ま、理論的にはフルオートと同じハズなんですが・・・・。


すると・・・

ででん!!
f0346040_03250270.jpg
 ※左:ダークファイル20コマのコンポジット
  中:ダーク補正済みのダークファイル20コマのコンポジット
  右:マニュアル操作でダーク補正したダークファイル20コマのコンポジット

げげっ!
ぜ、全然違うやんかー!

・・・てことは、
無精してフルオートに任せず、真面目に手作業でダークを引けば画質が改善するかもしれないってこと??


★実写画像で試してみる
9月に『三連装にせBORG』で撮影した北アメリカ星雲のHα画像(ASI1600MM-Pro)にこの手法を適用し、差異が出るかどうか試してみます
あ、ついでにもしもダーク減算を行わなければどれだけ悲惨なことになるかも再確認しておこう♪

では行きますよー

ででん!!!
f0346040_03375307.jpg
 ※左:ダーク減算なし 中:オートでダーク補正 右:マニュアルでダーク補正

見づらいのでさらに拡大すると・・
f0346040_03364424.jpg
 ※左:ダーク減算なし 中:オートでダーク補正 右:マニュアルでダーク補正

左のダーク減算無しは論外(0℃冷却でも炙るとこんなに盛大なダークノイズが・・・これディザリングでも消せないかも?)として、中と右をよく見比べると明らかに右の方がホットピクセルが良く消えてます
まあ、過補正っぽい黒いノイズも出てはいますが、こんなのクールピクセル除去フィルタや必殺『クールファイル補正法』で退治できますし。


★ん?これって、もしかして・・・
「オフセット」(SharpCapで言うところのブライトネス)ってこれまで意識してなかったけれど、もしや、そういうことなのか??
(撮影時はもちろんのこと、ダーク減算などフラクチュエーションに起因する負の値が発生しうる際には注意が必要的な・・・・)

5が平均値の各データが[2,5,8]だったとして、演算ルールに「0以下の値はカット」という条件を加えた場合、
((2-5)+(5-5)+(8-5))÷3 が 0にならない」っていう類いの・・・・。

★★★以下たぶん続きます♪(台風25号のせいで)★★★

by supernova1987a | 2018-10-04 06:49 | 天体写真 | Comments(1)

人工星テスターで『のっぴきならない』こと発見?③

★どうせ晴れないなら・・・・
どうも最近天気が思わしくありません。観測タイムが取れそうな時に限って雨か曇り(涙)。
しかたがないので、「先日来悩んでいる件」を少し進展させることにしました。


★奇妙なゴーストのようなもの
前々回の記事にも書いたように・・・・

ミニBORG60ED+ASI1600MM-Coolの組み合わせで合焦位置から少し内側にずらして点光源(人工星テスター)を撮影すると「奇妙なゴースト状のもの」が発生することを見つけました。

ナローバンドフィルタを介して撮影するとこんな感じでした。
f0346040_08242295.jpg
 ※OⅢナローバンドフィルタ併用

最初、ピカピカのナローバンドフィルタ表面が悪さをしているのではないかと推測したのです、いざフィルターを外してみると・・・
f0346040_08255306.jpg
 ※ノーフィルタ

・・・こんな有様で、ノーフィルタだとかえって悪化するという始末。
この2枚の比較と、焦点内像にのみ発生するという特性から、「格子状に配置された撮像素子群が一種の回折格子として機能し、回折光がカメラ内部の保護ガラスに反射して結像しているのではないか」と推測しました。

お恥ずかしながら光学はちゃんと学んだことがなく、波動光学はかじったことすらない有様なのですが、高校物理レベルの超初歩的考え方で、EXCELくんを使って『シミュレーションごっこ』を・・・。
f0346040_08344392.jpg
はい。
格子状に並んだ撮像素子列(ORその間の溝)が反射型回折格子の溝として機能するという仮定の下で、「ある入射角で白色光が撮像チップに当たると、それがどのように分散して保護ガラスに反射し結像するか」のどんぶり勘定です。

対物レンズから収束する波面の位相を考慮していなかったり、焦点からのデフォーカス量を考慮していなかったり・・・と、光学にお詳しい方に見られると突っ込みどころ満載なのですが、その辺はいずれそのうち勉強しながら・・・ということでお見逃しを(笑)。ええと・・・まだどんぶり勘定なので、考え方とか数式とか定量的な推算値などへの言及はできません。

いいんです。
とりあえず、この仮定の下でスパイク状の像が生じるとすれば、「内側から順に青→緑→赤という順番でグラデーションが生じるはず」ということを計算してみたかっただけですので・・・。



★今度はカラーカメラで試してみる
例の記事でも書いたように、回折による分散が生じているのであれば、カラーカメラで撮影しておくべきだったんですよねぇ。モノクロカメラでは色が分かりませんので『検証ごっこ』のしようがありませんもの・・・。

・・・・というわけで
ミニBORG60ED再び屋内で出撃♪
f0346040_08555236.jpg
 ※実際の撮影は真夜中に行ってます。

先日ポチった簡易人工星テスターは色々な直径のピンホールが5つ開いているのですが、それぞれの回折像が重なると見にくいので、付属のマスクを取り付けてピンホールが1つだけの状態にしました。
f0346040_08585625.jpg
このマスクは磁石でできているので、ピンホール板にペチャっと張り付けるだけで調整できます。

では、冷却カラーCMOSカメラASI1600MC-COOLをミニBORG60EDに取り付けて『検証ごっこ』開始です♪



★回折像にピントが来るように調整すると
f0346040_09022674.jpg
 ※左:ゲイン300・0.03秒露光 右:ゲイン300・10秒露光

で、出たぁー

きれいな同心円状の焦点内像(写真左)が得られるピント位置ですが、ピントを変えず露光だけを伸ばしてみると右のようにスパイク上の光芒が多数生じていることが確認できます。
色の順番は内側から順に「青→緑→赤」・・・うむ。予想通りだ♪

では、ここから少しずつ合焦位置にずらしていきます。


★少し焦点に近づけると
f0346040_09110936.jpg
 ※左:ゲイン300・0.02秒露光 右:ゲイン300・10秒露光

本来の像(人工星の像)がシャープになった代わりにスパイク上の光芒は薄れましたね。

さらに焦点に近づけてみます。


★焦点位置よりも少しだけ内側だと
f0346040_09135662.jpg
 ※左:ゲイン300・0.0035秒露光 右:ゲイン300・10秒露光

人工星はかなりシャープになり、ピンホール板と遮光マスクが見えますね。
スパイク状の光芒はかなり薄れてほとんど視認できません。

・・・が
気のせいか「なんかイヤなパターン」が見えてきたような・・・・

ええ、実は今回の『検証ごっこ』は「正体が回折であるらしい」ことを確かめる以外に、「合焦位置(天体にピントを合わせた状態)では変な光芒は出ないか」ということを確認する意図があったのですよぉ。いわゆる『サッポロポテト現象』のようなことは起こらないよね?っていう。

でも・・・・人工星の周囲に変なパターンが出てきたの分かります??

では、いよいよ合焦位置に持ち込みます。


★焦点位置では
f0346040_09225111.jpg
 ※左:ゲイン300・0.00034秒露光 右:ゲイン300・10秒露光

ぬう?
なんぞ、これ?!
f0346040_09282405.jpg
なんか双曲線と漸近線がセットになったような気色悪いパターンが11時方向と8時方向に出てます。いうなれば『魚の骨みたいな光芒』(笑)

ええー!?
ってことは、きっちりとピント合わせた状態でも明るい恒星の周りには常にこんな『へんてこ光芒群』が写ってるってことに・・・・。ううむ、これは謎が深まるわー。・・・いえ、決して喜んでいるわけでは・・・・(少しあるかも)。



★非対称ってところが厄介
この『双曲線群と漸近線』ですが、上下左右に均等に出てくれてればまだ解釈のしようがあるんですよねぇ。でも「なんで11時方向と8時方向だけなんだよ?」っていう・・・。

犯人説①
 人工星のピンホール付近で生じている現象
犯人説②
 望遠鏡内のどこか(対物レンズとか遮光環とか)で生じた現象
犯人説③
 カメラ内部で生じた現象

うーん。どうしよう?
あ!
これ、カメラだけを90度回してみれば③かどうかが分かるんじゃ?

A:カメラの回転と関係なく像に付随して写る
 →①か②が犯人
B:像と関係なくカメラの回転に追従して動く
 →③が犯人

よし、早速やってみよう♪


★カメラを90度回転させてみると
f0346040_09440751.jpg
げげっ!
意外ッ、全部はずれ
像に付随していないし、カメラにも追従してこない・・・(泣)

ええと・・・・
いや、ちょっとまて・・・。
ああ、ひょっとするとこれ、「スケアリングが出てなくて、カメラを回転させるとボケた回折像どうしの干渉条件が変わる」ってオチ?


★とりあえず暫定的まとめ
焦点の内側から徐々に焦点に近づけた場合、点光源像の周囲に展開する光芒は下記のように変化することが分かりました。
f0346040_10014152.jpg
①大きめの焦点内像の周りには分散を伴うスパイク状の光芒が生じる。
 これは撮像素子列が回折格子として作用した結果生じていると推測。

②スパイク状の光芒は焦点位置に近づくにつれ薄れていくが、焦点位置付近では『魚の骨状』の不可思議な光芒が発生する。
 これはカメラに起因すると思われるが詳細原理は不明。

うーん。
いったい何なんだ、この怪光『魚の骨』は・・・・。

そういえば、最近「あれ?屈折望遠鏡のくせに(スパイダー回折のような)光芒が出てないか?」って悩むことがあったのだけど、今回『検証ごっこ』で見つけた諸々が効いているのかもしれませんね。


★★★お約束★★★
①あぷらなーとは波動光学を学んだ経験がありません。エクセルの画面は『ネタ』だと思ってください。
②スパイク状の光芒が出るのは撮像素子の配列に起因すると思われるので、全てのデジタルカメラに発生可能性があります。
③これ以上の考察&検証は(知識不足で)無理かもしれません(笑)。


by supernova1987a | 2018-09-24 10:22 | 機材 | Comments(9)

クローズアップレンズ転用対物レンズ一斉比較

★本当に『そう』だったっけ?
最近どっぷりとハマっているクローズアップレンズ転用『にせBORG』作りなのですが、ケンコーのクローズアップレンズを用いた場合
 ①シングルレンズタイプは論外
 ②アクロマートタイプは実用になる
 ③ただしACNo3だけは像が甘い
という結論を出していたのですが・・・・

※自分でも「いつぞやの記事に書いたよなぁ」と思いつつ、発掘に手こずっていたところ、なんとHiroponさんが素早く発掘して関連記事にリプライしてくれてました♪Hiroponさん、恐るべし!


さて、ところが今になって思うと
「本当にそうだったのかなぁ?」
などとチョッピリ不安に(笑)。
と言うわけで・・・・


★クローズアップレンズ5種類イッキ比較!
f0346040_19333907.jpg
今回比較するクローズアップレンズは次の種類。
 ①シングルタイプMCNo3(333mm相当)
 ②アクロマートタイプPro1D-ACNo3(333mm相当)
 ③アクロマートタイプACNo2(500mm相当)
 ④アクロマートタイプACNo4(250mm相当)
 ⑤アクロマートタイプACNo5(200mm相当)
これをそれぞれBORGのパーツに組み込んで『にせBORG』に仕立てあげ、昼間の電柱を撮影して比較テストしてみます。
使用するカメラはASI1600MC-COOLです。このカメラは赤外線に感度がありますので、その影響を緩和するためZWO純正のIRカットフィルタを併用してカラー撮影を試みます。



★普通のクローズアップレンズだとこうなる
一般的なクローズアップレンズはシングルレンズ(1枚玉)です。本来の使用用途はカメラのレンズの前に装着して、より近くの被写体にピントが合うようにすることです。言わばカメラ用の老眼鏡ですからシングルレンズでも事足りるわけです。ただし、さすがにシングルレンズを対物レンズとして用いると色収差と球面収差が盛大に発生して、フワフワ・ボケボケの像になります。
f0346040_20043453.jpg
 ※対物レンズ:クローズアップレンズMCNo3 カメラ:ASI1600MC-COOL ノートリミング

まあ、これはこれで「味がある」描写なので風景写真やお花撮影には使えそうですが、少なくとも天体には不向きですね。
☆注:正確には72mm径を52mm径に変換して用いたので特性が少し異なるかもしれません。(52mm径のシングルNo3は中学生の頃からマクロ撮影に愛用してましたが、いつのまにか紛失・・・)


★ACタイプのNo3になると・・・
ケンコーのクローズアップレンズには先述のシングルレンズタイプの他に、2枚玉のAC(アクロマート)タイプが存在します。
たとえば先ほどと同じ焦点距離333mmのNo3でも、ACタイプだと、こうなります。
f0346040_20115394.jpg
 ※対物レンズ:クローズアップレンズPro1D-ACNo3 カメラ:ASI1600MC-COOL ノートリミング

ピクセル等倍でシングルタイプと比較すると
f0346040_20132570.jpg
 ※左:シングルNo3 右:ACNo3 100%トリミング

このように色ニジミ・ボケともに相当に改善していることが分かります。
でも・・・天体用としてはまだ甘いんですよねぇ。



★他のACタイプも試写してみる
では、他のタイプについて試写してみましょう。
まずは、焦点距離500mm相当のACNo2
f0346040_20170106.jpg
 ※対物レンズ:クローズアップレンズACNo2 カメラ:ASI1600MC-COOL ノートリミング

拡大表示するまでもなく、相当に良くなったことが分かりますね。口径が同じでF値が大きくなった訳ですから当然です。

次に、焦点距離250mm相当のACNo4
f0346040_20203264.jpg
 ※対物レンズ:クローズアップレンズACNo4 カメラ:ASI1600MC-COOL ノートリミング

はじめて対物レンズとして使ったときに仰天したんですよねぇ、これ。
だって、F値が小さくなってシャープさが増すなんて想定しないじゃないですかー。
でも明らかにNo3よりもシャープに見えます。
(厳密には『すこし線が太い』描写なので、解像度が高いというよりはコントラストが高いイメージと言う方が適切かも)

最後に、焦点距離200mm相当のACNo5
f0346040_20164298.jpg
 ※対物レンズ:クローズアップレンズACNo5 カメラ:ASI1600MC-COOL ノートリミング

これまた意外っ!
F4のアクロマートなのに随分とスッキリとした写りです。

こうなると、やはりACタイプは『No3だけが特別に甘い』という印象ですね。



★ACタイプ4種を比較してみる
では、像の大きさが同じくらいになるように、それぞれの画像の倍率を調整して一気に比較してみます。

すると・・・

ででん!
f0346040_20295760.jpg
 ※左から順に No2・No3・No4・No5

レンズを取っ替え引っ替えしているうちに光線の具合が変化したので厳密に公平な比較とは言えませんが、16ビットRAWのSerファイル64コマをデモザイク+スタックした他は一切画像処理していないので、それぞれの持ち味は分かりますね。

というわけで、『追実験ごっこ』した結論は・・・・
 ①シングルレンズタイプは論外
 ②アクロマートタイプは実用になる
 ③ただしACNo3だけは像が甘い
のままでしたー。

え?
「ナローバンドで撮影してもこの傾向は変わらないのか?」
「人工星テスターで見た焦点内外像はどうなのだ?」
「以前、ハルトマンテストするって公言してなかったか?」
ですと?

ええと・・・・それ全部『検証ごっこ』するのしんどいよぉ・・・。
い・・・いずれそのうちに・・・ね(笑)


★★★お約束★★★
☆今回の『検証ごっこ』は、あくまで「クローズアップレンズを対物レンズとして使う」という『邪道』における結果です。
「本来の接写用途」や「レデューサ代わりの用途」での優劣を表すものではありません。
☆コーティングの性能が良い(と思われる)Pro1D仕様かつACタイプがラインナップされているのはNo3だけなので、レデューサ用途ではNo3を愛用しています。
☆対物レンズそのものが甘く思えても、レジスタックスのウェーブレットやステライメージの最大エントロピー法を用いることで解像感は改善できます。
※例を2つ示します。
①「カラー画像をモノクロ化したものにウエーブレットしてLに。元画像をRGBとして、LRGB合成」を用いると下のように大幅な改善が見られます。
f0346040_23220455.jpg
 左:Pro1D-ACNo3による元画像 右:ウエーブレット後にLRGB合成したもの

②「カラー画像をRGBそれぞれに分解して、それぞれに最大エントロピー法を(半径を変えながら)各3回実施し、最後にRGB合成」を用いても下のようにかなりシャープになります。
f0346040_23422487.jpg
 左:Pro1D-ACNo3による元画像 右:RGBそれぞれに最大エントロピー法で処理した後にRGB合成したもの


by supernova1987a | 2018-09-16 20:45 | 機材 | Comments(8)

人工星テスターで『のっぴきならない』こと発見?②

※ご注意:前半は「前振り」で、後半が「本題」です

★『ど変態機材』には困難が山積み
一見、着々と魔道の兵器を量産しているように見えるあぷらなーとですが、実はその陰で『黒歴史』も量産しておりまして、試作品の段階ではお蔵入りしそうになるのがたいていなんですねぇ。
ただ、今年は『やりたいことリスト』を公言しているだけに、少なくともその大半は実現したいものだと楽しく悪戦苦闘してます。

例えば・・・
①二連装『フルアーマーBORG』89EDのファーストライトを敗北に追い込んだ『日の丸ゴースト』
f0346040_20424271.jpg
冷却CMOSカメラ3台とビームスプリッタを投入して組み上げた『フルアーマーBORG1号機』ですが、ファーストライトでそのうちOⅢバンドを担当したASI1600MC-COOLの画像が・・・・
f0346040_20443059.jpg
こんな有様で壊滅!・・・名付けて『日の丸ゴースト』(笑)。ちなみにビームスプリッタは使ってない筒なのにフラットも全く合わないという始末。

後日これは、レデューサ代わりに使っていたケンコーのACクローズアップレンズNo3が、この筒だけ「Pro1-D仕様」ではなく「ノーマル仕様」だったためと判明。
要するに、ピカピカのナローバンドフィルタの表面で反射したバックグラウンド光がクローズアップレンズの表面で反射+結像してしまったのではないかと推測されます。後日、見事に解消し、実戦投入に至りました♪


②ビームスプリッタ二連結による『三板式にせBORG』を「絵に描いた餅」に追い込んだ『斜め線ゴースト』
f0346040_22024591.jpg
相対角45度で連結した2個のビームスプリッタによってパララックスやライムラグなく三波長同時露光できるという『野心作』だったのですが・・・
f0346040_22042595.jpg
像自体は非常に解像度が高くて実用化まで行くかと思ったのですが、上図の通り、斜めに走るゴーストが頻発。これ、ゴーストというか斜め45度に設置した2個のビームスプリッタ間で生じた『像の二重写し』に近い物なんですよねぇ。ま、平行ガラス面が短距離に4つもあるんですから、さもありなん。
こちらは解決の光が見えず『お蔵入り』とあいなりました。

③ビームスプリッタ装備×二連装による『フルアーマーBORG・ペケーニョ』を「一時休止」に追い込んだ『ひし形ゴースト』
f0346040_22134162.jpg
BORG60ED+ビームスプリッタの二連装で4波長(Hα・Hβ・SⅡ・OⅢ)同時露光できるという邪悪な兵器ですが・・・
f0346040_22150528.jpg
特にSⅡ画像に上のような顕著なゴーストの大群が発生。しかも形状が円形ではなくてひし形っぽいという摩訶不思議な症状。
こちらはまだ原因が判明しておらず、調査中



さて、ここからが本題。

★今回の人工星テスター遊びで新たな現象を発見
これまでの諸々のゴースト像の正体を暴く一助になるかどうかは分かりませんが、興味深い現象を2例見つけました

その①:ピントをぼかしていくと再び現れる謎の合焦像
f0346040_02525805.jpg
これは、「ミニBORG60ED+純正フラットナー+OⅢナローバンドフィルタ+ASI1600MM-COOL」という構成で人工星テスター(点光源が5つある)を撮影した物です。これ、中央の輝点ではなくて回りに広がる巨大な多重円が像本体です。で、真ん中にある輝点がゴースト
実は、思いっきり焦点より内側にカメラをズラしてボケ像を観察しようとしてたら、あら不思議。「ある程度内側に進んだところで鮮明な像がもう一度現れた」という顛末。しかもよく見ると各光源につき2匹ずつ生じてるんですね。

少しずつピントをズレして、その挙動を調べてみると・・・
f0346040_22433544.jpg
 ※左から右:順次カメラの位置を前後に変化させたもの

面白れぇー!なんか非点収差(サジッタル面とメリディオナル面とで焦点がズレること)が特盛りのダメダメ望遠鏡を見ているみたい。

要するにこれ、有害光を生み出す反射面が2カ所生じていて、しかもその間隔が近いと推測されます。

・・・となると・・・

「犯人は貴様かっ!!」

では、早速『対照実験』に移ります。
OⅢナローバンドフィルタのみを外して見たところ・・・・
f0346040_22283174.jpg
見事に解消♪

これ、皆さんが懸念されている「ピカピカのナローバンドフィルタ表面」に起因するゴーストで間違いありませんね。
もっとも、これは像本体とゴーストとの合焦関係を逆にすると分かりますが、実際の撮影では相当に拡散していることが予測されます。大きく拡散したゴーストは(淡くなるので)目立ちませんから、適切な距離を取って配置したナローバンドフィルタなら実害は少ないでしょうね。

「例えば①」で紹介した日の丸ゴーストも(クローズアップレンズのコーティング特性や曲率半径はもちろんのこと)そもそもナローバンドフィルタ表面の反射光が効いているの「かも」しれません。


その②:格子状に展開する奇妙なゴースト
「ミニBORG60ED+OⅢナローバンドフィルタ+ASI1600MM-COOL」という構成で色々と遊んでいたとき、今度は合焦面から少しズラした付近で奇妙なゴーストが出ることを発見しました。

f0346040_22383254.jpg
な、なんぞこれー!

なんという美し・・・否、邪悪なゴースト!
というか、なんかゴーストと言うよりも回折像っぽい趣。
よく観察すると、点状に結像しているグループと円形にボケたグループとに分かれています。

では、少しだけピント位置をずらしてみます
f0346040_22414621.jpg
ああ、なるほど、今度はゴースト像のボケ方が逆転しましたね。
要するに微妙に結像位置の異なる2種類のゴーストが同時発生しているということですね。

ふはははは。分かっておるわ。
これもナローバンドフィルタの表面反射でなんか起こっているのだろぉ?

早速、フィルターを外してみます
すると・・・・。
f0346040_22520592.jpg
き、消えぬっ・・・というか酷くなった・・・だと?
ぬかったー!
MMではなくMCで撮像すべきであったわ!

意外!ナローバンドフィルタは犯人じゃないようです!!
本来は上の写真のように線状に伸びたゴーストで、たぶん虹色に分光してるんだと思われ・・・で、ナローバンドフィルタはそれから特定波長のみを「切り取った」に過ぎないのだと。今後の『検証ごっこ』&『考察ごっこ』の課題ではありますが、これひょっとしてCMOSセンサー表面の微細構造が反射式グレーティング(回折格子)として作用していて、その分光像がカメラの保護ガラスに反射して結像した・・・・とかだと、ユーザーサイドで回避するのはほとんどムリなんじゃ・・・・。


★そういえば!
今回の件と直接関係はないかも知れないけれど、昔、デジカメで撮影した画像に赤や緑の格子状斑点がウジャウジャ出てるのを見たことがあったぞ?
・・・で、少しググってみた。

ほおー?
巷で
『サッポロポテト現象』
と呼ばれている症状に少し似ているなぁ。


★★★以下つづきます・・・が時間かかりそう★★★


by supernova1987a | 2018-09-11 07:28 | 機材 | Comments(6)

人工星テスターで『のっぴきならない』こと発見?①

★三連装『にせBORG』のファーストライト時に
先日、北アメリカ星雲などの撮影時に、ふとした気まぐれで恒星を用いた焦点内外像を動画撮影してみました。

だって・・・・「1600円レンズの威力を見るがいいっ!」なんて強がってても実際のところ不安じゃないですかー。
光軸が大幅にズレてない? 偏心が沢山残ってない? 球面収差でボロボロとか?
・・・・もう、心配材料が満載。
幸い、Haナローバンドで見る限りそれらは杞憂でして、むしろ「良すぎる」くらいだったのですが・・・・。


★焦点内外像でもっと遊びたいっ!
正直、屈折望遠鏡でこんなにキレイな回折像が撮れるとは思っていませんでした。
ほら、色収差の影響を避けるため、屈折望遠鏡のテストでは緑色のレーザーとかを使って焦点内外像ってチェックするんでしょ?
でも「ナローバンドフィルタを使えば単色光を用いたテストに肉薄できるのでは?」と思いついたのが事の発端でした。

・・・で、困ったことに(?)目論見が予想以上に当たっちゃったので、そうなると・・・・

ポチらねばなるまい


もしも今回の試みが成功したらポチろうかと思案中だった新兵器をポチッとな。

それは・・・・

ででん!
f0346040_01564588.jpg
はい。
LEDライトにピンホールを取り付けた簡易版の『人工星テスター』です。
ちなみに(心臓部のピンホールは上出来ですが)本体のつくりが非常にアレなので商品名などは割愛(笑)。
ま、百均のLEDライトよりも貧・・・ゲフンゲフン・・・ただのライトなので固定法とか方向合わせの工夫が大変そうですが・・・。

ふはははは。
我が手元には(いつぞやミルククラウンの実験教室開催用に泣く泣く自腹購入した)「実験スタンド」があるのだよ!
では早速、人工星が実用に耐えうるかどうか軽くテストしてみますかね。

テストする望遠鏡にASI1600MM-COOL(一号機)を取り付けて、人工星を観察します。
f0346040_02153017.jpg
おおー。
意外ッ、ディ・モールト実用になるッ!!



★検証ごっこ①
『にせBORG』の波長ごとの挙動
まずは『にせBORG』がHaバンドとOⅢバンドでその挙動がどれほど異なるか軽くチェック♪
f0346040_02211877.jpg
 ※左上:Hαの焦点内像 右上:OⅢの焦点内像
 ※左下:Hαの焦点外像 右下:OⅢの焦点外像

本来の距離(10m以上)をとってないので、あくまで『雰囲気』ですが、HaとOⅢとでは(焦点のズレは盛大だが)球面収差の挙動は似ている気配
要するに、どちらも負修正(球面収差の補正不足)気味であることがうかがえます。
ただし、偏心とかの手に負えないエラーは無さそう。・・・ええ、十分ですよ。1600円のアクロマートなんだから。


★検証ごっこ②
 禁断の『にせBORG』VS「ミニBORG50アクロ」
さて、ほぼ同じスペック(口径50mm・焦点距離250mm)のアクロマート同士の禁断の比較(笑)。
比較波長はOⅢで行ってみます。
f0346040_02322053.jpg
 ※左上:『にせBORG』焦点内像 右上:ミニBORG50の焦点内像
 ※左下:『にせBORG』焦点外像 右下:ミニBORG50の焦点外像

ああ、完璧に負けましたね『にせBORG』
さすがは本物の望遠鏡。アクロマートとはいえなかなか見事な内外像!!
※若干非点収差っ『ぽい』挙動が見えますが、厳密に光軸上を測定したわけではないので詳細には触れません。

むう。
ミニBORG50アクロ・・・強敵であったわ。

あ、あと2個ほど欲しい・・・けどミニBORG50アクロの対物レンズ単体はもう販売されてないんですよねぇ(泣)。



★検証ごっこ③
「ミニBORG50」VS「ミニBORG60ED」

実戦を想定してどちらもマルチフラットナーを付けてOⅢバンドでの比較です。
これは流石に60EDに勝ってもらわないと困ります・・・。
いやー。ネタ的には「アクロマートの逆襲っ!」とか言ってても、「EDアポがアクロマートに負けてたまるかっ!」が本音ですもん。
f0346040_02452801.jpg
 ※左上:ミニBORG50焦点内像 右上:ミニBORG60EDの焦点内像
 ※左下:ミニBORG50焦点外像 右下:ミニBORG60EDの焦点外像

すげぇ!
ミニBORG60ED、完璧じゃないか!!
ああ、あと1個欲しかったのに、なんで無くなっちゃったんだろう・・・・。



★と、ここまで来て『のっぴきならぬ』気配・・・
うーん。実は、ナローバンド撮影を始めてから色々と悩んでたんですよねぇ。
なんだか不可解なゴーストめいたものが出るとか、輝星の像が不自然に思えるとか・・・。

・・・でね。
今回の『検証ごっこ』の途中で、見つけちゃった

こんな現象とか
f0346040_02525805.jpg
こんな現象とか・・・
f0346040_02552895.jpg
次回、簡単に『考察ごっこ』行ってみますねー。

★★★以下続きます★★★






by supernova1987a | 2018-09-10 06:41 | 機材 | Comments(10)

『ガチBORG』 VS 『にせBORG』

★戦艦と駆逐艦?

毎度~。怪しげな機材ばかりを量産中のあぷらなーとです。
しかし、同じ『三連装』といっても、そのスケールは全く違いますね。

こちらは『ガチBORG』三連装
本物のBORG89EDので組んだ89mmのEDアポクロマート三連装
f0346040_01395077.jpg
・・・で、こちらは『にせBORG』三連装
クローズアップレンズNo4で作った口径50mm相当のアクロマート三連装
f0346040_14322570.jpg
赤道儀とカメラが同一なので、そのスケール感の違いが一目瞭然ですね。
こりゃ、さしずめ「戦艦VS駆逐艦」の様相(笑)。



★条件や画像処理詳細は違いますが

せっかくですから、それぞれの三連装で撮影した北アメリカ星雲のうち、Haチャンネルで撮影した画像を拡大して、その戦力差をチェックしてみましょう。

カメラはどちらもASI1600MMProで、撮像温度0℃・ゲイン300・30秒露光です。
ただし、ガチBORGは120コマコンポジットで、にせBORGは240コマコンポジット
それぞれ『最善』と思われるところまで処理を進めています。

北アメリカ星雲のハイライトで比べてみると・・・・・

ででん!
f0346040_01521006.jpg
 ※左:『ガチBORG』 右:『にせBORG』

結構良い線行ってた『にせBORG』ですが、さすがに本物のBORGにはかないませんなぁ(笑)

とは言え、対物レンズだけの価格で比べると
 ガチBORG:10万7619円
 にせBORG:1600円
なんですから、まさに超弩級戦艦と駆逐艦とを比較するようなもの
コスパという面では『にせBORG』も十二分に健闘したと言うべきでしょうね。

あ、もちろん口径も焦点距離も違いますから、そのどちらが効いているのかは今後の『検証ごっこ』のお楽しみということで・・・・。
ええ、ここでACクローズアップレンズNo2に出番が回ってくる訳ですよー。

えへへ-。
「いつも無茶しやがって・・・」
と生暖かい目で見られているとは思いますが、一応今後の展開を考えた上で無茶してるつもりですので・・・。
(その伏線のうち約半数は闇に葬られるんですけど・・・ね。)


★そうそう『あれ』に言及しておかねば
よく聞かれるのですが
「240コマとかのコンポジットって大変でしょう?」
ってのがあります。念のため声を大にして主張します。

240コマの位置合わせコンポジットだと?
そんなものステライメージの6.5を使えば瞬殺だ!!

ちなみに、ASI1600MM-Pro(1600万画素の16bitモノクロFITS)で撮影した240コマの画像を、メインPCである自作Corei5機(6600@3.3GHz)で位置合わせコンポジットするのにかかった時間は・・・・

たったの1分43秒でした!

・・・で、こちらがコンポジット演算中の様子でして
f0346040_02153761.jpg
CPUはたったの21%しか消費してないし、メモリなんてたったの368MBしか消費してないっていう・・・。
(つまり、ボトルネックがもはやHDDのアクセススピードっていうくらいSI6.5のコンポジットは爆速だっていうこと!)
位置合わせも最初の1コマだけ開いて基準点を1個打つだけ。あとは全部自動でやってくれますしねぇ。
正直、200コマや300コマのコンポジットなんて何の苦労も要らないわけですよー。

なのに・・・なのに!
どうしてステライメージ7以降、仕様が変わっちゃったんだろう(泣)

ええ、一応、想像は付きますよぉ。
オートガイドとかの技術が一般的になったので短時間露光で数を稼ぐ(しかない)人は少ないであろうこと。
あとは・・・6.5の方式(ロジック)では位置合わせの精度が(ひょっとしたら)十分ではないのかもしれないってこと。

でも・・・・・。
「コンテスト入賞」とかのレベルの高い技術を追求する『正統派』以外にも、自己流でとことん楽しむっていう『邪道派』のアマチュア天文家だっていることも忘れないでいて欲しいなぁ・・・・なんてね。

by supernova1987a | 2018-09-08 07:49 | 機材 | Comments(8)


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